体験版・sf小説・未来の出来事60

尼野影子は日曜までに身の回りのものや衣服も処分して、身一つで尼僧院に向かった。
尼僧院の受付で、
「得度式を受けに来た尼野と申します。」
と影子は話すと尼僧は静かな微笑を、たたえて、
「お待ちしておりました。院長は準備を整えております。私が案内しますから、ついて来てください。」
と答えると立ち上がった。
 広い境内と長い廊下。枯山水の庭園。尼僧が案内したのは大きな金色の仏像のある部屋だった。床は板張りで仏像の股間には何と大きな男性器が露出している。
それを見た尼野影子は眼を、ひそめた。女院長は影子の視線を捉えて微笑み、
「仏像に性器があるのを奇異に思ったのですね。」
と立ち止まっている影子に聞いた。
「はい・・。変わった仏像なのでは・・・。」
尼僧院長は誇らしげに、
「もちろん、とても変わっています。いえ、ほとんどの尼僧院だけでなく僧院にしても男性器のある仏像は日本には、ないでしょう。でもチベットなどでは昔からある僧院もあります。いずれにしても尼僧として貴女も男との縁を切って生きて行くのですから、男性器にも無感覚とならなければ、なりません。」
「はい、院長様。そのように、いたします。」
と影子は、しおらしく答えた。
「よろしい、それでは得度式を行います。その前に尼野さん、あなたの豊かな黒髪を総て切り落としますよ。いいですね?」
「はい、分かっております。」
と素直に答える影子。
部屋には数人の尼僧が入ってきて影子の服を白装束に着替えさせた。それから影子を正座させると、一人の尼僧が電動バリカンを影子の頭に構える。尼僧はバリカンを持つ右手を離した。空中に浮いた電動バリカンは、とても巧みに影子の長い黒髪を刈り落としていったのだ!
全自動・電動バリカンである。
バリカンの中に人工知能が埋め込まれていて、カメラアイで影子の黒髪の頭を捉えて、人の手を借りずに刈り上げて行く。
 影子は、それに気づく事もなく彼女の頭の長い黒髪は全て刈り落とされた。
 剃髪を終了した全自動バリカンは影子の丸坊主の頭の斜め上に静止した。尼僧は、それを掴むと尼僧院長に向かい、
「院長様。終了しました。」
「よろしい。それでは授戒、法名を授けます。その前に大仏様を礼拝して、読経をするのです。」
という事で影子は金色の大きな仏像の前に正座させられた。さっき見た時より、仏像のスグ目の前に座っている影子は仏像の股間の露出した男性器をアリアリと見てしまった。
半勃起しているかのような男性器で、ある。
 近くに立っている尼僧院長は影子の横に座ると、
「このように礼拝しなさい。」
院長は正座のまま深く頭を下げると両手を前に伸ばして床に付ける。それから上体を上げて元の姿勢に戻った。
影子は、それを見ると同じように上体を深く前に倒して両手を伸ばして床に付けて金色仏像を礼拝した。
 横にいる院長は経本を手に持ち、読経した。そのあとで経本を影子に渡すと、
「それを私のように声を出して読むのです。」
影子は読経した。
尼僧院長は、
「よく出来ました。」
と話すと立ち上がり、影子の前に立つと、
「五つの戒を授けます。不妄語、不偸盗、不邪淫、不飲酒、不殺生。意味が分からなければ、後で教えます。アナタの法名は春恵(しゅんけい)。さあ、春恵、立ち上がって大仏様の前に進みなさい。」
指示された通り、春恵は立ち上がり、金色仏像の前に進んだ。尼僧院長は、
「大仏様の前に座り、股間の珍棒を口に含むのです。」
金色の仏像だけに股間の半勃起棒も金色だった。
春恵は、(え!?)と思ったが言われた通りに金色仏像の前に座った。金色の半勃起棒が近くに見える。
院長は、
「どうしました、春恵、早く大仏様の金色棒を口に。」
春恵としては尼僧になって、そのような事をしていいのかと思ったが院長の指示だから、と顔を近づけて金色半勃起棒を口に含んだ。すると、その大仏の股間棒は膨張を始めて勃起した。
春恵の口の中で固く勃起した大仏の股間棒だ。影子としては今までフェラチオというものを、した事がなかった。
 尼僧に出家して、まず、この金色の大仏の股間勃起物を口に咥えるとは・・・。その硬さが影子、今は春恵の口の中では人間の男の男根を感じさせ、膣内に入っている時を思い出させた。それで春恵はオマンコに入れられている感覚を少し味わったのだ。
男との関係を断ち切っても大仏様が存在した。ここは普通の尼僧院では、ないと思うが、こうなったのも何かの縁だと春恵は思った。
金色仏像の股間棒を口に含んでいるとオマンコが少し濡れたのを感じた。そこに尼僧院長が、
「はい、そこで停めて。口から大仏様の珍棒を外すのです。」
と命じたので春恵は言われた通りにした。
 こうして尼野影子の得度式は終わった。

 尼僧院長の法名は春珍(しゅんちん)と言う。年齢は30才と若い。実家は古くからの寺院で、小さい頃から父親に仏教を学び、仏教系大学で仏教学修士号を取得したのちにチベットの僧院に入ったのは24才の年だ。ゲルク派のチベット密教寺院のためか性に寛容な場所であった。
 六年間も、そこで修業を積んで日本に帰り、この尼僧院、金仏寺の住職、すなわち尼僧院長になった。すでに、その尼寺には数人の尼僧が、いた。が春珍が僧院長となってから急速に尼僧に出家する事を希望する女性が増えたのだ。
 従来の尼寺では男との縁切りとして尼僧になる場合が、ほとんどである。が、しかし、そこはチベット密教の尼寺のため、永久に男を絶つわけではない。
 院長の春珍も三十歳にして男を知った。チベットの寺院での修行を終えた後で、そこの寺院の男性僧侶と大仏像の前で交わった。相手の男性僧も三十路男で独身である。
その大仏像も対面座位で裸身の女と性交している姿なのだ。
 春珍は何度も快楽の極楽に昇りつめた。チベット密教を修行してきて良かったと思ったのだ。
相手の男性僧にしても同様な思いで独身で僧侶の為に女との接触は一切ないため、有り余る精力を保持していた。という事で春珍尼僧院長も男を知っているのである。
尼寺に駆け込んでくる女性は男性との縁を絶ちたいという事が理由の最大である。という事は既に男性と関係していて、その関係を絶つのが尼僧になる理由だ。
そういう事からも尼僧院長が処女である事は尼寺の運営にも喜ばしい事では、ない。
 春珍が院長になってから尼僧院も円滑に運営された。厳しい修行も男性との縁を絶つためと思い、修行に明け暮れる尼僧達だったが、或る日、春珍の部屋に一人の尼僧が来て、
「院長様。同室の永聴についてですが。」
と困ったように報告する。
春珍は机の上から目を上げて、
「どうしたの?永夏。」
と応じた。永夏という若い尼僧は、
「この頃、毎晩、永聴はオナニーするんです。布団に入ってからですけど。声を抑えていますけど、聞こえます。時に、大きな声で感じた通りに悶えるんです。院長様、どうしたらいいのでしょうか?」
と訊くと春恵はフ、と笑みを浮かべて、
「永聴も、まだ25歳。尼僧になるには早すぎたわ。させておきなさい、永夏。永夏も26歳なら、男が欲しくなるかもよ。」
と諭した。永夏は口を尖らせて、
「いいえ、わたしは。院長様、別れた旦那はセクシー男優でしたから朝、昼、晩、求められました。
もう、ああいうものは、いいんです。」
「別れた原因は、なんだったの?」
「旦那が本番の撮影の毎日で、しかも、その日は相手のセクシー女優の部屋に泊まり込んで帰らなくなったんです。そのうち、そのセクシー女優が旦那の子を妊娠したからなんですけど・・・。」
「永夏は子供は、いないのね?」
「いません。旦那とはコンドームつきの交わりでした。それというのも射精を、こらえて次の日の撮影に備えるためというんですから改めて腹が立ちます。」
と話すと怒りに肩を震わせた。
春珍は宥め顔で、
「もう過去の事は忘れなさい。それも仏様の導きです。厳しい修行の後には再び、いい男性と巡り合えるかもしれない。そこが他の尼僧院とウチが違う所です。」
「再び、いい男性と・・・ですか?」
「ええ、そうです。修行の成果次第で再び、男と出会えるようになります。ウチはチベット密教ですから男女の交わりを拒否しません。」
と春珍院長はキッパリと宣言した。永夏は目を丸くして、
「チベット密教は、そういうものなんですね。私は尼寺は何処でも同じだと思っていました。」
「かなり違うと思うわよ。男との縁を切るためなのが日本の尼寺ですけどね。ウチは違います。
チベット密教の秘法、処女に戻る法もあるの。永夏の修行次第で、その法を教えられる。」
「処女に戻れるんですか?」
「処女膜も含めてね。精神とかだけ戻っても意味ないですよ。仏教には女体に男性器を発生させる法もあるから、処女に戻るなんて、それほど難しくは、ないけど簡単でもないわね。修行の成果次第だわ。」
永夏は更に目を丸くして、
「凄いと思います。チベット密教は。」
「でしょう?それでは就寝前の瞑想も熱心にする事です。」
「はい、院長様。失礼します。」
永夏は尼僧院長室を出た。
院長の部屋にはチベット密教の様々な仏、菩薩の像が置いてある。それは観賞するためでなく、礼拝するためのものだ。
 歓喜天の結合姿の像もある。
春珍はチベット密教寺院で処女を捨てた。ここの尼僧院の院長になる前に処女膜を再生させた。それは無論、医学によるものではない。
観想と体操、そして特殊な食事が必要だ。そして或る菩薩に祈る事である。
すると一週間後に春珍の処女膜は再生していた。

