SF小説・未来の出来事40 試し読み

流太郎は巨人の森影を見上げると、
「あなたは一体、どこの星の人ですか?」
森影は静かに、
「いえ、地球人ですよ。ただね、他の惑星の人々と交流がありますから、好意的に他の惑星の石を貰う事があります。という訳なんです。」
流太郎は成る程、と思った。それにしても地球外生命体と交流があるのはステキだ。自分にも、そういうツテがあれば苦労しないのに。大きな窓の外には広大な庭が見えている。高台なので能古島の下の方も一望できる。白い犬が走っていて、森影を見たらしく三人のいる部屋の近くまで来た。よく見るとロボット犬なのだ。
天井から床まである窓ガラスを開ければ庭に出られるのだが、森影は尻尾を振るロボット犬に、にこやかに、うなずいただけで外に出なかった。ロボット犬は主人の森影の顔を見ると犬小屋の方に走って行った。流太郎は、
「ロボット犬も電気で動くんですね?」
森影は、
「そうですけど充電の必要なし、空中から電気を取り出して充電します。」
流太郎はアッという顔をすると、
「それは凄い、凄すぎますよ。どこのメーカーが、そんなに凄いロボット犬を作っているのですか?」
「それは勿論、地上には存在しないメーカーです。」
流太郎は、それを聞くと考え込み、
「とすると・・・地球外の星のメーカー。という事ですか?」
「いや、地球内のメーカーですよ。」
「地球内!とすれば地底の・・・。」
森影は胸を張り、腰に手をあて、つま先立つようにした。すると!
森影の身長は三メートルにも伸びたのだ!
天然石卸商の尾呂志一之介は微動だに驚かないが、流太郎にしてみると驚き以外の何物でもないのが森影の身長の変化だ。
 森影は流太郎を見下ろして、
「いや、失礼します。だけど我が家では寛ぎたい。これが私の普段の身長なんですよ。地上世界に行く時には、二メートル位に身長は縮めないと、いけないですからね。」
と話し、ニッと唇を微笑に変動させた。森影は床を軽く踏んだ。すると巨大なソファが一つ、それに向かい合う三人は横並びに座れるソファが床面が開いて下から出てきた。
巨大なソファは森影が座り、
「さあ、その横長のソファに座ってください。」
と右手を差し伸べて誘引する。
流太郎と尾呂志は、その横長のソファに並んで腰かけた。森影は満足げに、
「ゆったりと寛いでくださいネ。云い遅れましたけど、僕は森影底男(もりかげ・そこお)と云います。」
と詳しく自己の名前を告げると流太郎に目配せするような視線を送った。流太郎は姿勢を整えて、
「時・流太郎と申します。冴えない合同会社を運営していますけど、隕石に特に興味があります。」
と一気呵成に火星に行くような勢いで話した。森影底男は目を見開くと、
「隕石!私の本来の住む世界には隕石は、ありません。」
と話すから流太郎は肩を落とした。森影は、
「でもネ、能古島にも隕石が落ちたらしくてサ。見に行ったらデッカイものが私の庭に落下していたよ。直径一メートルはあるから抱えて運ぶのに大変だったが、それは、この屋敷内の倉庫に王者のように置いてあるんダ。」
と語尾が特徴的な話しぶりだ。流太郎は肩を戻すと、
「隕石が欲しい人が、いるんです。ぜひ、見たいものですね。」
「ああ、いいともサ。後で行くとして、ちょっと寛ごう。」
 寛ぎの、ひと時が始まる。
三メートルに変身したというより元の姿に戻った森影底男。わたしの本来、住む世界とは一体、何処なのか?リビングルームというか洋間と呼ぶべき広い部屋で居間というような和室ではない部屋のドアが開くと二メートルの背の高さの二十代の女性がコーヒーらしきものを運んできた。二メートルの身長に見合う胸と尻。大きな瞳に長い睫毛、肩までの黒髪の長さ。彼女はコーヒーカップをテーブルに並べつつ、
「森影の家内で御座います。一風、変わったコーヒーを持ってきましたわ。日本では、というより世界でもウチだけしか提供できないものですわよ。」
