美神は立ったまま、
「ソープランドの中とは思えないね。ん?あの細長い浴槽がソープランドらしいな。」
和室の部屋の中に洋式の浴槽があるのが目立っていた。
着物姿の撫子は立ち上がり、美神に最接近して、
「お召し物を、お脱がせ致します。」
と云うと、素早い手つきで美神の服を全て脱がせた。下着も脱がせた撫子は又も振袖を上げて口を隠すと、
「大きな男性自身ですわ、お客様の股間のモノ。それに上半身の筋肉美。ボディビルダーみたい。」
とロボットとは思えない知識を見せる。美神は頭に右手を当てると、
「照れるな。まだ勃起していないけど。」
「そうですわ。勃起したら凄いサイズに・・・。」
黒髪に、かんざしを差して顔には、おしろいを塗っている撫子の顔はロボットとは思えない顔だ。美神は、
「君も早く脱げよ。」
「あい。脱ぎまする。」
なでしこは着物の帯を解いた。それだけで彼女は全裸になったのだ。その裸もロボットとは思えない姿だった。
白い肌に乳房が大きく盛り上がり、濃いピンク色の乳首に下半身の股間は闇の深さのような黒い陰毛で覆われている。
美神は触れれば届く距離に居るので即、半勃起する。
女ロボットとの性交は初めての美神だ。
なでしこの髪型は崩れていなくて、かんざしをハメたままだ。美神は前に進むと撫子の尻を抱いて自分の腰を落とすと又、上げて肉巨砲を彼女の女秘部に突入させた。
並の人間の女よりも快感を与えてくれる女ロボットなでしこの女性器だ。ただ彼女は声も出さず、顔の表情も変わらない。美神は腰を振りながら、
「やはり君はロボットなので何も感じないんだな。」
と尋ねると、ふふ、撫子は笑い、
「わたし、反応が遅いんです。それに私の快感に、あえぐ顔を見たら、お客さんはスグにイってしまうんですもの。」
「なるほどね。で、そういう風に作られているんだなあ。」
「ええ。製造過程で実験されて数人の男とセックスしました。私の快楽の表情を見た男は即射精したんです。」
確かに撫子の膣は気持ちいい。美神も射精を耐えている。
「それは、そうだろうな。二度目の勃起までは時間が掛かるのが普通だ。体位変換しよう。後ろに君は体を倒して逆立ちしてくれ。」
「あい。やりまする。」
女ロボット撫子は後ろへ体を倒した。
美神は撫子の両方の太ももを両手で抱えて支えてやる。
美神の眼下には二人の結合した部分が丸見えだ。
撫子は両手を畳の床に付いて逆立ちしている。美神は、
「君はロボットだから頭に血が昇る事は、ないだろ。」
「ええ、セックス中に逆立ちしたのは初めてですわ。そもそも私、オマンコが感じる事なんてないんです。女性器の感覚が脳内で感じられる事が、ないからね。」
「ああー、そうだねー。では僕もロボットのように、感じなくてヤリ続けたら、いいんだが・・・。君の膣内は動き続けていて、いや、もー出そうだ。
そもそも最初から君の膣内はゼリー状の液体が塗られているんだろ。」
逆立ちしたまま撫子は、
「ええ、そうです。一週間に一度はメインテナンス、保守のためメーカーでゼリー状の液体を補充して、もらうの。」
「それにも費用が、かかるな。機械って電気代だけで済むものでは、ないな。」
「わたしが快感の表情になるまでは三十分、男のモノが挿入されている事が必要です。そういう設定になっています。」
「あと少しで三十分だろう。お?」
撫子の逆立ちした顔が快楽を感じている顔になる。三十分が経過したのだ。
美神は彼女の両脚の付け根にある衝門というツボを押してみたが撫子は、それには感じない。さすがはロボットだ。美神は、
「君はツボを押しても感じないね。」
「ツボですか?何の事でしょう。」
「それは学習させられていないんだな。」
「ええ、知りません。」
「説明が難しい。要するに神経が、つながっていて・・君の女性器が反応する場所。だが人間の女のみ、ツボがある。」
「そうなんですか。何の事やらサッパリ、アッパリ、ロンドンパリ。デモ気持ちいいワー。アアん。」
いくら高機能のロボットとは言え神経やツボは作られていないのだ。
そこで美神はツボを押すのを辞めた。膝頭下の足三里のツボを押しても意味がない訳だ。
