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sf小説・体験版・未来の出来事55

 フレッシュアイランドの自衛隊情報第三部隊から地上に出て、警衛門を出た流太郎はタクシーが近づいてくるのを見た。さっき乗ったタクシーだ。窓を開けた運転手は、
「さっきのタクシーです。乗りませんか?」
「いや、歩いて帰るよ。」
「そんな事、言わずに乗って下さい。運賃はタダでいいので。」
流太郎が歩行を停止したのでタクシーは彼の横に停車した。流太郎は、
「タダでいいって、本当ですか?」
「ええ、ええ。タダです。その代り北九州に行きます。帰りもタダで送りますから。」
後部ドアが開いた。流太郎は、
「これから人をスカウトするんです。」
「どんな人をですか?」
「なんというか、女たらしの達人の男。」
「さすがはネットニュースの運営者ですね。北九州にいますよ、女たらしの達人が。」
「え、そうなんですか。」
「私が知っていますから、その男にも引き合わせますし、その前に驚く場所に連れて行きます。」
それを聞いた流太郎は後部座席に乗りこんだ。ドアが閉まり、タクシーは発車した。流太郎は、
「北九州も人口は減ったでしょう。」
「日本全国、同じですよ。老人が、かなり減りましたね。それで儲かる職業がありますから。」
「葬儀屋ですか。」
「その通り。葬儀屋の上場企業の株価は空前絶後、という奴でさ。あたしゃ葬儀屋の株に全財産、突っ込んでいます。悲惨の影に繁栄あり、ですね。三十倍には、なっていますよ、葬儀屋の株は。」
「そうでしたねー。誰かの不幸は誰かの儲け、という事ですか。」
「私の仕事は、ずっとタクシーじゃないんですよ。」
窓の外は福岡市の東区の風景となった。
流太郎は、
「それでは前職は?」
「ええ。おいおい話します。とある北九州の大学講師でした、私は。それが、ある事で大学を追われましたんですよ。私を追放した人たちはアロナ・ワクチン接種のために全員死にました。」
「それは、どうも。聞かなかった方が良かったみたいですね。」
「いいえ、気にしないで下さい。アロナ・ワクチン接種のために日本人の三分の二が死んだから、私の夢は実現するといってもいいんですから。」
なんとも奇怪至極な話である。一体、どういう事なのだろうか。
「そうですか。夢は実現できると言いますよ。」
と流太郎は適当に合いの手を打つ。
「ははは。そうかもしれませんね。株で儲けたから、僕は牧場を買いました。そこに行きましょう。驚きますよ。」
「ええ。それは魅力的ですね。株で儲けても、それだけでは只の紙幣ですからね。」
「そう思います。」
「牧場の経営が夢だったんですか?」
「うん、そう云えるかどうか・・・。人口が減ると土地の価格はガクン、と下がります。僕なんかは、それで格安の土地を手に入れました。北九州も南に行くほど人が、いなくなります。福岡市に移り住んだ人たちも多いんです。
タクシー稼業も福岡市で、やる方が客も多いですから。」
「それで北九州市の人口は今、どれくらいですか?」
「三十万人位ですね。」
「驚きました。福岡市は七十万人位で、そこそこの人口は保っていますね。確かに福岡市も老人は消えましたよ。三分の二の人口は要らない人口だったのかもしれませんね。」
「それは北九州市では減り過ぎですから、当てはまらないかもしれないんですけど、私としては牧場が買えたので満足です。自宅を、もう一つとかは考えていませんね。」
福岡市東区を抜けた。
海に近い国道を個人タクシーは走っている。流太郎の昔の恋人の城川康美は北九州市の出身だったが連絡が取れなくなって久しい。そういえば時流太郎は恋人のいない期間が長すぎる気がしたが、安定した職業に就いていないから結婚も難しい。それに若者も若干はアロナ・ワクチン接種によって死んでいる。
福岡市を出ると別の県に来たような雰囲気となる。そういえば車も多くなかった。流太郎は、
「牧場というと牛を多数、飼っているんでしょう?」
「ええ、飼っています。人を雇っても儲かりますよ。牛乳市場に参入出来て、福岡市にも出荷しています。大手牛乳メーカーは人手不足で混乱していますから。」
「それでタクシーの運転手を継続しているんですね?」
「ええ。牛の飼育などは専門家に頼んでいますし。経営は一日、十分もあれば充分ですから。人件費は必要で出費も多いけど自分一人で、やったら朝から晩まで仕事になりますし、酪農を一から勉強しないと、いけませんからね。」

 タクシーは東南に走っている。やがて広い牧場が見えてきた。流太郎は窓の外を見て、
「あの広大な牧場ですか?」
「ええ、あれです。すぐに入れますよ、牧場に。」
タクシーは牧場の正面玄関の近くの入り口から中に入った。
建物の近くにタクシーを停めると運転手は、
「降りてください。」
と云い、後部ドアを開ける。
二人はタクシーを出た。運転手は流太郎の前に来て、
「申し遅れました。私、牛野放一(うしの・ほういち)と申します。」
「時流太郎です。よろしく、頼みます。」
二人は同時に軽く頭を下げた。
牛野は、
「それでは牧場を案内しますよ。ついて来て下さいネ。」
と気さくに話すと歩き始めた。
北海道にあるような広い牧場だ。
数十頭は放牧されている。飼育係の人達が乳牛の周辺に数人は立っていた。
牧草地を踏みしめながら流太郎は、
「本格的に酪農事業が出来ますね。」
と横で歩いている牛野放一に話すと牛野は、
「ええ、今は小さなスーパーに出せるくらいです。まあ、株の収入が、いいものですから・・・そうだ、上場企業に・・・でも投資して貰っても事業拡大の自身が無いんです。もともと僕は大学の講師で専門は考古学だった。祖父が相場師だったので幼少の頃から株を教えてくれたんです。それで中学生から株投資していたから大学を出た時には、ひと財産持っていました。それでもケチが趣味なくらいだから恋人も出来ず、結婚もせずに現在に至っています。
こんなになった日本のためにも結婚は、ともかく、子供ぐらい作らないと日本の為にならないんでは、と思いますね。」
草の匂いがしている中を歩き続ける二人、流太郎は、
「それでは・・・女と縁のない暮らしで、どうして女たらしの男を知っているんですか!?」
牛野放一はニヤリとすると、
「結婚していないだけで、女と縁のない暮らしはしている訳では、ないですよ。それで小倉の夜の街は誰よりもよく知っている程です。その時に知り合いになった男はソープ嬢千人斬りを達成しています。数千万円はソープ嬢に消えたわけです。」
「すんごい金を使っていますね。金持ちだなあ。」
「うん、ですが彼はヒモでした。女に貢がせた金を使ってソープに行っていたんです。セックステクニックを磨くのに一番いい場所はソープランドですよ。」
「それなら牛野さんも、ソープへ?」
「ああ、行きましたよ。小倉の船頭町にはソープランドが多いんです。最低月に一度。多くても毎週一度、だから、やはりケチですね。(笑)。」
「ふーむ。僕は数年に一度、ですかね。」
「そんなに。行かないんですか、時さん。あなただって、まだ三十代でしょう?」
「ええ、そうです。恋人と生き別れになって性欲が消えたようです。」
「いかんなー、それは、いかん。僕は四十代に、なりました。約束したように、その女たらしの達人に会わせますから。あの建物の中に見せたいものが、います。」
平屋建ての鉄筋のビルが間近に迫っていた。牛野は建物のドアにカギをかざした。それでドアは開いた。牛野は、
「時さん、ここは私しか入れない建物でしてね。さあ、入って下さい。」
流太郎は牛野に続いて建物に入る。自動空調設備なのか残暑も感じさせない室温だ。室温28度位だろう。
廊下は広かった。
牛野は、
「地下室に驚くべきものが、います。」
と振り向いて流太郎に話す。
廊下の突き当りは階段があり、それを降りると地下室になった。
あるドアの前に立った牛野は又しても鍵をドアに、かざした。
ドアが開いて見えたのは体育館のような広さの部屋で、中には恐竜が、いたのだ!
ステゴザウルス、に似ているが専門的な事は流太郎には分からない。腰が抜けそうになるのを、こらえるしかない流太郎。気を取り直して流太郎は牛野に、
「あれは作り物ですか、本物の恐竜に見えますけど。」
「本物です。まだ子供なんですよ。だから小さいんです。あれはステゴザウルスですから成長すると体長9メートルになります。今は3メートルです。草食ですから凶暴ではなく、飼い主の私には、なついています。」
と牛野は体育館のような部屋の中央にいるステゴザウルスに近づいて行った。
ステゴザウルスは牛野を見ると子供が親に対する様子で牛野に顔を近づけていく。牛野はステゴザウルスの頭を撫でてやった。
流太郎は部屋のドアの近くで動かないで立っている。遠くにいる牛野は流太郎の位置に気づくと、
「おおーい。時サン、安全だから、こっちに来なさいよ。」
と話して手招きした。
流太郎は恐る恐る歩き始めた。やがて牛野の近くに行ってもステゴザウルスは動かなかった。牛野は、
「もともと牛みたいに、おとなしいんです。あなたは私の知り合いだと思っているから、安心してください。」
背中に縦に並んでいるステゴサウルスの突起は敵と戦うためのモノらしい。
流太郎は、
「恐竜は絶滅したはずですけど・・・。」
と疑念を口にした。
牛野は笑顔になると、
「僕は考古学者でした。地層を深く掘って何かないかと探していたんです。ジュラ紀の地層で僕は卵を見つけました。
それが、このステゴサウルスの卵だったんです。気温の低い場所で乾燥していました。それでステゴサウルスの卵は孵化しなかった。孵化しても氷河期だったので死んでしまっていたでしょう。それが、どういう偶然かは知りませんが地層の中に完全保存されていたんです。
ぼくは、それを持ち帰り、一連の設備を購入して卵を孵化させました。そして目出度くステゴサウルスは、ここ日本の北九州市で誕生しました。
外敵も存在しないのでスクスクと育ってくれましたよ。」
「ステゴサウルスの寿命は?どの位ですか。」
「うん、長ければ70才くらいまで生きます。恐竜というと恐怖のイメージを持つ人が多いですけど、恐竜と人類は共存していた、という話もある位で。蜂を怖がる人と同じですね。蜂程、人になつく虫は、いません。
恐竜も実は蜂と同じなんです。」
流太郎は安心して、
「そうだったんですか。でも肉食の恐竜は恐ろしいのでは?」
「今のところ私には分かりません。肉食の恐竜が人間を食べたか、どうか。なんとも言えないですね。私が発見した恐竜の卵はステゴサウルスだったので。」
と牛野は話した。
ステゴザウルスはチラチラと流太郎を見たが、動こうとは、しなかった。流太郎は、
「これは世界初、なのでは、ないのでしょうか。現代に恐竜が蘇ったのは。」
「そうなると思います。この部屋の隅に小さなプールに満杯の水と、その横に牧場の草を山のように積んでいます。トイレも作ってやったんです。そこで排泄するように教えたら、ステゴサウルスは前脚でドアを開いて中に入り、そこで排泄するようになりました。
便や尿が残らないような便器を設置しています。巨大な便器を特別注文しました。
メーカーでは、
「どうして、そんなに大きなモノが必要なんですか。」
と聞いたので、
「象を飼育するんです。」
と答えてやりましたよ。」
と痛快そうに話す牛野放一だった。彼はスマートフォンを取り出すと、
「ラーメンでも取り寄せましょう。時サンは何ラーメンが、いいですか。」
「北九州のラーメンで、いいものは、ありますか。」
「そうですね、玄海ラーメンが有名です。」
「それでは、それを、お願いします。」
「ええ、私も玄海ラーメンに、しよう。」
彼はスマホアプリで玄海ラーメンを注文した、そして、
「ここでラーメンは食べられません。一階に食堂が、あります。エレベーターで昇れますから。」
と壁の方にあるエレベーターに向かい、歩くと紅色のエレベーターが、あった。二人は、それで一階に着くと、そこが食堂だった。十人は座れそうな食卓に牛野は座ると、
「時サン、何処でもイイから座ってね。」
と促したので流太郎は牛野の斜め前に座った。
牛野は、
「あのステゴサウルスについてはニュースサイトで噂の形で報道してもらいたいんですよ。あなたは実物を見ましたけどね。」
「ああ、そうします。そのまま流したら・・・まず信じてもらえないでしょう。」
「そんなもんです、世の中は。私も大学を追われたのは恐竜の卵を発見した、という主張からです。無難に生きて居たいんですよ、学者という奴らは。」
「そうらしいですね。」
ピンピロリン♬玄関チャイムが鳴った。牛野放一は立ち上がると、
「玄海ラーメンが来たようです。取りに行ってきます。」
台所を出た牛野はラーメン丼を二つ抱えて戻ると、テーブルに置いた、そして、
「割りばしはテーブルの、そこにあります。それでは食べましょう。」
ラーメンの上に大海老、いか、たこ、わかめ、メンマ、キクラゲなどが載っていた。
麺は二玉、入っていた。二人とも食べ終わり、牛野は自分の腹を手で擦り、
「満腹になりましたね。さて、女たらしの達人に会いに行きましょう。スマートフォンで連絡取ります。・・・・あ、僕だ。牛野。今から人を連れて会いに行くからね。・・・それでは。」
連絡が完了したらしい。

