SF小説・未来の出来事29 他の惑星に移住? 試し読み

メゾモント閣下は顔色を変えて、「うむっ。」と声を上げるとメリリアンの右手の平と重ねている自分の右手を震わせた。射精したようなのだ、メゾモント閣下は。閣下が右手をメリリアンの右手から離すと、その右手の平に突出していた勃起した男根は消えていたし、メリリアンの右手の平の女性器も見えない。二人の手の平は何ら不思議なものでは、なくなっていた。メゾモント閣下は釣次郎に、
「我々が小柄でありながら社会に力を持っているのは、この手の平から性器を出せる能力があるからです。」
と話すと、感嘆の眼差しのマリムに、
「どうだ、マリム。おまえには手の平で性交は出来まい。」
マリムは気を付けの姿勢で、
「出来ません。私は鼻を伸ばして男根化できますが、手の平から勃起したモノを出す力は、ありません。」
メゾモント閣下は身長140センチの体を誇らしげに反らすと、
「であるからして我々は人口が多い、背の高い連中よりは、な。例えば公衆が乗っている乗り物の中でも我々は手の平を合わせてセックス出来るのだ。しかも避妊具を付けないから妊娠も増える。メリリアンも妊娠したら私の妻にする予定だ。秘書で採用するのは公務中でも手の平で性交できるからなんだ。それは秘書に応募する女子も理解したうえで面接に来る。な?そうだろう、メリリアン。」
 身長130センチにして張り出した尻と胸のメリリアンは顔を赤らめると、
「ええ、閣下。閣下と手の平を合わせて交われるのを思っていました。母も秘書から妻に、なったのです。」
恐るべし、異星の上流階級の人々だ。メゾモント閣下はズボンのポケットからリモコンを取り出すと、机の上に置いて、
「これは未来投影機というものです。地球のアメリカの自由の女神像を見てみましょう。」
壁がスクリーンに変わった。そこに映し出された映像はアメリカの海岸近くにある有名な自由の女神像だ。が、しかし・・・自由の女神が右手に掲げているのは聖火のようなものではなく、なんと、それは中国の国旗だった!
メゾモント閣下はリモコンを止めた。そして釣次郎に、
「今、見たものは誰にも言わないでください。特に貴方は・・・。」
そういうとメゾモント閣下は、さっき釣次郎に向けて光を放った機器を見ると、
「自衛隊に関係しているようですね。自衛隊の方にも話さないでください。」
と念を強く押す。釣次郎は自分が自衛隊に関わっていることを見破れたのに驚いて、
「ええ、それは話しません。でも、何故でしょうか。」
「それは未来については話さない方が、いいからです。これをアメリカが知ったら、どうなります?今以上に中国を警戒するでしょう。それは地球の国際的に見ても、よくないのでは、ないかな。」
とメゾモント閣下は、のたまわった。続いて、
「君のための個室も、あるから、そこへ行って休んでいいよ。マリム、連れていきなさい、釣次郎さんを。それから、これは電子書籍を読むためのもの。」
薄いタブレット型の機器を釣次郎に手渡すメゾモント閣下であった。
 長い廊下をマリムに連れられて歩いている釣次郎は、ここが空飛ぶ円盤の内部だとは思えなかった。地球の乗り物は多かれ少なかれ、揺れが来るものだ。だが、ここは静止している建物の内部のようなのだ。
個室に入った釣次郎。ベッドが目に付いたので、すぐに寝そべってみた。手にしている電子書籍リーダーを寝転んでみると、スイッチも見当たらないし操作方法が分からない。(これの扱い方を聞いておけば、よかった。)地球の電子書籍リーダーと同じようなものだろうと思っていたのだ。暗い画面を眺めているとパッと電源が入った。日本語で表示されているので画面を指で押していけば、いい。
「変顔」
という小説がある。それを指で押して釣次郎は読み始めた。