と明るく話すと部屋を出ていく。森影夫人も、やはり背が巨大だ。その背の高さで白人女性のようではなく、肌の色は白くても日本人的だった。森影底男は、
「さあ、飲みましょう。きっと驚きますよ、時さん。」
確かに驚きの味だった。
苦みが強くて、しかも味わいのあるコーヒー。何処の産地なのだろうか。流太郎は飲み終わると、
「こんなに味のあるコーヒーは初めてです。何処で採れたコーヒー豆を使っているのですか?」
森影は静かに、
「実は、それは地底で採れたコーヒー豆を使っています。」
と説明した。
流太郎は森影夫人がを出ていくのを見て、
「地底のコーヒー豆。地底に太陽が、あるんですね。」
森影は自分用の三倍は大きなコーヒーカップをテーブルに置くと、
「我々が背が高いのも地底の太陽の有難さです。コーヒー豆だって地上の二倍は、ありますよ。」
コーヒーの木は日本では鹿児島の南の方とか沖縄、小笠原諸島くらいでしか育たないのに地底では楽々と育つという。流太郎は、
「それでは地底は熱帯地方みたいな気候ですか?」
森影底男は片方の眉を上げて、
「ん?すべてが、そうではないですけどね。地上にも南極と北極があるように地底にも温度の差は、あります。ここの能古島から地底世界へ降りられるし、登ってもこられるから便利ですよ。」
流太郎は地底産コーヒーを飲み終わると、
「地底の方から掘り進めたんですね、それなら時間もかかったんでしょう。」
と意見すると森影は、
「いや、そうではなくて最初から坑道みたいなものが通っていました。それをアスファルト舗装などして固めは、しましたけど。」
流太郎は更に、
「日本の地下に地底王国がある。という事ですね?」
「うん、いや、王様は居ませんから王国では、ないんです。私達はムー大陸に居たレムリア人の子孫なんですよ。ムー大陸が沈没するのを事前に察知して、超高速船で脱出して近くにあった、日本列島に上陸した。すると・・・・

 そこは縄文人の住んでいる世界だった。三メートルは平均身長のレムリア人を見た縄文人は驚き、
「巨人が海から上がってきたぞ!」「うわ、本当だ!」「おれたち、やられるぞー」「武器を持ってくるんだー。」「そうしよう」「そうするぞー。」
と口々に叫んだ縄文人は竪穴式住居に戻ると石の斧のようなものや長い竹を手に取って次々に現れたレムリア人に立ち向かっていった。
 縄文人の男の中には竪穴式石室に戻ると半裸の妻の体に興奮して急いで若い妻に、のしかかり硬くなった自分の肉器を深く妻の少し開いた、ほらあなに埋め込み合体すると激しく腰を使って二分で達して妻から離れる。大きく白い両脚を広げて快感の余韻に浸って寝そべっている全裸の妻に、
「武器は、どこだったかな?かあちゃん。」
と尋ねると、
「あんた、もう、やめるの?たべものは、いっぱい、あるじゃない。狩りは少し、あとでも、いいでしょ?」
と色っぽく話すと、両脚を大きく開いて魅惑的な入り口を見せつける。旦那は、
「いや、狩りじゃなくて見知らぬ巨人が来たんだ。それで戦わなきゃ、いけなくなった。」
全裸の妻は立ち上がると大きな白い尻を旦那に見せて石室の奥に行くと大きな竹を地面の穴から取り出して、
「はい、これ。隠しておいたのよ。」
と裸体を夫に向けると竹槍みたいなものを右手で差し出す。すぐに近くに来た夫は、それを受け取り、
「あ、ありがとう。これで巨人を倒さないとオレタチは、やられる。そうなったら、おまえと抱き合い、重なれなくなるから。」
妻は蒸気した桃色の顔で瞳を濡らすと、
「もし、あんたが死んだら永遠にできなくなるよ。だから、もう一度、してくれ。立ったままで。」
と両手を広げて立ち足も広げて誘う。夫は槍を投げ捨てると立ったまま自分の肉器を硬直立させて妻の中に入れた。二人は共に腰を振り、今度は三分で達した。石室の外で男の仲間が、
「おーい、じんべい、なにをやってるー。奥さんと、やってるのかー。はやく、来いよー。」
と叫んだ。じんべいと呼ばれた男は急いで腰布を身に着けると、投げ捨てた竹やりを手にして石室を出る。
