sf小説・体験版・未来の出来事30

 <この星ではラクダに似た動物には乗れないのか>、と釣次郎は嘆息した。マリムは「明日、ボッダに頼めば乗れるかもしれません。ご期待下さいね。」と励ましてくれる。(そうなのか!)と期待する釣次郎だった。「期待しますよ、マリムさん。ラクディーって車の名前みたいですね。」と釣次郎。マリムは歩きながら「実際にラクディーを乗用車のように使っている地方も、この星にはあるんですよ。地球のエジプトに、よく似た地域もありますから、そこではラクディーが自動車の代わりになっています。地球のラクダの二倍の体ですからラクディーは何人もの人が乗れるんですよ。それでも飼いならすのは大変です。日本に似ている、この地域ではボッダの寺院くらいがラクディーを飼育しています。」と解説してくれたマリムは遠方を眺めつつ、「ピラミッドまで遠いので、今日は行くのを止めましょう。」と話すと、車道に近い歩道に脚の行き先を変えた。
 車も通っていないのに広い車道があるのも寺院としては珍しい。そもそも、こんなに車道が寺域にある寺院など地球では皆無である。向こうの方から車輪のない自動車が走ってきた。マリムはヒッチハイクを頼む様に右手の親指を、その自動車に向けた。
 反重力で走行していた自動車は二人のいる歩道に接近して停車した。運転席には剃髪した僧侶が乗っていた。運転席の窓ガラスを降ろすとマリムにハンドルを握ったまま、「道に迷ったのかい?後ろに乗るといい。」と話し、後部座席のドアを開けた。
二人は素早く、その車の後部に乗り込むとドアがタトンと閉まった。運転手がバックミラーを見ながら、
「何処に行きたいんだ?君達は。」
と訊くのでマリムは、
「宿舎に戻りたいんです、外来観光客が泊れる宿舎です。」
運転手は車を発進させつつ、
「ああ、すぐに戻れるよ。でも門限は、まだまだ。だから夕暮れまでは見れる場所もあるな。」
と話した。マリムは、
「見る所は余りにも多いでしょう?何処に行っていいのか、僕は未だに僧院内の見れる場所を把握していません。」
運転している僧侶は、
「それは別に可笑しなことではないさ。我々だって慣れるのに一年は、かかった。修行のために入門して五十年もして、この仕事をしているよ。寺から給料を貰う訳ではないし、朝の十時から夕方の四時まで寺院内を車で回って迷子の人達を乗せたりしている。四時で終わっても、その後は修行が平日は待っているさ。」
それでは、この僧侶の年齢は?マリムは、
「運転手、いや、お坊様の歳は何歳ですか?」
「おう、七十だよ。そう見えないかね?」
釣次郎が後ろから見ても、その僧侶は五十代にしか見えなかった。マリムは反論するかの如く、
「全然、七十歳には見えませんよ。二十歳で出家ですか。」
窓の外の景色は砂漠のように緑が無くなっている。運転手は、
「そうだよ。実家が寺院だからね。でも跡取りは兄貴がいるし、私は当本山に住み続けるしかないな。ここに居ると結婚できないけどな。」
と話してくれる。寺の事情としては地球の日本と似ているようだ。それにしても三人の目は前方に見えるピラミッドやスフィンクスが近づいてくるのを見ていた・・・。

 地球の話に戻ろう。左翼過激派の党首である桜見世子(さくらみ・よこ)を追っている時・流太郎は合同会社の部下の本池釣次郎と連絡が取れなくなり慌てていた。スマートフォンでも連絡が取れない。新宿のマンションに訪ねっていったが留守なのだ。行先も告げずに消えるなんて、そういう人間ではないと流太郎は思っていただけに巨大な不安の雲が入道雲のように彼の心を占めていった。
(もしかして何者かに連れ去られて、何処かに監禁されているとかではないか?有り得るとしたら中国共産党の公安かスパイに誘拐されたんだな。公安の指示で動くホストに感づかれたのだろう。スマートフォンも没収されて、もしかしたら拷問されているかもしれない。)と考えると流太郎は焦り始める。
流太郎は情報第三部の元海一佐にスマートフォンで連絡すると、