 朝、目が覚めると自分が何か違った顔になっているのを感じた。おれはベッドから起きて洗面所の鏡の処へ行き、自分の顔を見ると(ああ、これでは外に出られない)と自分で嘆息したものだ。
自分の顔とか頭部が男性器になっている。頭部の天辺から亀頭が突き出しているが、それは頭の円周の長さに等しく、河童の頭を思わせる。それと両方の頬っぺたが袋のように垂れ下がり、それは巨大な睾丸のようだ。おれは手で、両方の頬を触ったが、まるで、それは金玉だったのだ。つまり、俺の頭部は巨大な男性器が含まれてしまったのである。
外には出れないが今日は休みの日、おれは女友達にスマートフォンで電話した。
「よお、滝子。今から遊びに来ないか。おれを見て、きっと、びっくり、しゃっくりもするだろうから。」
滝子はアパレル関係、つまり衣料品の店で働いている。その店はネット通販も、やっていて、そっちの方が売り上げも増えているらしい。で滝子の声が、
「あなたを見て驚くんですって?整形手術でも、したの?」
と高音の音程で話してくる。
「いや、手術は、してないよ。それに、こんな整形の手術を受けたい人は、いないだろう。」
「あー、そうなの?なんか気になるわ。遊びに行くね、今から。」
「ああ、待ってるぜ、滝子。」
崖野滝子はオレのマンションの部屋から歩いて五分の所に住んでいる。やっぱり女は近くの方が、いい。俺の方から滝子のマンションの部屋に行ってオマンコする事も、あるし。
滝子は五分で、やってきた。カップラーメンを長く放置するような時間だ。実際に滝子とオレの分のカップラーメンに、お湯を入れていたのだ。それで滝子が玄関を開けた時は、カップラーメンは伸びかかる頃だった。滝子は玄関で俺の顔を見ると、
「きゃぁっ。何の冗談なの、それ?頭から何か、かぶっているんでしょ、それ。」
と嘲笑うような目で俺を見る。俺は、
「まあまあ。上がってくれよ、滝子。」
「うん、そうするわ。」
玄関はオートロックだ。自動で施錠する。おれは両方の頬の金玉を揺らせながら、椅子のあるテーブルに滝子を導く。そのテーブルの上にはカップラーメンが二つ、置いてある。湯気が立っている蓋をしたままのカップラーメンが。
「座れよ、滝子。」
「ええ、座るわ。おいしそうな匂いがするわね、カップラーメン。」
「ああ、食べていいよ。俺も食べるからさ、ふたは自分で取れよ。」
滝子は椅子に座ってカップラーメンの蓋を取った。割りばしも置いておいたので彼女は割りばしをペシ、と折ると又、俺の顔を見て、
「本当は何か、かぶっているんじゃないの?」
「いや、何もかぶっていないさ。朝起きたら、こんな顔と頭になっていた。まるでカフカの「変身」みたいだ。」
「カフカって誰なの、その人?」
「昔の小説家さ。変身の場合は虫みたいになったらしいが、それよりはマシだね。」
そう答えると俺はカップラーメンを、すする。カップラーメンといっても進化した贅沢版でエビ入りラーメンだ。伊勢海老みたいな大きなエビが入っているから値段も、それなりに高い。滝子は、その伊勢海老を食べると、
「おいしいわ、このエビ。カップラーメンの中に入っているものじゃないみたい。」
「ああ、そうだろ?で滝子。こんな顔の俺と、まだ付き合うか?」
滝子は視線を激しく俺の頭部に縦横に走らせると、
「整形手術で取ってもらえば、いいのよ。でも、しばらくは、そのままでもいいな。」
唇の端を吊り上げて滝子はニヤニヤした。俺は意外だったので、
「意外と気にしないんだな。女性って、そんなものなんだろうな。」
と話すと滝子は何も言わなかった。同意しているのと同じだ。伊勢海老入りカップラーメンを食べ終わった俺たちは、しばらくユッタリと休憩した。目を、ぱっちりと開けた滝子は俺に、
「今日は休みだから今からセックスしようよ。」
と、せがむ。
「ああ、そうしよう。ん?おれの頭の上に出たものは勃起するのか、どうか滝子、触ってくれ。」
「うん、触るわ。」
滝子は立ち上がると、おれに近づき、俺の頭の上の亀頭に右手で触る。細くて柔らかな滝子の指に、おれは感じた。すると頭の上のモノが伸びるのを感じた。
 滝子は驚きの声を上げた。
「勃起したけど亀頭は小さくなったわ。それでも立派。陰茎は二十センチは、ある。頭の中心から勃起しているのよ。さっきまでは亀頭は薄く広がっていたのかも。」
と云う。更に、
「あああっ、陰茎の根元から金玉が二つ出て来た。あなたの頬っぺた、普通になってるよ。」
と滝子は指摘する。おれは両頬を触ると、確かに垂れ下がっていた睾丸は二つともない。滝子は頼もしそうに、
「ねえ、ベッドに行きましょ。あんたの股間のモノより立派じゃない、頭の上から勃起しているモノの方が。」
そう言われれば、そうだ。俺の股間のモノは勃起しても十四センチだから。だから俺は答えて、
「うん、ベッドに行こう、滝子。」
広めの縦長のワンルームに食卓もベッドもあるから、ベッドまでは移動はスグだ。
おれと滝子は急いで全裸になると、俺は彼女の張りきった乳房を軽く身んでからキスをして、滝子をベッドに仰向けにして太ももを大きく開かせると、彼女の股間に俺の頭の上の猛り立っているモノを挿入していったのだ。滝子は、
「あはーん。いいっ、太すぎて気持ちいいっ、いくうーっ。」
と今までとは違った快感の声を上げる。
何しろ俺の目はベッドのシーツを見ているわけだから面白みはないとはいえ、いつもと違う滝子のマンコの締め付けが心地よいのだ。それが股間に感じるのではなく、頭の上で感じられるのも変な感じだ。頭の上に竿とタマキンがあり、おれは両手で白い滝子の太ももを抑えて頭を動かしている。シーツを見続けるのは面白くない。
「滝子。態勢を変えよう。シックスナイン、69の体位にするぜ。」
と俺は告げて、一旦、彼女から頭の上の俺の逞しいモノを抜き取って彼女の胴体を跨ぐと、両膝を着き、股間は彼女の顔に降ろして自分の頭の上の猛り狂ったものを滝子の淫穴に埋め込んでやった。
滝子は大きく白い足を広げて受け入れると、おれの股間のモノを口に咥えた。ああ、おれは股間のモノも勃起したのだ。滝子の口の中で膨張した俺のモノは、しかし十四センチ。頭の上の俺のモノは二十センチである。滝子は自分の二つの穴で俺の硬く伸びた肉棒を味わっている。おれも頭と股間で滝子の二つの穴に締められて気持ちいい。頭の上の俺のモノは前に九十度曲がっている。そうしないと挿入できない。俺の目は滝子の淫核、つまりクリトリスを眺めている。
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ここまで読んだ釣次郎はベットで寝てしまった。