それから十分程経過しても逆立ちしている撫子の快感の表情には、それほど変化はないし人間なら顔が充血してくるはずだが撫子は、それはないのだ。
撫子の太ももも人間ソックリな感触なのだが美神は、
(あー俺はロボットと、やっているんだ)と思うと射精は抑えられる。
つまり冷静になると美神は、
「なでしこ。気持ちいいか。」
と聞いて見ると逆立ちしたまま彼女は、
「気持ちよすぎるー。こんなの初めてー、アッハン。」
と応対した。
実際には人工知能が反応しているだけだ。そう美神は思い、冷静さを保った。
冷静でいられても、やはり撫子の美壺の中は気持ちいい。美神は、
「その態勢から上半身を起こして、僕に抱きついてキスできるか。」
と誘ってみた。撫子は目を見開くと、
「出来ますわよーん。」
と答えて、逆立ちから上半身を起き上がらせて美神に抱きつくと熱湯のようなキスをした。
二人の唇は十五分は結ばれて口と性器の二か所は結合している。その二重の快感に遂に美神は美人機械に男の象徴液を解き放った。
撫子も疑似子宮に白精液を感じて、
「ううーん、いくっ。」
と美声を放ち、首をのけ反らせた。
その店を出た美神は機械と初めて性交した事を福岡市の時流太郎に人の少ない喫茶店でスマートフォンで報告した。
流太郎は、
「それは、いい経験だね。実はサイバーモーメントで美人ロボットを製作中なんだが、テストのために人材が必要なんだ。君、福岡市に戻って美人ロボットとセックスして見る気は、あるかい?」
と美神の耳にスマートフォンから問いかける。
「ええ、あります。自衛隊の方は、大丈夫ですか。」
人のいる喫茶店内なので陸上自衛隊情報第三部隊とは、言えない。
「ああ、七谷一尉は了承済みだよ。中国の女スパイも君は征服したらしいので、サイバーモーメントのモニターになる事は君の全身を前進させる、いい機会らしい。相手は機械だけど東京にあるロボットソープランドの女ロボット、君が今さっき遊んだ女ロボットより高性能らしいんだ。」
「そうなんですか!それでは福岡市に戻ります。」
「うん待っているよ。」
通話は途切れた。
羽田空港から超音速旅客機に乗った美神は福岡の板付空港まで凄い速さで移動できた。
そこから地下に降りて地下鉄に乗ればフレッシュアイランドまで行ける。
流太郎の会社のドアを美神が開けると、中には流太郎一人で美神を見ると立ち上がり、
「やあ!待っていたよ。超音速旅客機で来ると思っていた。」
と話すとドアの中に立っている美神に近づいて行き、
「今からスグにサイバーさんに行こう。もう電話しているんだ。サイバーモーメントに。黒沢社長は待っている。」
と伝えた。
二人はビルの外に出るとタクシーで博多区東那珂のサイバーモーメント株式会社の自社ビルへと向かった。
広大な敷地のサイバーモーメント株式会社の実験棟とも呼ぶべき建物に入ると、そこの主任らしき人物が、
「時さんですね。社長に連絡します。」
と作業着姿で社内電話した。
「黒沢社長、時さんと、もう一人の方が来られています。・・・はい、分かりました。」
と電話を置くと、
「五分以内に黒沢は来ますので、そこの待合室に入って、お待ち下さい。」
白壁の簡素な待合室だった。二人が座ると、しばらくしてドアが開いた。
鼻髭顔の黒沢が背広姿で現れて、
「いよう、時君。それに貴方は美神さんですね?」
と時と美神を見渡して云う。
美神と流太郎は立ち上がり、美神は、
「はい。美神です。」
と答えた。
黒沢は微笑すると、
「実験室に行きましょう。美人ロボットは完成寸前で色々と試験をしていますよ。さあ、行こう。」
実験室は小さな図書室位の広さだった。
手術台のような所に完成した女ロボットが仰向けに寝ていた。黒沢社長は、
「完成したのだが後一つ、やる事があってね。それが他社は全く、やらない事なんだよ。」
と説明した。
その時、ドアが開いて一人の僧侶らしき男が入って来た。
日本人では、ないらしい。黒沢は丁重な姿勢で、
「おまちしておりました。チェンチェン・パラポロ老師。」
と話すと頭を深く下げる。
老師という割には五十代の若さに見えるパラポロ師は濃い赤色の僧衣を身に着けているから日本の仏教僧では、ないらしい。
パラポロ師の傍らには助手らしき青年が同じ赤色の僧衣を身に着けて持ち運んできた密教法具を手術台に置く。