「はい、元海です。・・・何、本池が連絡が取れなくなった?困った事だが、こちらとしては何もしてあげられないよ。君達は正規の自衛隊員ではないし、自衛隊員でも行方不明者を追う事はないからね。」
「そんな・・・誘拐されて拷問されているかも、しれませんよ、本池は。」
「それは、ないと思う。中国の公安などが日本でする事では、ないからな。それに彼は独自にホストクラブの雇われ店長をしていただろう?だから彼の店に中国公安関係のホストがいた、とは報告は来ていない。君の方は潜入しているがね?過激左翼の桜見世子なんて自衛隊には、どうでもいい存在だからな。」
「そうでしたね。でも中国の工作員も別に危険ではないみたいですが。」
「そうだな。でも一応、見張っていないとな。仕事だからな、我々の。」
「でも軍事には関係ないような工作員ですよ。」
「それは、それ、軍事に関係ないから工作員なんだよ。」
「本池は見殺しにするのですか。」
「見殺しなんて言葉の表現は、やめたまえ。我々としては手の打ちようがない。もしかして他の惑星に連れられて行っているのなら、日本国に限らず宇宙では最先端のアメリカに頼んでも、まず無理だ。
そうじゃないのかね?時流太郎君。」
流太郎はハタリと気づいたのだ。自分にも、そういう経験、地球外に連れられて行った事がある。本池が連れ去られることは、ないとは断言できない筈だ。それにしても元海一佐の回答は、いい加減なもののような気もする。それで流太郎は、
「元海一佐は地球外に行った経験は、おありですか?」
「ないよ。ごく普通だろう、その方が。」
「それは普遍的にして一般的ですよ。」
「そうだ、な・・あ、ちょっと待て。大元帥からの電話だ。」
と通話は保留にされた。
元海一佐の部屋には大型のスクリーンがあり、それが稼働したのだ。そこに軍田大元帥の顔が大写しに映った。向こうからも元海一佐の部屋の中が見えるらしい。大元帥は、
「この度、しばらく中国人の工作員と思われる在日人の監視を規模を縮小する事にした。それで時と本池との契約を一旦、解除する。」
と呑気な顔で命令した。元海一佐は椅子の上で気を付けをすると、
「分かりました。通告しておきます。」
と素早く答えると大元帥は力なく、
「予算が削られてね。なんと極左政党が力を増大させてきている。日本紅党が議席を増しつつあるからのようだが。我々としては仕方がないね、外部委託は辞めなければ、ならない。」
「日本紅党・・・。」
「そうだ。桜見という女はカリスマらしい。BIの拡大のためには、やむを得ないだろう・・・。」
「BI、ベーシックインカムの事ですか。」
「ああ、そうだ。世界的にも平和が続くし、日本紅党が中国との政治的のみならず経済的にも軍事的にも連携を目指している。対中国への軍事的警戒は不必要になるかもしれん。日本紅党が中国との安全保障条約を結ぶという政策を掲げ出した。朝鮮民国と中国との国境に自衛隊の基地を置くという構想だ。その他、色々と発展するらしい。」
「ううん、それでは自衛隊の予算を増やす必要は、なくなりますね。」
「一応、そうだろう。でも、ひとまず、これでいい。平和な時代に自衛隊なんて災害派遣されて人命救助しか意味がないよ。本当は殺人集団なのだが。それは遠い昔に終わったんだ。時と本池にも我々に煩わされずに自由に生きてもらいたい。それでは。」
スクリーンは白い画面になった。
流太郎の耳に保留の音楽が消えて、
「やあ、待たせたな。時君、しばらくは自衛隊からの仕事は無くなるよ。もし将来的に頼む事があれば、又、連絡しよう。」
流太郎は顔色を変えて、
「突然ですね。なぜ、でしょうか。」
「うん、理由は話せないがね。ま、予算が減ったらしいよ。では、な。」
通話がプツー、と切れた。自衛隊情報第三部からの支援金は終わったのだ。流太郎は東京都町田市原町田のマンションに今、いる。窓の外には駅前の風景、外国人もコロナウイルスの再燃で日本に入国できず、新たな中国人に限らず何処の国からも訪問されないので外国人の影は少なくなったのだ。
町田市は観光地でもないから宿泊業界の打撃は少ない。しかし都心では姿を消したホテルも多い。それによる経済的な後退の波及を流太郎は感じないでは、いられないのだ。