 朝が来たようだ。太陽の光が眩しい。結局、地球に戻ったのだろうか。あの円盤の中の個室とは違うし、けれども自分のマンションの部屋でもない。彼、釣次郎は東京都・新宿にマンションを借りている。その部屋とは違う室内だ。ドアが開くと身長が140センチのメゾモント閣下が顔を出して、
「おはよう、本池さん。ここは私の自宅ですよ。部屋が百はあります。それで半分はホテルにしています、ワッハッハ。大体、毎日が満室ですね。哄笑が止まりません。何故なら、この星には地球のようにコロナウイルスなど発生しませんから。この近くは観光地で地球のカジノのような施設もあります。わたしのホテルが常に満室なのも、そういう理由からですよ。
駐車場に小型の円盤が百機は駐円盤できます。そのうちの五十は私のホテルの客の円盤ですね、大体。」
と、朗らかに話した。
頭も大きいけど肩幅も広いメゾモント閣下だ。それで身長は140センチだから、比較するものがないと小柄には見えない。釣次郎は起き上がると、
「おはようございます。では私は円盤の中で寝たまま、ここへ移動させてもらったんですね。」
「ああ、マリムに背負わせましたよ、あなたを。原始的だけど、それが一番いいし、建物の最上階に円盤を止めて、ここまでスグですよ、ここは最上階だから。私の部屋も、この最上階にあります。洗面所で顔を洗ってね。歯ブラシも、あるよ。歯磨き粉は、つけなくていい。」
後半の部分は重々しく威厳のある声でメゾモント閣下は話すと、ドアを閉めた。釣次郎が洗面室に入ると電灯が自動で点灯した。洗面台に立てかけてあった歯ブラシが空中に浮揚すると釣次郎の口の近くに移動して停止した。まるで釣次郎が口を開けるのを待っているかのようだ。釣次郎は、まさかとは思うが口を開けた。それと同時に歯ブラシは歯磨き粉をブラシに滲ませて、釣次郎の口の中に潜り込み彼の歯を磨き始めたのだ。取っ手の部分が大きいので、その中に歯磨き粉が入っているのだろう。
その歯ブラシは釣次郎の上の歯と下の歯の表と裏側を磨いた。磨き終わると釣次郎の口の中から抜け出て、水道の蛇口の下に移動して停止している。釣次郎は水道の蛇口をひねり、水を出した。歯ブラシはブラシの部分を水で流すと、元に在った位置に戻る。コップに水を入れて口をすすぐのは地球と同じだが、ハイテクノロジーの歯ブラシだ。洗面所を出るとマリムが待っていた。彼は、
「同じ階のレストランで食事が出来ます。行きますか。」
「行きましょう。でも、ぼくは、この星のお金を持っていませんが。」
「気にしないで、いいですよ。メゾモント閣下が後で払うんです。ぼくの分も同じですよ。どの店でも僕を知っていますから、釣次郎さんの事は話しておきます。第一、今は開店前の時間ですし。」
部屋の外にマリムの後をついて出た釣次郎は地球のホテルのような廊下を歩いていくとガラスみたいな壁が左右に現れて飲食店らしい店が並んでいる。もちろん客は、見えない。
ひとつの店にマリムが入る。何故だか和風な感じのする店で、お座敷もある。店員の身長は日本人位だ。
メニュー表は、その星の言語で書かれていて釣次郎には読めない。畳に似た個室に入った二人である。マリムが、
「ここはね、うなぎ料理が安く食べられる店なんですよ。」
とメニュー表を読めないけれど熱心に眺めている釣次郎に話す。釣次郎は顔を上げて、
「うなぎ?地球の、うなぎですか?」
「そう、この星にも、地球のウナギに似た魚がいたけれど繁殖しないので、地球のウナギを持ち帰った人々が、この星の鰻と交配させるとグングンと繁殖しましてね。川に一杯、鰻が取れるようになりました。異星間での魚の養殖は成功しましたよ。そのビジネスにメゾモント閣下が乗り出して、この店も閣下の店です。
という事で私たちも安い鰻を多く食べられます。ウナギの蒲焼きの十段重ねも定番だから、それにしましょう。」
とマリムは提案した。
釣次郎には只、驚きであった。マリムの提案に異論はない。ので、
「それで、いいです。ぼくは漁師だったんですよ。ウナギは関わらなかったけど。」
「そうなんですね、釣次郎さん。では、店員を呼びますよ。」
とテーブルの呼び出しベルを押すマリム。
十秒くらいして襖があくと着物姿の日本人女性に似た女店員がリモコンのようなものを持って現れた。マリムは彼女の方を向くと、
「ウナギ十枚重ね定食を二つ。」
と日本語で注文した。
女店員はペンのようなものをリモコンの画面に立てると、磁石でもあるのか垂直にペンは附着した。驚くのは、それからで、そのペンは言われた通りの注文をリモコンの画面に書き込んでいるようなのだ!!!驚いている釣次郎に女店員は、
「人工知能ペンですよ、お客さん。」
と解説してくれた。
その言葉も日本語ではないか。釣次郎は女店員を見ると、
