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sf小説・体験版・未来の出来事39

 火星の美女二人は海水浴に来たようだ。火星に海があるなんて信じられない気持ちの岩山岩蔵だったが、その二人の身長は二メートルは超えていて胸の膨らみも、その身長に、ふさわしいものだ。ザザーン!ドパーン!と波の音が聞こえた。二人の美女は海岸から海に入って行ったが水中カメラが二人の海中の裸体を捉えている。
それを地球の日本の福岡市の地下街にあるマッサージの店の中で見ている岩山と特団社長は、うつ伏せでいながら目を見開いた。女性マッサージ師は二人に目にかけるゴーグルを渡し、
「そのゴーグルでは操作不要です。あなた方が見たいと思ったものをズームアップしますよ。」
え?そんな夢のような機械が?と思った二人だが、うつ伏せのまま目に当てて見ると二人は、それぞれ臨む場所を瞬時にして望遠レンズで見るように倍率アップで見れたのだ。
 出会い系サイトの運営者・特団社長は金髪の全裸美女の海中で平泳ぎする、その揺れる白い大きな乳房を。
 市民党の国会議員秘書の岩山は長い黒髪を洋上に浮かべて背泳ぎする、その海面下での彼女の尻、それから海面上に浮かぶ彼女の双乳と股間を。絶景だな、これは!と岩山は思う。
 マッサージ女性は、
「そのゴーグルは脳内の願望を捉えて任意の視点から望遠レンズの倍率を自由に変えます。カメラは火星の海岸と海中に設置されていて電波に似たもので、この部屋まで映像を運んで来ているのですよ。」
うつ伏せの二人は合理的な?説明に納得した。とするのなら彼女も又?岩山は聞いてみる、
「あなたも、もしかして?火星人とかですか?」
彼女は静かに、うなずく。そして彼女は赤い唇を開くと、
「意外に簡単に日本に住めました。住民登録もヨーロッパの国から来ている人の親戚という事で登録しています。知人がヨーロッパに居ますからね。」
との話だ。
 二人は、それぞれ火星の海で泳ぐ海中美裸女の見たい場所に視点を合わせられた。もちろん、彼女らの女性器もタップリと眺められたのである。

 ここで市民党の本部がある東京から福岡市の野党の女性国会議員四十代に同年代の与党・市民党の女性国会議員にメールが届いた話を展開しよう。
 冬奈、春乃です。わたしたち、同じ大学の法学部を出て司法試験に合格して同じ法律事務所で働いていたわよね。だけど人口が減って悪い人も減ったから弁護士なのに仕事が減った。冬奈は故郷の福岡市に帰って市議会議員に立候補して当選、野党に所属して、その次が県会議員、それを十年して次に国会議員に当選したじゃない。わたしは市民党の男性国会議員の秘書を務めて十年後に東京で衆議院議員に立候補して当選した。それで今、お互い四十歳だけど独身で子供も無くて衆議院議員を勤めているのよね?冬奈。だけどさ、市民党の女性議員じゃないと男を手に入れられないと思う。あと十数年、市民党の議員でいて最大派閥に入っていると法務大臣の椅子にも座れるのよ、わたし。それまで、しっかりと男遊びしたいとおもっているのよね、冬奈。どうせ私達、見かけは派手じゃないし美人でもない四十路。金で男を買うのも何だし、ね。だけど男遊びしたいよね?冬奈。
どうなのかしら?冬奈。メール返信してね♪最愛の友、春乃より。

 福岡市中央区に福岡支部がある栄和党の事務所で国会議員の友達の北岬春乃からスマートフォンでメールを貰った夏鹿冬奈は休憩時間にトイレで春乃のメールを読んだ。(春乃ったら男遊びしているみたい。十何年で法務大臣か。それは与党の市民党なら定番のコースなのよね。でも私は野党の栄和党。男遊びも出来ないし大臣の椅子にも座れない。実は私、栄和党の男性国会議員に恋心を持ってしまったけど、その人は妻子持ちなので諦めたわ。春乃は、そんな事は、ないみたいだけど。結婚を考えた男性との数回のセックスしか経験がない私。栄和党の男性議員に独身者は、いないし。でも私、議員なのよね、マスコミだって追いかけないし、自由はある。男遊びかー、してみたいわねー。)トイレから事務所に戻り、窓の外を見ると夕焼けで通勤帰りの背広服の男性社員が通りを歩いていたのを目にした夏鹿冬奈であった。
栄和党の事務所以外にも自分の事務所を持つ冬奈だ。四十歳、牡羊座の血液型はB型。ついでに九星は八白土星と、それは、どうでもいいわけだが。ホロスコープの第七室に星がないために結婚は諦めている冬奈である。三十八になった二年前、冬奈は新しい占いの部屋を訪れた。それは福岡市中央区のマンションの一室で六十歳の女性占い師で眼鏡を掛けて帽をかぶり、ナイスシニアと声を掛けたくなる初老の女性だが机の向こうの椅子には、その老年女性占い師の横にハンサム美男子の男性が座っていた。
 その占い師は冬奈を見て、
「いらっしゃい。私の隣に座っている二枚目君は、私の助手なの。」
と話し、その美青年は機械音で、
「ようこそ、神秘占いの館へ。ボクハAIヲ持って、イマスケド、スベテ占いノ、データ、デス。トナリノ先生ガ打ち込んだンデス。ボクハ下半身はナイノデ、安心シテネ。」
ト自己紹介シタ。
 老女占い師はハンサムAIの背中に出ているデータを見て冬奈に、
「あなた国会議員なのね。結婚は諦めているでしょう。」
とズバーンと占断した。
椅子に座っている冬奈は驚いて、
「そうです。当たりましたわ。なぜ、分かるんですか?」
「それはね、人相から分かるのよ。女性が結婚を諦めると眉毛の位置がね、似たものになるの。あなたの眉毛の位置は、まさに、それね。」
と深遠な人相学の話をした。続けて女性占い師はハンサム君の背中に出ているデータを読むと、
「それにね、女性が国会議員になった、とか、なっている時の人相って、あるのよ。この見方は秘伝で教えられないけど。」
と占断する。
冬奈は益々、驚いて、
「驚きましたわ。人相学って奥深いですね。」
「ええ、そうなのよ。あなたの生年月日を、この紙に書いてみなさいよ。ボールペンは、これ。生まれた場所と時間も書いてね。」
冬奈は急いで母から聞いて覚えていた生年月日と生まれた場所を紙に書いた。占い師は、それをハンサム君の口の中に通すと、
「これで貴女のホロスコープが出てくる。わたしが、それを解説します。」
十秒もかからずに冬奈の誕生日のホロスコープがハンサムAIの背中のディスプレイに出た。星位天球図という円形の図形である。十二の部屋に分かれている。占い師は、
「あなた。七室に星がないわね。あなたは結婚に興味が、ないようよ。」
とズバリンーと指摘した。冬奈は驚き、
「そうなんだと思います。独身ですもの、今でも。」
「でも処女じゃ、ないようね。」
冬奈は、ふふ、と含み笑いをすると、
「ええ、でも経験は少ないです。」
「でも貴女の人相では今後、男性と発展しそうだわ。誕生日だけでなく、あなたの近々のホロスコープを見てみるわね。」
と話すと、占い師はハンサム君の背中のパネルにあるキーボードを動かした。それは現在の冬奈の星の位置を示すホロスコープが出ている。それを見て所々、茶色の髪の老年女性占い師は、
「ふむ。もうすぐ友人からメールが来るみたいね。なにか男の話題かなー。」

 それを冬奈は思い出していたのだ。歩いて自分のマンションの部屋に帰りながら。夏鹿冬奈は自分が所有する分譲マンションの部屋で窓ガラスの外に映っているビルの夜景を見ながらビールとワインを交互に飲み、テーブルの上に置いたスマホを手に取ると北岬春乃から着信したメールを見ると新しいメールが届いたピンピラピン♪という着信音と共に彼女の目につく。
 春乃だよー 明日、市民党の福岡県本部に行くことになったの。国会議員の特権で新幹線フリーパスで福岡まで行く。その後で冬乃と会いたい。どうですか?