パラポロ師は黒沢に頷くと、
「それでは始めます。」
と挨拶した。
それからパラポロ師は手に法具を持ち、読経を開始した。
それは長く続き、三十分は経過した。
読経が終わるとパラポロ師は法具で空中に何かの印を描くと、その法具を女性ロボットに向けた。
それで儀式は終了したらしく、
「これで入魂の儀は終わりました。この女性ロボットには魂が宿ったのです。」
それは何か感動的なものを実験室にいる人々に、もたらした。黒沢は深く頭を下げると、
「有難う御座いました。」
と謝意を述べる。
チェンチェン・パラポロ師は同じく頭を下げると、
「それでは失礼します。」
と助手と共に退室した。
黒沢社長は、
「今の入魂の儀で女ロボットに魂が宿ったんだ。只のロボットではなく人間の女と同じく魂が宿っている。そこで美神君。
この女ロボットとセックスしてもらいたい。」
と話す。
美神は驚いて、
「ええっ?この場でですか?」
黒沢は、
「ああ、この手術台を今、ベッドに変える。」
と云うと手術台に近づき、一つのボタンを押した。すると女ロボットの下からベッドが繰り上がってきてダブルベッドになってしまった。
流太郎と美神は驚きの眼差しで、ダブルベッドを見つめる。
黒沢は、
「これでダブルベッドになった。美神君。靴を脱いでベッドに上がり、女ロボットの服を脱がせて、いい。」
「はい、それでは。」
と美神は応答すると靴を脱いでベッドに上がった。黒沢は同時に女ロボットのヘソにある電源ボタンを押した。
途端に美人ロボットは明るい目を開いて、
「まあ、アナタは私の服を脱がせている。」
と美神を見て言う。
美神は手を止めると、
「やあ、こんにちわ。あなたはソープランドに出荷されるんですよ。テストとして僕と性交するんです。あなたを全裸にします。僕もスグ脱ぎますから。」
と中腰で答えた。
「そうなのね。でもワタシ、自分の名前も知らないわ。」
黒沢が、
「君の名前は四季美折(しき・みおり)と私が命名したよ、今。」
と通告した。
美人ロボットは、
「ありがとう。脱がせてくださいな・・あなたの名前は何ですか。」
脱がせる手を再開した美神は、
「美神美男と言います。お、見事な乳房だ。」
素早く服を脱がせたと言っても女ロボットは下着は、つけていない。それで下半身もスグに露わとなった四季美折の股間は黒く荒々しい陰毛で覆われている。
四季美折は、
「ロボットだから恥ずかしくないなー。でもワタシ、前は人間の女性だったような気がします。あ、美神さんって服を着ている時より逞しすぎます。それにパンツを脱いだら、もう半立ち、まるでバナナみたい。」
とベッドに寝そべったまま話した。
美神は本当の意味での自然体に、なっている。黒沢は、
「美折。君は、このロボットに魂を入れられた元はというと人間だった女性だ。だから前世は人間だったんだ。君の思いは正しいんだよ。」
と言ってくれる。
美神は美折の美裸身に自分の裸体を重ねて、
「キスをするよ、美折。」
四季美折は両眼を、
「さあ、どうぞ。」
美神は深く唇を美折に重ねる。と同時に全勃起したモノを美折の美秘部に全挿入した。
「ああっ。わたしの魂は今、このロボットに宿っているんだわ。でも前世では人間・・・。」
美神美男は腰を振り始める。
黒沢は美神が滑らかに彼のバナナ棒を美折に入れたのを見て満足して、
「そうだ。人間にも魂がある。機械に宿った魂は君が初めてかもしれない。どうだね、美神君のチンコは。」
と問いかけると美折は、
「あああーん。気持ちよすぎます。イクいくチンコで・・びかチンコですぅ。」
と黒沢に答える。黒沢は、
「略してビカチンだな。君の出荷先は新中洲のソープランドになる予定だよ。」
「あがとうございます、ってロボットとしてのワタシが答えてしまいました。新中洲っていうのなら中洲って、あるんでしょう。」
黒沢は、
「そうだよ。フレッシュアイランドの一区画が売れ残っているので、そこを風俗業の許可地にする事が福岡市議会で可決された。そこに日本一、いや世界一のソープランドを作るのさ。資本は我がサイバーモーメント株式会社が出してオーナーとなる。