 そこの尼僧院では同性愛は禁じられている。それは邪淫であるからである。それは春珍も厳重に指導した。
 今日も寝床に入ってから尼僧、永聴はオナニーに耽っている。彼女は元々、バスガイドだった。長距離旅行のバスのバスガイドで、よく同じバスに乗る運転手と恋愛になり、結婚した。結婚前から肉体関係が出来たが、いつも同じバスに乗る訳ではないために、長い間、会えない日も続いた。
 そんな時の夜は女子寮の部屋で、交際相手のバスの運転手を思い浮かべてはオナニーに耽ったものである。
恋人の勃起物と同じ長さのバイブレーターをネット通販で購入して使用する。バス会社の女子寮だが個室なのでバイブレーターを使ってのオナニーも誰にも気づかれないものだった。
 その恋人のバスの運転手は別のバスガイドと共に富士山の方へ観光バスを運転して移動していた。
法名、永聴、俗世での名前は永子、という。
 その恋人のバスの運転手は別のバスガイドとホテルに泊まっていた。もちろん別々の部屋だったが、運転手の部屋に美人バスガイドがドアを開けて、
「春埼さん、入っても、いい?」
と聞いた。
「ああ、いいよ。どうぞ。」
美人バスガイドは部屋に入り、運転手の春埼の近くに座ると、
「永子と、付き合っているんでしょ?いいの?わたしを部屋に入れて?」
「ああ、いいんだ。永子とは軽い付き合いだから。」
「そうなんだ、真剣交際かと思ってた。」
「いやー、永子より君の方が美人だよ。」
「まあ、嬉しい。わたしも、そうだと思っていたけど。」
二人は抱き合い、キスをした。
美人バスガイドは、
「こんな事、してもいいのかしら?永子に悪いわ。」
「いいんだよ。永子とは別れようと思っていた。ちょうど、その時、君が現れたんだ。」
「グッドタイミングって奴ね。今からセックスして、それを撮影して永子に贈るの。そうしたら永子はアナタと別れるわ。」
「グッドアイデアだね。スマートフォンで自撮りするかな。」
「そうね。わたしのスマートフォンは最新のカメラ付きよ。立体映像を撮れるの。録画再生するとスマホの画面から映像が立体的に飛び出してくるわ。」
「ほー、すごいな。じゃ、この部屋でセックスして、それを最新式カメラで自撮りして、永子の奴に送ればいい。」
「そうね。さっそく脱ぎますわ。」
「僕も脱ぐよ。」
二人は昼は観光地をバスで巡り、美人バスガイドが乗客に観光ガイドした。
「みなさま。左手に見えますのが富士五湖で、ございます。」
美人にして美声の観光案内だった。
運転手は時々、横目で美人バスガイドの尻を眺めては少し勃起しつつ観光バスの運転を続けた。
それで午後四時ごろに大きなホテルに到着して観光客はチェックインして解散した。
二人は同時に全裸になる。運転手は惚れ惚れと美人バスガイドの裸体を見て、
「姫子。すんごい乳房だね。白桃のような乳房だ。」
「ウフ。前の彼氏にも、よく言われたの。その彼とは一晩に五回はセックスした事もある。」
「同じ会社の運転手?」
「そう、けど彼は別のバス会社に行ったから、わたしと会わなくなったの。」
「そうだったのか。」
運転手の股間のモノは半勃起した。美人バスガイドの股間の黒い部分を見たからである。
「田空さん、半分勃起したわ。」
「姫子に見られて恥ずかしいけど、君のアンダーヘアが悩ましくて。催したんだ。」
「田空さん、おっぱい触って。」
観光バス運転手、田空は美人バスガイド姫子の白い乳房を触り、揉んだ。
「あはっ・・気持ちいい・・。」
姫子は目を細めて言う。
田空は、
「最新カメラで自撮りするのは、どうする?」
「あ、忘れてた。今、用意するから。」
姫子は全裸のまま、自分の脱ぎ捨てた服からスマートフォンを取り出してカメラに切り替えるとベッドサイドテーブルに置いた。それから撮影開始ボタンをタップする。
「これで撮影開始よ。」
姫子は高らかに宣言した。
観光バス運転手と観光バス美人ガイドとのセックスは撮影されていく。
昼間に乗客に見せていた姿からは想像も出来ないほどの荒々しいセックスを繰り広げて行く二人。
姫子は口を大きく開けて赤い舌を出した。
コンドームなしの性交だけに通常のアダルトビデオより生々しい。
正常位セックスの後で後ろからハメる座位に移行した後で運転手の田空は連続放出した。
 それらはスマートフォンの最新式カメラに逐一記録されたのだ。
二人は翌日、何事もなかったように観光バスの仕事をした。
観光ツアーは三泊四日なので、まだまだ続く。
仕事が終わり、夜が来て、運転手の田空の部屋に美人バスガイドの姫子が来た。
そして又、カメラに交接の記録を取る。次の日の夜も同じ事を繰り返した。それが三泊目で性交を終わらせた田空と姫子はカメラが気になる。田空はベッドに寝そべってタバコを吸いながら、
「うまく撮影できているかな?」
と問いかけると全裸の姫子はスマホカメラを停止させて、
「撮影したものはスグに見れるわよ。」
録画再生を、した。
平凡なアングルとはいえ男女の生々しい交接が記録されていた。田空は、
「よく録画されているな。立体映像になるのでは?」
「ええ、ボタン一つで。」
姫子はスマホを操作した。スマホの画面から飛び出した映像は立体的に見えた。姫子は、
「この機種じゃないと立体的に映像が飛び出さないの。永子のスマホの機種、知ってる?」
「いや知らないけど古いものらしかったね。立体映像は無理かもね。」
「このデータを永子のスマホに送るのよ。メールに添付して。」
「ああ、面白いな。永子、驚くだろうな、きっと。」
「永子のメールアドレス、分かる?」
「分かるよ。ぼくのスマホに永子のアドレス、載ってるから。」
「じゃあ、それをワタシのスマホに送って。」
「ああ、送る。」
それで姫子のスマホに永子のメールアドレスが送られた。
 姫子はカメラで交接を記録したスマートフォンを手にして、
「あ、来たわ。それでは送るわよ、永子のメールアドレスに。」
彼らの性交映像はメールに添付されて送信された。

 バスガイド永子は長距離旅行の観光バスには乗らない方だ。これはバスガイドの希望によって決められる。
だから永子はバスガイドの仕事で外泊した事がない。
 その日も早く女子寮に帰っていた。個室で冷暖房完備、風呂付、冷蔵庫、洗濯機付きの申し分のない環境だ。
東京郊外にある女子寮で、永子は外食して帰って来た。
それから暇なのでスマートフォンを、いじってネットサーフィンなど、していたがメールボックスに添付ファイルつきのメールが届いている。

 お元気?
お幸せそうね、永子。彼とは、うまくいってる?田空さんと。
ビデオを添付ファイルで送ったから、すぐに見た方が、いいわよ。

という内容だ。
 永子は添付ファイルをタップしてビデオを再生した。それを見た永子は顔色を変えて、
「ああー、こんな事ー、してたのねー、二人でー。」
と思わず口走った。
それは永子の恋人、田空と美人バスガイドの同僚、希世姫子とのセックスの連続だったのだ。
永子は見たくないと思いながら見続けてしまった。三時間も見続けると疲れたので辞めた。ビデオは六時間もある。
(田空さんとは別れるわ・姫子の方が美人だし。)

 それで春珍の尼僧院に入った永子だった。法名は永聴。厳しい修行が待っていた。滝に打たれて山を歩く。
瞑想の日々。田空とは結婚していなかったから良かったのかもしれない。
修行が一段落すると女としての欲望が漲ってきた。
寝床でオナニーを始める。同室の永夏に、それを聞かれたかもしれないと思う。
永夏としても男が欲しくなくなった訳ではない。それだけにオナニーに耽る永聴が、わずらわしかった。永夏などはアダルト男優と結婚していた位だ。
話して聞くと永聴は結婚していなかったらしい。
それでも男が欲しくなる、結婚していた永夏は、それ以上に男が欲しくなった。
ついに我慢しきれなくなってネット通販でアダルト雑誌を購入した。そこには色々なアダルト男優の顔が載っている。
その中で気に入ったアダルト男優の顔をハサミで切り取る。
 それを観想、礼拝用に持っている仏の肖像画の顔に張り付けると、晩にトイレに入り、それを見てオナニーに耽ったのだ。
同室とはいえ、一人は布団の中で、一人は厠の中でオナニーに耽る。これも通常の尼僧院なら咎められる所を、この春珍の尼僧院「快楽解脱院」では咎められる事は、なかった。それは、ここ快楽解脱院がチベット密教の寺院であるからだ。
 修行さえキッチリとすれば時間外は院長の春珍は問わない方針だ。ただ尼僧同士のレズ行為は禁止とした。
ある講義の場で春珍は、
「修行がソレナリに進めば男を求め、結婚する事も許可します。しかし同性愛に進んだ場合は当尼僧院を破門とし、再び、この門をクグルことを許しません。」
と厳しく戒めた。

「サイバーモーメントの黒沢です。え?ナニナニ、そうですか。いえ珍しいので、はい。はい。お任せください。作れますよ。それでは当社へ一度、お越しくださいね。」
サイバーモーメント株式会社・代表取締役社長・黒沢金雄は、おもむろに電話を切った。
 その日の午後に黒沢が電話対応していた人物が現れた。和服に頭は頭巾をかぶり、お茶の先生みたいな雰囲気を持つ女性でサイバーモーメント株式会社の受付で、
「社長の黒沢さんに、お会いしたいのです。」
と話した。
「お待ちください。お名前を、よろしいですか。」
「中千家(なか・せんけ)と申します。」
「社長、中千家様が、お見えになっています。・・あ、はい。」
受付女性は社内電話機を切ると、
「あちらのエレベーターで最上階の社長室へ、お上りください。」
高速エレベーターだった。扉が開くと黒沢が立ち上がり、
「中千家様。お待ちしておりました。」
と揉み手をして出迎えた。
応接室では秘書の美月美姫が、冷たい抹茶を出した。
黒沢は、
「さあ、どうぞ。お茶の先生の、お口に合うかどうか分かりませんが。」
と笑顔で勧める。中千家は頭巾をかぶったまま、
「それでは頂きます。」
と答えて、お茶の作法らしい手つきで抹茶を飲むと、
「おいしいですわ。これ、高級抹茶です。」
黒沢は満足げに、
「中千家先生の為に御用意させて、頂きました。入手に少し苦労しましたけど、おほめ頂き、光栄です。」
「早速ですけれど、わたしの弟子に未亡人の方が、おりまして・・・。という事は電話で、お話しましたね?」
「はい。その方が性的な不満を抱えていて男性器の付いた男子ロボットを制作してほしい、という事でしたね。」
「はい、さようで、ございます。お茶の新名門、中千家としましても弟子の希望を叶えたく存じております。」
「ぜひとも叶えられるよう頑張らせて頂きます。男子ロボットの外観についての御希望など、ありますでしょうか?」
中千家婦人は頭巾を右手で撫でると、
「仏像のようなものを希望しています。」
黒沢は少しビックリして、
「仏像!?で御座いますか?」
「ええ色んな仏像が御座いますけど日本や中国、タイにあるような仏像ではなくてチベットにあるような仏像が希望です。その仏像は女人と座ったまま結合している仏像など沢山あります。」
黒沢は得心した顔で、
「いや、これは初耳でした。なにせ仏像なんて見る趣味もなく、女性と無縁な感じの仏像の外観を持つロボット制作なんてと思ってしまいましたからね。チベットの仏像・・・で御座いますね?」
中千家は静かな微笑みと共に、
「はい。チベットの仏像、しかも女体と結合する仏を御覧ください。それから男子ロボットの制作を、お願いします。」
それで中千家は帰って行った。

 黒沢は社長室に戻ると大型パソコンでチベットの仏像を検索して調べる。
「なななな、なんと、こういう仏像もあるんだな。初めて見たな、美月、ちょっと、おいで。」
近くにいた秘書の美月美姫を呼ぶ黒沢に、
「はーい。なんでしょう?」
と氷の上を滑るように移動してきた美月に、
「この仏像を見たまえ。」
「きゃっ、交合する仏様・・・。」
「そうなんだよ。チベットの仏像らしい。」
「チベットって、とても変わってますね。」
「変わっているらしい。こういう仏像みたいな男子ロボットを作ってほしいんだとさ。」
「あの中千家さんが、ですか?」
「そうなんだ。作れると思うね。仏像ロボットを。」

その日の夜、黒沢は千手観音菩薩の夢を見た。しかも、その周りには千人の裸の美女がいるのだ。
文字通り、千本の手を持つ観音菩薩は、それぞれの美女の乳房を揉んでいく。
その一本、一本の手が伸縮自在に伸びて、遠くで待機している女の全裸の乳房にも届くのだ。
そして、その手は全裸美女の左右の乳房を位置を変えて揉み愛撫する。
その場所は極楽らしく、広大な温泉地帯らしい。ともかく地球ではないようだ。美女たちは大地に寝そべり、ある者たちは温泉に入った。千手観音菩薩の千本の手は乳房から、彼女たちの股間の秘部へと移っていく。
乳房を揉まれるより感じる部分を千本の手が千のマンコを触り、愛撫し始める。
「ああっ、ははっ。」
「ああーん、いい。」
「あっ、あっ、ああー。」
まさに極楽とは、その場所ではないか。
黒沢は夢だと知りながら見ていて自分も千手観音菩薩になりたいと思った。
目が覚めた当日から黒沢は仏像型男子ロボットの制作に取り掛かる。優秀な技術者数人を指揮した黒沢は、数日でロボットを完成させた。こぶしを握った右手を上げて黒沢は、
「完成したぞー。人工知能も組み込んでいる。さあ、納品だ。」

 中千家に完成した旨をメールで伝えると、黒沢は発送したのだった。

体験版・sf小説・未来の出来事59

 マトモは相談員に言われた通りに椅子に座ったまま股間を開いた。それを覗き込んだ相談員は、
「おお。これはマトモですよ。取り付け型男性器を取り付けられるようにコンセントがありますね。少量生産なので取り付け型男性器は安くは、ないけどクレジットカードでも買えます。」
と得々と説明した。マトモは目をキョロキョロさせて、
「僕自体は、お金というものを持っていません。ですので御主人様に聞いてきます。」
「ああ、そうした方が、いいでしょう。」
と相談員は頷く。