まだ半分は立っている、じんべいの肉竿は腰布でも隠せないので仲間は、
「ほー、やってたなー、おまえ、奥さんと。」
と好奇に視線で声を掛けた。じんべいは、
「あー、二度してスッキリだ。おまえも、してきたか?」
「いや、おれは家内はウチにいなかったでな。それより巨人だけど。」
「あー、あの巨人は?ざんぺい?」
ざんぺいと呼ばれた浅黒い顔の男は、
「うん、おれたちが向かって行くと逃げていったよ。森の中にね。巨人なのに足が速い。それは奴らの足も長いし、当たり前だな。」
と向こうの方を見て巨人の逃げ出した姿を思い出すように話した。
 ジンベイは竹やりを握る力を緩めると、
「やる気なくなったな。でも、まだ半分立っている。ザンペイ、おまえの奥さんを、おれたちで二人で可愛がるとか、どうだ?」
ザンペイの妻は色白で細身、それでいて胸と尻は大きく顔は、うりざね顔の美人。村の男は、みんなザンペイの妻に欲情を持っている。ザンペイは、あっさりと、
「ああ、いいよ。最近は妻とのアレをやるのは減ったから、うり子は不満なんだ。このまえ石室に帰ると、うり子が裸で座って自分のアソコに自分の指を入れて、あーん、とか声を出していた。それでも、おれのモノは立たなくてね。その前の夜に、うり子と十回も、したんだ。立たなくても不思議じゃ、ないよな?」
「奥さんと十回も?すごいな、おれは一晩、三回が最高だ。今、二回した。だから、おまえの奥さんの、うり子と一回は、できるよ。」
「ああ、相手が変わると、もっとデキルらしいね。さ、行こうか。うり子は又、自分で指入れてるかもな。」
林の中は昼でも薄暗く、ふたりは裸足でザンペイの石室に向かう。竪穴式住居だから地下に部屋があるようなものだ。実際にザンペイの石室は土を掘った地下室なのだ。そんなに広くは、ない。それで入り口の近くに来ると中の声が聞こえてくる事もある。
ジンベイとザンペイは入り口に立つ。斜め下に降りて行くとザンペイの石室だ。二人は斜めに降りていく。すると、
「あああん、すごいいっ、こんなの初めてっ!」
という艶めかしい声が二人の耳に入った。ザンペイとジンベイは急いで下へ降りていく。二人が見たのは巨人に尻を抱え上げられた全裸のザンペイの妻の瓜子が両脚を広げて両脚先を巨人の男の尻に絡ませ、おもいきり大きな彼女の尻を振り黒髪を振り乱して交合している姿だった。それを見た二人はボーッとなり、うり子の気持ちよさそうに乱れている姿を眺めていたが、夫のザンペイはハッとして竹やりを巨人の男の裸の尻に突き刺す。巨人は、のけぞると
「おおお、痛いっ。」
と日本語ではない言葉で叫ぶと、つながっていた瓜子の裸身を外して尻から血を出しながら穴の外へ駆けのぼり、脱象のように逃げていった。背の高くない縄文人の足では巨人を追いかけられなかっただろう。ザンペイは諦め顔で、斜め上にある入り口を見つめながら、
「追いかけても、もし、あいつに立ち向かわれたら、やられるかもしれない。出ていったから、もう、いい。尻を刺してやったから、もう来ないだろう。」
床には妻の瓜子が美しい裸身を乱れた姿で二人に見せていた。ザンペイは下に寝ている妻の瓜子に、
「うり子。気持ちよかったか?」
と聞く。うり子は閉じていた目を長い睫毛の下で開くと、
「あっ、あなた。見ていたの?気持ちよかった。あなたが、いるのも気が付かなかった位に。」
その次に瓜子は夫の横にいるジンベイに気づくと、股間を両脚で閉じて、
「いやん。ジンベイさんも、いたのね。」
と色っぽい恥じらいの顔を見せる。立ち上がろうとする妻の瓜子にザンペイは、
「おい、そのままで、いろよ。おまえ、ジンベイと、やりたくないか?」
寝たままに戻った瓜子は頬を赤くして、
「やりたいわ。隠す事、ないでしょ?あなた。」
納得顔の夫のザンペイはジンベイを見て、
「やってもいい、と妻は言っているから、さあジンベイ。うり子と、してくれ。」