細かい所は、これから決めて行くけどね。なにしろ我が社は防衛産業で、かなりの儲けを出しているし、公社ではないにしても売れ行きは安定している。金おお余り会社だから。」
と解説してくれた。
美折は、それを聞くと、
「初体験が美神さんで今、チンコ入れてくれています。あっ、あっ。激しいチンコ摩擦だわ。あー、イキそうですっ。」
美神としても人間の美女とヤッテいるような感覚がしている。
美折は美神の背中に両手を回して、
「オマンコ破裂しそうに気持ちいいワっ。ああーん。」
とセックスに没入し始めたようだ。
それを流太郎と黒沢は静観していたが五分後に美神は夢のように果ててしまった。
魂は人間の女でも体はロボットの四季美折はセックスは五分程度と学習したようだ。それに反して女性経験が豊富な美神美男は本業はAV男優ではなくボディビルのトレーナーなので知人とはいえ二人の男性にセックスを公開した事と五分でイッタ事への羞恥心は、ある。
美神は四季美折の体から離れると座って、
「黒沢社長。早や過ぎました。」
と詫びる。黒沢は右手を左右に振ると、
「いやいや。長く持った方だと思うよ。四季美折の膣内感覚は有名なアダルト女優の名器を徹底的に調べて複合的に、それを再現したモノなんだ。
普通の男なら一分は持たないと思う。」
と説明する。
美神は流太郎の意見を求めるように視線を向けたので、流太郎は、
「僕でも二分は持つかどうかだと思う。」
と意見を開陳した。
黒沢は流太郎に振り向いて、
「時君。君も美折とセックスしてみないか。」
と誘うと流太郎は、
「いえいえ。今、性的状態が不良なんです。」
「そうか。それなら今は、いい。美神君。テストは、これで終了だ。よく頑張ってくれたね。」
と大いに黒沢は美神に労を、ねぎらったのだった。
フレッシュアイランドの自衛隊近くのマンションに帰った美神美男にスマートフォンが鳴り響いた。
「はい、もしもし。」
「美神さん。李豹豹です。」
「ああ、こんにちわ。」
「青砥のマンションは留守なんですね。」
「ああ、今、福岡にいる。」
「福岡って福岡市?」
「そうさ。」
「青砥には帰らないのですか。」
「いつになるか分からないね。」
「わたしをホッテ置く積もり?」
「そんな事、ないよ。」
「それなら、わたし福岡市に行きます。」
「え?今から?」
「ええ超音速旅客機で行くから迎えに来てください。」
「分かった。迎えに行くよ。」
「お仕事は大丈夫ですか。」
「今日の仕事は終わったから。」
「それでは一時間以内には福岡空港に着きますから。」
「ああ、そうだね。」
「それでは。では。」
李豹豹は美神と結婚するつもりなのだ。
通話を切ると美神は、
(空腹も超音速旅客機なみに来たな)と思い、台所でカップラーメンふたつに熱湯を注いだ。
一分で出来るカップラーメンが新発売なので、早速、ドラッグストアで買って置いていたのだ。
フレッシュアイランドにはドラッグストアとコンビニエンスストアがあるがスーパーマーケットは、ない。
福岡市内ではスーパーマーケットは消滅している。
映画館も随分昔に絶滅した。
ボディビルダーらしく出来上がったカップラーメン二個を悠々と食べ終わると美神は立ち上がり外出した。
地下鉄で福岡空港へ行く。国内線のゲートで待っていると目立たない服装の美人、李豹豹が現れた。待っている美神を見つけると李豹豹は駆け寄るように美神に近づき、
「お待たせしましたか、美神さん。」
美神は変装用の眼鏡を掛けている。眼鏡を外していたら李豹豹は美神に気づかなかったかもしれない。
美神は冷静沈着な顔で、
「全然、待たなかった。」
「それは、よかったわ。」
「この近くにラブホールがあるんだ。」
「ええ?行きたいな。そこ。」
「よし。タクシーで行く。」
美神はスカイタクシー乗り場に李豹豹を連れて行く。
福岡空港の近くにはヘリポートとスカイタクシー乗り場がある。
ヘリコプターに乗る人達は少ないがスカイタクシーに乗る人達は、そこそこの人数だ。
でも順番待ちは少ないので美神と李豹豹は、すぐにスカイタクシーに乗れた。
垂直離陸で飛び上がるタクシーの後部座席の美神美男と李豹豹は窓から下を見降ろして絶景を楽しんだ。
