真羅山太資(まらやま・ふとし)は、三十歳のAV男優だ。身長は百六十五センチ、体重は七十五キロで小太りな外見だ。AV男優としては中堅だが、逆駅弁ファックを編み出した。AV女優と対面してセックスを行う駅弁に対して、AV女優に背中を向けさせて、後ろからペニスを挿入し、女優の下腹部辺りを抱える。
AV女優は両脚を上げて、宙に浮いた格好になるのだ。これには有名AV女優も、
「ああん、飛んでるーっ。」
と悶えまくったのである。女性器が下付きの女優と行いやすい体位だ。
その体位は真羅山が二十五歳の時、福岡空港のトイレで客室乗務員の女とセックスした時、女はトイレの壁に両手をつけて尻を突き出した。
「このポーズで、したいの。アテンション、プリーズ。」
とハスキーな声で、二十二歳の巨乳の客室乗務員は懇願したのだ。
太資は、
「ようし。このポーズでハメるよ。」
と答えると、女の尻を持ち上げるようにして挿入した。客室乗務員は靴を履いた両足をあげて、
「ああっ、飛行機の中でセックスしてるみたいだわ。」
と乗務員の制帽をかぶった黒髪を乱しながら、太資の野太いモノをぴっちりとマンコで包み込んでいた。ショーツだけ下ろして、彼女は紺色の制服を着たままで、スカートは制服でミニだった。膨らんだ彼女の淫肉の唇は、太資の肉竿をヌメヌメと刺激した。太資は思わず、
「おわっ。」
彼女は、
「アハン、ハアンッ。」
と声を出してしまった。幸い誰も入ってこなかった女便所だった。
その後で、客室乗務員の彼女、名前は滝上夢代(たきうえ・ゆめよ)は、飛行機に乗るのだ。そのために制服を着ていたのである。夢代のヒップは制服でも隠しきれない大きさで、かなりの男性乗客は彼女の歩いて動く尻を見ていた。その尻の中に少し前、真羅山太資が盛大に白液を注ぎ込んでいる。
そういう後の女性の尻は、淫らな雰囲気を醸し出すものなのだろう。乗客の一人は彼女の尻に手を伸ばしかけたが、自制した。
この滝上夢代は、それから後、一ヶ月して空港のロビーで真羅山に告白した。
「わたし、結婚する事になったわ。いつまでも客室乗務員なんて、やってられないものね。」
結婚?誰とするんだ、と真羅山の頭の中で思いが彷徨う。
夢代はニカッと白い歯を出すと、
「同じ航空会社のパイロットよ。四十歳だけど、一晩に二回はしてくれるから、太資より多いし、テクニックも上で、わたしのアソコを三十分も舐めてくれたりもするの。
結婚したら毎日するって、言ってくれてるのね。つまり、交渉ね。ここ、ロビーだから、表現は抑えないと。
要するにね、太資よりうまい人だから。」
ガーン、と雷のようなものが太資の頭の中で轟いた。夢代は制服を調えると、
「それじゃ、さよなら。もう、会えないから。」
と言葉を残して、太資の前から立ち去ったのだ。
正にこの時に太資は、AV男優になる事を決意したのだ。自分は夢代と結婚するつもりだった。それを呆気なくパイロットに持っていかれたのだ。
太資は福岡空港で、航空便の荷物を動かす仕事をしていた。
その仕事を辞めて上京する事にした。人手の多い今、会社を辞めるのは簡単だった。夢代と結婚していたら、太資はその会社で働き続けただろう。女の影響と言うものは殊の外、大きいものなのだ。
パイロットとセックスを比べられて、別れを通告されるという男にとって屈辱的な場面を経験した太資は、もっとうまくなりたかったし、多くの女とやりたいという気持ちもあった。
そういう思いを秘めつつ、新幹線に乗って東京へ。
東京についてから昔ならAV男優を募集している事務所を探したりしたのだろうけど、今はインターネットで簡単に探せる。
「AV男優募集」
で検索すれば、いい。
ズラズラと沢山、出てくる。なにしろAVメーカーは、三百社は超える数はあるのだ。