「地球の人から貴女も来たんですね。」
女店員は微笑みを浮かべると、
「私の母は、そうですけど私は、この星で生まれましたわ。地球と同じくらいの体積と面積を持つ惑星です。それで酸素も地球と同じ、ですから広大な宇宙空間には地球と同じ星は幾つも、あると思います。銀河系には凄い人口の人間がいるらしいですよ。でも距離が離れているために交通は、ほとんどないらしいですね。」
釣次郎は、うなずき、
「厨房に行かなくて大丈夫ですか。」
「ええ、行きます。でも注文は人工知能ペンが記述した時に厨房に届いていますから。」
「ああ、そうですね。この星では日本語は地球から来た日本人からしか習えないでしょう、貴方の場合、母親からとか。」
「そんな事、ないですよ。大学に宇宙学部太陽系学科というものもあるし、そこで地球の日本語も学べます。私は母から習いましたので大学には行っていませんけど、大学以外にも日本語を教えている語学学校がありますわ。地球へのビジネスのために速習で学ぶ必要のある人達のためにベガリック・スクールという学校が駅前にあります。」
鰻の蒲焼きの匂いがしてきた。地球とは少し違うが、よりおいしそうな匂いだ。釣次郎は円盤の中で読んだ作品を話す、
「『変顔』という電子書籍を読んでいました。面白いですね、あれは。」
着物姿の日本人というよりハーフかもしれない女性は、着物の襟の中にリモコンを入れると、
「カスガという日本人が書いたらしいですよ。こっちで結構、売れています。ポルノ小説というか官能小説しかベストセラーにならないんです、この星では。それなのに地球では、そうじゃないんですってね、そうなのですか?」
「ぼくは漁師だったけど、小説は割と読みましたよ。官能小説は減ベストセラーには、なりませんねー、うーん。」
「やっぱりね。地球の人口が爆発的に伸びたら食料問題やら何やらで、困ってしまうから性は抑えられるのですよ。この星は近くに地球と似た星があるから人口が増えたら、そっちに移住します。腰を使ってのセックスは人前では認められませんけど、手と手を合わせてする性交は街中でも認められています。でも、これは小さな背丈の知能指数が高くてIQのようなものの数値で700から800の人達が、するんです。創造知能指数みたいなものも、あります。その人たちは自分の脳内の願望から手の平に性器を突出させられるように、なったんですって。」
厨房の方から男の料理人が、
「ゆず子。出来たよー。」
と日本語で女性店員を呼んだ。彼女は厨房の方へ姿勢を変えると、
「はーい、今すぐ参りますー。」
と駆け出し、高さの高い重箱を二つ持ってきた。ゆず子と呼ばれた女子店員は、
「ごゆっくりと、お寛ぎください。」
と声を掛けて襖を閉めた。
 鰻の蒲焼が十枚も重ねられている重箱だ。高さがあるのは当たり前、何枚でも食べ続けたくなる鰻の蒲焼、それは釣次郎にとって異星である、ここでも同じだ。卵焼きの細いものも地球のモノに似ているが量が多い。マリムは箸を止めて、
「この星の鶏は地球の鶏の二倍の大きさです。それも、この星の遺伝子操作で改良したから卵も二倍になったんです。」
「あの身長140センチの人達も遺伝子操作なんですか?」
「それは、どうでしょうか。この星にも大昔の太古には巨人が、いました。身長が五メートルもあり、ペニスも60センチの男も存在したんです。それらの巨人は集団行動が出来ず、今の身長140センチの人達に指揮された我々の先祖が戦争で倒したんです。」
「集団行動の出来ない巨人・・・。」
「彼らは武器を持たずに素手で、どんな野生動物でも殺せましたからね。それで武器も発明しなかったんです。一方の我々は地球と同じように石斧とか槍などを作り始めました。それは野生動物を倒すためだけでなく巨人との戦いにも使用しました。
そんな時代を過ごし洞窟で暮らしていた我々の先祖の前に現れたのが、あの小さな人達です。それも陸地から歩いて、やってきたのではないんです。ここは地球の日本と同じく周りは海です。でも面積は日本の二倍はあります。洞穴の我々の先祖の住居の前に、あの小さな人達は空飛ぶ円盤に乗って、降りてきたんです。
我々の先祖も少なからぬ言語を持っていましたが、それは地球の日本ではないから日本語ではありません。その言語を大幅に発展させたのが、あの小さな人達で身長は当時でも男は140センチ、女は130センチぐらいだったと言います。
あの人前でも許される手交セックスで人口を増やし、すぐに我々の先祖よりも人口を多くしたのは小さな超知性を持つ人たちでした。他の惑星から、やってきたそうです。宇宙空間の歪みと宇宙に流れている自然のエネルギーで動く円盤を発明してからは宇宙のあちこちに現れて居住しやすい星を探していたら酸素も豊富な、この星を見つけたので着陸したそうですよ。」