流太郎が乗りこんだのでタクシーは発車した。北へ向かうらしい。牛野は自動運転に切り替えてハンドルから両手を離すと、
「彼は小倉北区に住んでいます。それというのも・・・行けば分かりますよ。」
と笑顔で語った。
その牧場があるのは北九州市小倉南区らしい。タクシーが北上し始めたのを流太郎は携帯方位磁石で確かめた。後部座席は、ゆったりとした座り心地のいいシートだ。流太郎は、
「牛野さん、改めていい座席シートですね。」
と誉めると、
「うん、特注品なんですよ。最初から車に装備されていたものではないものに変えたんです。座り心地の良さを、お客さんに味わって欲しくて。」
「牧場で成功してからですか?」
「そうですね、先行投資という奴ですよ。」
道行く人は、ほとんどいない。
熱中症アラートが出ている日であるからなのか。小倉北区で熱波が発生し、かなりの人が死んだ。平空内閣に要求されているのは温暖化対策である。
タクシーの中はエアコンで涼しいが午後の小倉南区は陽炎が立つような暑さなのだ。
日本中で熱波が発生するようになったのは八月の話で今は九月だが、時々熱波が発生している。
 小倉でも北区は熱中症で倒れる人も多い。八幡駅近くになると工場の煤煙は止まることを知らないように発生を続け、この辺りで突如、熱波が発生するので八幡駅前に噴水広場を作ったほどだ。
 それでも焼け石に水なのかもしれない。人口が減っても製鉄所は稼働しているのだ。平空内閣としては化石燃料の使用停止を検討しているところである。
まだ流太郎の乗っているタクシーは小倉南区を走っている。 流太郎は窓の外を見て、
「結構、田舎なんですね。この辺は。」
「そうなんです。それに、なお人口が減りました。小倉北区よりも発展していない場所なんですよ。もうすぐ小倉北区です。」
確かに小倉北区に入ると賑やかな街となる。とはいえ人口は三分の一なのだ。
更に進むと潮風を感じた流太郎は、
「女たらしの達人には早めに会った方が、いいんですか。」
「午後五時過ぎが、いいな。同棲している風俗嬢が帰ってくるのは深夜の十二時過ぎらしい。それまでなら会えるね。もう彼には連絡を取っている。午後五時過ぎに来る、とね。」
「有難うございます。福岡市にもヒモの人は、いると思うんですが調べるより募集してみないといけないし、牛野さんが知り合いに居るというので助かりました。」
「あー、それは良かったですね。僕も小倉北区の船頭町のソープランドで彼と知り合いになったので、五時まで少し時間があるから船頭町でも、このタクシーで通ってみましょう。」

昼過ぎなので人も見かけない船頭町のソープランドが並んでいる場所に牛野のタクシーは入った。三階建てのビルが多い中に、日本の寺院風の建物やキリスト教の修道会の建物が見えた。流太郎は、
「こんな場所に寺院とか修道院があるとは!」
「いえいえ、あれもソープランドなんです。」
「やはり、そうなんですね。変わったソープランドだなあ。」
「それぞれ入った事があるけどさ。寺院ソープランドでは尼さんの頭の女性が泡まみれにしてくれてプレイできるし、修道院では女子修道女の衣服を着た若い女性がマットプレイしてくれるし、服を着たまま四つん這いになってくれるから修道女とセックスしている気分になるんだ。」
「詳しいですね、牛野さん。」
「ああ。独身生活しかしていないとソープ通いは増えるばかりなんだ。福岡市の中洲にも時々、遠征しているよ。」

タクシーは船頭町のソープ地帯の一角を通り過ぎる。
 海岸は砂浜でなくて船着き場のように多くの漁船が並んでいる。漁師の人達が通いやすいのが船頭町のソープランドなのだろう。
長い船の時間は女なしの時間でもある漁業だ。独身の漁師は港に着くと、まずソープへ向かいたくなるだろう。
結婚している漁師も時にはソープランドへ行きたくなる。
港に着き二人の漁師が陸に上がった。既婚者らしい若い男は、相棒に、
「おれのカアチャン妊娠五か月だから、ちょっくらソープに今から行くよ。君も行くか、独身なんだろ、まだ。」
「うん、行こう。大漁だったし特別に金を貰えるっちゃ。」
と同意した。
それを窓の外に見た流太郎は二人の会話までは聞き取れなかったようだ。
牛野は近くの有料駐車場にタクシーを停めると、
「その男が住んでいるマンションは、この近くだけど駐車場が、ないからね。彼の女は職場まで歩いて一分さ。」
午後五時を少し過ぎていた。
 その男の部屋の玄関に二人は立っていた。牛野はチャイムを押す代わりにスマートフォンで連絡する。
ドアが開くと端正な顔の美男が出てきた。牛野は、
「こんにちわ。君を必要としている人を連れてきたヨ。」
と話す。
美男は牛野と、その後ろにいる流太郎を見て、
「どうぞ。上がって下さい。」
と答えた。
九月だけど残暑は続いているから美男の服も上は半袖、下は短パンだった。筋肉質の男、しかし背は高くない。
優雅にも3LDKの部屋で、リビングは30畳の部屋だった。これがヒモ男の部屋か、と流太郎は思いながら観察するとリビングには巨大なディスプレイがあり、それはパソコンかられるものだった。
十人は座れる円形のソファに、それぞれ座る。牛野は、
「紹介します。女たらしの達人を必要とする時流太郎さん。」
と横に座った流太郎を右手で示すと、
「女たらしの達人の美神美男(みかみ・よしお)君です。」
流太郎は頭を下げて、
「初めまして。よろしく願います。」
美神美男は、
「こちらこそ、よろしくですね。」
と明るく答える。
筋肉質な美神美男の体だ。女でなくても惚れ惚れとする肉体の持ち主。流太郎は、
「筋肉がありますね。ボディビルダーですか。」
美神美男は上半身を反らせて、
「ええ。ミスター九州のタイトルを貰いました。上半身や胸の筋肉を随意に動かせるだけでなく、実は股間の肉棒も随意に勃起させられます。」
流太郎は驚き、
「そうなんですか。それは重宝ですね。」
「ええ、今、お見せしますよ。」
と云うと美神美男は短パンの股間を広げた。
それから力を入れたのか彼の股間の部分は明らかに盛り上がった。中に巨大なキノコが突き出したかのように。
流太郎は激驚して、
「ほんと、ですねー。男性器を随意筋にしてしまった・・・。」
「そういう事です。女に見せると自分の体を見て勃起したと思いますからね。それでは元に戻します。」
と美神美男は宣言するかのように云うと、彼の股間は平たくなった。牛野放一は、
「素晴らしい特技だね。ボディビルを、やったからといって誰しも出来る技では、ないし。」
と感心する。北九州市小倉北区に、こんな男がいると流太郎は驚く。流太郎は、
「これこそ我々に必要な人物の特技です。ぜひ僕らの仕事を手伝って欲しい。」
美神美男は片方の眉毛を上げて、
「仕事?ですか。僕は金に困っていません。ヒモみたく牛野さんは思っているらしいけど、ボディビルのトレーナーをしているんで収入は、あります。女は貢いでくれますけど貯金していますしね。」
と反論した。流太郎は、
「ボディビルのトレーナーの仕事は休止してもらえませんか。その何倍もの報酬は出しますから。」
と提案すると、
「え?僕に出来る仕事って何か、ありますか?」
「ここでは話せませんけど福岡市に来て下さい。」
「福岡市?にですか。家賃も北九州市より高いでしょう。」
「家賃補助は出ますよ。」
「不定期な仕事ですか。」
「そうなりますけど、ボディビルのトレーナーに戻れるでしょう?」
「うん、それは出来ると思うけど、女に会いにココまで戻れそうもないようですね。」
「女には不自由しない仕事ですよ。」
「そんな仕事・・・ああ、ホストとか。」
「いいえ。違います。詳しくは福岡市で話します。牛野さんに聞かれるとマズい話です。」
「それなら行きます。でも今は夕方の五時過ぎだし、明日がいいのでは。」
「そうしましょう。車で福岡市まで二時間くらいかな。」
牛野は、それを聞いて、
「明日、ぼくが君達二人を福岡市に送ってあげるよ。運賃タダでね。」
と申し出る。流太郎は、
「そうしましょう。牛野さん、ありがとう。」
「どういたしまして、です。」
「美神さんは、これから、どうしますか?」
と流太郎は聞いて、見る。
美神美男は筋肉質の両肩を上げ下げして、
「これからボディビルのトレーナーの仕事に出ますから、帰るのは三時間後ですね。夜の十二時に女が帰って来るんで、それから翌日の午後五時までは女とセックスして寝て、朝は十時か十一時に起きて朝飯を食べて又、女とセックスします。昼飯は午後二時ごろですけど、それから又、女とセックスして、だから午後三時ごろから五時まで女とセックスして、午後五時に女が出勤します。
明日も僕が空くのは午後五時からなんですよ。」
と、これからの予定を話した。
牛野放一は感心した顔だ。流太郎も驚きつつ、
「それではセックス三昧ですね。」
美神美男は、さり気なく、
「使う器官は強大になります。坊主とかセックスは弱いんですよ。ボディビルでは男性器を鍛えられませんからね。」
と話すと笑った。
壁の時計は午後六時だ。美神美男は、それを見ると、
「ボディビルのジムは、歩いて二分だけど、今から出ますから。」
と云うと立ち上がったので牛野と流太郎も立ち上がった。