それでも運よく太資は、大手AVメーカーのハメハメカンパニーにサイトのフォームから応募していた。
ハメハメカンパニーは西新宿にあった。高層ビルが立ち並ぶ一角のビルの三階に、AVメーカーとは分からない外観の入り口がある。
ハメハメカンパニーとは通称で、ビルの会社名の表札にはHHCと出ている。
ドアを開けると一人の美形な長身の女性が、受付に座っていた。真羅山太資を見ると、立ち上がって、
「真羅山さんですね。専務が、お待ちかねです。」
と笑顔で個室に案内する。AVメーカーの女子社員は真面目な女性が、ほとんどだ。させ子のような女性は、いなかったりする。
女性がAVメーカーに持つイメージは、男性が持つイメージとは違うという事なのだろう。
ほとんどの場合、女性の体や顔を中心に撮られているのがAVなのだ。
それにAVメーカーの人達は、優しくて真面目な人が多い。撮影技術もテレビ局に勝るものを持っているのだ。この理由は、こうだ。
映画全盛の時代に優れた人達は映画会社に入った。映画会社に入れなかった人間がテレビ局に入った。
そのうち、テレビが普及すると映画は圧迫され、興行収入も落ちてくる。
普通の映画では生きていけない人達は、アダルトビデオの世界に身を投じるようになり、そこで優れた撮影技術でAVを製作していったのだ。
レンタルビデオ店がAVメーカーの収入源ともいえるだろう。人がお金を払って借りるのがAVであり、タダで見るのがテレビなのだ。
だからAVメーカーの人達は、優れた映像製作者でもある。
太資の待つ、すべての壁が白い部屋のドアが開いてHHCの専務、五十代の筋肉質な男性が入って来た。背は高めだった。眼は丸く鋭い眼差しで、
「やあ、初めまして。専務の飯野栄蔵(いいの・えいぞう)と言います。福岡から応募してくれて、ありがとう。最初にね、健康診断があるよ。それ、大体、男優持ちだけど、君は今回はウチで持つからさ。新宿の病院に行って貰います。いい?」
「はい、もちろんです。」
「じゃあさ、今から行ってもらうよ。スタッフに同行してもらう。道川君というアシスタントディレクターと行ってね。」
道川ADが呼ばれて、会社の近くにある病院に性病の有無を検査しに行った。道川は二十代後半の丸く肥った男で背は低い。
「真羅山さんの男優名ですけど、漫湖名眼留(まんこ・なめる)だそうです。」
と細い眼をして道川は、新宿の裏通りで語った。
太資は苦笑いした。これから多くのAV女優のマンコを舐めるのでは、あろうけれども。
病院では、クラミジア、HIV、淋病、梅毒、そして性病とはいえないが、B型肝炎でないか、どうかを調べられた。
道川は検査結果を貰って、
「陰性でしたよ。つまり、安全でした。これで撮影には入れるな。」
と太資に話した。
このようにAV男優になるにも健康診断が必要だったりと、昔のように簡単には、なれなくなっている。
それでも昔と違ってインターネットで登録はできるし、まるで派遣の登録みたいだが、AV女優とガンガンやれるし、マンコも舐め回せてギャラも貰えるのだ。初回の絡みから、いい仕事をしたと監督に認めてもらえれば五万円は貰える事もあるらしい。それは、メーカーによって違うだろう。
真羅山太資の場合、汁男優からではなく企画ものの撮影から始まった。
恋人を失った男
というもので、恋人をなくした男性宅をAV女優が訪ねて行って、セックスをするというものだった。撮影は社内にあるスタジオの個室で、おこなわれた。
椅子に座り、落ち込む漫湖名眼留。その時、玄関のチャイムが鳴って、名眼留が開けに行くと、
社長秘書のようなAV女優が立っていた。
「こんにちわー。なんか落ち込んでませんか?わたし、そんな貴方を助けたいんです。
救済AV企画、恋人を失った男というものを、やってるの。わたし、春野桜姫(はるの・さくらひめ)っていう名前でーす。」