SF小説・未来の出来事28 試し読み

元チベット仏教の修行僧、ユイマは檻の中にいる美青年チントンに、こう語る。
「ダライ・ラマが観音菩薩の生まれ変わりという証明は、できない。だから観音菩薩の生まれ変わりというのはウソだ。少し前に公安で用意してくださった何人もの美女と乱交させてもらった。彼女達もチベット仏教の尼僧だった。強くマンコを締め付けてくるし、それはもう本当の極楽だったよ。それを否定して生きるダライ・ラマこそ生き極楽を否定して生き地獄に誘う悪魔のような奴だ。公安で極楽を味わい、僕は共産主義者になった。日本にも行くことに、なっている。チントン君、一緒に僕と日本に行こう。そして日本女性のオマンコを味わうんだ。ダライ・ラマを捨てろ。」
それを聞いたチントンは檻の中で、
「いやだ!君こそ騙されている。女こそ修行を妨げる悪魔の手先だ。」
と断言した。公安の中年男性は困ったような顔をすると、
「チンチンの檻の中にも美女の元・尼僧を送ったのだが、全く動じなかった。チントンの股間にも美女に触らせたのだが変化なし。しかも美女は全裸だったんだけどねえ。それで日本製のラブドールを注文した。やっと届いたから、それを差し向けよう。おい李、運んできてくれ。」
と近くにいた部下に指示する。檻のある部屋を出た李という公安の男性は、しばらくすると服を付けているラブドールを抱えて戻って来た。李という姓は中国では多い人名だ。李から日本製のラブドールを受け取った中年男は檻の扉を鍵で開けて、ラブドールの背中にあるらしいボタンを指で押して檻の中に入れた。
 ボタンを押されたラブドールはシャキーンとした感じになり、生きた女性の動きでチントンに近づく。清楚な顔立ちでチントンに中国語で、
「おはよう。ここで何しているの?」
と尋ねたのだ。チントンは驚いて、
「何もしていないよ。君は日本人のようだが、ラブドールとも聞いたが。」
と話すとラブドールは、
「サイボーグのようなラブドールなのよ。人体を改造してもらっているわ。元々が日本人だから、日本人のよう、じゃないの。」
そう云うと、ラブドールは右手を素早くチントンの股間に持っていき、平常時の長さの彼のモノを握った。きめ細やかな肌触りを感じたチントンのモノは次第に大きくなり始める。彼は、
「ああっ、何故なんだ。勃起しない修行をしてきたのに・・おおっ、立つーっ。」
ほどなく全勃起したチントン。ラブドールはアンドロイドの目で、
「あなたは前回、ここに入った美女を元・尼僧という事で女性と思わないように、したようね。でも私はチベット人でも中国人でもない日本人女性なのよ。」
「そーかー。それで立ってしまったんだ。十年ぶりだー。僧院で尼僧と生活していても立たないように、していたのに。」
ラブドールの右手はチントンのフルエレクト・ステックを、ゆっくりとシゴキ始めた。チントンは歯を食いしばり始める。あまりの気持ちよさに出してしまいそうなのだ。檻の前には公安の人間と元・チベット仏教の修行者の男性が立っていて、自分を見ているのは分かるが、その外界の事象よりも自分の脳内の快楽の方に意識が向かい、檻の外の二人の姿は、ぼやけてしまう。
女性に自分のモノを触られた事も、かつてないチントンは、
「ズボンとパンツを脱ぐから待って。」
と美女ラブドールの動きを制止させた。ラブサイボーグドールはチントンの要請を受け入れ、右手を離す。
チントンは立ち上がって囚人服みたいなズボンを脱ぎ、パンツも捨てた。反り返ったバナナのようなチントンの巨大なものが姿を現す。ラブサイボーグは、チントンの巨大化した肉竿を右手で掴むと身を屈めて柔らかい自分の赤い唇の中に入れる。プチョ、プチョと音を立てて吸い付くラブサイボーグは、その口内の肉棒を巨大なソーセージのように味わうのだ。チントンは、
「ああっ、とめられないっ。!!!。」
と叫ぶとラブサイボーグの口の中に連続して五発も白い恋液を出したのだ。それは濃い液でも、あった。白い恋液を恋の駅に出した、とも言えよう。五発も出したためグニャリと萎えたチントンのバナナはラブサイボーグの口中からポロンと出てくる。
檻の外から公安の白いカッターシャツを着た中年男性が、
「チントン。日本に行けばサイボーグでない日本女性とセックス出来るぞ。それで給料も、もらえる。日本でホストという仕事をしてな。それに公安の方でも元でだけど給料を出すからな。成績に応じてはボーナスも上積みしよう。もちろん寝る場所は東京の新宿に分譲マンションを買ってある。同じ階に飲食店やサウナ、喫茶店もあるマンションだ。だから家賃の心配も、いらない。東京在住の政治公務員や東京都知事なんかにも献金しているから。あり得ないとは思うが、君が警察に掴まっても政治公務員に働きかければ、すぐ釈放してもらえる。金が大好きな日本の政治公務員だ。十億は、ばら撒く。共和党の議員は元・自衛隊が多いから金を受け取らないが、都議会議員は共和党員が少ない。話が長くなった。ダライ・ラマに騙されていたのが分かっただろう。」
下半身を露出しているチントンである。彼は黙思考すると、
「うーん・・・一時の快楽に心を惑わせただけだ。やはり転向は、したくない。」
と不快げに立ったまま、答えた。檻の外の中年公安は、
「よーし、ラブトール霧子。チントンの前で尻を向けて四つん這いに、なれ。その前に服を脱ぎなさい。」
ラボドール霧子は、うなずくと服をサラサラと脱いだ。パンティも取ると白い裸身に黒い股間と黒髪が色彩の対比として鮮やかにチントンの視界に点じると、ラブドール霧子はクルリと白い背中をチントンに見せて、両膝を着き、両手を着いて四つん這いになり、白い大きな量感のタップリとある巨大な桃のような尻を高く上げて自分の股間をチントンに見せつけた。
肛門の下に見える彼女の男をいざなう切れ目は割れて開いている。チントンの股間のモノは突如、上に向けて立った。上に向けて♪勃起しようよ♪精液が遠くに飛ぶよーに♪という歌詞がチントンの脳内を流れた。「上に向けて勃起しよーよ」という日本の歌だった、チントンの祖母が日本人だった。幼いチントンは祖母に抱かれて、祖母は、よく、この「上に向けて勃起しよーよ」を歌ってくれたのを思い出したチントン。(ダライ・ラマの性欲否定は詐欺だ。優しい祖母の子守歌、「上に向けて射精しよーよ」を思い出した。いや、「上に向けて勃起しよーよ」だったようだけど)入れて欲しそうなラブトール霧子の女の穴にチントンは自分の男の道具を亀頭から、のめり込ませていった。口の中より滑らかな霧子の膣内事情だった。ズイン、ズインと突きまくり始めたチントンの長竿である。
両膝をチントンも床に着いて後ろからラブトール霧子の女淫にズッポリと入れて両手は下に垂れている霧子の乳房を揉む。両手と竿に感じる女の感触にイキそうになるチントンを公安の中年男は見て、
「霧子、顔をアレに変えろ。」
と指示した。
四つん這いでチントンには見えない霧子の顔は変化していった。そして紛れもなく、あの顔になったのだ。ハリウッドメイクでも、女性の顔を、ここまで変えられないだろう。ハリウッドも中国に徐々に買収されつつある、というが。公安中年男は満足げに、
「霧子、顔をチントンに見せろ。」
と命じる。ラブトール霧子は顔だけでなく体も後ろに捻って顔をチントンに見せたのだ。嗚呼、霧子の顔はダライ・ラマの顔に変貌していたのだ!ニヤリと笑う霧子、いやダライ・ラマの顔だった。と同時に霧子は自分の女淫を強く締め付ける。あっ、と声を出したチントンはダライ・ラマの顔の霧子の柔らかな女淫穴の中に、ドクドクピュッピュッと連続射精してしまったのだ。
チントンは急いで霧子の体から離れた。霧子も立ち上がると全裸をチントンに向けたが、顔はダライ・ラマの顔のままだった。
苦々しく悔しそうな顔をするチントン。檻の外から公安中年男が、
「ダライ・ラマと、やった感想は、どうだ?え?チントン。」
と問う。チントンは両方の手を拳にして握りしめて、
「ダライ・ラマは、こうまでしてオレの性欲を嘲笑うのか、という思いです。」
「よし、そんなダライ・ラマは捨てろ。転向して日本に行き、存分に女を抱けるようにしてやるから。いいな?チントン、転向するな。」
「はい、共産主義者に転向します。ダライ・ラマは詐欺師で変態です。」
と高らかに下半身を露出したまま宣言したチントンだった。檻の外にいる公安の中年男性とユイマは笑顔でチントンを眺めるのだ。