 豪華な邸宅に戻ったマトモは主人の富瓦保に、
「御主人様。わたくしめ、は取り付け型男性器を取り付けたいのであります。どうでしょうか?」
ソファに腰かけている富瓦保は少し驚いて、
「何を言うかと思ったら、その事か。いいよ。取り付けても。費用はワシが持とう。といっても、マトモ、おまえには長い間、給与も払わなかったね。よし、新車一台買える金を渡すから使ってきて買えるように。」
と語ると、テーブルの上に置いてある札束の一つをマトモに渡して、
「財布が要るな。はい、これが財布。この中に札束を入れなさい。」
と黒の本革の長財布も渡した。
外に出たマトモはタクシーを呼び止めて乗る。運転手も男子ロボットだった。運転手は、
「お客さん、ドチラまで行かれますか?」
「うん、女と遊べる所がいい。」
「分かりました。新中洲に行きましょう。」
タクシーは発車した。
富瓦保の屋敷は福岡市の郊外にあり、新中洲までは移動に時間が掛かる。故に絶対的に安全運転するロボットタクシーはノンビリと移動して行き、運転手は、
「お客さん、ワタシもロボットですけど、お客さんもロボットでしょ?」
「え?ああ、そうだよ。よく分かるね。」
「それは、もう、ワタシの人工知能に識別機能が埋め込まれているんでさあ。人目見ただけで気づきました。」
「ふうん。ロボットには悩みは、ないんだけど最新のバージョンの僕なんかには悩みという機能が、ついている。」
「へええ、そうなんですか。もしかして、女に対する悩みとか?ですか?」
「その通りだよ。美人と性交したくなってね。」
「おおお。それは、それは。新中洲に行く人間のお客さんは女と遊びに行く人が、ほとんどですよ。ワタシ、女と遊ぶって何だか分からないけど電子書籍で学習すると、女の股間のマンコが、その対象らしいんですね、お客さん。」
「そうだな。ウチの美人ロボットは私の御主人様の股間の長くなった肉棒を股間に入れられて喜んでいたんだ。だから僕も美人ロボットに、そうしてやりたくなった。」
「ああ成程ね。ワタシは、まだ、そのセックスとやらを、した事ないんでさ。頑張ってくださいよ。」
マトモはハッとして、
「そうだ!僕は股間に何にも、まだ、ついていない。ロボットにペニスを付けてくれる所を知らないかい?」
「ああ知ってますよ。格安でペニスを付けてくれる所。」
「そこに行ってくれよ。」
「はいはい、行きます。」
タクシーは方向を変えて走った。
 静かな町の一角に大きな病院があった。その敷地内の駐車場にタクシーは停車して運転手は、
「ここですよ。入り口から入って受付で聞いてみると、いいです。」
と案内してくれた。
マトモは財布の中から現金を取り出して運賃を払うとタクシーを降りて病院に向かう。白い大きな建物に入ると大勢の人間の待ち人が座っている。受付に行き、マトモは、
「人工ペニスを付けて欲しいんですけど。」
と白衣の受付の若い女性に告げると、
「はい。ロボット様は健康保険は使えませんので全額負担して、いただきます。泌尿器科に行ってください。今なら待つことは必要ないです。」
と泌尿器科への順路を教えてくれた。
 マトモは急ぎ足で歩くと泌尿器科のドアを開く。中には眼鏡を掛けた中年の医師が白衣で座っていたがニッコリして、
「やあ、どうぞ。そこに座って。」
と医師の前の椅子を手で示す。
マトモが座ると医師は、
「今日は、もしかして人工ペニスの移植かな?」
「ええ、そうなんです。僕もペニスが欲しいです。」
「うんうん、分かった。しかし君はオシッコもしなくていいだろ。」
「ええ、そうですねえ。そのためじゃなくて。」
「ああ。勃起するペニスが要るのかね?」
「そうです、先生、お願いします。」
「おお、よし。来るとは思っていたが、君が初めてだ。初めての手術なので安くしておくよ。フランス料理のフルコースの値段でいい。」
「それなら払えます。」
「よし。それでは、あの白いベッドに行って下半身はズボンを脱いで寝るように。」
「はい、そうします。」
マトモは手術台であるベッドに行きズボンを脱いで寝た。パンツなどは履いていないのだ。
医師はバイブレーターに似たものを左手に、ぶら下げて現れると、
「それでは、コレを取り付けるから。」
マトモの股間にバイブレーターのようなものが取り付けられた。そして医師は、
「君の意志で勃起は出来ない。それは人間の男だって自在に勃起できる人は稀だろう。バイブレーターには人工睾丸も付いている。右の金玉を握ると勃起して左の金玉を握ると勃起は萎える。便利だろう?やってみて。」
マトモは医師に言われた通りに右の金玉を握った。すると勢いよくバイブレーターは勃起した。勃起角度も若者のソレだ。
マトモは自分の股間を見て、
「おおスゴイ!見事に勃起してます。」
医師はニヤリとして、
「勃起チン長は19センチ。日本人の女なら一番満足する長さだよ。ただ電力消費も凄いから、十分間を目安に左の金玉を握って萎えさせる。やってみて。」
マトモは医師に言われた通りに左の金玉を握る。すると急速にバイブレーターは萎えてマトモの股間にダラリと垂れ下がった。医師は、
「よし、手術成功だ。受付で手術代を払いなさい。では又、何かあったら来るように。」
と満足げに語った。
股間に少しの重みを感じるマトモは立ち上がると手術室を出て行った。
 病院を出るとマトモはタクシーを拾った。今度は初老の男性運転手だった。マトモが、
「新中洲に走って下さい。」
と告げると、
「はい了解しました。」
車は動き出す。
運転手は終始無言のまま、タクシーは新中洲に到着した。
マトモは財布から札束を取り出すと料金を払う。
道は歩行者天国となっていて両側に風俗の店が建ち並んでいる。ここは知られざる観光名所となっている。
人口大減少のため、九州各地、本州の中国地方の風俗店が倒産多数となった。そのために福岡市の風俗地帯に、その地域からの客が訪れる。南は鹿児島のならず、沖縄から本州からは岡山からも客が殺到する。
 新中洲も福岡市中央区の埋め立て地にあるが、大駐車場は常に満車となった。そこから各地からの客も新中洲の風俗店に足を運ぶ。だから昼でも歩行者は多い。
マトモには風俗店の見別けも付かないので取り敢えず目に付いた店に入る。ファッションマッサージ「スペース・スチュワーデス」という店名で店内に入ると宇宙服を着た男の支配人が、
「いらっしゃいませ。ようこそスペース・スチュワーデスへ。只今、割引で御利用できます。指名なされますか?」
「いや、いいです。美人なら、誰でも。」
「かしこまりました。当店は美人ぞろいです。それでは、こちらの部屋へ、どうぞ。」
案内された部屋へマトモが入ると宇宙服を着た女性が頭を下げた。豊かな胸は隠せない美女だ。さっそく美女はマトモの股間に手を遣るとズボンのジッパーを降ろし、パンツの中からマトモのモノを取り出した。美女は目を見張ると、
「立派なものです。」
と話して右手でシゴキ始める。
五分しごいても何の変化も現れないので美女は、
「お客さん、今日は体調が悪いんですか?」
「そんな事ないよ。僕の右の金玉を握ってごらん。」
美女は言われた通りにした。
するとマトモの肉竿は勃起して19センチになる。
「きゃあ!すごく太くて長いんですね。わたし脱ぎます。」
彼女は宇宙服を脱いだ。
下着も付けていない美女は瓜のような乳房を顕わし、股間は黒の密林で覆われている。彼女は膝を曲げてマトモの勃起棒を口に含むと巧みにフェラチオしていく。マトモは、
「おお・・ああ・・。」
と感じた声を出した。
人工ペニスなのにマトモは感じてしまった。感じるとは思わなかったのだ。マトモの人口脳内に刺激を伝達する優れものなのだろう。人工神経が張り巡らされているロボットのマトモだ。美女の口内感覚と舌の動きはマトモを狂わせそうになる。が射精までは出来ない。二十分フェラチオをしても出さないので美女は壁の時計を見て、
「お客さん。時間です。強いワー。」
「うん、ありがとう。」
マトモは自分の左の金玉を握った。すると肉竿は急速に萎えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 宝山水子は動画が終わったのでパソコンをスリープにすると、
(なんだか凄い話だわ。あんなロボットは、いないわよねー。)と思うと眠くなったのでベッドに行き服を脱いで下着姿になるとパジャマを着て寝た。