白いスーツの上下の桜姫の体は、出るところが出ている他は痩せていた。それで、腰のクビレが凄い。
白々しく思いながらも太資は、
「ええーっ。夢みたいだな。おれ、彼女を失ったんだ。」
夢代の事を思い出しながら、寂しそうな表情をする。なかなかの役者だ。俳優などは現場で監督に指示されて思い出しによる演技もする。太資は自分でやっているから玄人裸足で逃げ出す、というものだろう。
春野桜姫は美巨乳を誇示するかのように、白スーツの上着を脱ぐ。白シャツも脱ぐと白いズボンも降ろした。
立ち上がった太資の目の前に、桜姫のブラジャーに包まれた、たわわな乳房があった。それは乳首の透けてみえるブラジャーだった。ツン、と突き出たピンクの乳首を太資はブラの上から吸う。
「ああっ。うまいのね。」
桜姫は頭を反らせて、気持ち良さそうだ。桜姫の睫毛は長く、股間のショーツの陰毛も長そうだ。
彼女の乳首を吸いつつ、太資は服を脱いでいった。
結果として、太資は全裸、桜姫は下着姿だ。すぐに太資は彼女の下着をブラジャーから外す。
彼女の股間のVゾーンは、黒々とした長い陰毛がその下の閉じた淫唇も隠していた。太資の指は彼女の膨らんだ淫唇の合わさった割れ目を、ゆっくりと辿る。
「ぁー、はぁーん。」
と声を出して彼女はビキニで日焼けしていない尻を揺らせる。太資の肉茎は蛇が鎌首を持ち上げるように上に立ち上がる。
その時、監督の声が、
「はい、次は真ん中に置いてあるトランポリンに行って、乗る。そこで、跳びながら合体。」
と指示した。
二人は腕を絡ませつつ、トランポリンまで歩くと裸の彼らはトランポリンに乗り、ディープ・キスから太資のモノを立ったままハメて、二人で跳びはねる。
「ぁん、ぁん、ぁぁぁっ、あん、おまんこ、一番気持ちいいのーっ。」
と桜姫は、しまいには両脚を太資の尻に巻きつけ、両腕を彼の首に回して、ぶらさがり、マンコは太資の硬い肉茎を咥え込んでいる。脂肪のついた桜姫のマン肉は気持ちよく太資の肉砲に絡んで締め付けた。
彼は気持ちよくなり、
「あっ、出る。」
と叫ぶと、空中に二人が跳んだ瞬間、精も放っていた。降りた時、彼は膝をついて桜姫の大きな乳房が彼の胸に押し付けられた。
監督が満足気に、
「よし、いいぞ。トランポリン・セックス、うまくいったね。」
と二人を慰労するように声をかけた。
ハメハメカンパニーでは、マンネリ化したAVを打破するために新企画を考案中だ。企画部の羽目田育造(はめた・いくぞう)は、三十五歳の独身男、だからというのか、今もAVに夢中なのだ。一応、百人斬りは達成している。
ハメタ!イクゾウの新宿ナンパ実録
という企画モノでは自ら主演していた。そのシリーズで、ある大企業の専務の娘を引っ掛けてハメ撮りに成功したのだ。
彼女は二十五歳、あと一ヶ月すると某財閥の長男との結婚式が控えていた。自分の望みというより、親に用意された結婚らしい。
瓜実顔の彼女は大きな眼を開いて、
「乗り気の結婚じゃないけど。」
とインタビューで答える。
羽目田は中背で、痩せ型だ。画面に顔は出ないが、
「じゃあ、好きな人が他にいるのかな?」
と尋ねる。
「いるけど、その人も又、親の勧めている相手と結婚するのよ。」
「なるほどね。それで、このAVに出ようというきっかけというか、動機と言うかな。それは?」
彼女は微笑むと、
「別れる彼はAVが好きなのよ。それでわたしが出ているのを彼が見ることがあったら、面白いなって。」
東京を下に見ながらのセックス、というAV撮影が羽目田育造と、その令嬢、飯名レ美(いいな・れみ)とで行われた。
ヘリコプター二名貸切で、五万七千円弱という料金だ。(2014/04/09現在)
所要時間は二十三分程度である。七日前の予約で、なんとかなった。ヘリコプターの機体価格は五千万円前後なので、お得な料金だろう。