 今、そのユイマとチントンは新宿駅に近い彼らのマンションで桜見世子と交わっている。ユイマは世子の唇を奪い、チントンは世子の片乳を揉んでいる。世子はユイマが唇を外すと、
「みんな、右手は空いてるでしょ。右手を斜め上に上げて、『ハイル!桜見!』と言いながらセックスを続けて!」
と命じた。五人の男は一斉に右手を右斜め上に上げて、
「ハイル!桜見!ハイル!桜見!」
と叫びつつ、彼女に絡み続ける。桜見世子は快感に目を細めつつ右手を右斜め上方に上げ、
「予は日本紅党を結党して総統に就任する!ああんっ、いくうぅー。」
と叫ぶとアクメに達した。フューラー桜見の誕生でもあった。アクメに達しても桜見世子は右手を右斜め上に上げ続けるのを辞めなかった。それは五人の男も同じだった。
世子が立っていられなくなったので大和とトンリンは自分たちの欲棒を世子の穴から抜いた。射精は、しなかったのだ。
ホストは全員、身を整えてユイマがバスタオルを持ってくるとアクメに達して寝そべっている桜見世子の全裸の上に掛けた。
世子の尻の穴に入れていたトンリンは彼女を見下ろして、
「総統閣下は意識を失っているようだ。ユイマさんとチントンはチベット仏教僧だったらしいけど、総統は大丈夫?」
と視線を彼らに投げて問いかける。ユイマは落ち着いて、
「もうすぐ目を覚ますだろう。日本紅党には我々も入った方が、よさそうだな。」
と答えた。チントンも同意して、
「桜見総統は見所があるよ。彼女の乳房は柔らかくて、しっとりしていた。乳首の硬直度も凄くてね。」
桜見世子の最重要穴に入れていた大和も、
「ぼくも日本紅党には入りたいです。」
と決意を披露する。