 牛野のタクシーに戻った流太郎と牛野はタクシー車内で、のんびりとした。流太郎は後部座席から、
「成果ありありでしたよ。九時に美神君は戻って来るらしいですけど。」
運転席で牛野は、
「ああ、九時に又、行ってみよう。それまで何か食べに行きますか。」
「それが、いいですね。いい店、ありますか?」
「行ってみようと思う。小倉北区も、そんなに来なかった。美神と会ったのも半年ぶりだしね。」
タクシーは発車している。
 小倉名店街という商店街の近くにタクシーを有料駐車場に停めて牛野と流太郎は名店街に歩いて入ったが。
なんと三分の一の店しか残っていなかった。
飲食店なども三分の一、になったみたいだ。その中の大衆レストランに入って格安料理を食べた二人は店を出る。
レジでは割り勘という事でクレジット決済した二人だった。流太郎は、
「結構、満腹になりましたよ、牛野さん。」
「うん、小倉は物価が安いんだ。人口が三分の一になると物価も三分の一に向かうからね。北九州市は福岡市より活気が無くて人は金を使わないから、なおの事、物価は下がるんだ。
その点は生活が楽になるね。」
と解説してくれた牛野。
「福岡市は、それほど物価が下がっていないんです。若者は食費に金を掛けますし、部屋も新しい部屋とかを選びますからね。」
「うん、若者の都市、福岡市だな。北九州市は年寄りが多かったからだろう。人口減少が著しい。」
タクシーはドライブしている。
若戸大橋の近くまで牛野のタクシーは進んだ。その大橋の下の海に恐竜らしき姿が発見され「ワカトー」と呼ばれている。
 秘密裡に恐竜を飼育している牛野放一にとっては訪問を辞められない場所だ。牛野は自動運転を停めてハンドルを握っている。海が見えた。牛野は、
「ここはワカトーの出現場所なんだ。あの海はね。」
と楽しそうに流太郎に話した。
「ああ、そうでしたね。観光客が増えたらしいですね。」
「福岡市には前から愛高島なんていう空に浮かんだ島が、あるけど北九州市は新名所としてワカトーが目撃された、この付近が全国的に有名になった。」
「もともと若戸大橋は東洋一の吊り橋として知る人には有名でしたけど・・・。」
「それだけじゃ観光に来ない。有料だった時期も長かったしね。北九州市は福岡市に比べて人を呼び込む力がない。最初は工業都市として福岡市より栄えて人口も多かったのに、二十一世紀には福岡市に倍以上の人口の差を付けられた。

sf小説・体験版・未来の出来事54

 課長の陰茎はキュウリのように太くなっている。それは美人部下の秘洞窟の中に没入した。上司と美人部下は性器により合体した。二人は激しい波に浮いているように裸体を動かす。アモーリンは次第に自分もセックスへの情熱が沸き起こって来るのを感じた。すぐ隣には玉金硬一郎がツナギの服を着て座っている。アモーリンは右手で玉金の股間を触ると少し大きくなった玉金の淫棒に触れてしまったのだ。
アモーリンは欲情に溢れた瞳で、
「玉金サン、ワタシを抱いてください。」
と懇願した。
「え?ここで、いいの?」
「ええ。わたしにキスして。」
と白い顔を近づけて両目を閉じたアモーリンを玉金は両手で抱くと唇を重ねた。
それだけで全勃起した玉金は唇を外すと、
「服を脱ごうよ。」
とアモーリンに声を掛けて自分のツナギ服を簡単に脱ぐ。玉金の陰茎はバナナのようだった。アモーリンはトロンとした瞳で玉金の陰茎を見ると、自分の上着とスカートを脱ぐ。彼女は下着を着ていなかったので白い裸身を玉金はスグに見てしまった。二人は全裸で立ったまま抱き合い、アモーリンがスクリーンの上司と美人部下の痴態が見れる位置で玉金は勃起棒をアモーリンの秘部に挿入した。
「あーん、いい。」
と涎を流しそうな声でアモーリンは気持ちよさそうな媚声を出した。その声を聴いた玉金は全力で腰を連続的に前後させ続ける。白人と同じ肌を持つアモーリンとの性交に玉金は我を忘れていった。
 アモーリンは赤い唇を開けて赤い舌を出しながら恍惚とした表情に、なりつつ玉金の背中の上で両手を組んで何かを祈っている表情になった。すると玉金の脳内にインドの古い時代の光景が浮かんできた。
玉金もバラモン階級で小さな王国の国王だった。妻は数人いる。王宮に帰ると三人の妻が玉金を出迎えてくれた。第二夫人がアモーリンの顔と同じ顔の妻、恐らくは前世のアモーリン、玉金も前世は国王だったのだ。
どうやら出張から帰って来たらしい玉金に第一夫人が、
「お帰りなさい、あなた。」
とインドの言葉で話した。
「只今、帰ったよ。」
と玉金もインドの言葉で答える。
二人はスグに第一夫人の寝室に行き、二人とも全裸となって抱き合い、キスをした後で第一夫人はベッドの上で四つん這いになり大きく白い尻を高く上げた。彼女の股間から女性器が丸見えとなり、玉金は第一妻の尻を抱えて雄々しく反り返った、おのれの男性器を妻の女性器に、ぶち込んだ。二週間ほど没交渉だった二人は二時間は交わり続けた。
それが終わると玉金は第一夫人の寝室を出た。
従者が外でバナナを持って立っていて、王の玉金にバナナを一房、差し出した。玉金は一人で数本食べるとバナナの皮を床に捨てる。それを若い男の従者が拾い上げた。
玉金は第二夫人の寝室に行く。第一夫人の寝室の隣の部屋が第二夫人の寝室だ。そこに入るとアモーリンの顔の第二夫人が既に白い全裸姿で両手を広げて玉金を待っていた。
玉金はアモーリンを横抱きに抱くとベッドに横たえて正常位から騎乗位、そして後背位と体位を変えて三時間は性交に励んだ。第二夫人のアモーリンの中に三発は男の白液を放出した玉金だった。
それが終わっても玉金は、そこを出て行こうとせずにアモーリンの全身を舐め回していく。アモーリンは快楽の喜悦の表情を浮かべた。
その一連の光景がアモーリンと立ったまま交わっている玉金の脳内に浮かんだのだ。(おれは前世ではインドの小国の王様だったのか・・・)と思ったとたんにアモーリンの膣内に解き放って放出した。
アモーリンとビデオルームのソファに腰かけた玉金は、
「今、頭の中で不思議な光景が見えた。古い時代のインドの小国の王様の俺は第二夫人の君と第一夫人より長い性交をしていた・・・。」
アモーリンは嬉しそうに、
「今さっきヴィシュヌ神に祈ったの。あなたとの関係が上手く行きますように、って。」
「そうだったのか。それなら幻想って事かな。本当の前世が見えるはずもないし。」
「それは分からないわ。ヴィシュヌ神が玉金サンに見せてくれたのかもしれない。」
「うーむ。そうかな?」
「そうなのよ。前世で私たちは夫婦。今世でも、そうありたいわ。」
と夢見る瞳のアモーリンは云う。玉金は照れて、
「ぼくたち結婚した方が、いいのかなー。」
「した方が、いいわ。」
「考えさせてくれ、よ。」
「ええ。でも即断が、おすすめです。」
と話すとウフフ、とアモーリンは笑った。
 そこへキャスレーヌが入って来ると二人の全裸を見て、
「まあ!あなたたちは交わったのね。」
と尋ねたのでアモーリンは悪びれずに、
「ええ。わたしたち前世で夫婦だったのです。」
「そうなの?そんな事が、どうして分かるのよ。」
「玉金サンが前世の記憶を取り戻したんです。わたし、ヴィシュヌ神に祈ったんです。だから間違いないと思います。」
キャスレーヌは両眼を最大限に開くと、
「そうなのね。そしたら、その話、有り得る事だわ。あんた達、結婚した方が、いいわよ。」
という事になった。
上司と女の美人部下はホテルの部屋を出ていた。玉金としては二度目の結婚。それだけに慎重にならざるを・・得なくていいと玉金は思った。アモーリンと玉金は、まだ全裸だ。玉金はキャスレーヌに、
「アモーリンと結婚します。僕も一応は国会議員です。秘書も欲しかった。アモーリンには僕の第一秘書に、なってもらいたい。」
と宣言した。キャスレーヌは喜んで、
「それなら結婚式を、しなければ。日本の結婚式しましょう。」
玉金も喜んで、
「東京に朝霧神社が、あります。党本部も朝霧町にありますから、手配してみます。」
そういうとスマートフォンを取り出して通話した。
「え・・そうですか・・。それでは、もう一度検討してみます・・・。」
と言うと通話を切った。キャスレーヌは、
「どうしました、のですか。」
「いえね、朝霧神社では結婚式の予約が三か月も続いて埋まっていると言うんですよ。そこで結婚式をするのなら三か月後になるから・・・。」
キャスレーヌは、
「それは大変ですね。他の方法を・・アモーリンの実家は大富豪ですよ。そうだ、ヒンズー教の結婚式をすればいいんです。アモーリン、実家と連絡とりなさい。」
全裸のアモーリンは服を急いで着ると、
「いくら実家と話をすると言っても裸じゃ、まずいんです。では、」
と話をするとスマートフォンを取り出すと、インドの言葉で会話を始めたので玉金には全く分からなかった。
しばらく話したアモーリンは通話を切ると、
「母は賛成しました。それなら父も賛成です。結婚式は日本のモノでは三か月後になるというと、ヒンズー教の導師を呼ぶと言うんです。インドに来ても今はインドも夏。この季節に結婚式を挙げる人達は、あまりいないんです。
それで母と父、それにヒンズー教のグルだけで日本で結婚式を挙げようかという話でした。
詳しい事は、これから決めて又、連絡すると母は言っていましたよ。」
と話した。玉金硬一郎は、
「東京では結婚式費用も高くなるから福岡市で結婚した方が、いいと思うんだ。式場なども安いと思うし・・。」
と話すとアモーリンは、
「そうね。式場は、ここでも、いいですよね、キャスレーヌ様。」
とキャスレーヌに聞くと鷹揚な顔でキャスレーヌは、
「ああ、いいよ。式場の費用なんて取らないから、ここを使ったらいい。ここは録画が見れる部屋だけど、空いている広い部屋もあるからね。そこが式場として使えるから。」
と答えるとアモーリンは、
「よかった。助かります。ここには空き部屋が幾つもあるとキャスレーヌ様が話していたから。」
と安堵の顔になる。
玉金は顎を自分の指で、なぞると、
「インドの結婚式って日本のものとは違うんでしょう。」
キャスレーヌは立ったまま、
「違いますよ。全然、違う。第一にインドの結婚式は最低でも一週間は続きます。
それに結婚式に掛ける費用は年収の四倍で、これは男性が出すんですよ。」
と告げる。玉金は、
「年収の四倍ですか!なんとか貯金は、ありますから・・・。」
キャスレーヌはニコリとして、
「後はアモーリンの家族が日本に来た時に、話し合いましょう。インドの家柄によっては、これだけで決められないのです。本人同士が会って、お互いにいいと思う事など問題外なんですよ。インドは、お見合いの国で日本と違って本人たちが会って決めるのでは、ありません。
九割は、会う間前に決まります。あなたたちは、もう性的にも結ばれていますが、本来、そういう事は決め手にならないインドの家もあるので・・・。ワタシだってアモーリンの実家の人達を詳しくは知りません。
場合によっては破談になる事も覚悟して置いてください、玉金サン。」
と話したので玉金はビックリした。玉金は口を開くと、
「そんな場合も、あるんですね。なにを基準にして、そんな破談とかに・・・。」
キャスレーヌは穏やかな表情で、
「それはアモーリンの実家の人が日本に来てから分かります。又、連絡しますよ。ツナギの服は差し上げますから。ここにいると玉金サンはアモーリンと又、セックスするし、そうなると私も止められない。だけど次は結婚式の後で毎日、できますよ。少しの辛抱かな。それとも破談?どちらにしても今は、これ以上のアモーリンとの性交は許されません。
ですので、お帰り下さい。
タクシーはスマホアプリで呼んであげますから。」
という事に、なった。
 志賀島のキャスレーヌが所有するラブホテルからフレッシュアイランドの新進民主党の福岡本部まで玉金硬一郎はタクシーで移動した。タクシーは自動運転で運転手は若い男のロボット。運賃は目的地に到着後、キャッシュレス決済が出来る。
ロボット運転手と会話する事もなく、フレッシュアイランドの党本部がある雑居ビルの前で停車したので玉金がスマホアプリで決済するとロボット運転手は機械音で、
「アリガトウゴザイマシタ。」
と礼を言った。
 玉金が福岡本部に入ると男子職員が、
「党首。連絡なしに、しかもツナギの服なんて、どうされました?」
「誘拐されたんだ。」
と笑みを浮かべて玉金が答えると男子職員は、
「それは大変ですね。警察に・・・。」
「いや冗談だよ。とんでもないハプニングの連続だった。自分の意志で決められないね、人生なんて。」
「そうですか。今後、なにか起こるのでは?党首。」
「それは僕個人として結婚の可能性が、ある。」
ノートパソコンに向かっていた女子職員も顔を玉金に向けた。男子職員は、
「それは、おめでとう、ございます!僕らも出席させて、いただきますよ。」
「ああ、そうだな。まだ日取りも決まっていないし、結婚しない可能性もあるんだ。」
女子職員が、
「そんな話って珍しいですね。お相手の方は、そうとう変わっています。」
玉金は、
「いや、その相手の実家が変わっているんだ。それで正式に決まったら話そうと思う。」
男子職員は、
「そういう場合もありますね。党首、これからは?」
「ああ、外に出て来るよ。回ってみようか、と思う所もあるし。」
「それでは、行ってらっしゃい玉金党首。」
玉金は右手を挙げると福岡本部を出た。
 タクシーを拾うと、
「中洲まで。」
と伝える。中年の女性運転手だった。
フレッシュアイランドから天神に南下すれば東に左折で中洲へ。タクシーを降りると玉金は、ソープの店が集中する通りへ向かった。
激安ソープも少なくない。その中にはインド人女性が多数在籍する激安ソープのニューカマーという店がある。玉金は気楽に店に入ると、
「新進民主党の党首、玉金硬一郎です。社会視察のために来店しました。新進民主党は風俗業界を応援します。政治献金も受け付けております。フレッシュアイランドに福岡県本部があります。スマートフォンなどで我が党の福岡県本部を御覧ください。」
と挨拶した。
店の支配人は肌の黒いインド人男性で黒い服を着ているが、その服の色と同じ黒さの首から上の頭部を持っていて玉金に笑顔で、
「あー政治家の方ですね。ウチは全部、インド人の女です。留学生とか日本に働きに来た階級的にはヴァイシャの女ばかりですけど、オマンコの締りとかが良くてリピートしてくれる、お客さん多いです。
ソープも商売だからチョット安くすれば、お客さん増えます。ウチのソープ嬢は肌の色は黒くて、インド人女性らしいですよ。特に留学生は時間ありなので店に多く出ています。
今、国立大学の留学生の女の子、出勤していますよ。午前割で三割引き、各種カード使用可能ですね。
知的美人、オマンコも自信のある若い子です。どーですか、えっとー党首さん?」
玉金は即断した、
「ええ、その娘に頼みます。」
「ありがとう。一号室に、お入りください。」
部屋の中もインド風の作りになっていた。
全裸の若いインド人女性が正座して、
「ようこそ、お越しになりました。ハランと申します。」
と玉金に挨拶する。
玉金はツナギの服を脱いで全裸になると、
「正座はキツイだろ。一緒に風呂に入ろう。」
と誘うとハランは立ち上がり、
「空中遊泳、というプレイがあります。どうですか、お客さん。」
「いいね。やってみたい。」
と玉金が同意すると天井から四つの輪が降りてきて玉金の両手首と両脚をガッチリと、はさんだ。
玉金がオヤ?と思うまもなく玉金は上に引き上げられた四つの輪によって空中に釣りあげられたのである。
 腹ばいの姿勢になって部屋の中に浮いている玉金は、
「男子体操みたいだな。一メートルは浮いている。」
半立ちとなった玉金の肉茎も宙に浮いている。
その肉茎にハランはシャワーを当てた。それに玉金の陰嚢にも熱湯を浴びせる。
その後で彼女はシャワーを玉金の肛門に噴出させた。アナル攻めだ。玉金は思わず、
「あああ。尻の穴に・・でも、気持ちいい。」
と呟いてしまう。
ハランは備え付けの棚からリモコンを手にすると玉金を吊り下げている四つの輪を移動させた。
二人は入れる巨大な浴槽の真上に全裸の玉金は移動する。
 ハランは心地よい香りのボディソープを玉金の全裸身に塗った。特に丁寧に半立ちの肉茎に彼女がボディソープを塗ると遂に玉金の性欲の象徴は金剛棒のように全勃起する。
ハランは、それを見て、
「お客さんのモノってバナナみたいに見える。食べたくなってきたわ。」
「口に入れてみてね。」
「うん、そうします。」
「君は留学生なのかい?」
「ええ国立大学に留学していますよ。今は夏休み。」
ハランの口の中に入れられた玉金の肉息子は彼女の柔らかな舌で舐められていく。玉金は
「うーん、気持ちいい。」
口の中からハランは玉金の全勃起棒を外すと、
「お客さん、足の輪から外しますよ、それっ。」
と話し、リモコンを操作した。
玉金の両足は湯舟の中へバシャン!と音を立てて墜落する。玉金の両手は体操選手のように上に挙げている状態だ。玉金は、
「脚だけ楽になった。全勃起は維持しているよ。維持の神はヴィシュヌ・・・か。」
ハランは驚いて、
「ヴィシュヌ神を知っているなんて・・・。お客さん、すごいです。特別サービスしますよ。」
「いや、なに・・。インド人の婚約者がヴィシュヌ神派らしくてね。」
「そうなんですか、じゃあ結婚する前に、わたしとタップリと楽しみましょう。」
と、より大胆になるハランである。
 腕輪を付けられて体操の選手みたいに立っている玉金の股間は元気横溢していた。その状態でハランに立ちセックスされた玉金である。
それからハランはリモコンを操作して玉金の腕輪も外した。ハランから外れた玉金は浴槽に腰を付く。ハランは玉金に騎乗位となり自由自在に尻を振った。
遂に玉金は大放出した。
ハランは喜悦の表情で玉金を見下ろした。