夏鹿冬奈としては親友の訪問は是非もなく嬉しい。それで
うん、いいねー。政治的要件が済んだら連絡してね。

 と、返信した。翌日、新幹線で午後に博多駅に到着した北岬春乃は東区馬出にある市民党福岡県本部を訪れた。受付から県本部長の利権田の部屋へ。利権田は初老の男性とは言え、若さを残している容貌、動作を北岬春乃に見せると椅子に座ったまま、
「おう、北岬さん。待っていたよ。将来は法務大臣だと聞いている。福岡県本部へ、ようこそ。」
と歓迎した。
春乃はニコリとして、
「野党の友人を何とかして市民党に入党させようと思うんです。」
彼女の服はクリーム色の上下。利権田は春乃の近くの横長の椅子を右手で示すと、
「座っていいよ、北岬さん。」
着席した彼女に利権田はオールバッグの髪を右手で撫で上げると、
「一人でも多くの議員を市民党に入れる事が重要だ。そうすれば日本の利権は我が党のものになる。北岬君も法務大臣になる前に様々なポストに就く事になると思う。副大臣という椅子もあるしね。与党という政権党で我が市民党は長い間、内閣というものを自由にしてきた。それで利権も取り放題。選挙の時には老人と無智な若者を洗脳すればいいし、老人には全国温泉の旅一週間のパックツアーに無料で行ってもらう。その際に旅行会社に発注するわけだが、ここにもリベートという利権が取れる。
政治資金として献金してくれるのは経団連は勿論だが、旅行会社もある。老人には無料旅行を提供し、それを主催する旅行会社からはバックマージンを取る。こんな旨味のある生活は役人には出来ないからな。選挙で国民から選ばれたんだ。利権、取り放題の政策、総裁はね、経団連のために市民党は働けば、いいと私に本音を漏らしてくれたよ。東京の永田町にある市民党本部でね。
 若者はアニメで、たらしこめば、いい。無料アニメ映画観賞券を後援会を通して市民党支持の若者に送る。その時も又、アニメ制作会社との、やり取りの中で利権を取れるよ。北岬君、君もいずれは党内の重要な仕事に触れると思うが、いかに票を集め、利権を集めるかが大事か、という事だ。どうせ日本人の大半は馬鹿だからな。」
北岬春乃は異な顔をして、
「国民の生活のために働くという党の公約では、ないのですか?」
利権田は気軽に、うなずくと、
「あれは表向きのモノさ。月にも表と裏があるだろ。太陽にも表と裏がある。だから市民党にも表と裏があるんだわさ。ところでな、北岬さん。あんた、男は今、いるのか?」
と私生活、いや私性活について問い正した利権田県本部長の顔は好奇心に満ちてニヤニヤしている。不意打ちという質問に少しは動揺した春乃では、あったが立ち直り、
「いいえ、県本部長。永らく独身、これからも独身の私、だと思います。」
と両手を両膝に乗せて答えた北岬春乃に利権田は、
「それは勿体ないようだねー。ひどく見劣りのする容姿とかなら、ともかく、出る所は出ているようだし、」
と言いつつ、春乃の胸と尻を虫眼鏡のレンズで太陽光を当てたように眺め回し、
「女の体としては申し分ないな。噂の立たないようには、しないといけないが政治家は、それほどマス雀に追われる事は無し、場の設定は我々でも出来る。」
「場の設定?と言いますと?」
「いや、なにね、料亭で会食するなどの場だ。市民党の福岡県連合会には古参の方で女遊びの達人が、いらっしゃるんだ。三万人は女を抱いているらしくてね。いわゆる三万人斬りという訳で、もちろん風俗の女性も入れてらしい。それがねー、その人は若い頃から初老まで東京でav男優だったんだそうだ。av男優って取り上げられなければ、意外と人に知られない。メーカー専属ではないし、顔も美男ではないし、それだけにカメラにも写されることのないAV男優だったらしいよ。六十になって福岡市に戻り、性感マッサージをしているらしい。それと同時に市民党に入党された。入党の際の保証人は私と総裁が、なった。総裁も、その人のavを見てファンらしいのでね。福岡市会議員くらいには、させてあげられるんだが、やはり性感マッサージの仕事の方が、いいらしい。
 それで、その人には市民党の女性議員の性欲を満たすためにマッサージ、その他、要望が女性議員から出ればゴムなしセックスもしている。」
ひやあ、と春乃は思った。そんな人が市民党に、いるんだ。
波口哄笑の利権田は、
「北岬さんも男干ばつじゃないかと思うね。三万人の女を抱いた男にマッサージでも、してもらったら?」
と誘いかけた。
春乃は自分の乳首が幾分、硬直したのを感じて、
「興味ありますわ。四十路ですけど、議員の仕事だけが女の生き方ではないと思います。」
了承のサインを春乃の瞳に見た利権田は両手で、かしわ手を打つと、
「よし、決まりだ。北岬さん、一週間ほど福岡市に滞在していくといいよ。ここの県本部にも泊まれる部屋は、いくつでもあるし。野党議員の友達と会ってきて、市民党に入党するように誘いかけてみたらいい。私のスマホの番号を教えるから・・・。」
という事で、春乃は利権田・県本部長に自分のスマホ番号を教えた。