 不動産セミナーは午前10時から始まる。水子は遅れないように会場に入った。小さな会議室みたいな場所で聴衆は十人程度だ。10時になった。背広姿の司会の男が、
「それでは富瓦保氏による不動産投資セミナーを始めます。富瓦先生、よろしく、お願いします。」
ホワイトボードの前に座っていた初老の男性が立ち上がると、
「みなさん、本日は、お集まりいただき、ありがとうございます。」
 水子はアッと叫びたくなるのを抑えた。ホワイトボードの前にいるのはアダルト動画で見た大富豪の富瓦保とソックリそのままなのだ。背広姿の富瓦は、
「誠に急速な展開では、ありますが本日は新しい時代のラブホテル経営という事で、お話をさせていただきます。」
「日本の人口は大減少しましたが、その大半は老人であります。老人にラブホテルは、ほぼ不要なのでありまして、したがってラブホテルは、これから儲かる産業となります。結婚できない若者もラブホテルで欲望を満たすのであるのです。
 かくいう私も数軒ほどラブホテルを所有しています。
毎日、ほぼ満室ですから収益も、かなりなものとなっていますよ。特に東京に持つラブホテルは盛大なものです。
ラブホテルは一般客の他、アダルトビデオの撮影にも使われますからね。とても需要が、あるんです。」
そこで富瓦はニヤリとすると、
「やはり東京のアパート、マンションは小さいものが多く特にアパートは隣との壁も薄い。異性との関係を持つ行為は声を出す事になりますから。車を持たない人も多いのが東京ですからタクシーは盛況です。
ラブホテルへはタクシーでないとバスや電車では不便ですから。ラブホテルオーナー多くがアロナワクチンで死にました。後継者である子息もラブホテル経営する気が無くて売りに出しています。売りに出されて閉鎖しているラブホテルも多いのです。
東京だけでなく全国的に、そういう状況です。ですから、そういうラブホテルを皆さんから集めた投資金で買い取り、複数の方にラブホテルオーナーになっていただこう、というファンドも計画中です。」
そこで富瓦保は聴衆を見渡した。聴衆は、いずれも富裕層な人ばかりだ。一人の男性は椅子に座ったまま、
「いいですね。富瓦先生、僕、出資しますよ。」
と話した。
他の数人も、
「私も出します。」
「私も参加します。」
という声が上がった。富瓦は笑顔で、
「ありがとう、ございます。それでは、このラブホテル投資ファンドについて説明します。」
 ラブホテル投資ファンドへは新車一台購入分位の費用で投資できるというものだ。宝山水子はファンドに投資する事を決めた。
 説明会が終わりファンドに参加する人は個別に別室で対応するという事で水子は順番待ちで椅子に座って待った。やがて呼ばれたので別室に入ると富瓦保がテーブルの向こうに座って待っていた。富瓦は、
「ようこそ。椅子に座ってください。」
と楽しそうだ。水子を見ると、
「お名前を、どうぞ。」
「宝山水子と申します。」
「水子さん。もしかして水子の霊の水子ですか?」
「ええ、そうなんです。」
「気にされる必要は、ないと思いますよ。水のように流動的に投資をする事が大切です。そういう意味で、いい名前ですよ。」
「有難うございます。富瓦さん、わたし、あなたとソックリな人を見ました。」
「ほ、そうなんですか?世の中には自分似た人は何人かいる、と言いますからね。」
「アダルトビデオで見たんです。」
「ああ、それね。実は僕の弟が俳優なんですよ。だから兄さんの役でアダルトに出ると言ってました。」
「なるほど、わかりましたわ。」
「あれは僕も見ていますよ。実の弟だから兄の真似は、しやすい。」
「ビデオの中のような豪邸に、お住まいなんですね。」
富瓦は西洋人のように肩をすくめて、
「いや、あんなに大きくは、ないですよ。必要もないし。」
「美人ロボットを購入されたとか。」
「それも、ないですね。ま、僕は独身ですけどね。あのビデオは飽くまでも作り物ですからね。」
「なーんだ。そうだったんですね。死別された奥さんが、いらっしゃるんですか。」
「いえ。ずっと独身なんです。僕は不動産で財を作りましたがケチなんでね。妻を養うなんて金の要る事は出来なかった。ラブホテルにしても、男女の情事に興味があるとかの理由ではなくて、儲かるからなんです。不倫目的の利用もあるし、女遊びのためにあります。
倫理なんて考えていたら金儲けは出来ませんよ。僕は聖人君子では、ないです。宝山水子さん、貴女もそう思いませんか?」
 富瓦保は真面目な目をして水子を見た。水子は、
「わたしも倫理なんて考えませんし、わたしも独身ですわ。」
「おお、そうなんですか。あなたのような美人が珍しいですね。今までも独身?」
「そうです。」
「ならば財テクは必要ですね。」
「不動産を幾つか持っていて、それで暮らせますもの。」
「うーん、既に大家さんですか。ラブホテル投資ファンドは小額から投資できますが上限は、ないですよ。集まれば集まるほどラブホテルを買えます。今が最低の人口の日本ですから、これから若者は増えますし、ラブホテル利用は増えるばかりなんです。」
と富瓦保は断言した。水子は、
「可能な限り投資します。」
「有難う。それでは見積もり案内書をメールでお渡ししますので、電子契約書として了解していただき、可能な投資金を弊社の銀行口座に、お振り込みください。」
「スマートフォンからでも出来ますか?」
「はい出来ますよ。」
「富瓦さん。セミナー終了後に、お会いしたいんですけど。」
「え?いいですよ。あと数名の方で終わりますから会場で待っていて下さい。」
水子は個別案内の部屋を出て会場に戻る。残りの二名が、それぞれ間を置いて呼ばれ個室に入り、出てくる。会場には水子一人になった。
 そこへ富瓦保が現れると水子に近づいてきて、
「お待たせしました。行きましょうか。」
宝山水子は立ち上がると、
「はい。お供します。」
二人は会場を出てエレベーターに乗り一階へ降りてビルを出た。歩道を歩きながら富瓦保は、
「丁度昼食の時間ですね。私が御馳走するから、ついて来てください。」
「はい。いただきます。」
彼らの左手に激安食堂が、あった。中に入ると人で、ごった返していた。カウンター席は満席、奥の二人掛けのテーブルが空いていたので富瓦保は、そこへ行き腰かける。それに向かい合わせて水子も座る。昼のランチは確かに安いものだった。並んで待っている人達は、外では行列を作っているらしい。富瓦は、
「なるべく急いで食べてください。」
と語ってから激安ランチを食べ始める、水子も急いで食べた。
外に出ると行列が出来ていた。
富瓦はタクシーを呼び留めた。
車内の後部座席で、
「糟屋郡のラブホテルまで。どこでもいいから見つかり次第停車してほしい。」
と指示した。若い男の運転手はバックミラーで後部座席の水子を見るとニヤニヤしながら、
「了解です。発車します、行きます、出ます、駆け抜けますー、」
と言わなくていいような言葉を発すると車は動き出した。
福岡市の東が糟屋郡だ。
昔から車道沿いにラブホテルが建っている場所もある。
水子はドキリとしたが、富瓦となら経験してもいいと思った。
タクシーが糟屋郡に入ると車道の幅が狭くなる。そのまま北九州市に向かうと車道は段々と広くなり、道路の脇の樹木はヤシの木のような樹が並んでいる。
 左手の方には海岸が見える。その近くにラブホテルは、あった。運転手は、
「左に見えます、あの建物はラブホテルで、ございます。あそこに、なさいますか?」
富瓦は、
「うん、あそこに回してくれ。」
タクシーは幹線道路を左に外れて、横幅の広い建物に近づいて行く。建物の前面に温泉マーク♨が見えた。
その建物の前のロータリーにタクシーは停車して富瓦がスマートフォンで運賃を決裁した。運転手は、
「この度は御利用、誠に有難うございました。又の御利用を心より、お待ちしております。」
と普通のタクシー運転手とは、まるで違う言葉で礼を言った。
 タクシーを降りて二分で温泉付きラブホテルに富瓦と水子は入った。温泉の持つ硫黄の匂いがする。
富瓦はスイートルームらしき部屋へ水子を先に入れた。
天井からは豪華なシャンデリアが部屋を贅沢に見せている。
富瓦の顔つきは変わらず、
「ここのラブホテルも買収予定なんですよ。こんなところに連れこんで何でしたね。でも実物を見るのが一番いいから。」
と、さりげなく話す。
水子はホットした顔で、
「富瓦さんと経験するのかと思いましたわ。」
「いや、顧客と関係を持つなんて私には出来ませんね。ビジネスとは、そんなものです。」
「ビデオのように富瓦さんは美女ロボットを所有しているのですか。」
「いいえ。私はロボットは苦手なんですよ。女性も苦手なんですが弟は違う。富瓦守っていうのが本名ですが、俳優名は幾つか持っています。アダルトに出る時も名前は変えています。人相さえ変えますから同じ人物とは気が付かれないらしいですよ。本人が話していましたから。」
「そうなんですか。」
「私より少し下で63歳です、弟は。実生活でも女が3人います。東京に住んでいるんですよ。出身は私と同じ福岡市です。父は幅広く不動産業を営んでいました。
それで私も早くから宅地建物取引主任者の資格を取り、父の不動産会社に入社しました。去年、父は亡くなりましたが弟は別の世界に東京に行き、飛び込んだんです。それは役者の世界です。」
富瓦はダブルベッドの片隅に腰かけると、
「宝山さんも、そこにソファがありますから、腰かけてください。」
「はい、失礼します。」
水子は深い座り心地の水色のソファに座る。富瓦は、
「弟もラブホテル・ファンドに金を出したいと言っています。神奈川県のラブホテルも買収予定で、実際に弟にも、そのラブホテルに行かせていますが、三人の女を日替わりで抱くそうですよ。それで実際のラブホテルの泊まりやすさとかを報告してくれます。それに給料は出してあげていますけどね。
ウチの会社の社外取締役にしています。やはり父譲りなのか不動産に対する目利きは持っていますよ。不動産屋の役を弟がやると本物みたいです、宅建の資格は弟は持っていないけど・・・。」
「素晴らしい弟さんですね。」
「うん、まあね。それが奴も独身なんですよ。子供も、いないし、それは私と、おんなじだ。結婚しろよ、と言っているんですが、
「兄貴だって独身じゃないか。」
と反論されると何も言えません。」
「わたしだって独身ですもの。」
「あなたは若いし、これからですよ。でも弟は歳だからね。誰か、いい女性を知りませんか。」
「知りませんわ。」
「うーん。そうですかー。そうですねー。」
水子は親友の弓島篠江を思い出した。それで、
「わたしは知らなくても友達は知っているかも知れません。ちょっと聞いて見ます。」
富瓦保の顔に希望が差し込んで、
「それは是非、お願いしますね。」
と言い頭を下げる。
「まあ、頭を下げて、いただかなくても。恐縮ですわ。電話してみます。」
と水子は云うとスマートフォンを取り出して通話する。
「あ、篠江?水子よ。今、あなた暇?」
「うん、今日は休みになってしまったの。水子は?」
「わたしも休みみたいなものよ。今、ラブホテルに居るの。」
「ラブホテル?一人で居るんじゃないでしょ。」
「もちろんよ。お金持ちの叔父様と一緒にいるワ。」
「うわあー、いいわね。パパ活でも、してる訳?」
「そうじゃないわよ。篠江、貴女も来て欲しいのよ、ここのラブホテルに。」
「ええーっ?3Pでも、するのかしら?」
「そんな事じゃないから安心して来てね。」
「場所は何処なの?」
水子は富瓦保を見ると、
「ここの住所とか分かります?」
「糟屋郡波高町のスグニキテホテルです。スマートフォン検索でも出るし、タクシーの運転手に言えば分かりますな。」
水子は、
「糟屋郡波高町のスグニキテホテルですって。」
と又、富瓦を見ると、
「何号室ですか?」
「1010です。」
「篠江、1010ですって。」
「それならタクシーを拾って行くわ。」
「うん、待ってる。」
通話を切ると水子は、
「弓島篠江という私の友人が来ます。彼女もモデルとかコンパニオンも、しています。」
「それは、ありがたい。楽しみですね。」
と富瓦保はニコヤカな顔になる。

 弓島篠江はフレッシュアイランドの路上でタクシーを拾った。「糟屋郡のスグニキテホテルまで。って分かります?」
中年の運転手は帽子を被りなおすと、
「わかりますよー。よく行きますので。」
と答えて車を発進させた。
運転手はバックミラーで篠江の顔を見ると、
「お客さん、あそこはラブホテルですよ、スグニキテホテルは。」
「ええ、そうらしいですね。」
「お。それなら、お楽しみですか。いーですねー。」
「フフ。そうでもないらしいのね。」
「ええっ?そうなんですかー。仕事。とか。」
「じゃないかなー、と思うの。」
運転手はバックミラーで篠江を、もう一度見る。顔は美人だし胸は豊かだ。ゴクリと生唾を飲みこむと運転手は、
「お客さん。運賃を四分の一に出来ますよ。ある事を了解して頂くと。」
「そうなの?ある事って・・・。」
「いやね、お客さんの姿を赤外線カメラで見る事が出来るんですけど、勝手にすると犯罪になりますから。お客さんの了解を得て、それで運賃は四分の一に出来ます。」
「えっ?そんなことが出来るの?」
「ええ、これ私の個人タクシーです。」
「ああー、そうなのね。赤外線カメラで見ると私の洋服が透けて見えるの?」
「ええ、そうです。」
涎を垂らしそうな運転手の顔だがハンドル捌きはシッカリしている。篠江は心配そうに、
「私の裸を見て運転は大丈夫なのかしら。」
「はい、自動運転に切り替えてから赤外線カメラを作動させますので。」
「そうなの、それなら赤外線カメラで見ていいわよ。」
篠江は後部座席に深く座って胸を張り、股間を広げてみる。
 運転手は自動運転にして赤外線カメラを作動させた。
運転席のモニター画面に篠江の洋服が透けて豊満な胸はブラジャーも透けさせた。股間にカメラレンズを合わせると、篠江の白のショーツも透けて見えて黒の陰毛が黒々と茂みをなしているのは性欲を強力に誘発した。
 運転手はスグに半勃起した。そして、
「お客さん、わたしゃ立ちかかっています。でも自動運転だから大丈夫ですよ。」
「うふふ。立ちが速いのね。わたしのオマンコの割れ目も写っている?」
「はい、見えます。あ、全勃起です。」
「運賃は四分の一で、いいのね。」
「あ、はい。もうタダでいいです。」
「そう、嬉しいな。」
篠江は股間を大胆に広げた。運転手は、
「おほっ。オマンコの割れ目が丸見えです。」
「いいのよ。そうなるように、したんだから。」
「すっごい、もう出そうです。」
「出したらいいのに。」
「でも仕事中ですし、我慢します。」
篠江は股間を更に開いてショーツの上から二本の右手の指で陰唇を開いた。
運転手の目はモニター画面に釘差しとなった。モニター画面には篠江の女陰唇がハッキリと映し出されているからだ。
「すんません、出していいですか。」
「ええ、いいわよ。車内を汚さない方がいいと思う。」
「ええ、それは準備していますから。」
運転手はティッシュペーパーを取り出すとズボンのファスナーを下げてパンツの中から雄々しく隆起したモノを取り出すとモニター画面に映った篠江の全陰唇を見て射精する。左手のティッシュに上手く収めたらしい。
タクシーは停車した。
スグニキテホテルの前のロータリーに到着したからだ。運転手は後部ドアを開けると、
「お客さん、ありがとう。運賃はタダにします。」
「ほんとう?嬉しいな。それじゃあね。」
篠江はタクシーを降りた。