その店を出る時に玉金は新進民主党の応援を取り付けたのである。支配人は、
「支持する政党は、ありませんでしたけど、次は新進民主党に入れますヨ。」
と言ってくれたのだ。もちろんソープ嬢ハランも、
「わたしは新進民主党に投票出来ませんけど日本人の友達に言ってます。」
と言ってくれた。支配人は今月、日本に帰化した。
 ソープの梯子をする予定だった玉金もハランに二発、抜かれたので元気を無くした。
 アモーリンとの結婚は破談になる可能性もあるとキャスレーヌは言っていた。どういう理由で破談になるのだろうか。
それも玉金には思いつかなかった。
 夏の酷暑のために玉金は戸外を長く歩けなかった。中洲地下街に降りて成人のみの区画に入る。そこには成人向けの本屋があった。
その中には本だけでなく映像、つまりDVDも売っていた。玉金は映像が好きだ。父親はアダルトビデオの会社を経営している。政治がダメになった時は親父の会社で働けば、いい。
そういう打開策があるから玉金硬一郎は気楽なのだ。落選した事はなくても、もしも落選した時は・・・と考える必要は、ない。
午後からの人妻
というDVDを見つけた玉金は手に取ってみる。なんと!別れた妻が出演しているではないか!
それをレジに持って行って玉金硬一郎は購入した。今日はホテルで一泊する予定だったが、このDVDを見るために新進民主党の福岡県本部で泊まる事にした。
党首室に簡易ベッドがあり、そこにDVDを見れる設備がある。夏の福岡の日没は遅いが、今は五時過ぎで職員たちも帰宅しているはずだ。玉金は地下鉄でフレッシュアイランドに向かった。
思惑通り新進民主党の福岡本部は閉じられていたので玉金は鍵を出してドアを開けて中に入る。誰も居ない室内を歩き、党首室に入った。
DVDプレイヤーもある装置に妻が出演しているアダルトDVDを挿入すると椅子に座った。
玉金硬一郎の元妻が洋服姿で椅子に座っている。目隠しもない。そこへ男優が現れて元妻の唇を奪う。二人は十分もキスを続けて男優が元妻のスカートを、めくりあげて股間が映されると白のショーツは丸く濡れている。その濡れた部分に男優が指で触れると玉金の元妻は、
「ああんっ、いやっ。」
と声を上げたが立ち上がり、今度は自分から男優を抱きしめてキスしていく。そして元妻が右手で男優の股間を触ると巨大に膨らんでいるものを確認した。元妻は男優のズボンを降ろして、せっかちにパンツも降ろした。その男優の股間には巨大なバナナが、反り返って立ち上がっている。
元妻は服を自分で脱ぎ、下着姿になると自分の尻を踵に着けて、しゃがみこむと男優のバナナ肉を口に頬張って、おいしそうにフェラチオした。そのうちにブラジャーの上かに自分の豊満乳を揉み抜くと、立ち上がり男優の首に両手を回して、
「早く入れてーっ。」
と甘えるように云う。男優は玉金の元妻のブラジャーとショーツを脱がせると自分も上着を脱いで二人とも全裸となった。男優は元妻を抱きかかえるとスイートルームの三人は寝れるトリプルベッドに寝かせると正常位で深く挿入した。
玉金の元妻は頭を、のけ反らせて、
「ああーんっ。別れた夫のモノより太くて気持ちいいーっ。もっと奥に入れてええっ。」
と大きな声を上げる。それを映像として見ている元夫の玉金硬一郎は、(おれとシテいた時よりも気持ちよさそうだ・・・さすがはプロの男優だ。おれもセミプロ男優だけど。もっと経験を積むか・・・)と敗北を認めた新進民主党の党首。画面の元妻は、
男優と交わりつつ舌を絡めてのキス、その後に両乳房の乳首を執拗に舐め回されて赤色の乳首を全硬直させた。
政治家の妻らしく清楚にしていた頃とは、うって変わって乱れた積極的な淫乱な姿を余すところなく撮影されている。
その姿にカメラマンも全勃起していたという。
次に体位転換して豪華なベッドの上に四つん這いになった玉金硬一郎の元妻は桃色尻を高く上げた。
男優は元妻の尻の方に回ると彼女の両膝を抱えて更に高く尻を突き出させるとズブリと深く挿入する。三深九浅の肉茎の挿入技法により元妻の感覚を惑乱させていった・・・。
パタ、と玉金硬一郎は映像を停止させた。夫として連続的に、これ以上妻の性の快楽裸身を続けて居られなかったのだ。東京・本郷での学生時代のデート。そして夜の公園での初キス。その時、元妻は下を、ちょっとだけ絡めさせてくれた。
今の映像では惜しげもなく赤い舌を出して男優の男舌と絡め合っている。玉金は、あの男優のように妻の両乳房を吸った事は、ない。だから、あのように妻の乳首が硬直する事は一度も、なかった。妻を満足させられなかった自分を恥ずかしくも思った。学生時代は東大を卒業する事に力を傾けていた。
それで財務官僚になり、一応満足していたが・・・。
でも買ったdvdだから全部見よう。
妻のエッチな裸身の動きに小勃起している自分に気づく。別れたとはいえ、まだ三十代の妻だ。再開したら抱けるはずだ。しかし、今はインド人の白い美女、アモーリンとの結婚へと進んでいる。
それでも破談の可能性は、あるという。その時は自分の元妻とヤリたい、と玉金硬一郎は思った。
 いつの間にか簡易ベッドで眠っていた玉金硬一郎はスマートフォンの呼び出し音で目を覚ました。時刻は午前八時。
「もしもし、玉金です。」
「おはよ、ございます。アモーリンです。今日の午後に私の家族が福岡に来ます。インドから日本まで飛行機で八時間です。福岡空港に直行便が一時、着陸しますから成田まで行かなくていいです。午後三時頃、福岡空港着陸です。」
「それは、よかった。それで志賀島の、あのラブホテルに行くんですね。」
「行きますよー。キャスレーヌ様には、もう連絡していますから。玉金サンも福岡空港に来て下さい。午後三時に。」
「はい、そうしますよ。では。」
午後三時までは、まだ間があるというものだ。ともかくも現時点で破談には、なっていない。
アモーリンには自分の生年月日時を聞かれた。幸いにも玉金は誕生時間も覚えていたので話しておいた。
 それも参考にされるはずだ。そうなんだろうか。まだ四十代には、ならない自分とアモーリンは二十代らしいので年齢差は、それほどない。
職員が出勤するまでに外へ出よう。遂にフレッシュアイランドにも地下街が出来た。それでも小規模なものであるし、天神地下街までの通路は完成しても、その両側に店舗は、まだないのだ。
 洗面所で自動歯ブラシを使い玉金は歯を磨いた。それから顔を洗い、冷蔵庫からペットボトルの午前の紅茶を飲んだ後でフレッシュアイランド地下街へと降りて行った。
 独創的な店舗が出店を始めている。ビッグ・タコ焼きは一個の大きさが蜜柑ほどある。それを焼き売りして、お持ち帰りも店内で食べる事もできる店が開店していた。
玉金は、その店の中でビッグタコ焼き五個とレモンライム紅茶セットを注文して店の片隅で食べる。
大きなタコが美味だ。
東京には、まだない店だ。それで元気になった玉金は地下街を歩き始める。外は酷暑の夏。地上に出るより地下鉄で福岡空港まで移動できる。
地下鉄の駅も近くなった。人の流れも加速する。出勤してくる会社員ばかりが見える。フレッシュアイランドの地上への出口は何か所もある。フレッシュアイランドの面積の半分は企業ビルが占めている。
 玉金は福岡空港までの地下鉄の切符を電子なもので買った。つまり電子切符だ。スマートフォンを使って買える。
切符売り場で買えるが切符売り場に行かなくても買える。管理上、有効期限がある。
福岡地下鉄のウェブサイトでもスマートフォンから買える。後は自動改札機にスマートフォンを、かざせばよい。
 玉金は紙の切符なしにスマートフォンを自動改札口で、かざして地下鉄駅構内に入った。
地下鉄の福岡空港駅の出口でも玉金はスマートフォンをかざして出る。それで、その電子切符の役割は終わった。あとは削除するだけだ。二回は使えないからだ。
 便利な電子切符はクレジットカードで電子決済すれば、いい。
始まったばかりの電子切符だが急速に普及し始めた。
 福岡空港までは順調に地下鉄は進んだ。それで到着しても時間を持て余すことになった玉金硬一郎だ。
空港地下街も新しく出来ていた。その中にはホテルもある。福岡空港からホテルのある地帯まではバスか地下鉄を利用して移動しなければ、ならなかった。
その不便さを解消するべく福岡空港地下街が建設されている。
その地下街に降りた玉金硬一郎は飲食店の多さに気づく。しかし空腹を感じない玉金は時間つぶしには喫茶店がいいと思い、喫茶店を探し始める。
そうするとネット喫茶が見つかった。玉金は、そこに入ると個室に入った。テーブルの上にはノートパソコンが置いてある。個室のドアには一時間当たりの個室使用料が加算されることが表示されている。それを見てドアの中に入った玉金硬一郎なのでタブレットパネルにある喫茶店のメニューの中から早く注文しないといけない。
パイナップル紅茶というものが目に付いたので、それを注文する。五分以内に運ばれてきたパイナップル紅茶は若い女性ロボット・ウェイトレスによって玉金の前にあるテーブルに置かれた。女性ロボットは、
「ごゆっくりと、どうぞ。」
と機械音で話すと個室を出る。