 それから市民党福岡県本部を出た北岬春乃は五時過ぎにでも友人の夏鹿冬奈に連絡を取ろうと思った。
 栄和党の事務所から出て自分の事務所に戻った夏鹿冬奈は後援会の人達と、なごやかに話し合い、五時に事務所を出た。自宅に向けて百歩も歩くとスマートフォンが鳴る。
「はい、夏鹿です。」
ー春乃よ。今から会わない?冬奈。
「ええ、いいわよ。今、何処にいるの?春乃。」
ー天神地下街に、いる。
「じゃあ、今から歩いて天神地下街に行くわ。天神地下街の、どの辺に、いるの?春乃?」
ー天神駅の改札口から出て、すぐの所よ。
「わかった。それでは待っててね。」
人波が動いているような天神駅周辺で大型スクリーンには日本紅党の桜見党首の顔が映し出されている。それを見て夏鹿冬奈は(インパクトのある方法だわ。音声は出せない事情もあるのだろうけど。)栄和党は資金に乏しく、あの大型スクリーンに広告を出した事はない。
栄和党は貧困層の救済を政策に持っているために政治献金をする会社がないのである。冬奈の家庭も裕福ではなく学生アルバイトというか家庭教師などをやりつつ司法試験に卒業間際に合格するといった苦学力業の生き方をして来た。それが彼女が栄和党に入党する、きっかけでもあった。
 大型スクリーンを視点から外すと、冬奈は地下に降りる階段を降りる時にロボット・苦力(クーリー)の無料サービスを受けた。階段の降り口で人を背負えるように腰をかがめて背中に人を乗せるように両手を後ろに出しているロボットがいる。それに背負われるように乗り、ロボットの首の後ろにあるボタンを押すと背中に乗った人を両手で背負い、階段を降りていく。
階段を降り切るとロボットは背中の手を離し、おんぶしていた人が降りられるようにする。人が降りた後、ロボット苦力は再び階段を登っていく。
 ロボット苦力の利用者が多くないのは子供は利用できないのと階段を降りる速度が遅いためだ。夏鹿冬奈は北岬春乃に後でロボット苦力を教えてあげようと久方振りに今、ロボット苦力に乗ってみたのだ。(まずまずの安定感だわ)と地下街に降りたロボット苦力の背中から降りた冬奈は安堵と共に感慨を持った。
 駅改札口の近くに弁護士時代からの友、北岬春乃が一日万秋の思いで冬奈が来るのを待っていた。春乃は冬奈を認めると右手を振り、
「夏鹿さん、こっちよ。」
と声を出す。四十路にしては若い二人は再会を喜ぶ。夏鹿冬奈は、
「あっちの階段にロボット苦力が、いるのよ。無料で背中に、おんぶしてもらえるわ。」
北岬春乃は好奇心のある目で、
「そんなロボットが、いるのね。とても興味があるけど、今は私、あなたに話があるから。」
と答えると、夏鹿冬奈は納得して、
「そうなのね。それじゃ、ロボットカフェに連れていってあげる。」
二人は天神地下街のロボットカフェ、#ロボ・デ・コーヒー#に入る。
 平日の午後五時過ぎ、店内は賑わうほどの人は、いない。というのは普通の喫茶店の倍の値段のコーヒーをロボットが給仕しに来るからだろう。コーヒーそのものも高給豆を使用しているため、コーヒーマニアしか入らない店だ。ロボットには初期投資が必要だが、その後は電気代だけで済むので混雑するほどの客は不要なのだ。
 夏鹿冬奈と北岬春乃が座ったテーブルにも女性型ロボットが注文を聞きに来た。冬奈は「コーヒー」春奈も「わたしも、コーヒー」と豊満な体型の女性ロボットに注文した。
男性客なら喜びそうな胸と尻の女性ロボットで、ぱっと見た目にはロボットには見えないほどの外見であるし、冬奈と春乃の注文にも、
「承知いたしました。それでは、お待ちください。」
と答えた、その声も機械とは思えないものだった。厨房に戻る女性ロボットの尻は左右に振れてミニスカートの脚も白くて長く細い優美なものだ。冬奈は、
「話って何かしら?」と聞くと春乃は微笑して、
「市民党に冬奈、入党したら、いいわよ。」
と直言した。
夏鹿冬奈は戸惑いの色を目に浮かべると、
「市民党と栄和党では政策が違いすぎるわ。国会議員の給料は同じじゃないかしら。何故、そういう事を勧めるの?」
「女性議員に対する対応も違うのよ。独身の女性議員に市民党では色々な取り計らいがあるわ。男性秘書を二人、市民党から準備してくれる。筋肉質な三十代後半の男性二人が私の秘書に、なった。逞しいのは上半身だけでなくて、下半身、特に股間のナニが凄いのよ。」
と涎を出しそうな顔で春乃は冬奈に話す。冬奈は即座に察して、
「まさか、春乃。男性秘書と・・・???」
春乃は満悦した顔で、
「そう、ね。仕事が終わったら二人の男子秘書と体を交える日が多いかな、最近。」
と性交の記憶を思い出してか春乃の顔は淫蕩な色を浮かべる。
東京・赤坂の議員宿舎で北岬春乃は3Pセックスプレイを男性秘書と繰り広げる。下着になった春乃はベッドの上で四つん這いになり、上半身は背広を着たままの一人の男性秘書、下半身は、もう一人の背広を着た男子秘書の愛欲行為に身を任せる。
一人は春乃の乳房を揉み、キスをして舌を絡め、下半身担当の秘書は春乃の股間の花裂を舐め回した後、
「北岬先生、もう我慢できない。挿入しても、よろしいでしょうか?」
と極度の性的興奮の声音で聞いてくる。春乃は、もう一人の秘書に乳房を揉まれ乳首を指でなぞられた後、乳首を口に咥えられ両眼をトロンとさせて、
「入れて、いいわっ。わたしのパンティを脱がせた後でねっ、はあーんっ。貴方も全裸に、なるのっ。」
「はい、服は全部、脱ぎます!」
と答えた春乃議員の男性秘書は逆三角形の筋肉質の上半身を服を脱いで見せるとズボンを脱ぎ、すでに白いパンツは尖塔のような盛り上がりを見せている。それも手早く男秘書は外すと、モッコリーンと突きあがったビッグサイズの長大棒を先端の亀頭を照準のようにして春乃の後ろから見えている淫靡な花裂に突き込んでいく。
「ああーっ、逞しいいっ。すっごーい。前野君も全裸になりなさい。」
と自分の乳首を吸っている男秘書に呼びかける。その秘書は口を春乃の朱色の乳首から離すと立ち上がり、
「はい、先生。今、すぐ脱ぎます。」
と応えて、ただちに全裸となる。前野と呼ばれた男秘書も既に男の欲棒を最大限に隆起させていた。それを四つん這いで後ろから、もう一人の男秘書に連続的に貫かれつつ春乃は大きな目で見ると、
「前野君のモノも逞しすぎるわ。わたしの口に入れてっ。」
と指示した。前野秘書は、
「はい、先生。どうぞ。」
と春乃の顔の前に極限隆起した欲棒を差し出す。春乃は口を近づけて動物のように前野の欲棒を口に頬張った。
二人の若い男たちの肉欲棒を同時に味わえる喜びに春乃は大きな乳房を揺らせつつ、白い豊満な尻も激しく振っていた・・・。
 二人の秘書は、後ろから春乃に入れている男が、
「先生!もう耐えられません、出してしまいそうなので抜きましょうか?」と歯を食いしばって聞く、春乃は口の中の肉棒を一旦外して、
「中に出していいっ!抜かないでっ!」
と答えると尻を高く上げ、口から外した肉棒の所有者の秘書は、
「乱れている先生の裸を見ているだけで出しそうです」
とベッドに両膝を着いたまま云うので春乃は其の肉棒を口に咥える前に
「中に出しテ。」と答えると夢中で男秘書の欲棒を頬張った。そして、自分の赤い舌を欲棒に絡ませる。後ろの秘書の欲棒には自分の豊満尻を高く突き上げて左右に振る。二人の男秘書は、その動きから来た強烈な快感に、
「あ、行きます、先生。」と後ろの秘書、
「で、でますぅー。」と春乃の口に咥えられている秘書、
は同時に叫んで同時に白烈砲を発射した。