例えば東京都内の電車の本数や鉄道関係の職員の大幅な切り捨てはハローワークへの人の殺到を産んでいる。航空業界も似た現象なのである。風俗業も衰退のやむなきに至り、失業した女性の行き場も、その道は閉ざされたのだ。流太郎の仕事は新宿のホストクラブで働く事だけになった。朝から昼までホストの仕事は、ない。ホストの仕事は副業として、やってもいい。それに例のコロナウイルス騒ぎでの自粛要請が出てホストの仕事も減っている。
元の古巣である株式会社夢春の籾山社長にスマートフォンで電話した流太郎は秋の朝の光を顔に浴びながら、「おはようございます。社長、時です。」「やあ、珍しくも久しぶりだな。時、時に何の話だ?え?あ?」ある意味で無関心さが現れる籾山社長の返答だ。流太郎は、「実は仕事が巧くいかなくなっていて、社長から仕事をいただければと思います。」
「あー、そうかー。どこも上手くいかない世相だな。今、何処に居るんだ?」「東京ですよ。住居は町田市の駅近くです。」
「ほう、いい営業があるんだ。それはサイバーセキュリティの売り込みをしてもらいたい。相手は日本紅党の党首、桜見世子というんだがね、これが中々の怪人物で電話とメールのセールスを俺がしたら、桜見さんは会って話を聞くというんだ。で、俺が直接東京に行く予定だったけどね、今、福岡の明太子の大手からサイトのサイバーセキュリティを頼まれてね。日本紅党よりも金がワンサカある企業だよ、こっちを優先したいから丁度、よかった。時、俺の代わりに日本紅党の党首の桜見様と会って交渉してくれないか。」
と機嫌のいい籾山社長の返事だった。
流太郎にしても桜見世子は会って話もしている。三空冬樹と名乗っていたと思う。それだけに、この営業は進めやすいだろう。それで、
「やりますよ。社長、是非、やらせてください、その仕事を。」
と熱を帯びて話す流太郎に籾山は、
「そうか、よかった。SMSで俺のスマートフォンに今の連絡先とか住所とか様々を送ってくれ。」
との事だった。
桜見世子にはメールを出した。
サイバーセキュリティの件で御座います
________________________________________________
 以前、お会いしました三空冬樹です。株式会社夢春の籾山の代理で、ご商談に参ります。つきましては御予定など、お知らせくださいませ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(すぐに返信は来ないだろうな)と思う流太郎であった。確かに、その通りで三時間後に流太郎のスマートフォンに紅党党首の桜見世子から返信メールが届いたのだ!
 お久しぶりです 桜見です
 確かに籾山さんと交渉予定でしたサイバーセキュリティの件で三空さんに、お越しねがいたいです。三空さんは確かホストクラブで、お会いしたような気がしますが。でも問題ありません。ホストは副業でも、やれるしね。
本日の午後三時に渋谷区代々木の日本紅党本部に来てください。
___________________________||||||||||||||||||||||||||||||
という内容だった。
桜見世子は自分を覚えていたのだ。それで籾山に電話をすると、
「なに、どうした時。桜見さんの所に行くんだろ??え??」
「ええ、メールで連絡して交渉に行けるようになりました。今日の午後三時です。でも、前に桜見さんとはホストとして会っています。僕、新宿のホストクラブで働いていましたから。」
「おう、そうか。それが何か問題でも、あるのか。」
「三空冬樹と名乗っていましてね。そこを籾山社長にも知って戴かないと思いまして、はい。」
「おー三空冬樹というホストだな。分かった、話は合わせておこう。うちは副業は自由という事に、すればいいし。でも東京の新宿でホストをしていたなんて知らなかったなあ、オレは。」
「勿論ですよ。僕は社長に連絡もしていませんし、ご存じある訳がなでしょう。」