sf小説・体験版・未来の出来事53

 軍田は三日月瑠璃代の顔のラブドールを抱きかかえると体重も、それなりに感じられる重さだった。襖を開けると隣の部屋にはベッドや机、本棚もある。
ベッドは何故かダブルベッドだった。その上にラブドールを優しく横たえると軍田は急いで自分の服を脱ぐ。ラブドール瑠璃代は大きな瞳を開いて軍田の丸裸を見つめると、
「軍田さん。もう大きくなってるね。でも半立ち。」
と声援を送った。軍田は少し照れた顔で、
「軍田大元帥、三日月瑠璃代さんを全裸にします。」
と宣言すると、ベッドに上がり膝を着いてラブドールの上着を脱がせる。
白のブラジャーでも分かるラブドール瑠璃代の弓なりの乳房は大きい。brassiereを外すと白の形の良い乳房が現れる。軍田は抑えきれない気持ちでラブドール瑠璃代の乳房に吸い付いていった。瑠璃代は、
「あっ、はああん、気持ちいい。」
と切なそうな媚声を出して髪を振り乱した。正に夢に見たいような彼女の乱れに軍田は全勃起したのである。
 ラブドール瑠璃代のショーツも脱がせて全裸にすると彼女の股間の黒毛陰毛も露わになった。全裸の二人は合一したのだ。それから二時間も軍田は健闘したのである。

湖水一佐はパソコンにインストールされたソフトウェアを起動する。既に勤務外の時間だが部屋に残っている。ノートパソコンの画面には軍田大元帥のラブトール瑠璃代との性行為が映し出されている。瑠璃代の視点は天井に届き、そこから下を映し出す設定に湖水一佐は調整していた。
(もう始まっていたのか。まあ、いい。録画の設定は午後五時からにしている。巻き戻して後から見よう。)
と湖水一佐は思うと、激しく動く軍田大元帥の尻を見ている。
(ふむ。ぎこちなさを感じる腰の動きだ。長らく独身だから、それも止むを得ない。でもオレも独身だし女と縁は無いから軍田のセックステクニックを批判できるものでもないし。ラブドール瑠璃代とはいえ最新の科学技術が込められていて人間の女に殆ど似ていて、ある意味では人間の女以上のラブドールを手に入れている軍田の方がオレより女運があるのかな。オレもラブドールを手に入れたいけど高すぎるものだ。ソープランドに行く方がズット安い。レンタルラブドールなら安いけど他の男が使った後のラブドールだから頼みにくい。宅急便で送られてきて宅急便で送り返せば、いいんだけど。軍人たるもの女に縁がないのは当たり前だと達観すれば・・・お、軍田が体位を変えた。騎乗位に、したな。おっ、という間だ。)湖水一佐は軍田大元帥とラブドール瑠璃代との性行為を終わりまで見ていた。

 楓山は新進民主党の福岡支部に行ってみた。ダリヤは最近は来ていないと男子職員は云う。
「風俗の店も店長に任せているらしく行方不明みたいですよ。」
そこで男子職員は小声になり楓山にだけ聞こえる声で、
「その店で一発、抜いて貰いました。福岡県南部から上福してきたという女の子だったけど、新進民主党に入らないかと誘うと入ります、と答えてくれましたよ。ネットから党員にスグなれますからね。クレジットカードで年間党費を納めれば、いいから。名前も聞いておいたし、翌日には、その娘が福岡支部に入党していたのがパソコンから分かりました。」
と話すと笑顔をみセル。
楓山は納得顔で、
「党勢拡大の一つの手ですね。ぼくも、やってみようかなー。」
男子職員は普通の声に戻り、
「ぜひ、どうぞ。党員を獲得しても報奨金は出ませんよ。ただ紹介者名を記入する箇所があるので、それで記録されると思います。」
と話した。
思い立ったが吉日、でも、まだ午前中だ。それでも中洲に行って見たい楓山はフレッシュアイランドの地下鉄駅から中洲地下街駅まで地下鉄で移動した。
中洲地下街駅で降りると未成年者立ち入り禁止地区に行き、ロボット警備員の近くを通り過ぎる。
まだ閉店の店が多かった。そんな中、開いていた店はファイブファイブという二十四時間営業の店でコンビニエンスストアと同じ店の中だが店の奥は未成年者立ち入り禁止の場所がある。その通路を楓山が進むと風俗店舗となっていた。三階建てで最上階はラブホテルになっている。
こちら側からコンビニエンスのファイブファイブへは気楽に行けるためにラブホテルに宿泊しても便利である。
 一階はファッションヘルス、二階はソープランドで、それぞれ複数の店が入店している。
楓山は一階に入ってみた。客は、あまり多くはないが年金生活者の男の老人がファッションヘルスの店から出てきたりしていた。箱ヘルとも呼ばれるファッションヘルスの店が数軒、並んでいる。
平日の午前中割引の店が多いので、楓山はその内の一つ「未羅久瑠」に入った。あ、と楓山は口に出しそうになった。その店の中に立っていたのは日焼けした顔のダリヤだったのだ。ダリヤはニコヤカに、
「楓山さん、ようこそ。新しい店を開いたので、しばらく私が受付をします。どのようなプレイを、望みますか?」
「女王様プレイなんかを望みます。」
「それでは1番のドアを開けて入って下さい。」
言われた通りに楓山は1の表示されたドアを開ける。そこには鞭を持った背の高い金髪の上半身裸の若い女性が立っていた。彼女は楓山を見るとニッコリとして、
「待ってたよ。アンタみたいな人をね。」
楓山は、
「女王様プレイを頼みます。」
「Eよ。あんたもパンツだけになる。」
と命令口調で指示されたので楓山は急いでパンツ一枚だけの姿になった。
女王の次の指示は、
「跪くのよ、わたしの前に。わたしは女王なんだから。」
楓山はパンツ一枚の姿で女王の前に跪いた。
女王はニヤリとするとブーツを履いた右足を楓山の目の前に持って来て、
「ブーツを舐めろなんて言わないわ。チョット外すから。それからは面白くなる。姿勢は崩さないでね。」
女王はブーツを取ると楓山の背中に落とした。
ブーツは楓山の背中に当たる。それだけでなくブーツは一メートルは上に跳ね上がると再び、楓山の背中に落ちる。どすっ、という重い感触が楓山に感じられると又、ブーツは一メートルは飛び上がり、落下する。女王は、
「面白いでしょ。サイバーモーメントの新製品よ。さあ靴下を履いている私の足を舐めなさい。」
楓山は背中に苦痛を感じつつ女王の靴下を履いた右足を舐めた。少し感じたらしい女王は右手で楓山の背中に落下してくるブーツを右手で取ると、スイッチを切った。それを床に投げ捨ててもブーツは跳ね返らなかった。
女王は、
「ベッドでプレイしましょ。あそこにダブルベッドがあるから。」
二人はパンツ姿でダブルベッドへ移動した。女王はベッドに登ると、
「パンツを脱いで全裸になり、ベッドに横たわりなさい。」
言われた通りに楓山はパンツを脱ぎ、ベッドに仰向けで横たわる。女王はブーツを脱いで座ると両脚を楓山の股間に伸ばすと楓山の少し膨らんだミサイルを両足先で挟んだ。
うお!と楓山は感じた。
女王の足の裏に肉ロケットが挟まれると、前後、左右にしごかれる。柔らかな女王の足の裏の感触に楓山は一発、放出してしまった。女王は、
「もう出してしまったのね。まだ時間があるから少し話でも、しましょうか。」
「ええ、お願いします。女王様。」
だらんと横たわった自分のムスコ棒を見つつ楓山は答えた。女王は両足を開脚させて、
「なにか質問あるかしら。」
「はい、女王様の出身は何処ですか?」
女王の股間の薄いショーツは縦のスジを浮き出させている。
「ああ、それね。実はワタシ、地球人ではないのよ。」
「えっ、えええっ。そうですか。」
「ここのオーナーが地球人では、ないようにね。オーナーの星とは違う星だけど連合してるのよ。それで地球に来たの。」
「驚き杉の木です。地球より遥かに進んだ星なんでしょうね。」
「そうね。三光年は離れている所から50分程で飛んでこられる乗り物を持っている星だから。」
「おおおお、そんなにも速く。」
「日本語を勉強するのも日本の学校に入らなくてもいい。私の星まで日本語学校の講師を連れてきましたよ。彼は若い男性で私の星に永住したいらしいけど、どうなるか分からないわ。私達の星では地球の大学みたいな学校で太陽系学部地球学科というのが、あります。太陽系の惑星には皆、人が住んでいる。そのうちで一番野蛮な星が地球です。未だに核兵器を保有して日本もスグに核爆弾を量産できる事は調査済です。」
「そうなんですか、すごいな。tube抜けですね。スパイより凄いな。」
「わたし一人では、ないですから。日本が世界一、核兵器を保有できる可能性のある国だという調査報告書が私の星には届いています。」
「凄い、誰もが知らない事実なんですね。どうやって調べるんですか。」
「それは秘密だけど一つの方法としては賄賂を送ればいいという事です。そもそも日本の政治家は大抵が金で動かせますからね。Loto8の一等当選額の金を渡せば何でも話しますし、防衛大臣に渡せば何でも話します。」
楓山は心底から驚いた。
これでは国防機密なんて、あっても、ないようだ。それで楓山は、
「驚き杉の木、大麻の実ですね。アメリカとかにも貴女の星の人達は行っているのですか?」
「ええ。アメリカはインド人と中国人の国ですよ。人口が増大したら国外に人は流れ始めます。アメリカの人口の三分の二はインド人と中国人ですから。大統領だけでなくアメリカの国家の職員も人口の比率と同じでインド人と中国人ですよ。自由の女神が持っている国旗もインドと中国の国旗です。これは反対なく実行されました。」
「それでは日本は?」
「市民党の愚脳政治に着目しています。野党対策で新進民主党は市民党から政治献金を受けていますよ。その献金は、どうも貴方に回るらしい。時間になりました。すぐに新進民主党の福岡支部に行ってみると、いいですね。」
「はい、そうします。」
楓山は下着、服を着て部屋を出る。ダリヤは、
「ありがとう、ございました。お代は、いいので、お帰り下さい。」
「え、クレジット払いしなくて、いい?」
「いいですよー、気にしないで。」
宇宙人につままれた気がした楓山は店を出た。取り敢えず店の女王に言われた通りにフレッシュアイランドの新進民主党・福岡支部に地下鉄で行く。フレッシュアイランドの地下鉄駅から、それほど遠くない場所に新進民主党の福岡支部は、ある。
そういえば、あの女王に新進民主党に入党する事を勧めるのを忘れてしまっていた。
新進民主党・福岡支部に入ると若い男の男性職員が立ち上がり、
「楓山さん、会議室に行きましょう。」
と言われたので、ついていく。