いつもは布で全身を隠している瓜子の姿しか見ていなかったジンベイは自分の股間の肉器が垂直に近い形で立ち上がるのを覚えた。それを寝そべって見ていた美人の瓜子は涎を垂らしそうな顔で両手を差し出すと、
「ジンベイさん、来てーえっ。」
と色っぽい声で甘えるように誘う。ジンベイは自分の腰布を急いで外すと、うり子の上に乗り、太くて長くなった自分の肉器を大きく足を開いた美人の瓜子の股間の中心に埋め込む。
瓜子は快楽に身悶えし、白い大きな乳房を激しく揺らせて夫の前で二度も頂上に昇り詰めた。
 ジンベイも二度、放出した。ザンペイは終わった二人に、
「うり子の子供がジンベイの子供でも大事に育てるからな。おや、あの光った棒は?」
と寝そべった乱れた裸身の瓜子の近くに細長い棒のような水晶が落ちていた。うり子は寝そべった裸身のまま、それを見て、
「あれは、さっきの大男が身に着けていたものだわ。置いて行ったのね、あの光る透明なものを。」
と話す。ジンベイは瓜子から離れた場所で立ち上がり、腰布を身に着けると、
「うーん。珍しい石だなあ。始めて見るよ、この石。」
と細長い形状の水晶を見て感想を言う。ジンベイは、その水晶に近寄り手に持って持ち上げた。そして、
「そんなに重くは、ないな。先は尖っていないから武器じゃない。うり子、これを、おまえの足の間の穴に入れて見るか?」
寝そべった瓜子は白い両足を大きく開き、
「入れてん、あなた。」
と声を出す。ジンベイは細長い水晶の先を妻の瓜子の竪穴に入れる。
ビリビリ、ビリリーンと痺れる感覚が瓜子の膣内で感じられた。
 瓜子は気絶してしまったのでザンペイは慌てて妻の竪穴から細長の推奨を抜き出した。

 普通の水晶ではなく、レムリア人が加工した水晶である。電気を蓄えられる水晶だったのだ。彼らの船も水晶の電気で動いていた。フリーエネルギー充電装置の水晶である。空間には何処にでも電器は存在するというのを発見していたのがテスラという科学者だ。彼は実は金星で生まれたという。幼児の頃に地球に連れてこられた。長じて偉大な科学者になるがエジソン程、有名ではない。
 レムリア人は水晶を使い、電力を発生させていた。彼らの船は水晶で発生した電気で動くのである。それで、その水晶の形は特殊な比率によって加工した外観を持つ。その形になった水晶は電気を蓄えていくのである。
 石室の床には水晶だけでなく巨人の残した衣服も、散らばっている。それを見たジンベイは、
「あの大男。布だけでなく何枚も服を着ていたな。」
と観察した。瓜子も立ち上がると全身を長い布で隠す。そして、
「あの大男は腰の布だけになると、スゴク大きなモノに、なっているのが分かったの。デッカかったわ、アレ。」
と舌なめずりしながら話した。
 巨人たちは村に再び、来なかった。瓜子も襲われたというより、むしろ自分で誘ったのだ。巨人が石室に降りてくる前に、うり子は石室の外で巨人を見たので誘うように中に入れて自分で大きな布を脱ぎ全裸を見せたのだ。巨人は身を屈めて瓜子に接吻した。それから二人の交合は始まった。
 という流れまでは夫のザンペイは知らなかったのである。村の男たちも妻が殺されないのなら、妻と巨人が交合するのは問題ないと村の集まりで意見が一致した。落日の篝火を囲んで男たちは、
「ザンペイの奥さんだけが巨人と合体したそうだ。」
「ほおを。それは、すごい。美人の瓜子さんだものな。」
「あー、おれもヤリタイよ、瓜子と。ザンペイ、いいだろ?」
と聞かれたザンペイは、
「あー、いいよ。十回、夜に瓜子とした次の日は立たないから、おれのモノ。」
一同は感心した声で、おーーーっ、と声を上げる。ひとりの男は、たき火に手を向けて、
「おれも六回はできる。その分をためて、瓜子としてみたい。いいだろ?ザンペイ。」
ザンペイは自分の頭を掻きつつ、
「ああ。おれが十回、夜に瓜子とした次の日に連絡するよ。狩りのない日にね。」
と答えると、村の男の半分は、
「おれも瓜子と。」「おれもヤリタイ。」「ハメたいぜ、瓜子と。」
と十五人の男はザンペイに申し込んだ。ザンペイは照れ臭そうに、