sf小説・体験版・未来の出来事38

 市民党員の岩山岩蔵は彼女が、いない。それは何故だか彼にも分からなかった。国立大学の法学部を卒業して一流商社の角紫(かどむらさき)で百貨店向けの営業を見習いとして先輩社員に同行中だ。研修中だが給与は、いい。それでも何故か女性との縁がない、(政治家になれば女を抱けるはずだ)と彼は思ったのだ。それで保守政党の市民党に入党したら事務局で茶色の封筒を渡され、今開けて見ると
ソープとファッションヘルスの利用回数券だった。(やはり、な!市民党の国会議員になるためには多くの女を知らなければ、いけない、抱かなければ、いけない。その手始めにソープ・・・福岡市では愛高島にしかソープはない。北九州に行けば地上にソープは、ある。どんな利用券だろう?)岩山岩蔵が眼を近づけて見ると、
全国共通ソープ・ファッションヘルス利用券
全国の加盟ソープ・ファッションヘルスの各店舗で、ご利用になれます
と説明書きがあり、北海道から沖縄までの加盟風俗店の店名と住所が載っていた。(これが市民党の力だ!女を抱くために国会議員になる、その願望を叶えてくれるのが保守政党の市民党だ。翼賛政治の伝統を復活してアメリカの子分で、在り続けるという世間には公表しない市民党の政策も教えてもらったけど、そんなのは女を抱ければ、どうでもいいんだな。北九州のソープ・・・)岩蔵はスマートフォンのネット検索で早くも北九州市小倉北区の船頭町にあるソープ店舗を見つけた。
知られているようで知られていないかもしれないが小倉のソープは福岡市の愛高島のソープより安い料金なのだ。市民党の福岡県本部は東区にあるために小倉はタクシーで行き、ソープを利用している古参の市民党員もいるという。福岡から小倉へタクシーとは運賃も跳ね上がるが、岩山岩蔵も、その手を使い小倉北区の船頭町へ行き、
降り際に余計に料金を払って、
「お釣りは、いいよ。ぼくは市民党員です。」
と先輩に指導された通りの遣り方を踏襲した。タクシーの中年男性運転手は驚きの目で、
「これは、どうも有難うございます。選挙では市民党に入れますよ。これだけのチップ・・・女房にも市民党に投票させますから、はい。」
と礼を言う。
岩山はソープの入り口で、
「やあ。可愛い娘は、いるかい?」
と気軽に尋ねた。黒服は揉み手をすると、
「これは、ようこそ、おいでくださいました。可愛い娘は、沢山いますよ。十代も続々入店。パンデミックで仕事のない女性、客室乗務員も入店です!」
これは異な話。客室乗務員は福岡市に住んでいるはずだが?店内に入ると岩山は、
「客室乗務員は福岡市の空港の近くに住んでいるんだろう?北九州市小倉北区のここまで来るか。」
黒服は鼻の下の黒ひげを人差し指で撫でると、
「ええ。福岡市のソープは愛高島に移動しました。そこへ行く面倒さと福岡市内では客室乗務員だと知られていたりするので、もし、お客さんが自分を知っていた場合、というのもあるらしいですね。愛高島に行くより小倉北区の船頭町の方が来やすいんです。」
岩山はウムと、うなずき、
「回数券を使っていいんだね?ここは。」
と念を押すと、
「はい、勿論でございます。と、いたしますと、お客様は市民党の党員の方ですね?」
「ああ、そうだよ。入党祝いに貰ったんだ、利用券をね」
黒服は腰を低くすると、
「ありがとうございます。全国ソープ・ファッションヘルス共通利用券は市民党党員の皆様にだけ発行されているのです。」
と、うやうやしく話した。
 岩山にしても初めてのソープでは、なかった。まだ愛高島に移動していなかった中洲のソープには月に一度は通っていたのだ。大学生時代の話で、その金を稼ぐために家庭教師もしていた岩山岩蔵である。国立大学の現役学生という事で家庭教師の需要は、福岡に幾らでもあった。中洲のソープでマットプレイをソープ嬢に、してもらっていた岩山岩蔵は即立ちした竿を握られて、
「国立大学の学生さんじゃないかしら?お客さんは。」
とマットの上で横に寝ているところを顔を近づけられて
聞かれる。岩蔵は亀頭が破裂しそうなほど膨らむのを感じて、
「いいや、私立大学ですよ。親父から貰った小遣いで来たんだ。」
ソープ嬢は意外な顔で岩蔵の肉竿を、しごきながら、
「そーなの。わたし、人を見る目は鋭いと思っていたのよ。意外だわね、お客さん、頭も良さそうなのに。」
早めに岩蔵はイキそうになるのをコラえると、
「ああ。そとづらは当てにならないよ。もうハメさせてくれ。」
ソープ嬢は右手の動きを止めて、
「それなら騎乗位でイク?」
「ああ、お願いします。」
マットの上で性器を交合させる二人。ソープ嬢の鮮やかな腰の振り方に岩蔵は一分で射精したのだった。

 次の日、岩蔵(国立大学の学生の頃の)は大学の講義を終えて、家庭教師の仕事をしに東区の豪邸へ向かった。父親は実業家として成功しているが古くから続く豪商一族であるという。
そこの一人娘の家庭教師を岩蔵は頼まれている。父親は岩蔵に古めかしくて畳敷きではあるが洋風の椅子に腰かけて、
「あなたも、さあ、どうぞ。腰かけてください。ブランド物のヨーロッパの直輸入のソファです。いやあ、なんというか一度ね、今、はやりのAI家庭教師をレンタルしましたけど、娘も成績が上がらないし、このままでは大学には入れなくなりそうかなという状況でした。三か月前に貴君が来てからは娘の成績も上がり始めましたよ。予備校には行かせないでウチの仕事をやらせていますが、フルタイムで働かせるわけには、いかない。岩山さんが来る前には仕事を終わらせています。きのう十九になった娘の愛夢(あいむ)です。おう、愛夢、岩山さんが来たヨ。自分の部屋に行って、教えてもらいなさい。」
応接間に姿を見せた振り袖姿の愛夢だ。愛夢は両腕を組むと着物の袂が揺れて、
「はーい。岩山さん、行きましょう、私の部屋へ。」
岩山岩蔵は立ち上がると後ろ姿の愛夢の尻を見ながら、ついていく。着物を着ていても尻の大きなことが隠せない愛夢だ。左右に揺れる愛夢の尻。長い廊下を歩くから岩蔵はタップリと男を誘うかのような愛夢の尻を着物の上からでも眺めて彼女の部屋に入る。
豪邸なだけに娘の部屋も十畳はある。大きな机の上に大きなノートパソコンが開いていた。
愛夢が椅子に座ると着物の上からでも分かる大きな胸の盛り上がりが岩山岩蔵の視界に入る。岩蔵は立ったまま、
「この調子だと、どの国立大学でも合格しますよ。僕としては教えることは、もうないのでね。明日は試験だね。頑張って受けに行こうよ。何か質問は、ありますか?」
愛夢は上目遣いで岩蔵を見上げると、
「市民党について教えてください。」
と聞いた。岩蔵は、
「ん?市民党?知らないな。大学入試には出ませんよ。」
部屋の中にはドアがあり、それが開くと愛夢とそっくりの女の子が洋服姿で出て来た。彼女は岩蔵に、
「こんにちわ。わたしが本物の愛夢よ。最初の授業を受ける時から、そこにいるロボットのわたしと入れ替わったの。」
とズボンを履いて立ったまま告げた。
岩蔵は信じられない顔で、
「それでは。ココに座っているのはロボット?」
ロボットの愛夢はニコニコして、
「そうです。わたしは御嬢様そっくりに作られたアンドロイド。今度、御嬢様の代わりに大学の入学試験を受けに行くし、合格したら大学にも行きます。」
岩蔵は、
「それにしても・・・どこの会社が君を作ったんだい?」
ロボットの愛夢は、
「わたし、半分以上は人間です。脳内は人工がほとんど、ですけど。会社はサイバーモーメントですわ。わたし、御嬢様と同年同月同日に生まれました。」
岩蔵は半分納得した顔で、
「双子って訳ですね。よく似ているものな、あなた方は。」
半アンドロイドの愛夢は、
「ただし母は違うんです。わたしの母は愛人ですの。だから日陰の身で、わたしも母と同じ境遇ですけど贅沢もさせてもらっています。それに本名も御嬢様と同じ名前の愛夢で戸籍に届け出ています。」
岩蔵は理解した顔で、
「なるほど。それにしても脳内は人工ですか。どうして又、そんな事に?なったんですか?」
「あ、それは。・・・・。」
アンドロイド愛夢は少女の頃、崖から転落して脳を全て損傷した。脳死の状態なのを全て人工知能に移し替えることで生きて行けるようになったのだ。岩蔵は興味深い顔で、
「そうですか。ほんじゃあ、これから大学生活ですね。確かに貴女は頭が良すぎると思いましたよ。記憶力が特にねえ。」
アンドロイド愛夢は表情を変えずに、
「褒められて喜ばなければ、と考えますけど。それは巧くプログラムされていないですね。ですので私、感情表現が稚拙なのだと思います。土台、人工知能は完璧では、ありません。」
それにしても和服姿のアンドロイド愛夢の胸は大きく、時折、魅惑的に揺れる。身体は生身の女性なのだ。岩蔵は、
「通学は和服では目立ちすぎますよ、念のためにね。」
と忠告するとアンドロイド愛夢は、
「それは分かります。近代国家日本の成立と共に日本人女性の服装が暫時、着物から洋服に変遷していくのは歴史的事実として厳然と残っているのは欧米諸国との明確なる違いであるという事が出来ますね?先生。」
「そうですね。服は気を付けましょう。貴女は魅力的ですから。」
と岩蔵は言うと立っている本物の愛夢を見た。
すると、いつの間にか本物のというか、百パーセント人間の愛夢は、いなくなっていたのだ。ドアの向こうに行ったのだろう。