R44という機体で、最高が時速190キロ、航続時間は三時間二十分、航続距離は592キロメートル。
高度限界は4270メートル。というヘリコプターで東京へリポートから羽目田と飯名は空へ舞い上がった。
東京へリポートは江東区新木場四丁目にある。
操縦士は後ろを見ないのだ。二十分の短い時間で、カメラは座席に置き、横からの撮影だ。
バタンバタンバタン、
とヘリコプターの羽が回り始めるとフワッと空へ昇った。レ美は羽目田の膝の上に跨り、羽目田は彼女のスカートの中に手を入れてショーツを膝頭までずらした。擬似セックスなどは昔のAV、それと現在も芸能人専門レーベルでは時々、行われている。が、それでは面白くないので、羽目田はコンドームさえつけずに、やる。
だから、彼がズボンのファスナーを下げて、パンツから長大な陰茎を取り出しても、ゴムはつけなかったのだ。
「レ美ちゃん、いくよ。」
「うん、入れてー。」
大股を開いて羽目田に跨っているレ美のスカートを上げると、彼女のほどよい陰毛とその下のピンクの股間口が開いているのが見えた。モザイクはあとでかけるが、羽目田の眼にはレ美の淫口は男の男根を欲しくてしようがない、という形状をしているように見える。
たまらずに大きなレ美の尻を両手で引き寄せて、合体結合した。高度は一キロ位まであがっている。
レ美の顔を羽目田は横に向けて、眼下の風景を見させる。彼女は、
「ああン、まるで天国ね。羽目田さんの、大きいわ。あっ、ァ、アアッ。」
と令嬢の慎ましやかな悶え声は、それだけでもオナニーで抜けそうだ。レ美は軽く大きな尻を動かしている。
ブルルルル、と羽の旋回音が二人の耳に響く。
レ美の大きな胸を赤の上着の上から羽田は揉んだ。
「アフン、ウン、イイ。」
髪を振り乱してレ美は、のけぞった。ヘリコプターは左に曲がりながら飛行する。
羽目田はレ美の上着を脱がせてブラも外して、お椀型の乳房の硬くなったピンクの乳首を吸ってやると、眼を閉じて眉をしかめたレ美は、
「感じるわ。空の上で、アアーッ、もっと、チンコでこすってぇー。」
と叫ぶと、羽目田の首に手を回した。お嬢様がヘリコプターの座席で男に跨り、白い両足を大きく広げている。その脚は、やがて羽目田の尻に絡まり、強く締め付けた。
「あっ、あっ、オマンコ、とろけそうよぅ。いくっ、いくっ。」
とレ美は顔を赤くして、よがりまくった。口をポカンと開いて、赤い舌を出すと、
「いくわー、あっ。」
と悶えて、だらーんと体を伸ばした。失神したらしい。二十分は早く過ぎる。躾よく育てられた令嬢の乱れた姿は一部の男しか見られなかったわけだが、AVで何人かは撮られてきたとはいうものの、今回の飯名レ美は最高の女性だっただろう。普通、こういう令嬢はAVどころかテレビにも出たがらないのだ。
レ美の彼氏の事情で出演してくれて、青い大空でピンクの乳首を立てて失神したのだった。
羽目田育造も又、福岡県福岡市の出身だ。それで真羅山太資をもっとメジャーにしたがった。漫湖名眼留の芸名も有名にしてやりたかったのだ。
ハメハメカンパニーでは芸能人などを使う事は、一切しない。女優、タレントなどの知的レベルの低い女のセックスなど今の時代には見られる事もない。そもそも女優などという職業の女は台本を読むのがいいところ、の頭の中身のお粗末な連中だ。
こういったのがテレビなどに出て、企業も自社のCMに出したりしてきたわけだが、おたくの商品って、あの馬鹿女優程度のものなのかね、と識者には見られているわけだが、馬鹿企業はそれにはお構いなく、大勢の消費者にアピールできれば、と思っている次第だろう。
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