福岡空港が眼下に見えて離発着する旅客機も見える。
空港に出入りする人達が蟻のように見えるとヘリタクシーは北東方向に進んだ。
道観のような建物、つまり道教の寺院のような赤い建物が見えた。美神はヘリタクシーの運転手に、
「あの赤い建物の上に着陸してください。」
「あ、あれですね。新しいラブホテル、悦楽院。」
「そう、ヘリタクシーやヘリコプターが着陸できるとネットで紹介されていました。」
「はい、私も初めてですが広いヘリポートなので簡単に着陸出来ます。」
男性運転手は安全に赤い道教寺院の最上部のヘリポートに着陸した。
ヘリタクシーを降りた美神美男と李豹豹は屋根のある受付に行くと志那服というか赤い中国服を着ている中年女性が宝くじの売り場たいな窓口に居る。
そこが、そのラブホテルのフロントだ。
美神は、
「二人で休憩します。クレジット決済で、いいですね。」
と申し込むと、
受付オバサンは明るい笑顔で、
「はい。今は最上階が空いていますので、お薦めです。下に行くほど安くなりますけど、最上階は窓からの眺めもステキですから。」
と勧めた。美神は、
「それでは、その最上階の部屋を。」
「はい、クレジット決済します。」
美神がクレジットカードを出すと、オバサンが受け取り、端末で決済した。そして、
「鍵はコレ。そこのドアを開けて下に降りるとスグの部屋です。」
二人はドアを開けると目の前のエレベーターで下の最上階へ降りた。
壁は白くて床の絨毯は赤い。目の前の部屋が二人の入る所だ。美神は鍵を入れてドアを開けた。二人が入ると広い窓から遠くに福岡空港が見える。
壁に赤い道教の祭服が掛かっている。李豹豹は、
「あの赤い服を着ましょう。わたし道教の道士になろうかという夢もあったの。」
と云うと壁の赤い服を取り、身に着けた。その際、上着とスカートを脱いだので白い下着が美神の目に入り、美神は少し勃起して、
「僕も着るよ、赤い服。」
と云うと急いで身に着ける。
二人の道士が誕生したようだ。
李豹豹は両手を美神を迎え入れるように広げると、
「この服を着たままアナタと交わりたい。」
美神は彼女に近づいて抱きしめると、
「下着も脱いで服を着れば良かったな。」
「あ、そうね。もう一度、やりなおしましょう。」
「そうだ。僕も下着を脱いで服を着る。」
二人は全裸になったが、そこで交わるのを我慢して赤い服を着た。
もう一度抱き合うと美神は李豹豹の赤い服を腰の辺りから捲り上げて彼女の股間を露出させる。
赤と黒の色の対比に美神は即全勃起した。李豹豹は両脚の間隔を広げて立ったのでズッポリと美神のバナナ砲を受け入れる。
サイドテーブルに何故かヘッドフォンが二つ並べてある。その後ろに説明書きが見えた。
このヘッドフォンを装着すると道教道士に脳内は変化します。
李豹豹は、それを目に留めて、
「ああん。あのヘッドフォンを付けて、しましょう。」
と極色っぽく誘った。
「ああ、あれか。脳内が変化する・・よし、このまま歩くよ。」
「いやーん。いきます。」
二人は立ったまま交わった姿勢でサイドテーブルまで移動するとヘッドフォンを頭に着けた。
途端に二人の脳内は変化していき、二人は道教道士の脳になった。
二人の目に見えるものはラブホテルの室内ではなくて自分達は道教寺院内にいると錯覚した。
美神は、
「李豹豹。寺院内でセックスするなんて思わなかったな。」
と云いつつ腰を振る。
「ああん、そうね。導師様に見つかったら、どうしよう。」
「導師様は今、外出中さ。」
「それなら思いっきり突いてっ。」
潤んだ瞳で李豹豹は美神を見つめる。
「ああ。行くぞー。」
猛烈に腰を前後に振る美神に李豹豹は激しく乱れ始める。
美神脳内は道教の道士になった気分だ。
ここはラブホテルだが、もしかして道教寺院ではないかという気もしてくる。李豹豹も女道士の顔になっていて、それが快感を感じた顔なので美神は一層、興奮してくる。
壁からスピーカーでの音声が、
「動画撮影させてくれたら休憩料金は無料にします。」
と機械音が喋った。
立ちセックスのまま美神は、
「どうする?撮影を許可したら無料で休憩だよ。」
「あああ・・いい。と思うわ。目隠ししてくれたらね。」
美神は壁に向かって、