「うーむ。ま、ホストとしての経験は女性顧客との交渉に役立つだろう。紅党はクラウドサービスなんかを利用していないからウチの、お得意さんに出来るはずだ。あまりITの事は知らない女性らしいので、その辺も心得た上で話しを進めるといい。」
「はい、そうします。紅党のサイトは今のところ単純なものです。外部からの侵入は容易に行えるようですね。」
「そうオレも思う。党首のブログも乗っ取られて書き変えられるだろうね。今の与党の共和党も狙っているかもしれないなあ。」
「自衛隊出身者が多数の共和党だから実行しかねませんね。」
流太郎も自衛隊情報第三部の外部要員として紅党党首の桜見に会ったわけであるが。籾山の顔はスマートフォンの画面に映っているし、流太郎の顔も籾山のスマートフォンに映じている。手で耳に当てないで胸の前あたりに画面を構えて、画面の顔を見ながら話が出来る。その場合、高性能の集音器に切り替わるので従来の携帯通話とは違った姿勢になるのだ。顔を見ながらのスマホ通話は相手を良く確認できるものだ。
籾山の顔も朗らかで流太郎は安心した。この通話形式は料金も高くなるので相手との同意は必要だ。日本紅党党首の桜見も、この相手の顔を見ながら話すことの出来るスマートフォンを持っているはずだが、それは推測に今のところは過ぎない。画面の籾山は右手を上げると、
「じゃあ、よろしく頼むよ。福岡にも帰って来いよ、新しいラーメン屋が開店しているからな、では。」
通話は、そこで切れる。
 丁度、正午になった。流太郎は東京の古道具屋で珍しい時計を見つけたので買って部屋に飾っている。その古道具屋には行ったことが無いがインターネットのショップサイトで見て注文したのだ。それは大きな縦長の振り子時計なのだが、振り子が何と男性器の形をしている。陰茎の方は前に垂れ下がった形だが、包皮も向けて亀頭の形も露わなのだ。振り子時計の振り子は通常はガラスの中に入っているものが多い。が、流太郎の部屋にある振り子時計の振り子の部分、それは男性器の形なのだがガラスに収納されていない。振り子として揺れる二つの睾丸も見ものである。それよりも特筆すべきなのは正時になると、例えば正午とかに時計の長針が位置すると陰茎に似た部分が勃起するのだ。
十分間経過すると、その部分は元に戻りダラリと下に垂れ下がる。どうも限定生産の希少な柱時計、ボンボン時計などと呼ばれてきたものである。その柱時計は高さが一メートル七十センチはあるし、陰茎に似た部分の長さは勃起時に二十センチになる。
ボンヤリと商談について思いを馳せていた流太郎は、ふと我に戻り目の前の柱時計を見ると勃起は収まっていた。時計の針は十二時十一分だ。(外に出るか、まだ早いとは思うけど)と流太郎は思い、玄関を出たのだった。
町田駅前の賑やかな歩道にはゲイの夫婦が自分たちの子供を連れて歩いていた。信じられない話だが流太郎はネット記事で、その実態を知っていたので左程、驚かない。
ゲイの夫婦のどちらかは人工子宮を肛門内に取り付ける。精子銀行は昔からあるが今は卵子銀行も存在する。そこで代金を払って手に入れた卵子を医師に肛門内に入れてもらう。
ゲイ夫婦は遅くとも、その日のうちに性交して夫は妻の尻の中に射精する。翌日には妻は産婦人科を訪れ受精の有無を調べてもらう。産婦人科医は、
「奥さん、おめでとう。奥さんの子宮にある卵子は受精しています。」
と祝福を述べる。ショートカットだが女性の短い髪ほどに髪を伸ばした男だった妻は両手を胸の前で組み合わせて、
「嬉しいわ。お医者様、見つけてくれて有難う。」
と話すと喜びの涙さえ目に浮かべている。産婦人科医は謙遜して、
「いえいえ、私の技術ではありませんよ。大自然の云うなれば神の御手により受精されたのですよ、奥さんは。すぐに受精卵は取り出して試験管の中に保存しなければ、なりません。」
と提言する。男だった人妻は残念そうに、
「わたしの尻の中で成長していくのは、まだ無理なんですね。先生?」
医者は憐憫の色を顔に浮かべると、