体験版・sf小説・未来の出来事58

島尻は天絵の問いに、
「ああ、今でも置いているよ。」
天絵は包丁を置くと、
「それなら、いいワ。」
と楽しそうに答えた。
朝から天絵が料理で作ったのは牛焼き肉にアボカド入りサラダ、ご飯にアサリ貝入り味噌汁だ。
島尻はテーブルに座ると、
「おおっ。豪勢だね。いただこうか。」
「いただいてくださいな。」
レストラン並みの味がする料理だった。
島尻は、
「とても美味い。料理が得意なんだね、君は。」
「わたしファミリーレストランで働いていた事があるの。そこでは配膳がロボットだけでなく皿洗いもロボットが、していたわ。料理だけは人間が担当だけど、キャベツの千切りもロボットだと乱れなくしていたの。
店長までロボット。だったのには驚いたけど。」
島尻は牛肉を食べ終わると、
「ふーん。警備員はロボットを使ってないよ。」
「そうですか。ファミリーレストランの給料はやすいから、というのも激安なファミリーレストランだったから。
わたし中洲の風俗で夜は働いたわ。
そのうちアダルトビデオのスカウトに出会ってAVデビュー。」
「ふむふむ、なるほどね。」
「あの花束の中に隠しカメラが仕掛けてあるの。」
「おお、そうだったのか。でも、あれからレンタルロボットとは何も出来なかったと思うけど。」
「うん。うちのメーカーにカメラからの動画は電波で飛んでいくから昨日の撮影は売り物にならないって社長さんから連絡が、あったのよ。」
島尻は全部食べ終わると、
「すごいな、僕は一か月後に撮影してもらうメーカーだろ、君の所属する。」
「そう。昨日の撮影が、よかったら社長は島尻さんにギャラを払うという事だったけど。だめだったから今日は私と、あの花束のあるベッドでセックスしましょ。」
「そうしよう。でも、もう出勤だからね。」
「それなら私も出る。何時頃に来たら、いいかしら。」
「夕方、六時には戻っているから。」
「それなら、その位に来るわ。」
外は豪雪だった。
華野矢天絵はタクシーを拾っていた。
 警備の仕事はフレッシュアイランドに出来る建築物の工事のそばでの交通警備だった。豪雪を払いのけながら島尻は仕事した。
休憩時間に仲間の一人の男が、
「あの建物はラブホテルらしいね。」
と話した。
島尻は、
「そんな感じの建物だねー。」
と答えて置いた。
島尻のマンションは中央区中浜なので仕事は歩いて行ける場所なのだがバイクでの移動が認められているので原付バイクで通勤した。
一日中凄い雪だった。終わって中浜にバイクで戻ると中浜ラーメンの店で大盛ラーメンを島尻は食べる。
マンションに戻るとスマートフォンで、
「わたし。天絵よ。今、近くのラーメン屋にいます。今から行ってもいい?」
ドアの鍵を取り出すところだが、指紋認証パネルに指を当ててドアを開くと中に入り、
「ああ、今、帰った所だから。」
とスマホに答えて置いた。
中に入って十分もすると天絵が来た。
「お持ち帰りラーメン持ってきたの。食べてね。」
「ありがとう、いただくよ。」
台所で島尻は天絵が持参したラーメンを食べる。
なんだか股間がムクムクしてきた。
天絵が傍に来て、
「それ精力ラーメンという裏メニューなのよ。トンカットアリとかスッポン、マカ、なんかが入っているのね。うふふ。」
と、ほくそ笑む。
「そうなんだろうな。少し勃起している。」
「それではベッドへ行こうー。」
天絵は島尻の腕を取ると立ち上がらせた。
 天絵はベッドにハンドバッグを持って入って来る。
それから彼女は素早く全裸になる。
島尻も全裸になった。天絵はハンドバッグの中から靴を取り出すと、
「島尻さん、この靴を履いて。」
と靴を差し出す。
「靴を履いてセックスするというのか。」
「そうよ。わたしも靴を履くわ。」
天絵は率先して裸身で靴を履いた。
少し天絵の背が高く見える。
身長を高く見せるための靴か。渋々、島尻も靴を履くと、
「なにか軽い靴だな。」
「ええ、もっと軽くなるわ。
「???」
「靴の上の方にあるボタンを押すのよ、こうやって。」
天絵は、しゃがむと左右の靴の先端にあるボタンを押した。
すると!
彼女は上へと浮かび始めたのだ。
空中浮揚したのである。島尻は驚いて、
「無重力状態に、なっているね、天絵さん。」
「そうなの。気持ちいいわよ。無重力状態って。」
「そんなら僕もボタンを押そう。」
島尻も屈んで靴のボタンを押した。すると体がフワフワと浮き出したではないか。島尻は、
「凄い発明品だ。どうして手に入れたんだい。」
「これはね。宇宙人から貰ったのよ。」
「ううん。そうだろうねー。」
「それで、その御礼に、その宇宙人、男性だけど、がここに来るのよ、もうすぐ。」
「えっ、ココに来るって・・・・。」
その時、玄関チャイムが鳴る。島尻は床のパンツを取ると宙に浮いたまま、パンツを履いた。それから泳ぐように玄関に行くと、外を映すモニターカメラに色の白い男が立っている。
島尻は、
「今、取り込み中なんですが。」
「いえいえ構いません。僕は貴方方のセックスを見たいから来ました。華野矢天絵さんに宇宙靴をプレゼントした、お礼に見せて貰えるという事で。」
島尻はベッドの方を振り向いて、
「天絵さん、本当かい。」
天絵は全裸で宙に浮いたまま、
「本当よ。わたしも行く。」
天絵も泳ぐように全裸で玄関に来た。
モニターカメラに写っている男は、
「ああ華野矢天絵さん。全裸ですね。中に入れてくださいよ。」
「ええ。島尻さん、玄関ドアを開けて。」
「うん。」
肌の白い背の低い男が入って来た。歳は二十代前半というところか。彼は、
「華野矢天絵さんに話したけど僕の星の宇宙靴を差し上げたので、お礼に貴方方のセックスを見れるという事ですね。僕は座って見ているから、さあ、始めて。」
と言うなり床に座った。
ベッドの前で特等席だ。
 天絵はベッドに登った。そしてジャンプする。無重力状態が彼女を空中に浮かせた。天絵は誘う目つきで、
「島尻さんもベッドに登って飛んでね。」
島尻は、
「よし、そうする。」
ベッドに登って跳躍した。やはり天絵と同じように無重力状態になった島尻は宙に浮いている。パンツ姿の島尻に天絵は島尻を指さすと、
「島尻さん。パンツ履いたままだわ。」
「ああ、ごめん。そうだったね。」
と答えてベッドの上に浮かんだままでパンツを脱いだ。
ダラリと垂れた島尻の股間棒は天絵が浮いたまま近づいてくると即勃起した。
天絵は驚きの目で、
「島尻さんスグに勃起したわ。」
「ああ。無重力状態だから勃起するのは早いんだろう、きっと。」
「無重力状態のセックスって楽しみ。ウフフ。入って来て。島尻さん。」
天絵は宙に浮いたまま両手と両脚を大きく広げた。
島尻は平泳ぎのような手つきで天絵の裸身に近づくと、空中浮揚立位性交を敢行した。
「あああ。重力のないセックスって気持ちいい。」
天絵は島尻の背中に両腕を回して両脚は折り曲げて島尻の尻に当てる。
天絵の女壺に埋め込まれた島尻の肉道具は勃起の維持は容易だった。島尻は尻を無重力状態で前後させた。
天絵はスグにアクメに達する。
島尻も天絵も楽な気持ちで性交に励んでいる。重力がないので性器の結合だけでなく身体を筋肉を使って支えることが無いからだ。
小柄な宇宙人男は興味ありありの顔で二人の交わりを見ている。いつの間にか彼は伊達メガネを掛けていた。
二人は一時間も空中浮揚性交を続けたのだ。
遂に島尻は頂点に達して股間棒を縮小させた。天絵から離れると、まだ空中に二人は浮いている。
 小柄な宇宙人は、
「よかったですね。僕は満足です。この眼鏡は撮影出来ました。自分の惑星に持って帰ってアダルト動画として販売します。」
空中の二人は納得した。天絵は、
「ええ構いませんわ。わたしは。島尻さんは?」
「僕も同じく同意します。」
宇宙人は、
「アリガトウ。疲れたでしょう。靴の先のボタンで無重力状態から解放されますよ。」
二人は靴先のボタンを押す。
するとユックリと二人はベッドに軟着陸した。
 二人にドッと疲れが襲ってきた。
重力の重さが戻ってたからだ。
宇宙人男は、
「ああ、うん、疲れたんでしょう。ゆっくり休んでね。」
天絵は、
「体は疲れていますけど頭は疲れていませんわ。宇宙人さんは何処の星から来たんですか。」
「ああ、そう遠くない星ですよ。でも地球からは、まだ発見さていませんけどね。」
島尻は、
「その星にも重力は、あるんでしょ。」
「ありますよ。地球と同じ位の重力は。」
宇宙人男はスマートフォンのようなものを取り出すと、
「これは地球のスマートフォンと似てますが、未来映像を見れるんです。」
ベッドで寝ている二人は驚く。天絵は、
「未来映像ですか。」
「そうだよ。この機器から壁に投影して、その映像を映すから。」
宇宙人男は機器を操作した。
部屋の壁にスクリーンが現れる。そこに映し出されたのは・・・。
アメリカ大陸だが自由の女神が映し出された。
自由の女神が手にしているのはアメリカの国旗だが赤色の背景に中国の国旗とインドの国旗が混ざり合ったものだ。
世界地図が映し出された。
そこにあるのはアメリカの国名がチャイインドと記されている。チャイインド合衆国。それが旧アメリカの国名だ。
ホワイトハウスはチャイインドハウスと呼ばれている。ペンタゴンはチャイインドゴン。
チャイインド大統領は中国人とインド人の四年ごと交代で選ばれる。人口の大半が中国移民とインド移民で締めらているチャイインドだから自然と、そうなったのだ。
またアメリカ議会の議員も中国人とインド人以外には、いない。
 ニューヨークなどの大都市が映される。そこにも大半は中国人とインド人が通行人として映し出された。
中国の人口は20億人、インドも20億人。アメリカに移民したのは、それぞれの国で4億人と言われている。
アメリカの人口は11億人にも、なった。
アメリカもワクチンで大半の白人が死んでいったのだ。
世界各地からアメリカに移民して中国とインド以外は2億人以上。
 日本は現在、三千数百万人である。不動産価格は大暴落した。それでも買われない不動産は売れない。
 時流太郎は藁束のような価格の不動産を買いまくってみる。専務の本池釣次郎も漁村を丸ごと買ったりしている。
会社で釣次郎は社長の流太郎に、
「悲惨な人口ですけど漁村を買えるようになれるとは思ってもみなかったんです。」
「それでも中洲なんて価値が下がらないね。風俗街は買えないよ。」
「それは、そうですけどね。我が社には、まだまだ不動産を買える資金がありますよ。」
「うむ。とは言っても田舎の水田を買っても、しょうがないよ。」
人口が四分の一になった日本では顧客を失った大企業が中小企業になっていた。流太郎の会社などは元々、顧客が少なかったために受けた打撃も少ない。
ワクチンによる人口消滅なので若者の多い国には、なっている。
流太郎はノートパソコンでサイトを調べつつ、
「安い風俗を作ろう。」
と釣次郎に話した。
釣次郎は、
「風俗って高くないと成り立たないのでは?」
「デリバリーヘルスを少しだけ安くするのさ。」
「それなら・・・といっても、どうやって。」
「女ロボットデリバリーヘルスだ。」
「ああ、なるほど。」
「今はボロカスのように家賃が安い事務所は、いくらでもある。博多駅周辺は若い男性が多い。この前に買った北九州の牧場は安定した利益を取れているし、会社として買った賃貸マンションも十を超えた。中洲のビルを買えたらビルごと風俗にするけど中洲のビルは、やはり高い。」
「中洲の風俗も料金を下げませんしね。」
「ああ、そうだ。そこで無店舗販売のデリヘルを始めれば、いい。」
そこで開業届を行政書士に依頼して、それを警察署に届け出た。それから流太郎は電話を掛ける。
「あ、もしもし。お久しぶりです。時です。」
「ああ、時君か。今日は、どうした?」
「女性ロボットを購入したいと思いまして。」
「そうか、ありがとう。今から来てくれれば、いい。」
「それでは今から参ります。」
「うん、待っている。」
二十分後にサイバーモーメント株式会社に到着した流太郎は受付に社長室に行く事を伝えた。
受付も美女ロボットだった。
車内電話で美女ロボットは連絡を取ると、ニッコリして、
「黒沢社長が、お待ちです。」
と答えてくれた。
人間ソックリなのは驚くばかりだ。
最上階の社長室では昔のように美人秘書の美月美姫が出迎えてくれた。
「時さん、お久しぶりですね。」
と美月が話すと流太郎は、
「お久しぶりです。お元気そうですね。」
「ええ、おかげさまで。」
そこで美月は振り返ると、
「社長、時さんです。」
「おうおう、時君。待ちかねたよ。」
椅子を立ち上がって黒沢は時の前に来た。
「黒沢さん。美女ロボットを購入したいんです。」
「まあ、あそこのテーブルに行こう。」
それで二人は応接セットに腰かけた。黒沢は、
「どういう目的で使うのかな。使用目的を知りたい。」
「デリバリーヘルス用の美女ロボットです。」
「うん、そう来るのではと思っていたよ。そういう依頼は初めてなので開発には時間が掛かる。一か月、数か月かな。」
「あまり高性能でなくても構いません。」
「そうかね。では数週間で作ろう。」
流太郎は頭を下げると、
「よろしく、お願いします。」
「ああ、引き受けたよ。」
美月美姫がマンゴー紅茶を二人に運んできた。