「動画撮影してもいいけど編集して目隠ししてくれるか。」
壁からは、
「はい、お二人の目隠しは編集時に、します。」
と機械音が答えた。
美神は、
「それなら撮影してもいいよ。」
と壁に話すと、天井から大型カメラが降りて来て二人の近くで静止した。撮影が始まったらしい。
カメラの前でセックスするのは二人とも初めてだった。というより大部分の人間はカメラの前でセックスは、しないだろう。
赤い道士服を着た二人の立ちセックスは激しくなっていく。
李豹豹は、
「道士服を着たままなので撮影されても、やりやすいわね。ああっ、あん。撮影されながら、するのは初めてだけどかんじちゃうわん。」
と云う。美神は、
「そろそろ体位を変えよう。ダブルベッドに移動だ。」
「分かったわ。交わったまま移動しましょう。」
二人は交接したままベッドへ。
ダブルベッドに二人で登ると美神は、
「君は片足を高く上げて体を反転させてほしい。そうすると立ち後背位になる。」
「分かった。わたし中国で体操も、習ったから体は柔軟なの。やるわ。あん。」
と答えると右足を高く上げて美神の頭の上を超えさせた、都同時に体をひねって美神に背中を向ける。
これを交わったまま行ったので李豹豹は凄い快感を膣内に感じたらしく、
「ああっ。物凄い刺激で快感だったわ。今の体位変換。あ、いい。」
「オレにしても、そうだったな。服を着ているから性交も長持ちできるよ。君が裸なら、もう果てていると思う。」
「道士の服って便利なものね。セックスを長引かせられるのね。あっ、すっごーい快感。」
後ろからズンズコと貫かれる赤い道士服の李豹豹は息を激しく喘がせ始めた。
天井からのカメラは二人に接近したり離れたりしている。
恐らく、それは自動ではなくて他の部屋で操作している何者かが、いるはずだ。
美神は写されていると思うとヤル気が出てくる。
立ち後背位から美神は李豹豹の耳元に、
「四つん這いになって尻を高く突き上げろ。」
と命じた。
李豹豹は、
「うん、あん、わかった。」
と答えると即座に四つん這いになり、めくれ上がった赤い道士服の尻を高く持ち上げた。
その態勢の李豹豹に、かぶさるように美神も四つん這いになり彼女の耳の穴に自分の舌を入れて舐め回す。
李豹豹は、
「ああーん、感じるーっ。」
と叫ぶと尻を落としそうなほど脱力した。
耳には聴宮というツボがあるのだ。
恋人同士というより二人は夫婦のように、なってきた。
美神は李豹豹を横向きに寝かせて自分も横になる。彼女の耳を舐めながら尻の道士服を捲り上げて左手を李豹豹のクリトリスに当てて愛撫してやる。
「ああーっ、はあーっ、いやーん。」
と李豹豹は甘く泣くような声を上げた。
すかさず美神は李豹豹の顔を後ろに向けて深く口づけると彼女の唇の中に自分の舌を入れて李豹豹の上の歯茎の中心にある齦交(ぎんこう)というツボを舌で押した。
これで李豹豹は子宮まで感じて身悶えしたのだ。
そのために美神は快楽の果てに果てたのだった。
そうすると壁のスピーカーが男の機械音の声で、
「素晴らしかったですよ。今度は風呂で、やってください。もちろん道士服は脱いで。」
と指示してきた。
美神は、
「分かったよ。少しは休憩させてくれ。」
と云うと肉息子を李豹豹の肉娘から外した。
スピーカーは、
「分かりました。焦らないでください。休憩時間は延長していいですから。料金は無料です。」
と楽しそうに云う。
美神はホッとした。李豹豹の顔は快感の余韻がある。美神は、
「休憩したら浴室に行こう。」
李豹豹は目を閉じたまま、
「ええ。行きます。わたしイってしまったけど。うふふ。」
と答える。
美神の脳内に記憶が蘇って来る。
それは彼が中国の道士であったという記憶だ。
同じ寺院に李豹豹の顔の女道士が、いたのだ。
ある祭事で二人は出会う。女道士は男道士の補佐的な存在だ。女道士は美神に、
「わたし李風風(り・ふうふう)です。」
と名乗った、
美神は、
「美・顔顔(び・がんがん)です。」
李風風は美顔顔の鐘を鳴らす手伝いをした。
二人の手が触れ合う。
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110円