 アンドロイド愛夢が着物を着ているのは自宅の中だけだ。国立大学の試験を合格して快晴となって通学する事になる。岩山岩蔵の家庭教師の仕事は終わった。と同時に岩山は総合商社の角紫に就職して市民党に入党する。福岡市議会の半数を占める市民党、日本紅党は、これから一議席を狙う。
 岩山岩蔵は会社が終わると市民党の手伝いに走り、又しても女との出会いは無くなっていく。老舗の一流商社の角紫(かどむらさき)では新入社員には残業も長時間、させる事がある。そんな時は岩山はスマートフォンで、
「すみません、今日も会社の残業で市民党に来られなくなりました。」
と市民党の福岡県本部(福岡市東区馬出)に電話する。岩山の電話は県本部長に繋がり、
「いいよ。仕事が一番だから。岩山君にも、いずれ市民党公認の立候補者に、なってもらうけど、それまでは仕事を頑張ってください。」
との返事だった。本部長は固定電話を置くと、
「福岡一区から当選した女性議員の妻駄伊井代は旦那とのアレは、しばらくないらしいな。」
と目の前の男性秘書に話す。五十代の男性秘書は好色そうに、
「妻駄は清楚に見えて男好きなんですよ。旦那は七十の市会議員、市民党ですよね。」
本部長は六十代らしく、
「ああ、そうだ。時々、女性秘書に手淫を、してもらっていると本人から聞いたよ。それで妻の伊井代には立たないんだろうな。」
「秘書は二十代の美人。伊井代は三十五、でしたっけね?本部長?」
本部長は、うなずくと、
「伊井代という妻が清楚でも三十路だからな。衆議院議員選挙で当選したのは伊井代の美貌のせいだと言われている。ま、市民党公認の妻駄伊井代だから最初から当選確実だった。昔の腐敗した保守政党のように金で自滅しては、いけない。その辺は君も覚えて置け。新たな資金源はビットコインもあるからな。」
と示唆する市民党福岡県本部長だ。
男性秘書は、
「分かっております。カジノを福岡市に誘致できれば市民党の利権になりますよね?本部長?」
「ああ、もちろんだとも。カジノ経営者には市民党の、うま味を知ってもらう。」
「金と女、ですね?本部長?」
「あー、そーだ。いつの世にも、その二つで政権は取れるし、市民党は日本の政権を取っている。東京本部は、おとなしくしているけど裏ではカジノや国策企業と癒着して東京の芸者は意のままに動かせるし、タレントのバカ女は全部、市民党の金を渡してある。」
「潰れていないテレビ局の馬鹿どもにもでしょ?本部長?」
「あー、そーだ。東京のテレビ局は日本一の馬鹿がやっているから金と女で、どうにでもなるさ。選挙の時は市民党に有利になるように番組を作らせ、金を渡す。馬鹿プロデュサーには神楽坂の美人芸者でオマンコ攻めすれば市民党の思いのままだ。」
「東京の芸者のオマンコは市民党が抑えていますからね、本部長。」
「それに国立大出と商工会議所、経団連もな。日本の庶民なんて表を入れさせるのは簡単だよ。テレビで煽ればいいし。」
「落ちぶれたテレビ局が欲しいのは金ですよね?本部長。」
「そうだ。それにプロデューサーは女で、どうにでもなる。日本のテレビ局は、その程度のものだからな、大昔からな。」
「市民党の前に長く続いた保守政党も、そうしていたんですかね?本部長?」
本部長は煙草を取り出すと口に咥えて、電子ライターで火を点けると、スパー、ふーっと紫煙を吐き出し、
「だろうかな?どの程度かは知らないが、金と女の政治の世界。男とセックスレスの女性議員には当て馬を、つけてやってオマンコさせては、いただろう。男欲しさに保守政党に入るなんて昔の常識だろう。」
中年秘書は淫猥な笑みを浮かべて、
「女性議員も議員宿舎で男とヤリタイ放題でしょ。男と遊べるから国会議員になる、なんて例もあるそうですね。」
本部長は深く煙草を吸うと、
「市民党の女性議員は特に、そういう例も多い。そのために選挙戦は必死で戦う。それで今は妻駄伊井代が福岡一区では当選しても旦那との夜の政治がねー、不満だとさ。」
「なーるほど、ですねー。妻駄議員の性欲を満たしてあげないと爆発するかもですよね?本部長。」
市民党福岡県本部長は煙草を右手に挟んで、身を乗り出すと、
「おまえ、どうだ?妻駄とハメまくっては?」
「えっへっへっへ。でも、遠慮しておきます。なんかネット記者が、うろついているみたいですからね、近頃。」
と答えると中年男性秘書は頭をゴリゴリと掻いた。福岡県本部長は再び煙草を深く吸うと遠くを見る目で何かを考えていた。
 
 総合商社・角紫の仕事で岩山岩蔵は背広を着てアンドロイド愛夢のいる豪邸に営業に行く事になった。接客の為の広い応接間から出てきたのは清楚な女性だ。三十路では、あるが仄かな色気も感じられる。礼儀正しく部屋の中に御辞儀をすると、扉を閉める。応接間の隣の部屋が待合室で、今、岩山岩蔵は待合室のソファに座っていた。出て来た清楚な三十路女性は白の上着に白のスカートで、白いハンドバッグを持っていた。座っている岩山を見ると、
「次の方ですね。どうぞ。入れますよ。」
と国会議員の風格で話した。
岩山は会釈して、
「ありがとうございます。もしかして貴女は市民党の方ですか?」
清楚三十路は目をパチリンとして、
「ええ、そうです。国会議員の妻駄伊井代です。よろしく、お願いしますね。」
と深く頭を下げると黒髪を揺らせて部屋を出ていった。僕も市民党に入りました、と言おうとした矢先に妻駄伊井代に通り過ぎられたのだ。(やはり市民党の党員、しかも国会議員か。おれにも見る目が出来て来たな。ん、応接室に入ろう。)扉を開けて中に入るとアンドロイド愛夢、それに愛夢の父親である唐竹割太郎(からたけ・わりたろう)が鼻髭を伸ばして座っていた。彼は岩山を見ると、
「やあ、お待たせ。さっきの女性の話が長くてね。まあ、ソファにかけなさい。」
焦げ茶色のソファに座ると岩山は、
「あの人、国会議員なんですよ。妻駄伊井代議員。」
と話を持ち掛けると唐竹割太郎は豪快に、
「ワハハハ。知っているさ。市民党への献金を依頼しに来たんだ。ま、いくらか献金するさ。政治資金規正法内の献金だから鼻紙程度だけどね。」
と話すと膝に乗って来た白猫を抱えて猫の頭を撫ぜてやる。岩山は身を乗り出して、
「僕も市民党に入党しました。唐竹さん、よろしくお願いします。」
「そうか。それは、いいな。市民党に頼めば官公庁の仕事も楽に手に入る。妻駄伊井代議員にも少し頼んでみた。もちろん献金をスマホ決済した後でね。」
 唐竹割太郎も市民党議員に献金していた。それは驚く事では、ない事実だ。唐竹は白猫の背中を撫ぜて、
「岩山君も市会議員になればワシも君に献金するよ。福岡市役所の奴らを動かすためにもな。政治家というより日本の政治家の旨味は利権と女だ。福岡ソープランド連合会も市民党に政治献金しようと働きかけている。それだけは腐敗と堕落の市民党でも拒否しているという話だ。風俗を見下さなければ自分たちが、いい恰好できないしな。それに市民党ではソープに行かなくても女性議員に手を付ければ、いい。とワシは聞いたよ。妻駄伊井代議員も市民党の福岡県本部長が味見する予定だそうだが、広島でマスコミに知られているから福岡では、というところらしいね。妻駄伊井代議員のセックスレス性活は一年になるらしい。旦那が七十だし、立つものも立たなくても老人として看過されてもいいからな。」
と詳しく話してくれた。
無言だった岩山は、
「愛夢さんはアンドロイドでしたね。アンドロイドでない愛夢さんは大学に行くのですか?」
白猫の目が光った。カメラのレンズのようだ。唐竹割太郎は、
「アンドロイド愛夢の役割は終わった。異母の愛夢は大学に行かせる。アンドロイド愛夢にはウチの仕事を覚えてもらう。最近一年間は逆の態勢だった。という事で、どちらの愛夢も今、ここには居ないよ。角紫の社員として来たのなら何か勧誘でも、してみるといい。」
初めての営業だけに岩山岩蔵は話を切り出すのに苦労した。クラウドファンディング、そう、それを話すのだ。
「実は弊社ではクラウドファンディングを始めました。出資していただける方を募集しております。」
白猫は主人の膝から降りてテーブルの下に行き、岩蔵の脚の近くに来て座る。彼の股間を見上げる白猫。唐竹割太郎は、
「ほお。クラウドファンディングねえ。いい企画だな。で、それは、内容は、どんなものかな?」
「博多湾に大型船を常時停泊させてホテルにするというものがあります。出資者様にはホテルオーナーと、なっていただき安定した宿泊収入を得ていただくというものです。」
唐竹割太郎は両眼を大きくして、
「面白いけどパンデミックで旅行客は制限される時があるよなー。」
「それは、そうですが宿泊だけでなく賃貸としても貸し出せば、いいわけです。」
「なるほど。家賃収入だね。それは面白い。船の上での生活だ、安く貸してあげたいね。」
博多港と呼ぶべき場所は特に決まっていない。人工島のアイランドシティも北側は海に面している。岩山岩蔵は営業車でアイランドシティの新たに出来た船着き場に案内した。
韓国へ行くクルーザー船も、ここから出港する。そこに巨大な船が停泊していた。豪華客船だが役目を終えた船舶のようだ。その船に岩山と唐竹割太郎は乗り込む。船室も多数、あるらしい。廊下を歩きつつ岩山は、
「この船室の何室かを所有出来ます。既に何人かのオーナーさんが現れました。民泊施設として使っていますよ。」
確かに船室の何室かは民泊の表示がドアに張り付けてある。唐竹は船内のあちこちを貪欲に見渡して、
「外国人に貸せば儲かりそうだ。すぐ近くの船着き場には韓国からの旅行者も来るんだろう?」
「ええ、大人数で訪日してきますよ。彼らの悩みは宿泊場所ですね。ホテルにすれば、儲かります。」