 流太郎は自社に戻ると釣次郎に、
「数週間は、かかるそうだ。」
「それでも早いと思いますよ。」
「それまで何とか、してみる事もあるかと思う。デリヘルの開業は許可されたのでね。」
釣次郎は楽しそうに、
「それでは女の子ですね。もちろんインターネットで応募しましょう。」
「スマホ用のサイトを作ってくれ。」
「はい。すぐ出来ますよ。年齢制限は、どうしましょうか。」
「上限は24歳だ。」
「うわ、そこまでで。」
「それ以上は要らないと思う。」
「はい、それでは。」
本池釣次郎は机の上のノートパソコンでサイト作りを始めた。カチャカチャ、と動かしている指を止めて釣次郎は、
「店名は何にしますか?」
「そうだな。愛の秘宝。で行こう。」
「秘密の宝ですね。」
「そうだよ。そのうちに美女ロボットも完成する。初期投資は掛かるけど、それは回収できるさ。それまでは牧場の収入、不動産の収入がある。人口削減計画でアロナワクチンは作られたのかもしれないけど、お互いに俺たちはワクチンを受けてないから死を免れた。」
「黒沢社長たちもワクチンは受けてないんでしょう?」
「ああ、受けていないと話してたよ。全社員に受けさせなかたらしい。」
「社長の恋人だった城川さんは、ワクチンは・・・。」
「冬眠中だろう。受けるはずは、ないと思うよ。」
「全世界で人口が減りましたものね。」
「ヨーロッパが一番減っただろう。過疎化した国ばかりだ。」
「あ、サイト作りを続けます。」
三十分位で大体サイトは完成した。
 流太郎は斜め横の席の釣次郎の真後ろに立つと、
「あとは写真画像が必要だね。何人か採用して写真を撮る。動画も取る。福岡市は昔から若い女性が他の地方から来るから人口回復も割と早いし、SNSで募集してみよう。」
「わかりました。水着SNSなんてのも、ありますからね。」
パソコンで釣次郎は検索すると、ミズギーヌなるSNSが見つかった。
釣次郎は福岡市の水着美人を探した。ビキニの美人が出てくる。それにイイね!を押して行く。そうするとイイねを押された女性にイイねが押されたのが届く。
釣次郎も顔出して登録しているのでイイねを押された女性も安心感を持つのだ。
ホンツリさん、イイねを、ありがとう。
というメッセージが来た。
ホンツリとは本池釣次郎のハンドルネームだ。
いいえ、どういたしまして。
貴女の水着姿が眩しい。
と釣次郎は送信した。
その水着美女のハンドルネームはアカリだった。
褒めてくれて有難う。
と又、釣次郎にメッセージが到達した。
どんな、お仕事されていますか?
と釣次郎はメッセージを送った。
 モデルとかコンパニオンしています。
と返信が届いた。
 収入の方は、どうですか?
と釣次郎が送信。
 ーあまり、よくないですけど。
 -だったらウチで働きませんか。収入のいい仕事ですよ。
 ーそれなら、やってみたいです。
 -それでは一度、来社ください。当社のサイトアドレスを送ります。
 釣次郎は愛の秘宝のサイトアドレスを送った。最初から、どういう仕事か分かるというものだ。それで来ないのなら、それでいい。清楚で可愛い顔の女の子だが水着の体は成熟していた。胸はビキニから、はみ出そうで股間の部分は縦スジがクッキリしている。盛り上がった股間の美女だ。
 しばらくして返信が来た。
ーやってみたい仕事なので面接に行きます。
_よかった。即採用と思います。是非、御来社ください。
ーはい。今からでも、いいですか。
-ええ、場所は分かりますか。
ーサイトにアクセスの地図があるので分かりますよ。
-それでは、お待ちしています。
という事で水着美女が来る事となった。
真冬の季節だ。
軽装では来ないだろう。三十分後に現れた水着美女は分厚いオーバーコートを着ていた。
「こんにちわ。面接に来ました。弓島篠江と申します。」
明るい声で自己紹介した若い美人は立ち姿もイイ。
釣次郎は立ち上がって、
「ようこそ。そこの椅子に、掛けてください。」
弓島篠江は椅子に座る。
釣次郎は、
「デリバリーヘルスの仕事の経験は、ありますか?」
「ありませんけど興味は、ありましたわ。」
「サイトに顔出しは、マズいでしょうね。」
「それは目線を隠してもらえれば出来ると思います。」
「ああ、なるほど。では、そうしましょう。運転手を雇うまでは僕が運転します。」
「ええ、お願いします。」
「本番などは、しないでくださいね。念のため、ですけど。」
「ええ。分かっていますわ。」
「年齢は、おいくつですか。」
「二十二歳。」
「若いな。とても、いいですね。彼氏は?いますか。」
「いません。」
「どのくらい、いないの?」
「一年くらいかな。」
「うん、アイドルっぽい容姿ですね。」
「よく言われますよ。でもアイドルになる気なんて、ないんですけど。」
「うーん。貴女なら高級デリヘルでウチもスタートできます。」
「嬉しいな。」
そこへ社長の流太郎が、
「初めまして。社長の時です。貴女には他にも仕事をしてもらおうと思います。今、構想中ですが、その仕事からも高収入は得られると思いますよ。」
「社長様、初めまして弓島篠江です。モデルとかキャンペーンの仕事って福岡では安い収入ですの。初めての風俗だけど男性経験は少しありますので頑張りますわ。」
と篠江は宣言した。
「ありがとう。まずはデリバリーヘルスの仕事を、お願いします。」
「はい、頑張りますわ。」
という事で弓島篠江の目隠し画像をサイトに載せる事になった。
二十分後に電話が鳴った。釣次郎が電話を取る。
「はい、愛の秘宝です。」
「あ、サイトに出ているシノンさんに来てもらいたいんだが。」
老人男の声がした。
「はい、送ります。場所は、どちらですか。」
「福岡市南区豊山(ゆたかやま)一丁目・・・。」
と番地まで話した。
自宅らしい。豊山とは文字通り、小さな山になっている場所の地名である。
「はい、それではシノンを送り届けます。お待ちください。」
「ああ、待っているよ。」
電話は切れた。釣次郎は立ち上がると、
「弓島さん。最初の顧客だ。年寄みたいだね。」
篠江も立ち上がり、
「年齢は気になりませんわ。」
と話す。
流太郎も立ち上がって、
「頑張ってくださいね。」
と篠江を激励した。

 釣次郎が運転する会社の車で二人は南区豊山に向かった。
フレッシュアイランドから豊山に辿り着くまでには三十分は必要だ。かなりの部分を緑地地帯として残しているため、邸宅を建設すると土地代は福岡市でも有数の高値となる。
 二人の眼に大邸宅が映った。電話で老人が話した場所が、その大邸宅だ。釣次郎は自動運転なので気楽に、
「凄い大きな家だね。」
と後部座席の弓島篠江に話しかける。
「本当です。こんなに大きな家が福岡市に、あったんですね。」
その大邸宅の大きな門の前にはロボット男性警備員が立っていた。
車を停車させて降りた釣次郎は、
「デリバリーヘルス愛の秘宝です。」
と話すと、
「門を開けますので、通って下さい。」
とロボット警備員は答えた。
開いた門から釣次郎は車を進める。
 数十台は駐車できる広さがあった。石段を登っていくと広い玄関に行くと扉が開き、男の老人が顔を出した。釣次郎は車で待っている。弓島篠江は、
「愛の秘宝から来ました。シノンです。」
老人は笑顔で、
「ようこそ。入って下さい。」
と簡潔に言う。
長い廊下の奥の部屋が寝室だった。
老人は、
「実はインポテンツになってしまってね。色々とデリヘルを頼んだけど、全部失敗した。それでも勿論、金は払った。あんたの場合、上手く行きそうだね。」
と弱弱しく話したのだ。
篠江は、
「何とか頑張ります。」
老人はベッドに腰かけて、
「まず、あんたの手で、やってみて。」
と股間を開く。
篠江は老人の股間のズボンの上から右手で触れてみた。
「おうっ。」
と老人は声を上げる。
少し股間が膨らんだのだ。老人は立ち上がるとズボンを脱いでパンツも脱いだ。
かなりの巨根だった。篠江は右手で老人の巨根を優しく握り上下に動かす。すると巨根は膨らみ始めて半立ちとなる。老人は、
「十年ぶりだね、シノンさん。半立ちでも満足だよ、私は。」
篠江は上半身の服を脱いだ。
盛り上がった二つの丘が白のブラジャーで覆われている。
老人のモノは少し上向く。
篠江は、ためらわずにブラジャーを外した。
なおも上向く老人の肉棒、篠江は、
「ベッドに腰かけてください。」
と要望した。
「ああ。いいともさ。どっこらせっ。」
腰かけた老人の前で篠江は跪くと新鮮な果物のような彼女の弾力性のある白い乳房で老人のモノを、はさんだ。老人は、
「おおっ、気持ちいいっ、」
と叫ぶと彼のモノは勢いよく反りかえったのだ。
全立ちとなったのである。
老人の顔は満喜色となり、
「ううん、立った。勃起したのは十年ぶりだ。」
篠江も嬉しそうに、
「パイズリしますわ。」
と話して自分で両乳を上下に揺らす。
三十分も篠江の乳房に、はさまれて揺らされた老人の勃起棒は射精せずに持ちこたえた。
篠江は腕時計を操作してデジタル表示を腕時計の上部から二十センチの空間に浮き出させていたので、それを見ると、
「お客様。時間です。」
と話して桃乳を外す。老人は、
「そうか。ありがとう。デジタル画面が空中に浮いていたね。新製品なのかな。」
「はい、サイバーモーメント株式会社の新しい腕時計です。」
「そうかね。知らなかった。わしも買おうと思うよ。股間ムスコは発射しなかったがワシは満足だ。今は半立ちになりおったけど。」
ブラジャーと上着を付けると篠江は、
「ありがとう、ございます。初出勤なので至らなかったと思います。」
「そんな事、ないよ。又、来て欲しいな。金は海に捨てたいほど、ある。が老化は止められないな。だがね、最新の若返り薬を今朝、服用したのだよ。もうそろそろ、効果が出るらしいけど。」
と老男が話すと、男の顔は変化を始めた。
なんと老男の顔は若返っていくでは、ないか。
顔のしわが取れて行く。白髪交じりの毛髪が真っ黒になる。
おまけに、どちらかといえばブ男の顔が青春の輝きを持つ美男に変貌した。篠江は驚きで動きも出来ない。
「お客様の顔は完全に若返りましたよ。」
と指摘した。
嬉しそうな顔をした老人、いや若者は声まで若々しく、
「そうかい。嬉しいね。あそこの鏡で見てみよう。」
と下半身は裸のまま、大きな姿見鏡の前に行くと、
「おおお。本当に。若返ったよ。ワシは若い頃、美男子だったのだ。女遊びも相当に、やった。けれども金儲けに熱中してからは女と縁を切っていた。気が付くと老人になっていたのだ。このまま、死ぬのも惜しいと思ってスマホサーフィンをしてデリヘルを探していたら愛の秘宝のアンタを見つけた。
朝に飲んだカプセル剤が効き目を顕わした。実は、さっきの勃起も若返り薬の効果かもしれん。いや、あんたは月並みな言葉でなんだが絶世の美人と思うけど。」
篠江は謙遜顔で、
「そんなに美人では、ないと思っています。」
若返った男は足取りも軽く篠江の前に戻ってくると、
「お、パンツを履こう。」
と云うと、床に置いたパンツを取り上げて履く。そして、
「いやいや、謙遜せんでもいい。ワシの秘書になれば今の収入の倍は払う・・・という事では、ダメだろうな。甘やかされては女の美しさも消えるというものだ。
辛い仕事は女性の美を輝かせるものだからな。」
「ええ。厳しい環境にばかり、いました。」
「そうだろう。だから頑張りなさい。ワシは東京で頑張っていたが、沿岸部が大津波で海没するという予言を信じて福岡市の、ここの山を丸ごと買ったのだよ。
あと数か月後に東京湾岸部は壊滅、首都機能は混乱する。」
篠江は驚いて、
「そうなんですかー。わたしの友人は東京でモデルをしています。」
若返り男はズボンも履くと、
「それは大変だ。すぐに知らせた方が、いいよ。」