「もう少ししたら人工膣も開発されて、その中に人工子宮を埋め込む技術が開発されますよ、そうすれば自分の胎内で受精卵が生育して自分の膣から出産が可能になります。でも今はまだ無理な相談です。さあ奥さん、あそこのベッドで手術しますから、ベッドで俯せになって尻を高く上げてください。」
と指示する。
その通りに男だった妻は全裸になりベッドに、うつぶせになると大きな尻を高く突きあげて肛門の中から医師が受精卵を取り出すのを待つ。巨乳も下へ垂れ下がっている。股間には性転換手術をしていない小さな陰茎も垂れ下がっている。睾丸も小さすぎてパっと見ては見落としそうな大きさだ。もちろん陰茎は包茎だが剥ける必要は、ないだろう。女性の陰核、クリトリスにしては大きい。
産婦人科医は、その男だった、今でも小さなモノはついている妻の高く突き上げられた尻の穴から特別なピンセットで受精卵を取り出した。それを試験管の中に素早く保存する。試験管内は女性の子宮内と同じ環境を作り出している。産婦人科医は安堵した顔で、
「奥さん、成功だ。貴方方の性交は成功したんだ。これで元気な子供が生まれるよ。」
尻を高く突き上げたままにしていた夫人は尻を下げると、
「ありがとうございます、先生。後は代理母探しですか?」
医師は、それを聞いて揉み手をしながら、
「代理母の方が費用的に安くなるのだけどね、今の医学では女性の胎内に相当する巨大なフラスコがある。そこで生育する胎児は代理母よりも完璧な栄養補給を受けるんだ。へその緒が出てきたら、それを繋げてチューブの中から胎児に栄養が送られる。代理母の拡張した膣口から生まれる必要もないさ。産みの苦しみとはいうが、もしかしたら生まれてくる胎児も苦しいのかもしれないね。いくらか頭部を胎児は母親の膣口で締め付けられるしね。」
と驚異的な話をする。それを聞いた男だった夫人は、
「すごーい。でも、それは神の領域に踏み込んでいませんか、もしかして?」
揉み手を止めた医師は真顔で、
「神の領域ではなくて女性の膣内の領域だよ、子宮内のね。神様が子供を産む訳では、ないよな。」
「そういう意味ではないというか、先生、子供は女性の胎内から生まれてくるように神様が作られたのでは?という意味です。」
「あー。そんな事?何事も自然のままがいいのなら癌患者は医師を頼らなくてもいいだろう。その病気以外だって様々なものがあるよ。それらは人為的に医術で治せるさ。奥さんの出産願望だって普通の方法では子供はできない。それを貴女の尻の中で射精してもらって、その旦那の精液を受精させるのは人為的だよ。でも、それが上手くいくから貴女にも子供が授かるんだよ。医学の勝利だと思わないかね?奥さん?え?そうだろう!」
男だった夫人はベッドの上に起き上がって医師を向いて座った。白い肌に女の美巨乳が揺れた。彼女は両膝を閉じているので極小のペニスは隠れて股間の陰毛は逆三角形をしているために女の下腹部のように見える。脇腹も窪んでいるからクビレがいい、処女のような顔をしているのも処女膜を貫通されないからだろう。
処女膜を回復する手術を女性が受けたとしても過去に処女膜を貫通されたという記憶までは消し去れない。それで手術で処女膜を再生しても心理的には処女に戻れないのだ。
妙齢の処女の美女が全裸でベッドに座り、自分を見ているという状況のように医師はフト、思い込み少し勃起したが自制してみる。彼女は、
「あら?先生の股間が少し膨らみましたよ。わたしの裸に感じての勃起じゃないのかしら?」
医師は慌てて右手を横に振ると、
「男は別に女性の裸を見なくても勃起する事は、ありますよ。わたしは産婦人科医です。女性の裸には慣れていますから。」
とはいえ産婦人科に処女は来ることはない。処女を証明するために来る場合もあるとはいえ、それは極、稀で、その産婦人科には未だに処女が来院した事は皆無だった。夫人は悪戯っぽく微笑むと、
「代理母に頼むと安上がりになるけど、要は金を持っているか、いないかというのが判断の基準になりますよね。」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です