 数日内に唐竹割太郎は豪華客船の数室を買い占めた。そのうちの一つにパーティ会場のような大広間もある。さっそくの祝日、そこでパーティが開かれている。
 市民党・衆議院議員・妻駄伊井代議員を囲む夕べ
という垂れ幕が会場に掛かり、立食形式での会場となっている。三十人ほどの入場者がいて、背広を着た男性が手に手にワイングラスを持っている。会場の中央に白服の妻駄伊井代議員が立って、白い手袋をして激励に来て握手する入場者に応えていた。建設会社の社長らしき男性は右手に麦酒の大ジョッキ、左手に焼き玉蜀黍(とうもろこし)を持ち、妻駄の前に立つと左手の焼き玉蜀黍を口に咥えて左手で妻駄伊井代議員と握手した。その手を外すと口に咥えた焼き玉蜀黍を持ち、
「妻駄さんの別荘建築はウチに、お任せください。」
と、だみ声で話しかける。

sf小説・体験版・未来の出来事37

流太郎はガラスの中の裸身の男性たちを見つめながら、
「機械で管理される方が正確では、ありますね。人間なら間違いもありますし。」
と意見を言うと籾山は両手を自分の腰に当てて、
「そうだろう?時も参加してもいいよ、これに。」
流太郎はハッとして、
「この発電システムにですか?」
「ああ、そうだ。体験してみるのも悪くは、ないね。」

 街には左翼が溢れ出す。福岡市でも遂に市民は左翼志向となり左翼思考となりつつある。左翼が勝利となれば、それは正道となり、もはや左翼とは呼ばれなくなるのだ。
福岡市の博多駅地下街にある日本紅党本部は天神地下街にも支部を置いて通行人の関心を惹いた。天神地下街は博多駅地下街の侘しい人の通りの十倍以上の人の流れがある。コロナ閉店した喫茶店の後に日本紅党の支部が姿を顕わした。
喫茶店の店舗を、そのままにしているために内部はガラス越しに見える日本紅党の天神支部だ。外の通行人からは党首の桜見世子の演説が大型スクリーンに映し出されている。中に入ると桜見世子の映像だけでなく声も聴ける。喫茶店と同じ座席があり、そこに座ると外に見えているのとは別のディスプレイに桜見党首の演説が映し出されている。桜見党首の声も聞こえる。セルフ方式でインスタントコーヒーは無料で飲める。カップは紙コップで飲み終わったらゴミ箱にセルフで捨てる。
初めて入った人たちには女性の紅党員が内部の説明をした。
「ようこそ、紅党天神支部へ。」
と挨拶した若い女性党員が続けて、
「利用料金は無料です。コーヒーはセルフで飲んで下さい。飲み終わったらゴミ箱に捨てて外に出てくださいね。」
と明るい笑顔で入場者に話した。
時を経ることなく、日本紅党の天神支部は人で一杯となった。

高野山での修行から福岡市に戻って来た勢快人。福岡市の天神の繁華街で東京の男の友人とバッタリ、ピッタリと出くわした。その友人は、
「勢君、じゃないか!ひさしぶり過ぎるなあ。」
と話しかけた。快人は彼を見て、
「おう、他能見(たのみ)君。ホストは、どうだい?」
「東京では無理っぽくなってね。福岡に来たんだよ。アルバイト的に中洲のホストクラブに出ているけどさ。今、左翼がモテるんだね、福岡でも。」
快人は初耳という顔で、
「そうか?左翼か。ふーん、それならオレも左翼になろうかな。」
「そうだよ。なればモテるし。道で立ち話も、なんだから喫茶店に行こう。」
「ああ、行こう。」
他能見(たのみ)と快人は天神地下街に降りて喫茶店に入る。若い女性サイボーグが軽々とジャンプしながら注文を聞きに来る店で、有名だ。客も昼過ぎでも満席に近い。
他能見と快人が席に座ると女性サイボーグ・ウェイトレスが注文を飛ぶように移動して聞きに来た。二メートルは跳躍しつつ、移動している。その際に彼女のミニスカートは激しく揺れる。他能見は、
「マンゴー・コーヒー二つ。」
と若い女性サイボーグに注文した。彼女は復唱して、
「マンゴー・コーヒー二つ、で御座いますね。畏まりました。お待ちくださーい。」
それから飛ぶように厨房に戻り、数分後に銀の盆にマンゴー・コーヒー二つを持ってきたが、その際はジャンプしてこなかった。
他能見と快人はマンゴー・コーヒーを味わう。他能見は、
「それでね、左翼になるとモテ度が三倍は違うんだ。」
快人は両眼を大きくすると、
「そうかい?それは凄い。」
「だろ?左翼で理論武装する。日本紅党の党首の桜見世子の電子書籍を読むと、いいよ。」
「分かった。桜見さんの党が急進する左翼だね、って事は知っていたよ。」
他能見は快人を見直すと、
「その頭、カツラなんじゃないか?勢君。」
と指摘すると快人は自分の頭に右手をやって、
「ああ、良く見抜いたね。カツラさ。高野山で修行していたからな、おれ。」
他能見は得意そうに、
「剃髪した頭じゃホストは出来ないからね。勢君。」
「そうだ、そうだよ。おや、スマホに連絡が来た。」
と快人はズボンのポケットからスマホを取り出してメールチェックをすると、
「呼び出しが来たよ。葬式のね。」
それを聞いて他能見は、
「葬式。かあー、さすが坊さん。登録しておいたの?どこかに。」
「そう、福岡市内の葬儀会社に葬式の出来る僧侶として登録しておいたんだ。」
快人は福岡市南区にある葬儀会社に僧侶の登録をしに行った。面接官はAIロボットで、
「読経ヲ、シテクダサイ。」
と機械音で言うので快人は葬式用の読経をした。それを聞き終わった男性の形をしたロボットは、
「合格デス。ワタシノ頭ノナカニハ読経ノ合否ヲ判定デキル基準ガ打ち込まれてイルノデス。」
と話すのだった。
数万円の葬式も、あるにはあるが、それでは物足りない顧客もいて百万円は出すので葬儀をしてほしいという依頼があり、顧客の望みは真言宗による仏葬だったので快人が呼ばれたのだった。
 他能見といた喫茶店を出て快人は葬儀会社に連絡して天神の車が止め易い場所で、葬儀会社の車を待つことになった。ほどなく霊柩車が現れたので快人は助手席に乗る。運転手は初老の男性で快人に、
「えらく又、若い坊さんだね。でも立派に見えますよ。」
とカツラを取った快人に話した。快人は、
「葬式用の服を着ないと、いけないから城南区の・・。」
「いえ、そこまで行かなくてもウチに坊さんが着る服は用意していますよ。」
と運転手は言うので快人は、
「ああ、それなら、そうしましょう。」
と同意する。
南区にある葬儀会社の建物は広い敷地にあり、セレモニーホールで葬儀が行われる。そこに快人を載せた車は入ると、運転手も快人の後から車を降りて、
「セレモニーホールで葬式が夕方に、ありますよ。それまでに服を着替えて待っていてください。」
と話す。
会社の建物の中に入ると快人は女子事務員に案内されて更衣室に連れていかれた。薄墨色の僧衣に着かえた快人は僧侶の広い待合室でノンビリと腰かけたまま、煙草を吸った。
 黒い制服を着た女子事務員がドアを開けて顔を出すと、
「お葬式が始まりますので、セレモニーホールに、どうぞ。」
と声を掛けた。
葬式用の僧衣を着た快人は煙草を灰皿に捻り潰して立ち上がると女子事務員の後を歩いてセレモニーホールに向かう。
 式場には多数の会社員らしき人達が黒い背広を着て待っている。会社の社長が死んだようだ。遺影も髭を生やした老人男性の顔が写っている。七十代か、と思われる個人の顔だ。
会場は不思議に悲しみの感じられない様相だった。年も死に、ふさわしい年齢の社長であったのだろう。喪主は社長夫人らしい女性が黒い喪服の着物を着て快人を待っていた。老齢の死んだ社長にしては若い、若すぎる未亡人だ。二十代前半に見える女性、それに美人なのだ。快人に未亡人は軽く頭を下げると、
「喪主の榊星です。よろしく、お願いします。」
と低い声で挨拶する。快人は数珠を右手に持って、
「こちらこそ、よろしく。」
と挨拶を返した。
 真言密教の葬式を終えると参加者の大半は会場を出ていった。後は火葬場にマイクロバスで移動して家族、親族らで弔う事になり、そこへは僧侶は同行しない。その移動の前に喪主の若き美人未亡人は快人に、
「今晩、自宅の方に、お越しください。祭壇も設置していますので主人を、もう一度、弔ってもらいたいのです。」
と話す。快人は合掌すると、
「それでは連絡をください。ご自宅の方は私は存じませんので、その辺は、よろしく、どうぞ。」
はた、と気づいた顔で未亡人は、
「ええ、運転手を迎えにやりますわ、御坊様。」
と明るい顔を快人に向けた。