体験版・sf小説・未来の出来事57

美神は立ったまま、
「ソープランドの中とは思えないね。ん?あの細長い浴槽がソープランドらしいな。」
和室の部屋の中に洋式の浴槽があるのが目立っていた。
着物姿の撫子は立ち上がり、美神に最接近して、
「お召し物を、お脱がせ致します。」
と云うと、素早い手つきで美神の服を全て脱がせた。下着も脱がせた撫子は又も振袖を上げて口を隠すと、
「大きな男性自身ですわ、お客様の股間のモノ。それに上半身の筋肉美。ボディビルダーみたい。」
とロボットとは思えない知識を見せる。美神は頭に右手を当てると、
「照れるな。まだ勃起していないけど。」
「そうですわ。勃起したら凄いサイズに・・・。」
黒髪に、かんざしを差して顔には、おしろいを塗っている撫子の顔はロボットとは思えない顔だ。美神は、
「君も早く脱げよ。」
「あい。脱ぎまする。」
なでしこは着物の帯を解いた。それだけで彼女は全裸になったのだ。その裸もロボットとは思えない姿だった。
白い肌に乳房が大きく盛り上がり、濃いピンク色の乳首に下半身の股間は闇の深さのような黒い陰毛で覆われている。
美神は触れれば届く距離に居るので即、半勃起する。
女ロボットとの性交は初めての美神だ。
 なでしこの髪型は崩れていなくて、かんざしをハメたままだ。美神は前に進むと撫子の尻を抱いて自分の腰を落とすと又、上げて肉巨砲を彼女の女秘部に突入させた。
 並の人間の女よりも快感を与えてくれる女ロボットなでしこの女性器だ。ただ彼女は声も出さず、顔の表情も変わらない。美神は腰を振りながら、
「やはり君はロボットなので何も感じないんだな。」
と尋ねると、ふふ、撫子は笑い、
「わたし、反応が遅いんです。それに私の快感に、あえぐ顔を見たら、お客さんはスグにイってしまうんですもの。」
「なるほどね。で、そういう風に作られているんだなあ。」
「ええ。製造過程で実験されて数人の男とセックスしました。私の快楽の表情を見た男は即射精したんです。」
確かに撫子の膣は気持ちいい。美神も射精を耐えている。
「それは、そうだろうな。二度目の勃起までは時間が掛かるのが普通だ。体位変換しよう。後ろに君は体を倒して逆立ちしてくれ。」
「あい。やりまする。」
女ロボット撫子は後ろへ体を倒した。
美神は撫子の両方の太ももを両手で抱えて支えてやる。
美神の眼下には二人の結合した部分が丸見えだ。
 撫子は両手を畳の床に付いて逆立ちしている。美神は、
「君はロボットだから頭に血が昇る事は、ないだろ。」
「ええ、セックス中に逆立ちしたのは初めてですわ。そもそも私、オマンコが感じる事なんてないんです。女性器の感覚が脳内で感じられる事が、ないからね。」
「ああー、そうだねー。では僕もロボットのように、感じなくてヤリ続けたら、いいんだが・・・。君の膣内は動き続けていて、いや、もー出そうだ。
そもそも最初から君の膣内はゼリー状の液体が塗られているんだろ。」
逆立ちしたまま撫子は、
「ええ、そうです。一週間に一度はメインテナンス、保守のためメーカーでゼリー状の液体を補充して、もらうの。」
「それにも費用が、かかるな。機械って電気代だけで済むものでは、ないな。」
「わたしが快感の表情になるまでは三十分、男のモノが挿入されている事が必要です。そういう設定になっています。」
「あと少しで三十分だろう。お?」
 撫子の逆立ちした顔が快楽を感じている顔になる。三十分が経過したのだ。
美神は彼女の両脚の付け根にある衝門というツボを押してみたが撫子は、それには感じない。さすがはロボットだ。美神は、
「君はツボを押しても感じないね。」
「ツボですか?何の事でしょう。」
「それは学習させられていないんだな。」
「ええ、知りません。」
「説明が難しい。要するに神経が、つながっていて・・君の女性器が反応する場所。だが人間の女のみ、ツボがある。」
「そうなんですか。何の事やらサッパリ、アッパリ、ロンドンパリ。デモ気持ちいいワー。アアん。」
いくら高機能のロボットとは言え神経やツボは作られていないのだ。
そこで美神はツボを押すのを辞めた。膝頭下の足三里のツボを押しても意味がない訳だ。
 それから十分程経過しても逆立ちしている撫子の快感の表情には、それほど変化はないし人間なら顔が充血してくるはずだが撫子は、それはないのだ。
撫子の太ももも人間ソックリな感触なのだが美神は、
(あー俺はロボットと、やっているんだ)と思うと射精は抑えられる。
つまり冷静になると美神は、
「なでしこ。気持ちいいか。」
と聞いて見ると逆立ちしたまま彼女は、
「気持ちよすぎるー。こんなの初めてー、アッハン。」
と応対した。
実際には人工知能が反応しているだけだ。そう美神は思い、冷静さを保った。
冷静でいられても、やはり撫子の美壺の中は気持ちいい。美神は、
「その態勢から上半身を起こして、僕に抱きついてキスできるか。」
と誘ってみた。撫子は目を見開くと、
「出来ますわよーん。」
と答えて、逆立ちから上半身を起き上がらせて美神に抱きつくと熱湯のようなキスをした。
二人の唇は十五分は結ばれて口と性器の二か所は結合している。その二重の快感に遂に美神は美人機械に男の象徴液を解き放った。
撫子も疑似子宮に白精液を感じて、
「ううーん、いくっ。」
と美声を放ち、首をのけ反らせた。

その店を出た美神は機械と初めて性交した事を福岡市の時流太郎に人の少ない喫茶店でスマートフォンで報告した。
流太郎は、
「それは、いい経験だね。実はサイバーモーメントで美人ロボットを製作中なんだが、テストのために人材が必要なんだ。君、福岡市に戻って美人ロボットとセックスして見る気は、あるかい?」
と美神の耳にスマートフォンから問いかける。
「ええ、あります。自衛隊の方は、大丈夫ですか。」
人のいる喫茶店内なので陸上自衛隊情報第三部隊とは、言えない。
「ああ、七谷一尉は了承済みだよ。中国の女スパイも君は征服したらしいので、サイバーモーメントのモニターになる事は君の全身を前進させる、いい機会らしい。相手は機械だけど東京にあるロボットソープランドの女ロボット、君が今さっき遊んだ女ロボットより高性能らしいんだ。」
「そうなんですか!それでは福岡市に戻ります。」
「うん待っているよ。」
通話は途切れた。
 
 羽田空港から超音速旅客機に乗った美神は福岡の板付空港まで凄い速さで移動できた。
そこから地下に降りて地下鉄に乗ればフレッシュアイランドまで行ける。
流太郎の会社のドアを美神が開けると、中には流太郎一人で美神を見ると立ち上がり、
「やあ!待っていたよ。超音速旅客機で来ると思っていた。」
と話すとドアの中に立っている美神に近づいて行き、
「今からスグにサイバーさんに行こう。もう電話しているんだ。サイバーモーメントに。黒沢社長は待っている。」
と伝えた。
二人はビルの外に出るとタクシーで博多区東那珂のサイバーモーメント株式会社の自社ビルへと向かった。
広大な敷地のサイバーモーメント株式会社の実験棟とも呼ぶべき建物に入ると、そこの主任らしき人物が、
「時さんですね。社長に連絡します。」
と作業着姿で社内電話した。
「黒沢社長、時さんと、もう一人の方が来られています。・・・はい、分かりました。」
と電話を置くと、
「五分以内に黒沢は来ますので、そこの待合室に入って、お待ち下さい。」
白壁の簡素な待合室だった。二人が座ると、しばらくしてドアが開いた。
鼻髭顔の黒沢が背広姿で現れて、
「いよう、時君。それに貴方は美神さんですね?」
と時と美神を見渡して云う。
美神と流太郎は立ち上がり、美神は、
「はい。美神です。」
と答えた。
黒沢は微笑すると、
「実験室に行きましょう。美人ロボットは完成寸前で色々と試験をしていますよ。さあ、行こう。」

 実験室は小さな図書室位の広さだった。
手術台のような所に完成した女ロボットが仰向けに寝ていた。黒沢社長は、
「完成したのだが後一つ、やる事があってね。それが他社は全く、やらない事なんだよ。」
と説明した。
その時、ドアが開いて一人の僧侶らしき男が入って来た。
日本人では、ないらしい。黒沢は丁重な姿勢で、
「おまちしておりました。チェンチェン・パラポロ老師。」
と話すと頭を深く下げる。
老師という割には五十代の若さに見えるパラポロ師は濃い赤色の僧衣を身に着けているから日本の仏教僧では、ないらしい。
パラポロ師の傍らには助手らしき青年が同じ赤色の僧衣を身に着けて持ち運んできた密教法具を手術台に置く。
 パラポロ師は黒沢に頷くと、
「それでは始めます。」
と挨拶した。
それからパラポロ師は手に法具を持ち、読経を開始した。
それは長く続き、三十分は経過した。
読経が終わるとパラポロ師は法具で空中に何かの印を描くと、その法具を女性ロボットに向けた。
それで儀式は終了したらしく、
「これで入魂の儀は終わりました。この女性ロボットには魂が宿ったのです。」
それは何か感動的なものを実験室にいる人々に、もたらした。黒沢は深く頭を下げると、
「有難う御座いました。」
と謝意を述べる。
チェンチェン・パラポロ師は同じく頭を下げると、
「それでは失礼します。」
と助手と共に退室した。
黒沢社長は、
「今の入魂の儀で女ロボットに魂が宿ったんだ。只のロボットではなく人間の女と同じく魂が宿っている。そこで美神君。
この女ロボットとセックスしてもらいたい。」
と話す。
美神は驚いて、
「ええっ?この場でですか?」
黒沢は、
「ああ、この手術台を今、ベッドに変える。」
と云うと手術台に近づき、一つのボタンを押した。すると女ロボットの下からベッドが繰り上がってきてダブルベッドになってしまった。
 流太郎と美神は驚きの眼差しで、ダブルベッドを見つめる。
黒沢は、
「これでダブルベッドになった。美神君。靴を脱いでベッドに上がり、女ロボットの服を脱がせて、いい。」
「はい、それでは。」
と美神は応答すると靴を脱いでベッドに上がった。黒沢は同時に女ロボットのヘソにある電源ボタンを押した。
 途端に美人ロボットは明るい目を開いて、
「まあ、アナタは私の服を脱がせている。」
と美神を見て言う。
美神は手を止めると、
「やあ、こんにちわ。あなたはソープランドに出荷されるんですよ。テストとして僕と性交するんです。あなたを全裸にします。僕もスグ脱ぎますから。」
と中腰で答えた。
「そうなのね。でもワタシ、自分の名前も知らないわ。」
黒沢が、
「君の名前は四季美折(しき・みおり)と私が命名したよ、今。」
と通告した。
美人ロボットは、
「ありがとう。脱がせてくださいな・・あなたの名前は何ですか。」
脱がせる手を再開した美神は、
「美神美男と言います。お、見事な乳房だ。」
素早く服を脱がせたと言っても女ロボットは下着は、つけていない。それで下半身もスグに露わとなった四季美折の股間は黒く荒々しい陰毛で覆われている。
四季美折は、
「ロボットだから恥ずかしくないなー。でもワタシ、前は人間の女性だったような気がします。あ、美神さんって服を着ている時より逞しすぎます。それにパンツを脱いだら、もう半立ち、まるでバナナみたい。」
とベッドに寝そべったまま話した。
美神は本当の意味での自然体に、なっている。黒沢は、
「美折。君は、このロボットに魂を入れられた元はというと人間だった女性だ。だから前世は人間だったんだ。君の思いは正しいんだよ。」
と言ってくれる。
 美神は美折の美裸身に自分の裸体を重ねて、
「キスをするよ、美折。」
四季美折は両眼を、
「さあ、どうぞ。」
美神は深く唇を美折に重ねる。と同時に全勃起したモノを美折の美秘部に全挿入した。
「ああっ。わたしの魂は今、このロボットに宿っているんだわ。でも前世では人間・・・。」
美神美男は腰を振り始める。
黒沢は美神が滑らかに彼のバナナ棒を美折に入れたのを見て満足して、
「そうだ。人間にも魂がある。機械に宿った魂は君が初めてかもしれない。どうだね、美神君のチンコは。」
と問いかけると美折は、
「あああーん。気持ちよすぎます。イクいくチンコで・・びかチンコですぅ。」
と黒沢に答える。黒沢は、
「略してビカチンだな。君の出荷先は新中洲のソープランドになる予定だよ。」
「あがとうございます、ってロボットとしてのワタシが答えてしまいました。新中洲っていうのなら中洲って、あるんでしょう。」
黒沢は、
「そうだよ。フレッシュアイランドの一区画が売れ残っているので、そこを風俗業の許可地にする事が福岡市議会で可決された。そこに日本一、いや世界一のソープランドを作るのさ。資本は我がサイバーモーメント株式会社が出してオーナーとなる。
細かい所は、これから決めて行くけどね。なにしろ我が社は防衛産業で、かなりの儲けを出しているし、公社ではないにしても売れ行きは安定している。金おお余り会社だから。」
と解説してくれた。
美折は、それを聞くと、
「初体験が美神さんで今、チンコ入れてくれています。あっ、あっ。激しいチンコ摩擦だわ。あー、イキそうですっ。」
美神としても人間の美女とヤッテいるような感覚がしている。
美折は美神の背中に両手を回して、
「オマンコ破裂しそうに気持ちいいワっ。ああーん。」
とセックスに没入し始めたようだ。
 それを流太郎と黒沢は静観していたが五分後に美神は夢のように果ててしまった。
魂は人間の女でも体はロボットの四季美折はセックスは五分程度と学習したようだ。それに反して女性経験が豊富な美神美男は本業はAV男優ではなくボディビルのトレーナーなので知人とはいえ二人の男性にセックスを公開した事と五分でイッタ事への羞恥心は、ある。
美神は四季美折の体から離れると座って、
「黒沢社長。早や過ぎました。」
と詫びる。黒沢は右手を左右に振ると、
「いやいや。長く持った方だと思うよ。四季美折の膣内感覚は有名なアダルト女優の名器を徹底的に調べて複合的に、それを再現したモノなんだ。
普通の男なら一分は持たないと思う。」
と説明する。
美神は流太郎の意見を求めるように視線を向けたので、流太郎は、
「僕でも二分は持つかどうかだと思う。」
と意見を開陳した。
黒沢は流太郎に振り向いて、
「時君。君も美折とセックスしてみないか。」
と誘うと流太郎は、
「いえいえ。今、性的状態が不良なんです。」
「そうか。それなら今は、いい。美神君。テストは、これで終了だ。よく頑張ってくれたね。」
と大いに黒沢は美神に労を、ねぎらったのだった。