それほど広くない会議室で二人は腰かけると男性職員は、
「秘密資金が入りました。BMWが新車で買えますよ。何に使っても構いません。後から政治活動に使った事に出来ますからね。この用紙に楓山さんの銀行口座を記入してください。」
と言われて用紙とボールペンを渡されたので楓山はテーブルで書こうとしたが、
「銀行の口座番号まで覚えていません。」
と話すと職員は、
「もちろんです。自宅に戻ってからメール送信でも、いいですよ。用紙は、その後で持って来て下さい。」
「あ。スマートフォンで新福岡銀行の口座番号を見れますよ。」
と答えた楓山はスマートフォンを取り出して口座番号を見つつ用紙に記入した。
男性職員は用紙を受け取ると、
「それではスグに楓山さんの銀行口座に送金します。街に出て党員獲得活動でもしてもらうと有難いですね。」
「そうしましょう。自分なりに活動して見ますよ。それでは。」
と席を立ち上がり、福岡支部を出た。
 地下鉄・フレッシュアイランド駅まで歩いて行き、駅へ降りる階段の近くで立ったままスマートフォンで銀行口座を確認すると何と、もうBMWを現金で買える金額が入金されていた。これは是非とも政治活動をしなければ、ならないと楓山は想うと地下鉄の駅へエスカレーターで降りて行った。中洲より人の多い天神へ向かった楓山は地下鉄・天神駅を出ると近くにあるATMで数十万円は引き出すと自分の財布に入れる。これは政治活動に使うのだ。
 リクルートするには、どうしたらいいかを考えつつ天神地下街を楓山は歩いて行く。
忙しそうな人より暇そうな人を見つければ、いいのだ。最近ではあるが天神地下街の更に地下、地下二階が出来ていて、そこに巨大なゲームセンターが、ある。もうすぐ昼だが、まだ午前中だ。平日の昼前からゲームセンターにいるのなら相当に暇な人に違いない。
 楓山は地下二階へのエスカレーターに乗って、地下二階へ下降していった。市民党の野党対策への官房機密費からの出費で楓山の他にはダリヤにも当てられた。
その割り当ては新進民主党党首の玉金硬一郎からの指示だ。
玉金硬一郎は父親のAVプロダクション社長の玉金玉男にスマートフォンで電話すると、
「親父、市民党から多額の献金が、あった。どうしようか。」
「ああ、それは官房機密費から出ていると思うな。新しく入った将来に見込みのない党員に渡しておけ。福岡支部の党員がいい。」
「分かった、そうするさ。こんなの初めてだったから。」
「与党の市民党の常套手段だよ。金を握らせて言う事を聞かせるためだ。次回以降も、そうするといい。」
「そうしようと思う。AVの方は順調ですか?」
「ああ、一応な。困った時は硬一郎の助けを借りたい。」
「いつでも連絡下さいな。党員も増えてきているし。(ニヤリ)。」
という会話が、あったのだ。
それを知らない楓山はゲームセンターに入った。
アダルトコーナーがある。出入り口にはロボット警備員が立っている。ロボットの知能はコンピューターであり、そのコンピューターには成人か未成人かを見分ける技能がインストールされている。
楓山はロボット警備員に何も問われる事なく出入り口を通過した。
アダルトコーナーには矢張り青年が多い。平日なのに来ている青年は休日なのだろう。ソファに座ってボンヤリしている若い男に楓山は、
「今日は休みなんですか?」
と聞いてみた。
若い男は、
「今日は派遣のシフトで休みなんですよ。」
と答えてくれた。
「それは良かった。どんな仕事を、しているんですか。」
「ラブホテルで働いていますよ。時給が、いいんです。あなたはホストじゃないんですか。」
立ったまま楓山は、
「よく分かりますね。昔、ホストをしていました。今は新進民主党に入党しています。」
「そうですか、で、党員への勧誘をしている?」
「まあ、そうなんですけど。どうですか、年間党費も安いしオンラインでクレジットカード決済で党員になれますよ。」
「うーん。どうしようかなー。」
「政治なんて関係ないと思っているでしょ?ところが大いにありますよ。ラブホテル業界を優遇する事も出来るんだから。」
青年の目は輝いた。それで、
「そうなんですか。それは、いいなー。入りますよ、新進民主党に。」
「よかった。スマートフォンでネットから入れます。。」
「スマホでネットを良く見ますよ。」
と青年は答えるとズボンのポケットから白のスマートフォンを取り出してネットを見て新進民主党を検索し、タップしてホームページを見る。
「おお、これだな・・・・ようし、と。・・・入党しました!!」
若者はクレジット決済を済ませたらしい。楓山は、
「おめでとう。僕は楓山と云います。」
「ぼく箱山です。よろしく、お願いします。」
「うん、よろしくね。」
「入党したら何をすれば、いいんでしょうか。」
と聞きつつ箱山も立ち上がった。
楓山は、
「特に何もないけど僕みたいに党員獲得も、いいだろうね。入党祝いに大人のゲームをプレゼントしよう。何か、したいゲームが、あるかな?」
箱山は店内を見渡して、
「av女優キャッチャーが、やってみたいです。でもプレイ料金が高くて・・・。」
「その料金は僕が払うから、やったらいい。さあ、行こうか。」
丸い大きなプラスチックの中にAV女優のパッケージデザインの箱に入ったラブドールが並んでいる。それをマジックハンドで掴んで引き上げると、それがプレイヤーのモノになるのだ。
 楓山は箱山の左肩に左手を当てると、数メートル先のav女優キャッチャーまで飛んで移動した。着地して箱山は驚きの顔で、
「なんというジャンプ力でしょう。楓山さんは超人ですね。」
「ああ、そうかもな。さあプレイしてみよう。」
楓山はav女優キャッチャーの料金をクレジット決済する。
箱山は喜んで、
「ありがとうございます。宇宙人子のラブドールが欲しくって。」
と言うとマジックハンドを動かした。
うまい具合に宇宙人子のラブドール・ボックスは釣りあげられて景品が出る落とし口に運ばれた。
箱山は出てきたラブドールの箱を取り上げると、
「大きいので宅急便で配達してもらいます。」
と話して、宅急便配達の受付窓口で若い女性に手渡すと住所と名前を申込用紙に記入した。
それから楓山の方に戻ると、
「明日の配達にしました。まだまだプレイできます。」
と自信満月な顔をする。
楓山は、
「それでは次は、なんにする?」
「ロボット・ファッションヘルス・プレイをしてみたいです。」
「うん、それは人間の女でも高額だね。料金は又、僕が払うさ。あの小屋だろう。行こう。」
今度は二人は歩いて、そこへ行った。
店舗はファッションヘルスの背と同じ外観だった。楓山と箱山が入ると、髭を生やした長髪の中年の男性が白のカッターシャツに黒ズボン姿で現れると両手を胸の前で握りしめて、
「いらっしゃいませ。お待ちしておりましたわーン。お客様が中々、ご来店しないのも、ちょっと高額すぎる料金設定だと思うんです。でもロボット・ヘルス女性の方がテクニシャンに設定されていますし、汗をかかないとか持続力があって疲れないとか、その他、沢山の優れた点があります。まあね、すんごい富豪の男性が徐々に御来店戴いていますので、もう一般の方は諦めようかと思っていました。
失礼ながら富豪には見えないですね、お客さん。」
それを聞いた箱山は、ムッとして
「ああ、その通りだ。富豪とは正反対だよ。出ようか、楓山さん。」
「そうするか・・・。」
支配人風の男は慌てて、
「いえ、これは大変、失礼いたしました。半額で結構で御座います。なにせロボットには電気代だけ払えば、よいのですから。私自身、貧困生活を長く続けておりました。コンピューター技術者でサイバーモーメントに勤めておりましたが、嫁さんが子沢山なのと、将来独立のための技術開発のために借金を背追い込みましたのです。最近ようやく借金も返済しましたので、どうにか暮らせるのと子供が社会人になったので養育費が要らなくなったとか、あります。
 ですので、お客様は半額で結構ですよ。お二人様ですか?」
楓山は、
「うん、二人だけど料金は二人分、僕が払う。クレジット決済出来るんでしょ?」
支配人は揉み手をして、
「ええ、どんなクレジットカードでも出来ます。」
「それじゃ先払いで・・・。」
と楓山が申し出ると、支配人は右手で差し止めるようにして、
「いえ、後払いで結構です。一号と二号室に、お入りください。三十分で十分、満足いただけます。」
楓山が一号室、箱山が二号室に入った。
楓山が見たのは和服美人、しかしロボットだ。その部屋は靴を脱ぐ場所があり、上がると床は畳だつた。彼女は正座して両手とも三つ指を付くと頭を深く下げた。
それから顔を上げると、
「ようこそ、おいでくださいました。お布団の上でプレイいたします。」
と言う。
高級そうな布団が二つ並んでいた。楓山は、
「ああ、お願いしようかな。」
と云いつつ、ズボンを降ろして上着も脱いでパンツ一枚になる。和服美人ロボットは立ち上がると、スラスラスラと着物を脱ぐと全裸になる。なんと着物姿からは想像も出来ない爆弾乳房に爆発尻だった。
彼女は、
「しずの、と申します。お客様のパンツを取らせてください。」
いつの間にか楓山と接触するほど近くに来た、和服美人ロボットの、しずのは素早い手つきで楓山のパンツを剥ぎ取った。すかさず、しずのは柔らかな右手で楓山の股間棒を握る。とスグに、それは半立ちとなる。しずのは
「わたしの乳房を揉んでください。」
と誘う。