「順番を決めてくれたら、それでいい。」
と快諾した。

 森の中に逃げ込んだレムリア人たちは、洞穴を発見した。それが地下に続いているのに歩いて行くうちに気づいたのだ。やがて彼らは地底の太陽の光を浴びた。清冽な川が流れて熱帯樹林が繁茂している場所もあり、熟した果実は彼らの口の数よりも多い。レムリア人たちは男女ともに船で日本の縄文時代に上陸していた。
彼らは平和を好み、武器を持たなかった。それで簡単なというより原始的な武器を持った縄文人の男たちから逃げたのだ。瓜子と体を交えた巨人も仲間から外れてザンペイの石室の近くに逃げ込んだのであった。
 縄文人の女の味を覚えた巨人の名はジミルという。彼は森の中で裸体のまま、(あの女は誘って、やらせてくれた。この島国の女はスグに、やらせてくれるらしい。レムリアの女より早く、やらせてくれる。ああ、仲間は見つからないし、しょうがない、しばらく、ここに身を潜めていよう。又、誘う女を見つけたらヤレルわけだが、尻を刺されては、かなわない。今度は用心するか)と反省した。
まさかヤッテいる時に尻を刺されるなんて予想していなかった。背後には視線は届かないものだ。それはレムリア人も同じなのである。
 尻を刺されなければハメ放題だ。ジミルは独身のまま脱出の船に乗った。だから周りは夫婦ばかりで、レムリアの既婚女性は身が固い。それにジミルは美男でもなく女にモテないから独身で、あったわけだ。この島の女はスグに、やらせてくれた。しかも美人ときている。背も高くなくて人形のようだ。軽々と美人を抱え上げて尻を抱いてハメていたら美人の旦那らしい男に尻を刺された。
(よし、対策を練ろう!)
レムリアの脱出船は、まだ海岸に停泊したままだ。ジミルは全裸で豪華客船のような祖国の船に一直線で駆け戻った。股間の太い棒を激しく揺らせながら。
 豪華な脱出船に残してきた、ありったけのジミルの財産は残っていた。レムリア人は人のモノを盗んだりしないのだ。財産と言っても、それは金品や宝石ではなく知的財産と言うか科学製品というものだった。それらは小さな手提げ袋に入るもので、中には服のポケットに入れられるものが多い。ジミルは残してきた衣服を身に纏った。この島の今は夏らしい気候に合わせて海水パンツよりもステテコの方が、この島の男の腰布に似ているために、それを履くと上半身は裸で手提げ袋にレムリアの科学の結晶というべき品々を詰めて下船した。一旦、上陸して島の住人である縄文人に追い立てられた後、彼らレムリア人も豪華脱出船に戻り、所持品や衣服を手にして再び日本に上島して森の洞窟から地底に進んだのだ。
 そのうちの一人は独身者のジミルが居ないのに気づき、
「おや?ジミルが、いないぞ?何処だ?ジミルー!!」
と呼びかけたが応答の声は聞こえなかった。周りの人々も、
「ジミルー!」「おーい、ジミルううううっ!」「返事をしろよー!ジミルー!」と、めいめい叫んだが返事は、ない。立ち止まった一同の長老格の人物が、
「今は地上に出るのは危険だ。我々は武器を持たない。ジミルは殺されたのかも知れない。仕方ない。彼の為に我々みんなが死ぬことは避けよう。」
と決断した。一人の青年が、
「長老。地上人に対抗するために我々も武器を持ちましょう!」
と提案すると長老は深く、うなずくと、
「ああ、そうしよう。我々は平和を好む人種だったから武器は持たなかった。アトランティス大陸の奴らは、いくつかの武器を持っていたのだが、ムー大陸に来る前にアトランティス大陸が沈没したからな。よーし、地底人となる我々も武器を持とう。水晶は万能だ。ワシは少し昔に武器を考案していた。アトランティス大陸の人間が武器を持っているという情報がワシのところに来ていたからな。アトランティス大陸に情報収集装置を発射していたのだよ。それは
アトランティスの無人地帯に着地して好感度アンテナでアトランティス人の話す言語を捉えた。我々はアトランティスの言語を習得して解析できるようになった。