 フレッシュアイランドの自衛隊近くのマンションに帰った美神美男にスマートフォンが鳴り響いた。
「はい、もしもし。」
「美神さん。李豹豹です。」
「ああ、こんにちわ。」
「青砥のマンションは留守なんですね。」
「ああ、今、福岡にいる。」
「福岡って福岡市?」
「そうさ。」
「青砥には帰らないのですか。」
「いつになるか分からないね。」
「わたしをホッテ置く積もり?」
「そんな事、ないよ。」
「それなら、わたし福岡市に行きます。」
「え?今から?」
「ええ超音速旅客機で行くから迎えに来てください。」
「分かった。迎えに行くよ。」
「お仕事は大丈夫ですか。」
「今日の仕事は終わったから。」
「それでは一時間以内には福岡空港に着きますから。」
「ああ、そうだね。」
「それでは。では。」
李豹豹は美神と結婚するつもりなのだ。
通話を切ると美神は、
(空腹も超音速旅客機なみに来たな)と思い、台所でカップラーメンふたつに熱湯を注いだ。
一分で出来るカップラーメンが新発売なので、早速、ドラッグストアで買って置いていたのだ。
フレッシュアイランドにはドラッグストアとコンビニエンスストアがあるがスーパーマーケットは、ない。
福岡市内ではスーパーマーケットは消滅している。
映画館も随分昔に絶滅した。
 ボディビルダーらしく出来上がったカップラーメン二個を悠々と食べ終わると美神は立ち上がり外出した。
 地下鉄で福岡空港へ行く。国内線のゲートで待っていると目立たない服装の美人、李豹豹が現れた。待っている美神を見つけると李豹豹は駆け寄るように美神に近づき、
「お待たせしましたか、美神さん。」
美神は変装用の眼鏡を掛けている。眼鏡を外していたら李豹豹は美神に気づかなかったかもしれない。
美神は冷静沈着な顔で、
「全然、待たなかった。」
「それは、よかったわ。」
「この近くにラブホールがあるんだ。」
「ええ?行きたいな。そこ。」
「よし。タクシーで行く。」
美神はスカイタクシー乗り場に李豹豹を連れて行く。
福岡空港の近くにはヘリポートとスカイタクシー乗り場がある。
ヘリコプターに乗る人達は少ないがスカイタクシーに乗る人達は、そこそこの人数だ。
でも順番待ちは少ないので美神と李豹豹は、すぐにスカイタクシーに乗れた。
垂直離陸で飛び上がるタクシーの後部座席の美神美男と李豹豹は窓から下を見降ろして絶景を楽しんだ。
福岡空港が眼下に見えて離発着する旅客機も見える。
空港に出入りする人達が蟻のように見えるとヘリタクシーは北東方向に進んだ。
道観のような建物、つまり道教の寺院のような赤い建物が見えた。美神はヘリタクシーの運転手に、
「あの赤い建物の上に着陸してください。」
「あ、あれですね。新しいラブホテル、悦楽院。」
「そう、ヘリタクシーやヘリコプターが着陸できるとネットで紹介されていました。」
「はい、私も初めてですが広いヘリポートなので簡単に着陸出来ます。」
男性運転手は安全に赤い道教寺院の最上部のヘリポートに着陸した。
ヘリタクシーを降りた美神美男と李豹豹は屋根のある受付に行くと志那服というか赤い中国服を着ている中年女性が宝くじの売り場たいな窓口に居る。
そこが、そのラブホテルのフロントだ。
 美神は、
「二人で休憩します。クレジット決済で、いいですね。」
と申し込むと、
受付オバサンは明るい笑顔で、
「はい。今は最上階が空いていますので、お薦めです。下に行くほど安くなりますけど、最上階は窓からの眺めもステキですから。」
と勧めた。美神は、
「それでは、その最上階の部屋を。」
「はい、クレジット決済します。」
美神がクレジットカードを出すと、オバサンが受け取り、端末で決済した。そして、
「鍵はコレ。そこのドアを開けて下に降りるとスグの部屋です。」
二人はドアを開けると目の前のエレベーターで下の最上階へ降りた。
壁は白くて床の絨毯は赤い。目の前の部屋が二人の入る所だ。美神は鍵を入れてドアを開けた。二人が入ると広い窓から遠くに福岡空港が見える。
 壁に赤い道教の祭服が掛かっている。李豹豹は、
「あの赤い服を着ましょう。わたし道教の道士になろうかという夢もあったの。」
と云うと壁の赤い服を取り、身に着けた。その際、上着とスカートを脱いだので白い下着が美神の目に入り、美神は少し勃起して、
「僕も着るよ、赤い服。」
と云うと急いで身に着ける。
 二人の道士が誕生したようだ。
李豹豹は両手を美神を迎え入れるように広げると、
「この服を着たままアナタと交わりたい。」
美神は彼女に近づいて抱きしめると、
「下着も脱いで服を着れば良かったな。」
「あ、そうね。もう一度、やりなおしましょう。」
「そうだ。僕も下着を脱いで服を着る。」
二人は全裸になったが、そこで交わるのを我慢して赤い服を着た。
もう一度抱き合うと美神は李豹豹の赤い服を腰の辺りから捲り上げて彼女の股間を露出させる。
赤と黒の色の対比に美神は即全勃起した。李豹豹は両脚の間隔を広げて立ったのでズッポリと美神のバナナ砲を受け入れる。
サイドテーブルに何故かヘッドフォンが二つ並べてある。その後ろに説明書きが見えた。
このヘッドフォンを装着すると道教道士に脳内は変化します。
李豹豹は、それを目に留めて、
「ああん。あのヘッドフォンを付けて、しましょう。」
と極色っぽく誘った。
「ああ、あれか。脳内が変化する・・よし、このまま歩くよ。」
「いやーん。いきます。」
二人は立ったまま交わった姿勢でサイドテーブルまで移動するとヘッドフォンを頭に着けた。
途端に二人の脳内は変化していき、二人は道教道士の脳になった。
二人の目に見えるものはラブホテルの室内ではなくて自分達は道教寺院内にいると錯覚した。
美神は、
「李豹豹。寺院内でセックスするなんて思わなかったな。」
と云いつつ腰を振る。
「ああん、そうね。導師様に見つかったら、どうしよう。」
「導師様は今、外出中さ。」
「それなら思いっきり突いてっ。」
潤んだ瞳で李豹豹は美神を見つめる。
「ああ。行くぞー。」
猛烈に腰を前後に振る美神に李豹豹は激しく乱れ始める。
 美神脳内は道教の道士になった気分だ。
ここはラブホテルだが、もしかして道教寺院ではないかという気もしてくる。李豹豹も女道士の顔になっていて、それが快感を感じた顔なので美神は一層、興奮してくる。
壁からスピーカーでの音声が、
「動画撮影させてくれたら休憩料金は無料にします。」
と機械音が喋った。
立ちセックスのまま美神は、
「どうする?撮影を許可したら無料で休憩だよ。」
「あああ・・いい。と思うわ。目隠ししてくれたらね。」
美神は壁に向かって、
「動画撮影してもいいけど編集して目隠ししてくれるか。」
壁からは、
「はい、お二人の目隠しは編集時に、します。」
と機械音が答えた。
美神は、
「それなら撮影してもいいよ。」
と壁に話すと、天井から大型カメラが降りて来て二人の近くで静止した。撮影が始まったらしい。
 カメラの前でセックスするのは二人とも初めてだった。というより大部分の人間はカメラの前でセックスは、しないだろう。
赤い道士服を着た二人の立ちセックスは激しくなっていく。
李豹豹は、
「道士服を着たままなので撮影されても、やりやすいわね。ああっ、あん。撮影されながら、するのは初めてだけどかんじちゃうわん。」
と云う。美神は、
「そろそろ体位を変えよう。ダブルベッドに移動だ。」
「分かったわ。交わったまま移動しましょう。」
二人は交接したままベッドへ。
ダブルベッドに二人で登ると美神は、
「君は片足を高く上げて体を反転させてほしい。そうすると立ち後背位になる。」
「分かった。わたし中国で体操も、習ったから体は柔軟なの。やるわ。あん。」
と答えると右足を高く上げて美神の頭の上を超えさせた、都同時に体をひねって美神に背中を向ける。
これを交わったまま行ったので李豹豹は凄い快感を膣内に感じたらしく、
「ああっ。物凄い刺激で快感だったわ。今の体位変換。あ、いい。」
「オレにしても、そうだったな。服を着ているから性交も長持ちできるよ。君が裸なら、もう果てていると思う。」
「道士の服って便利なものね。セックスを長引かせられるのね。あっ、すっごーい快感。」
後ろからズンズコと貫かれる赤い道士服の李豹豹は息を激しく喘がせ始めた。
天井からのカメラは二人に接近したり離れたりしている。
恐らく、それは自動ではなくて他の部屋で操作している何者かが、いるはずだ。
 美神は写されていると思うとヤル気が出てくる。
立ち後背位から美神は李豹豹の耳元に、
「四つん這いになって尻を高く突き上げろ。」
と命じた。
李豹豹は、
「うん、あん、わかった。」
と答えると即座に四つん這いになり、めくれ上がった赤い道士服の尻を高く持ち上げた。
その態勢の李豹豹に、かぶさるように美神も四つん這いになり彼女の耳の穴に自分の舌を入れて舐め回す。
李豹豹は、
「ああーん、感じるーっ。」
と叫ぶと尻を落としそうなほど脱力した。
耳には聴宮というツボがあるのだ。
恋人同士というより二人は夫婦のように、なってきた。
 美神は李豹豹を横向きに寝かせて自分も横になる。彼女の耳を舐めながら尻の道士服を捲り上げて左手を李豹豹のクリトリスに当てて愛撫してやる。
「ああーっ、はあーっ、いやーん。」
と李豹豹は甘く泣くような声を上げた。
すかさず美神は李豹豹の顔を後ろに向けて深く口づけると彼女の唇の中に自分の舌を入れて李豹豹の上の歯茎の中心にある齦交(ぎんこう)というツボを舌で押した。
これで李豹豹は子宮まで感じて身悶えしたのだ。
 そのために美神は快楽の果てに果てたのだった。
 そうすると壁のスピーカーが男の機械音の声で、
「素晴らしかったですよ。今度は風呂で、やってください。もちろん道士服は脱いで。」
と指示してきた。
美神は、
「分かったよ。少しは休憩させてくれ。」
と云うと肉息子を李豹豹の肉娘から外した。
スピーカーは、
「分かりました。焦らないでください。休憩時間は延長していいですから。料金は無料です。」
と楽しそうに云う。
美神はホッとした。李豹豹の顔は快感の余韻がある。美神は、
「休憩したら浴室に行こう。」
李豹豹は目を閉じたまま、
「ええ。行きます。わたしイってしまったけど。うふふ。」
と答える。
美神の脳内に記憶が蘇って来る。
それは彼が中国の道士であったという記憶だ。
同じ寺院に李豹豹の顔の女道士が、いたのだ。
ある祭事で二人は出会う。女道士は男道士の補佐的な存在だ。女道士は美神に、
「わたし李風風(り・ふうふう)です。」
と名乗った、
美神は、
「美・顔顔(び・がんがん)です。」
李風風は美顔顔の鐘を鳴らす手伝いをした。
二人の手が触れ合う。