 日没の遅い福岡市でも夜の八時には太陽は姿を消す。城南区の住アパートにいる快人のスマートフォンが鳴る。手にすると快人は、
「もしもし、」
すると若い女性の声が、
「あ、今日は御葬式で、お世話になりました榊星です。今から運転手を迎えに、やりますので拙宅に来てください。」
「ええ、分かりました。場所は、わかりますか、私の住所ですが。」
「ええ、葬儀会社に問い合わせていますよ。それでは。」
電話が切れる。
それから一分もしないうちに玄関ドアが叩かれた。快人は立ち上がると「はーい。」と声を出して玄関に行く。玄関の外では「運転手ですー。」という呑気な中年男の声がした。ドアを快人が開けると、帽子をかぶった中年のタクシーの運転手に似た男性が丸ブチの眼鏡顔で、
「こんばんわ。社長に言われて、お迎えに上がりました。勢さんですね。」
「ええ、今、社長さんから、お電話がありましたよ。」
「うちの社長は気が早いんで、私には少し前に車で迎えに行くように言われました。さあ、行きましょう。」
「服を着ます。追善供養のための僧服を。」
「あ。そうですね。お待ちします。」
快人はドアを閉めると部屋に戻り赤色の僧衣を着るとドアを開けて、
「さあ、行きましょうか。運転手さん?」
運転手は眼鏡をズリ上げると、
「おー、坊さんらしくなりましたね。下に車は停めています。」
白のスポーツカーに二人は乗り込んだ。城南区から南区の女社長の邸宅までは、そんなに遠くはなかった。南区でも郊外で、近くには牧場や乗馬クラブがある裕福な地帯に未亡人の、というか美亡人ともいうべき若い女社長の邸宅は周りを圧するように建っていた。運転手は行く途中で、
「うちの社長は秘書だったんですけど、頭のいい女性なので社長室長から常務、専務、副社長になりましてね。副社長の時に先日、なくなった社長の後を継いで社長になったんです。結婚して一週間でしたよ、最初の社長が死んだのは。」
とハンドルを握りつつ後部座席の快音に話した。快音は、ゆったりとして、
「そうなんですね。若い女性に夜、頑張り続ければポックリと死ぬこともありますよ。うちの実家では親父が、よくそういう葬式を見て来たと話していましたから。」
と語った。運転手は、
「あ。そうなんですか。金のある男性は決まって年寄ですよ。でも体は、もう、あんまり元気は、ないし・・・着きましたよ、お坊さん。」
低速で車は走行すると自動で開く門の中に滑り込む様に入る。緑の樹木が建ち並ぶ大邸宅だが日没後なので邸内の明かりでしか様子は、うかがえない。車から降りて運転手に玄関まで案内された快人は玄関ドアが開いて女未亡人社長が玄関に立っているのを見た。女社長は洋服に着替えていた。微笑顔の彼女は、
「ようこそ、さあ、お上がりください、お坊様。」
と話した。
長い廊下を若い女社長の歩くと左右に揺れるミニスカートの豊かな尻を見ながら快人は歩いて行く。季節も六月の半ばで外は既に初夏の陽気だ。左の部屋のドアを開けて若い未亡人は立ち止まり、
「この部屋ですわ、お坊様。」
室内には巨大な仏壇があった。檜の香りのする仏壇だ。高さは二メートルは、ある。日本一巨大な仏壇は高さは6.5メートル、幅は3.8メートル、奥行きが2.5メートル、重さは2トン、という福岡県八女にある。が、これは個人所有のものではない。材料費は3500万円である。それに対して女未亡人が今、快人に見せた仏壇は個人所有のものだ。内部は金色に輝いている。長い髪で顔は半分隠れている未亡人は、
「この仏壇の金色の部分は純金なのです。24Kで金メッキでは、ありません。故人が既に所有していました。死ぬのが分かっていたのかな、と思いますよ、わたし。」
そこで顔に掛かった長い黒髪を右手で払いのけると美しい若い女性の顔が快人に見えた。快人は、
「こんなに素晴らしい仏壇は私も今まで見た事が、ありませんでした。真言宗の宗旨ですね、この仏壇は。」
左から不動明王、真ん中の本尊は大日如来、右は弘法大師・空海の順に掛け軸が掛かっている。その下の段には故人の位牌があった。快人に問われて未亡人は、え?という顔で、
「そうなのですね。わたし仏壇の事は分かりません。ただ故人が葬式は真言宗で挙げてくれ、と言っていたものですから葬儀会社には真言宗の御坊様を、と手配しました。」
快人は長い裾の両手を合わせて、
「ありがとうございます。これも確かな御縁で、ございます。」
と僧侶らしく頭を下げる。若い未亡人は笑顔で、
「勿体のう御座いますわ、お坊様。お顔を上げてくださいな。」
快人は両手を離すと頭を上げた。
それから巨大な仏壇の前に行くと敷いてある金色の座布団の前に正座した快人は仏壇に備え付けの鐘をチーン!と鳴らすと、十三仏真言を唱え始めた。十三仏とは不動明王から始まり虚空蔵菩薩まで十三の存在の事で、十三の真言を唱えて追善供養とするものだ。
それほど長いものでは、ない。それが終わると快人は立ち上がり、
「これは、お布施は要りません。無料です。それでは。」
と帰りかけると未亡人は快人の腕を抑えるような口ぶりで、
「待ってください、お坊様。今のは大変ありがたい御供養でした。ですが・・・。故人の遺言が、ございます。」
快人は片方の眉を上げて、
「ゆいごん、と申しますと?」
「ええ、それは・・・・。」
美しい未亡人は衣服を手早く脱ぎ始めた。驚く快人、でも止めるいわれは、ない。下着姿になった未亡人は服を着ていた時には見えなかった大きい乳房と幅広い下腹部を見せている。上に引き上げられた股間の白布は彼女の窪みを見せていた、つまりスジが浮き出ていて薄い布は美未亡人の股間の黒い茂みまでクッキリと顕わしてしまっていたのだ。快人は息を呑むと、未亡人は近づいてきて快人の両肩に自分の細い腕を回して顔を近づける。甘い香りが快人の鼻腔に侵入した。未亡人と快人の顔は、ほぼ同じ位置にある。二十センチの距離に近づいた二人の顔、快人は、
「あなたの下着姿を私に見せろ、というのが故人の遺言ですか?奥さん。」
美未亡人は甘い息をフーッ、と快人の鼻に吹きかけて、