sf小説・体験版・未来の出来事52

「あ、そうなんですか。初めて知りました。インドが統一された言語でない状態なんて。」
流太郎としても驚きだったのだ。マディラは、
「インド人女性を口説くのも英語が、いいわ。」
と助言してくれた。
「そうですか。僕は、お試しレッスンという事で来たので、ヒンディー語は辞めようと思います。」
「そうですね。英語が、いいですよ。日本語を学んで日本に行こうというインド人もいますから。日本語講師の需要もある位です。もう少し時間、ありますけど?」
「マディラさん、日本の政治に興味がありますか。」
「ありますよ。日本人より興味があります。(笑)。だって日本の人、自分の国の政治に興味ないみたいですもの。」
「新進民主党という党は、どうですか。」
「あ、知っています。まだ小さいけど希望が持てるのかなー、と思いますわ。」
「フレッシュアイランドに新進民主党の福岡支部がありますよ。」
「そうですか、一度行ってみたいな。と思うのね。」
「それではマディラさん、ご機嫌よう。」
流太郎は立ち上がり、部屋を出た。
授業を受けるために待っている人達の中に丸内円太もソファに座っていた。丸内円太は(あ、ビルの一階だった、待合場所は)と思い出して立ち上がりバラリッツを出るとエレベーターの前に一人の青年が立っていた。時流太郎だ。しかし丸内円太は時を知らない。エレベーターに二人で乗りこんで流太郎は丸内円太に気づき、エレベーターを降りてビルの外に出ても丸内は一階に立ち止まっているのを確認した。
流太郎はフロックコートの中からサングラスと帽子を取り出して身に着けると付け髭も鼻の下につける。
前にも見かけた新入社員風の男、ますますインドの雰囲気を身に着けている。マディラにヒンディー語を習っているに違いない、と流太郎は観察したのだ。
思惑通りにビルからマディラと新卒男が並んで出てきた。体の関係がある男女の雰囲気が流太郎には感じられた。二人はヘリタクシーの乗り合い場所に歩いて行く。博多駅周辺には幾つかのヘリタクシーの乗降場所がある。観光目的で乗る人達が殆どだが、料金も安くはないので利用者は少ない。マディラと丸内はヘリタクシーに乗った。クレジット決済が出来るヘリタクシーに流太郎も乗りこむと、
「今、飛び立ったヘリタクシーを追ってくれ。」
と運転手に告げる。運転手は中年の男で、
「だんな、探偵さんか何かですか?」
「うん、そんなものだ。少し間をおいて追跡した方が、いいな。」
「合点満点です。私も私立探偵は少し、した事がありますよ。元々は航空会社のパイロットだったんですが、CAと勤務中にトイレでセックスしたのを別のCAに密告されてクビになり、この仕事に就くまでには色々な職を経験しましたけどね。あ、飛び立ちます。」
流太郎の乗ったヘリタクシーは上昇した。そして可能な限り運転手はマディラと丸内の乗ったヘリタクシーに近づく。それを運転手は観察すると、
「お客さん、あれは豪華ヘリタクシーですぜ。マジックミラーの車体で外から中は見えないものです。車体が大きいのは後部座席が広いので、後部座席はシートを倒すとダブルベッドになります。運転席とは厚いガラスで仕切られて完全防音。バックラーは車体の後部に付いていますから、後部座席は運転手には見えないんです。だから空中セックスし放題ですね、これは。」
と話す。
こちら後部座席に乗っているマディラと丸内である。後部座席の前面は壁となっていて、そこに運転手と話せるマイクが設置されている。マディラは、そのマイクに、
「運転手さん一時間程、博多湾上空を周回してください。」
と要望した。
すると中年男の声が、
「はい、承知しました。ゆっくりと、お楽しみください。」
と答えた。
後部座席の左右と背後はマジックミラーに、なっている。三方から外の景色が見えるので気分爽快となったマディラと丸内だ。マディラは左に座っている丸内に、
「いい景色だわ。博多湾の上空でセックス出来るのなら運航料金も安いものだわ。丸内君、空の上でセックスした事は、ないでしょ?」
「ありません。もちろんですとも。」
「では、今から経験できますよ。誰も見ていないから安心ね。」
マディラは丸内円太のズボンのベルトを外すと一期に降ろした。そこには、もう半勃起を顕わすパンツの形がある。
 丸内としてはマジックミラーから外の風景、といっても見下ろさなければ見えない海や島々を眺めつつ、いつの間にかマディラと自分は全裸になり坐位により彼女を突きまくっていた。アへアへ顔のマディラは、
「あなたの会社、インドに輸出しているの?」
と問いかける。
「ええ、そのために僕が出張するんです。外の景色、いいですよ。マディラさん体位を変えて外を見ますか。」
「いいえ、いいの。あなたがインドに出張する時に私もついて行けると思うわ。ニューデリーに行くんでしょ。」
「そうみたいです。あ、愛高島が見えました。」
「ああ、あの謎の博多湾に浮かぶ島ね。インドでも有名ヨ、愛高島は。そのために日本に来るインド人も多いわ。」
「愛高島にもホテルは、あるしラブホテルもあります。今から行きませんか。金は僕が出しますよ。サイバーモーメントから貰う給料がいいから。」
「それなら、そうして。運転手に言うのよ。」
「わかりました。そしたら一旦、離れます。」
丸内円太はマディラから離れると前面のマイクに、
「運転手さん、愛高島に寄って下さい。」
「はい、コース変えます。」
ヘリタクシーは空に浮かぶ島、愛高島に向かった。数分でヘリタクシーは愛高島に到着した。それを追っていた流太郎を乗せたヘリタクシーも愛高島に着陸した。
 マディラと丸内はラブホテルに向かって歩いている。流太郎も後を追う。ラブホテルの近くには森林地帯がある。そこへ行き流太郎は二人を待った。
十分、二十分、数時間後には出て来るさ、と流太郎は気長に待つつもりでいると、十五分後にラブホテルの屋上に巨大なUFOが現れたのだ。
そのUFOの基底部から黄色の光が真下に放射されて一組の男女が光に包まれて上昇しUFO内へ消えた。それを見上げた流太郎は、(マディラと新入社員だ!)
それに至るまでのマディラと丸内の行動に戻ろう。そのラブホテルの経営者は地球人では、なかった。パリノ・ユーワクという火星人によって持ってこられた巨大なUFOが愛高島なので、ラブホテルの経営者は火星人が多い。彼らのラブホテルは地上よりも格安な宿泊料金だ。
それで、どうして儲かるのかと言えば彼らのラブホテルには各部屋に隠し撮りカメラが設置されている。そこで各部屋のカップルの行為は逐一、撮影されている。経営者は火星からアダルト動画の有名な監督を呼び寄せたり、又は火星に撮影された動画をUFOで持ち帰らせたりしている。それらは編集されて火星で販売される。地球人の実写セックス物は人気が高い。それでラブホテルの宿泊料金は格安にしても経営者は隠し撮り動画で高額な報酬を得ているのだ。
 無目的で火星から飛来するのは太古の時代に終わっている。空に浮かぶ島の愛高島は宇宙人にとってのビジネスチャンスである。
実はマディラは、そのラブホテルの経営者と知り合いであった。そして、その経営者の正体も知っていたのだ。経営者は、「マディラさんの宿泊の場合は半額に致しますよ。マディラさんの本当の姿のセックスでは宿泊料金は無料にします。」
とドラム判を押したのだ。
 その話を今、室内にいるマディラは思い出した。スイートルーム並みの部屋の寝室でマディラは丸内に、
「丸内さん。わたしは本当はインド人では、ありません。それを実際に見せますから、見ていてください。」
と話す。
それから、ゆっくりとマディラは服を脱いでいく。下着姿になったマディラ。薄茶色の肌にコンモリと高い丘のようなブラジャーの盛り上がり、くびれたウエストから下に向かうと横幅の広い尻の前面の逆三角形のショーツは透けていて黒い茂みが見えている。丸内は涎を垂らしそうな顔をして、それを食いつきそうな顔で見ていると、マディラは、
「浴室に行くから付いてきて。」
と誘い、ふたりで大浴室に行った。普通の浴室の五倍の広さ、脱衣室まである。マディラは下着も取ると尻と乳房も薄茶色の肌だが美形にして大きく柔らかそうだ。丸内は殆ど勃起している。マディラは丸内の股間を見て、
「丸内さんも脱いで。」
と促すので丸内は急いで全裸になる。完全勃起に近い丸内の肉棍棒をマディラは確認すると大浴室に入る。
そこでシャワーヘッドを手に取り、お湯を浴びたマディラの肌は薄茶色が抜け落ちて積雪のような純白の肌が現れる。顔にもシャワーを浴びせるとマディラの顔は白人女性よりも白い顔になった。丸内は驚きすぎて、その場に尻スイカを付きそうになった。
シャワーを停めるとマディラは丸内に全裸を見せて、
「どうですか?この体は。」
「ああ、素晴らしいです。マディラさんはインド人では、なかったのですね。」
「そう、その通りです。実は私は地球人ではないのです。」
「そうなんですか。では宇宙の何処から、いらっしゃったんですか?」
「それは説明が難しいですね。何故なら私の星は、まだ地球で発見されていないんです。それだから地球の言葉では私の星の名前はないんです。インドは潜り込みやすい国でした。そこで英語を学び、ヒンディー語を学び、日本語も学びました。宇宙人と交信が難しいのは言語の問題です。
日本人としても英語を知らなければアメリカから、やってきた人の言語は分かりません。ましてや宇宙人の言葉など聴きとるのも難しいです。それで我々の方で地球の言語を学び、接触しなければ、なりません。
丸内さん、あなたがインドに行くとか、あなたが勤めている会社の製品を輸出するとか、そういう事は私には、どうでもいいのです。あなたは今の仕事を、辞めたくなると思いますよ。服を着て屋上に行きましょう。インド人の女の体で貴方の体を楽しみましたが、今は時間がない。というのはですね、このラブホテルの屋上の上に来ている、と通信が今、あったのです。それはテレパシー会話のような非科学的なものではなくて私の頭の中に埋め込まれたマイクロチップに無線で届いたものです。さあ行きましょう。」
マディラは大浴室を出ると脱衣室で手早く服を身に着けた。丸内も遅れまいと慌てて服を着る。スイートルームを出てエレベーターで屋上に行くと確かに二人の頭上には巨大なUFOが空中に停止していた。
二人はUFO下部から放出された光によって上昇し、宇宙船内に誘導されていた。待合室のような場所に移動した二人は開いていた部分が閉じるのを眼下に見た後で床面に静かに着地した。
その部屋の壁が左右に開くと隣の部屋は広くて数人の白い肌の宇宙人がいた。その内の一人である船長ともみられる人物が、
「ようこそ。日本人さん。私達は地球より数万年は進化した星から来ました。この宇宙船は宇宙空間にあるフリーエネルギーで動いています。それで光より早く移動できる。光より早く移動するエネルギーをまだ地球人は見付けていません。地球人は何かを燃やす事でエネルギーを得るという考え方から脱却していないのは旧石器時代から変わっていないのです。それで地球の神話にも火の神などが存在しています。
ですが宇宙空間は真空ではなくエネルギーに満ちています。そこから際限なくエネルギーを取り出して宇宙船の動力源にするのです。
マディラの他にも地球の主要な国家に潜入させて言語を学ばせています。私は立っていますがマディラと日本人さんは座ってくださいね。そこの円形のソファに。」
船長は右手でコの字型のソファを示したので二人は腰かける。船長や他の宇宙人は白い服を着ていた。船長は、
「私の名はエホバエリです。日本人さん、あなたの名前は丸内さんですね。」
丸内はビク、として、
「はい、そうです。」
「あなたは日本の会社員らしいが・・・我々と遭遇した事は・・・記念すべき事ですよ。何故なら・・・それは、これから分かります。地球なんて我々の星に比べたら貧弱なものなんです。女性も単一的なものですし、地球人はね。これから我々の星に来ていただければ、それは分かります。行きますね、私達の星に。」
とエホバエリは同意を確認する発言をした。丸内は喜んで、
「行きます、ぜひ連れて行ってください、お願いします。」
と懇願した。