 JR東京駅からリニアモーターカーで出発したホストの大和。桜見世子が意識を取り戻す前に中国人ホストのマンションを出て来た。JR新宿駅から東京駅へ行き、リニアモーターカーに乗った。新幹線より高い料金となるがスピードは速い事は確かだ。中国では速度の遅いリニアモーターカーは随分昔に開通している。
リニアモーターカーの窓の外に見える景色は地下が多い。最初は品川駅からの出発なのだったが遂に東京駅から乗れるようになった。それでも地下に降りないと乗れない。日本の地下を通って進むリニアモーターカー、ホストの大和を乗せて何処まで走るのだろう。
三時間を切る時間で到達した駅で大和は地上に出る。そこはJR博多駅だ。駅構内の喫茶店でコーヒーを飲み、寛いだ大和は店を出て地下に降り、今度は福岡市営地下鉄で南福岡駅まで行くと、そこを出て地上に出た。その前に駅の便所で顔を洗うと、おやおや不思議、大和の顔は中国人から日本人の顔に変貌した。
誰の顔に?それは、すぐに今から分かる。線路を渡れば自衛隊の基地が見える。門まで歩いて身分証を提示して中に入ったホストの大和、いや彼は今はホストの顔とは違う、そう時・流太郎の顔になったのだ。地下へ下り、元海教官の部屋へ行く。
椅子に座ってパソコンを見ていたた元海一等陸佐は流太郎を見ると、
「おや、久しぶりだな。会社の方は、うまくいっているか。」
と話した。
「ええ、なんとか、やっています。それにしても重大な情報が手に入りました。」
と身を正して話した流太郎に、元海は、
「ほう。どういう情報だ。」
「日本紅党という共産主義の政党が結成されます。」
「なにい?それは重大事だな。共産党が政権を取ったら自衛隊はクーデターを躊躇なく起こす。」
「なにか女性の左翼活動闘士が総統になるという事で。」
「問題がありすぎるな。で、君は、どうするつもりだ、時君。」
「その紅党に入党予定です。」
「それは、よろしい。活動資金などは遠慮なく言ってくれ。で、君は東京でホストクラブに潜入して、その情報を掴んだという事だな。」
「まあ、大体、そんなものですが、正確には中国人ホストの住んでいるマンションに、その過激派左翼の最高幹部、桜見世子が来たんです。それで我々五人とセックスプレイをしました。」
それを聞いて元海一佐はニヤリとし、
「お盛んな党首だな。日本紅党か。だけど百年以上前に日本赤軍というのが、あったが、あれは警察の機動隊とかで対処したんだ。日本紅党が過激派左翼でも自衛隊は出動しないだろうな。ただ裏で関われるのは情報第三部としては行えるよ。だけど対日活動をする組織などに対処するのが最優先事項だからな。その中国人ホストも怪しげだな。」
「そうみたいですよ。だから新宿のホストクラブに入りました。」
「うむ、それを示唆したのは我々だ。中国の対日工作は多岐に渡る、とはいえ彼らの狙いは日本よりもアメリカらしいね。」
「そうでしょう。いずれ中国はアメリカを支配下に置こうと目的を持っているようです。」
「だろうな。情報第三部はアメリカの為に働く必要はないものな。だけど一応、日本とアメリカは同盟国だし・・・匙加減が難しい所だね。日本にいる中国人は日本工作が狙いだから、予算はタップリと採れる。頑張り給え。」
「はい、頑張ります、元海一佐。」
「本池釣次郎君は、どうしているかね。」
「合同会社の留守番を、させていますよ。もっとも、彼は中国の女工作員を追っていますから会社の部屋に、居続けさせても、よくないので会社の固定電話を本池のスマートフォンに転送させています。電話は、ほとんど掛かってこないようです。」
「今のところ指示する事は、何もない。君達は自由に行動して報告書をスマートフォンで送ってもらえばいい。中国人ホストは調べていくと、いいよ。ではな。また東京へ行きたまえ、福岡に今のところ中国人ホストは、いないなー。」

 という事で、流太郎は福岡駐屯地を出てJR線の鉄道の線路を渡り、会社の事務所に戻ると本池釣次郎が自分の机の前に座っていた。釣次郎は流太郎を見ると、
「社長。お帰りなさい。ホストクラブに入って、どうでした?」
「上手くいったよ。中国人ホストは中国の工作員だろうと確信している。日本紅党の女党首ともセックスした。」
「日本紅党?ですか?そういうのが、出来たんですね。」
「過激派左翼の独身女性で皇族の血を引くと自称しているのが紅党党首で総統なんだ。」
「総統って珍しい名称ですね。」
「そうだなー。左翼なら書記長とか首席とか色々呼び名は、あるのに。アドルフ・ヒトラーを意識しているのかもしれない。」
「なんですか、そのアドレナリン・ヒットラーって。」
「アドルフ、だ。随分過去に実在したドイツの政治家で、従軍経験もある。桜見世子総統は自衛隊に体験入隊も、していないと思うよ。」
「そうですか。我が社は自衛隊と関係していますよ。その桜見世子って危険ですかねー。」
「今のところ影響力は少ないな。三十歳になったか、どうかの年齢らしい。紅党の実態も掴まなければ、いけない。」
本池釣次郎の目に燃え盛る好奇心の炎が炎上し始めた。釣次郎は、
「僕も手伝いに行かなくて、いいんですか?社長。」
流太郎は立ったまま、
「今のところは、いいよ。それより、中国人の顔にするメーキャップを手伝ってくれ。自分一人では面倒だ。」
「はい、社長。いますぐ、やります。」
釣次郎は机の中を引き出して特殊化粧の道具を取り出すと、時・社長の前に行く。釣次郎は、
「ここで、やってしまいますよ。」
と云うと、手にした薄い膜を最初に流太郎の顔に貼ると、その上に中国人の顔に見えるように化粧を、していった。