「その程度では、ありませんわ。わたし、佐紀奈(さきな)と言います。主人は仏壇の前で坊さんとセックスしてくれ、と遺言しましたのです。」
「なんと、そうなんですか!珍しい遺言ですね。でも実行した方が、いいでしょう。」
美未亡人の佐紀奈はベットリと口紅の付いた自分の赤い唇を快人の唇に重ねた。先に彼女の赤い舌が快人の唇の中に入り、二人の舌はもつれあう様に絡み合う。仏壇に立てかけてある遺影の個人の目が光った。それを見た快人は唇を離すと、
「遺影の目が光りましたよ。奥さん。」
抱き合ったまま美未亡人の佐紀奈は、
「ふふ。ランプに、なっているの、遺影の目はね。それが凄い発明らしくて幽体が宿るとランプが点くというのね。ただ故人の幽体か、どうかは分からないのよ。でも多分、主人の幽体だと思う。まだ、この辺をさまよっていると思うわ。遺言通り、セックスしましょ。」と話した。
佐紀奈は快人に掛けた細い両手を離すと白のブラジャーとパンティを艶めかしく脱いだ。黒い股間の剛毛が快人の目に飛び込んでくる。快人も僧衣を脱いだ。なんと、僧衣の下は下着も身に着けていない快人だった。それには佐紀奈も驚いて、
「袈裟の下には身に着けていなかったのね、坊さん。」
快人は坊主頭を右手で触り、
「暑すぎる日は、こうしています。僧衣は帯で強く縛れば落ちることは、ないですからね。」
と話す快人。彼の股間のモノは垂直に隆起している。それを見て佐紀奈は、
「もっと立っても、いいのよ。この角度だと五十代の人ね。」
「奥さんを、もっと抱けば自然と反り返りますよ。」
二人は硬く抱き合い、佐紀奈の白い丸い乳房は快人の平らな胸で潰れそうになる位に形を変えた。佐紀奈の股間の剛毛地帯に快人の隆起した肉棒が当たる。佐紀奈は股間を広げたので快人は彼女を抱き抱えて、ゆっくりと挿入していく。
遺影の故人の瞳がオレンジ色に変化した。幽体の視線が興奮し始めたのを表しているらしい。故人の遺影は未亡人、佐紀奈の白い背中と大きな尻を見ている位置にある。その白い尻の中に快人の巨肉棒が這入り込んでいくのが遺影の写真の位置でもハッキリと見える。佐紀奈の豊満な尻を荒々しく掴む快人の両手。
すんなりと結合した二人だ。
ところが快人は異様な感覚に捕らわれた。自分の体内に霊体が入り込んで来た、という感覚を生まれて初めて感じたのだ。おそらくは美未亡人の故人となった夫の霊では、ないか。快人は自分の意志や気持ちとは別に、柔らかな若い未亡人の体を抱いて腰の振り方まで操られている気がした。
そのために彼女の亡き夫は若い妻に遺言していたのだ。その部屋の隅にはダブルベッドが、ある。それは部屋に入った快人は気づかなかったのだが、未亡人と立ったまま性器を結合させた状態で快人は向きを変え部屋の隅にあるダブルベッドに未亡人・佐紀奈の裸身を運んだ。それも快人が意図したものではなく憑依されて美未亡人の亡き夫が行なっているものらしい。快人としても、どうする事も出来ない。佐紀奈の全裸の上に乗り、自分の意志とは違う腰の振りをしてしまう快人に美未亡人は快人の裸の背中に爪を立てて、
「あっ、あなた!あなたの腰の振り方だわっ、ああっ、あああっ。」
と亡き夫との性行為を思い出した未亡人・佐紀奈は自分でも柔らかく大きな白い尻を快人の腰の動きに合わせて激しく振るのだ。彼女は三十分、故人の夫の霊に憑依された快人の性器に貫かれ続けて黒髪を振り乱し、背中を反らせると、
「アンドロメダ星雲に行くーっ!」
と叫んで、がっくりと裸身を弛緩させた。その時に強く性器を締め付けられた快人も多量の白液を大放出して終了したのだった。
未亡人から離れてダブルベッドの上に横たわる快人、
「奥さん、どうも僕は御主人の霊に乗り移られた気がします。」
佐紀奈は閉じていた眼を開くと乳房を揺らせて快人の方を向き、
「ほんとに、そうだわ。まるで主人と交わっているようだったわ。仏壇の前でセックスしてほしい、という遺言は、そのためだったのね、多分。」
と白い肌をピンク色に、ところどころ染めている佐紀奈は、そう答えた。快人は上半身を起こすと、
「今日は、これで失礼します。よろしいですか?」
「ええ。又、何か必要な時には連絡させてもらうけど、いいかしら?」
「ええ、勿論ですよ。いつでも、連絡下さい。」
下着を着ていなかった快人は袈裟を身に着けて邸宅を出た。
スマホアプリでタクシーを呼べるのは随分昔からの話だ。
 城南区田島の安アパートに戻った快人は今日の貴重な体験を、これからに活かそうと考えた。ただ、すぐに実行できるものではなく、或る技術も必要だ。それは、それで学び実践体得するのみである。
 そしてサイトで公開すれば、よい。快人も無料のサイトではなくドメインを取り、自分のサイトを持っている。ブログ形式なら日本語入力だけで出来ていくので快人はネット上の友人にブログ作成ソフトをインストールしてもらい、密教ブログサイトを作っているのだ。
未亡人の悩み相談を受け付けています
 必ずや解決するでしょう。特に性の悩みを当方は得意なものと、しています。
と快人が投稿すると、五分以内に応募が届いた。
 ”福岡市内の二十代の未亡人です。夫の喫茶店を今は自分が引き継いで経営しています。出張で悩み相談に来てくれるという事なので、ぜひウチに来てもらえませんか?」
快人はメールで、
「電話番号を送ってください。」
とスマホのメールアドレスを喫茶店の未亡人に送った。すぐに未亡人からメールの返信が届き、快人は、そこへスマホをかけた。
「もしもし、悩み相談の快楽和尚です。」
と話すと若い未亡人女性が、
「快楽和尚!お待ちしております。今日は喫茶店は休みの日なんです。住所を言います・・・・。」
「・・・・、ああ、博多港が見える場所ですか。」
「ええ、天神地下街の店から歩いて五百メートル程ですわ。」
「天神地下街は能古島まで続いているんでしょう?」
「ええ。でも店は能古島には、まだ出店していません。博多港の近くの地下街に店は、あります。大陸からの旅行客も多く来ますので店は繁盛していますよ。二十四時間喫茶で夜は女サイボーグに任せていますから。」
との事だった。