エホバエリは大きく胸を張ると運転士らしい若い男性に、その星の言語で何か指示した。多分、運転開始の指示だろう。移動を始めても船内は微動だにしない。エホバエリは、
「今、光速の何百倍もの速度で宇宙空間を移動しています。それでも少しも揺れないでしょう?」
と丸内に賛意を求めた。丸内は大驚嘆の眼差しで、
「そんな速度で。揺れませんねー。」
エホバエリは落ち着いた様子で、
「もうすぐ到着です。私達の星は球体では、ありません。太陽系の惑星などは全てが球体ですが正円ではないものです。だけど星が球体である必要が、あるのでしょうか。私達の星は地球のドーナツのような形をしています。つまり中央の部分が空間だという事です。そして、この宇宙船も中央の部分が空洞であるのです。我々の星に似せた形に作られています。その方が移動の際も球体よりも早く移動できます。」
という驚くべき話をした。
丸内は、
「ドーナツが空を飛んでいる訳ですね、要するに。」
エホバエリは楽しそうに、
「そうです、その通り。それで私達の星は中心が空洞ですけど、そこに小さな太陽があるんですよ。我々の星は巨大ですから重力の法則では我々の星が小さな太陽を引っ張っているのです。もちろん我々の星は惑星なので恒星、太陽系の太陽のような星を回っているのですが、空洞の内部にも小さな太陽があるので我々の星の内部に面した地帯は夜がない一日中が昼の状態です。
考えてみて下さい。夜のない世界を。闇のない世界を。食物の野菜は地球の三倍の大きさ。樹木も三倍です。そして、その地帯には五メートルに近い人間がいます。その巨人族とも我々は仲良くしています。彼らの知性は三倍かというと、そうではなく、二メートルに満たない我々より知性は発展していません。地球に於いてもクジラは最大の哺乳動物ですが知能は、どうですか、という事と同じですね。
なんと彼らは原始的生活を好み、読書も大してしない。我々の指導により彼らは文盲ではないですけど、巨人の女性は美人だし、夜のない世界で交合している彼らです。その場所などは自治区みたいに我々の法律も無視していい事にしているので、観光に行くと楽しいですよ。
彼らは決して凶暴ではないので観光客に乱暴などしないんです。御菓子など渡してやると喜びます。
丸内さんも観光で連れて行ってあげますよ。五メートル近い巨人を見る事など地球では、あり得ませんからね。おお、もう到着しましたよ。私より日本語が上手いマディラと行動してください。」
と話した。
そのUFO自体もドーナツ形だが、丸内は上からUFOを見られないので確認できない。
その星の太陽光線は眩しすぎる程だ。宇宙船を降りてからはマディラに付いて行く丸内円太。地球に居るよりも幸福感を感じるのは心地よい春の気温のせいばかりではなく、目に映るものが地球とは違い、建物はビルなどは百階建てと思われる程の高層ビルが立ち並んでいたり、マイカーならぬマイUFOで道路を走っている光景が見えたりするからかもしれない。マディラと街を歩いても丸内は背広を着た人を見なかった。皆、肌が白いので黄土色の丸内は、その星の人の注意を惹いた。一人の山高帽を頭にしている中年男が丸内に近づいてきて、その星の言葉で何か話してきた。マディラは、
「うちのサーカスに入りませんか、と話しているのよ。どうする?丸内さん。」
「お断りします。と伝えてください。」
「あら、サーカスと言っても地球のモノと違って楽なものなのよ、この星のサーカスの出演者は人気者で収入も高いの。多くても月一度の出演程度だし、週休四日は確実。なりたくても、中々なれないんだけどなあ、サーカスの団員には。」
丸内は困惑気味に、
「言語の違いや、その他の違いもあるでしょう。」
「そうね。一応、断わっておくわ。」
マディラがサーカスの関係者に丸内の断りを伝えていた。
 レストランに入ってマディラが注文し、運ばれてきた料理は地球の一般的なレストランのモノの二倍は、あった。それで普通だとマディラは云う。
食後のデザートに地球の葡萄に似たものが出されたが、それは地球のモノの三倍の大きさだった。五メートルに近い巨人族がいるというのも、うなずける。食後に丸内は、
「五メートルに近い巨人の人達は見られるのですか?」
「ええ。これから見に行きましょう。観光地になっています。入場料は払うのです。それは巨人達の収入になりますし、彼らは入場料だけで生活も出来ます。」
コーヒーと紅茶が混ざったような味の飲み物を二人は飲んだ。マディラは、
「外で小型UFOタクシーを拾うわ。さあ、出ましょう。」
道路面から浮いて走っているタクシーはマディラが右手を挙げて停めた。二人は車内に乗り込み、マディラは丸内には分からない言語で指示した。それから丸内に、
「巨人村まで、と言ったのよ。」
小型UFOは浮上した。
丸内が窓の下を見ていると、繁華街から緑の多い地帯へと移動して小さな山のある牧場のような場所に降下していく。
 牛らしき動物が数頭、見えたが牛の体長は地球の牛の三倍は、ある。それでも、おとなしそうに巨牛は草を食べていた。地球の緑地の草の三倍の高さなので牛の餌には困らないはずだ。地球の農家風の建物も地球の農家の三倍の高さである。
 UFOタクシーはタクシー専用乗り場に着地して二人は外に降りる。巨大な農村という風景に丸内には思える。
 それでも歩道には観光客の姿も見えたので、やはり巨人村観光地らしい。遠くに巨人の男の姿が見えた。地球の原始人のような姿で、ゆっくりと歩き回っている。その近くには巨大な邸宅がある。マディラは丸内に、
「見世物にするために、わざとあの格好をしています。彼らは彼らの学校がありますが日本だと中学までの学校しか、ありません。巨人村の収入は凄いので彼らは働く必要が、ないのです。近くで見るためには入場料が必要です。あそこが入り口、入場料の二人分は私が払います。」
マディラと丸内は延々と続いている高い柵の一か所にある入り口から入る。マディラがスマートフォンのようなものでクレジットカード決済を二人分、したらしい。
フェンスのようなものは十メートルの高さだ。広大な敷地でもあるし巨人たちはフェンスの外に出る気もないらしい。
地球の三倍の大きさの馬が巨人の近くに現れた。巨人は、その巨馬に乗ると手綱を引いて巨馬を走らせる。圧巻過ぎる光景だ。巨馬の目も地球の馬の三倍なのも丸内からすれば驚きの一言、地球規格外の世界だ。
巨馬と同じく巨人は観客に突入する事は、ない。平日の時間帯らしいが観客は多い。マディラは向こうを指さすと、
「あの大邸宅の中に入れます。あの中では、もっと驚く事が見られますよ。」
 その大邸宅の中に移動した二人。見るものは何もかもが大きなモノばかり。食堂は広いだけでなく五メートルに近い巨人が座れるような椅子に食卓が地球の食卓の三倍は、ある。
 居間も同じく巨人が寛げる空間であるし、普通の身長の人間が見学できる広さは充分にある。もちろん見物人はフェンス越しに食堂でも居間でも見学するので巨人が食卓や居間の巨大ソファに座っていても行動に妨げは、ない。
驚くべき事に、彼らの寝室でさえ見学できた。
昼間でも時々彼らは寝室でセックスする。それで巨人の寝室が一番多く人だかりがしていた。
特別観覧席は屋根裏にあり、そこは入場料の百倍はするもので、富豪達が利用する事が多い。今、男女の巨人が寝室に入って来た。二人は若くて男は筋肉質、女は豊満巨大な乳房と尻を持っている。元々二人とも軽装なので、すぐに全裸になった。二人は立ったまま正面から抱き合い、キスをした。巨人男の股間は野球のバットかと思われるような長大なモノが即座に完全勃起した。六十センチはあるだろう正に肉筒、それが足を開いた巨人女の秘洞窟に潜入した。これで巨人男女は一つとなり男は連綿と自分の腰を振り続ける。巨人女は長い黒髪を乱しながら雷のような快楽の声を発した。
満杯の観客からは、どよめきの声が上がる。
これを見たいために来る人達も、いるほどだ。
地球ではストリップショー程度で男女の交わりを金を取って見せてくれるところは、ない。この星では巨人の性行為は、このように解放されて一般公開されている。もちろん巨人村には未成年者は入場できない。
年中無休の巨人村である。巨人男女の立ちセックスを唖然として見ている丸内円太である。しかし巨人たちの性交は三十分で終わった。地球のクジラの性交時間は、もっと短い。それに比べれば、この星の巨人の性交時間は長いと言える。
次は、いつになるか分からない巨人の性交だ。巨人の二人は巨大なベッドに寝て休憩している。
確かに六十センチの勃起陰茎を持続するのには大量の血液が必要だ。マディラは丸内円太に、
「巨人の寿命は三十歳です。彼らは、それで文化を持ちません。識字率は十パーセント以下で、義務教育ではない中学には行く必要が無いんですよ。小学校三年までが巨人の義務教育です。それは長い間、我々が巨人を管理してきて適切な教育期間を割り出しました。」
「そうなんですね。」
と丸内。
巨人男の勃起陰茎が巨人女の膣内に入るのは圧倒的迫力だった。巨人女の膣の長さは二十一センチで伸縮性があり、出産時には数倍は広がる。マディラは、
「彼らは長い事、休憩します。それを見ていても仕方ありません。出ましょうか。」
巨人の館を出るとマディラに連れられて丸内はUFOタクシー乗り場へ行き、再び空へ舞い上がり、今度は官庁街のような場所のビルの屋上に着地したUFOタクシーから降りるとマディラは、
「実は私は公務員のような職業なんです。このビルは外惑星省と日本語で訳すと、そういう機関のもので私は、ここの地球対策室で働いています。さっきの船長は私の上司で地球対策室長のエホバエリです。今から地球対策室に行けばエホバエリは、いると思います。」
と説明した。それからエレベーターで下に降りると地球対策室は遠くなかった。中に入ると数人の宇宙人が勤務している部屋の中に、あのエホバエリが座っていたが入って来た二人をると立ち上がり、
「ようこそ、丸内さん。お待ちしていました。応接室へ案内します。」
その部屋の中にあるドアを開いてエホバエリは丸内を応接室に入れた。
星の違いこそあれ、役所的な雰囲気のある部屋だ。マディラは入らずにエホバエリと丸内円太だけになった。エホバエリは、
「どうでした、丸内さん。我が星の世界は。」
「驚きましたよ。巨人の世界に。」
「うん、そうでしょう。でもね、地球にも太古は巨人がいたのです。でも滅亡してしまった。我が星では巨人が亡びるのを防いでいます。でも、あれは一部の世界です。この星では地球よりも遥かに楽しく生きられますよ。」
丸内は目をダイナマイトの爆発のように光らせると、
「おわう。そうなんですか。労働は免れないのでは。」
「いいえ。労働のない世界が我が星です。私もマディラも好きで、この仕事をやっています。私は小さい頃から我が星以外の惑星に興味を持っていました。それで公用で地球などにも行けるのですからね。貴方も自分の望む仕事が出来ますよ、丸内さん。」
と言われると丸内も考え込む。エホバエリは、
「どんな事をしてみたいですか。」
「働かずに遊んで暮らすとか。」
「ああ、出来ますよ。そういう地球人を求めていたんです、我々は。」
丸内は外惑星省の若い男の役人に連れられて、その星の豪華なマンションに住む事になった。
 5LDKのマンションでベランダからは、その星の郊外の風景が見渡せる。五人の美女と生活している丸内円太、各部屋に一人の美女がいるのだ。いずれも日本語の出来る女性だが、その星の言語の訛りは感じられて、それが神秘的に聞こえるのだ。その五人の美女が日常生活を支えていて、炊事、洗濯、掃除をしてくれる。
週の内、二日は休んでいいが残りの五日は毎日、五人のうちの一人とセックスする事が義務付けられている。
義務付けられなくても丸内円太は実行しただろう。
それは夢にさえ見た事のない世界だった。ただし、その丸内の生活は室内に仕掛けられた隠しカメラで二十四時間、生放送されている。
その星の全地方にインターネット配信されていて、「地球人の男の生活と性活」として有料で見ることが出来る。その収入源の八割が丸内と女たちに振り込まれた。日替わりでセックスしているので女性には均等に収入を割り当てられる。
丸内は地球に帰ることを忘れてしまい、その星の言語を学び始めた・・・。