 予算が豊富に取れたので流太郎は福岡空港から羽田空港まで空の移動を行なった。東京郊外の町田市に部屋を借りている流太郎だ。ホストクラブは一週間ほど休む事にした。電話をすると店長が出たので流太郎は、
「少しダルイので一週間ほど休みます。コロナウイルス感染だと大変な事になりますから。」
と話すと店長は、
「そうか。ゆっくり休んでいい。一か月休んでもいい。PCR検査は受けたのか?」
「いいえ、この程度では受けさせてもらえません。もっとヒドクならないと受けさせてくれませんよ、店長。」
「そうだな。少しのダルさ、ならスグに良くなるよ。ゆっくり休養するように。」
という事で電話は切れた。
実は流太郎、体がダルイところなど、どこにもない。例の桜見世子を探る必要があると思ったのだ。そういう予算が会社宛てに振り込まれた。ホストクラブで働くよりも高い資金が入った以上、自衛隊の別働部隊に所属している流太郎としては、元海一佐からの指示なしでも動き始める。桜見世子については緊急に調査を要する人物では、ないらしい。が、あのような人物は、そう他には居るものではない。
 調査の初めは楽なものでインターネットから調べれば、よい。桜見世子で検索すると出て来た。なんとフェイスブックとツイッターにアカウント登録していて本名で活動中だ。そこから、かなりな情報を取ることが出来る。特にフェイスブックでは自己紹介、友達、なとで桜見世子の交友関係も分かってしまう。おそらく今の探偵は、これを使って調べない事は、ないだろう。
(あ、そうだ)と流太郎は思う。フェイスブックを開設しなければ。本名なんて載せる訳に、いくものか。偽名でも調べられる事は、ない。三空冬樹(みそら・ふゆき)の仮名で登録する。顔写真は・・・すぐに載せなくても、いいや。
よし、出来た。これで桜見世子に友達申請が出来る。ただ、その前に彼女のフェイスブックページに、いいね、を押さないと友達申請は出来ないのがフェイスブックの仕組みだ。これを知らない人も結構いる。
日本紅党最高幹部、桜見世子、経済学部卒業。大学名は表記されていない。おそらくマルクス経済学を学んだのだろう。党員募集中、とフェイスブックで募集している。
まず流太郎は桜見世子のフェイスブックのページに、いいね、を押した。自分のフェイスブックのページは、ほとんど白紙状態なので果たして桜見世子が、どう思うかだ。その上で友達申請をした。メッセンジャーで日本紅党に入隊したいです、とダイレクトメッセージを送ったのだ。
すぐに返信などは、来ないであろう。今は朝の八時だ。九時ごろにマンションの部屋を出て、都心に向かう予定の流太郎、町田駅近くに部屋を借りている。人妻デリヘルの多い町田市である。
まだ一時間は、ある。ネットサーフィンというより検索して桜見世子のツイッターのアカウントを発見、クリックしてみる。フォロワーが五十人程度、この位ではアフィリエイトのASP(運営会社)などではインフルエンサーではない、と判断する。
それは正しいとは限らないが、有名人には、やはり程遠いフォロワーだ。ツィートも毎日は桜見世子は、していない。
ーすごく、おいしい飲茶の店を見つけました。
などというツィートもある。日本紅党・党首とプロフィールに記載しているが本気で受け取る人も少ないだろう。
日本を共産主義社会へ、というメッセージも寄せている。ここへのツィートを流太郎は今のところ遠慮した。それに、まだツイッターのアカウントを作っていなかったので、早速、開設した。オールモーメントという自社の会社名をアカウント名にした。商用利用と見られるだろう。そうして桜見世子のツイッターをフォローしたのだ。
 それから流太郎は町田市のデリバリーヘルスのサイトを見て回る。町田市デリバリーでは宅配の会社がズラリと出て来たので、町田市デリバリーヘルスで検索しなおした。すると、まとめサイトのようなものが出てくる。一店舗ごとのサイトを見るより色々な店舗が見れるのだ。とはいうもののデリバリーヘルスとは無店舗型の性風俗だ。店に行って、やってもらうのではなく自分の部屋に来てもらうものだ。そのサイトで見ていくと、なんと!桜見世子に似た女性がデリバリーヘルスの店に在籍しているようだ。よく似た女性は世の中に、いるものだ。ただし桜見世子よりは若い。桜見世子は自称、三十歳なので多くの性風俗店では働けない事になる。

一粒万倍日 8月

 今日は8月の一粒万倍日の日です。試し読みから電子書籍の購入には、
とても、いい日になっています。

迷信と思えば迷信になり、迷信ではないと思えば迷信ではなくなるという
事も、あります。

全く根拠がない、としたら、その根拠は何処にありますか。

今日は

 今日は巳の日です。巳の日にして、いい事は幾つもありますが、
芸術のようなものを始めるのもいいらしいし、小説を読み始めるのも
いいと思われます。
それで試し読みをアップロードしましょう。