SF小説・未来の出来事15 試し読み

 スタジオのドアが開いて、一人の金星人女性が優雅に入って来ると、
「ルンドリオ・ザーメントは、行方不明じゃないわ。」
と、その場にいるAVの監督に向かって云った。監督は、
「え?え?え?あなたは一体、全体、誰ですか?」
と、その女性に問いかける。謎の女性は魅惑的に微笑むと、
「名乗る必要は、ない。それより、あなた、」
と流太郎ザーメントに呼びかけて、
「一緒に来なさい。」
流太郎は抵抗した。身動きせずに彼は、
「なんだか分からない人に、ついて行かないのは子供だけじゃ、ないですよ。」
謎の若き美女は、スカートのポケットからピストルを取り出すと流太郎ザーメントの顔に向けて発砲した。ピストルから飛び出したのは弾丸ではなくて、レーザー光線のような青い光だ。その青い光が彼の顔に命中するとともに、スタジオの窓ガラスを通り抜けて流太郎ザーメントは外へ飛び出していった。室内の皆は呆然として動けない。動くと謎の美女にピストルで狙われるかもしれない。
謎の若い美女は凄然と窓ガラスの前に歩いていき、ピタリと立ち止まって窓の外を見た。外から突然、青い光が稲妻のように彼女に降り注ぐと、謎の美女は窓ガラスを通り抜けて窓の外に出て行ったのだ。

 窓の外には小型の円盤が空中に待機していた。謎の美女は円盤内に現れると、そこには流太郎ザーメントが意識を失ったように立っている。
室内には若い女性が謎の美女の指示を待つかのように、身を正して立っている。その女性も端正な顔で長身だ。謎の美女は、その部下らしき若い女性に、
「あの男を連れてくるように。」
と命じた。部下らしき女性は、
「はい、すぐに連れてまいります。」
と快活に応答して室外へと立ち去ると、ほどなく一人の男性を連れて戻った。西洋人風の男が入って来た。ルンドリオ・ザーメントだ。しかし脳の中身は時流太郎。彼を見た時・流太郎の外見のルンドリオ・ザーメントは、
「君は私の姿を持っているのでは、ないか?」
と声を掛ける。
流太郎の外見を持つ男を見たルンドリオ・ザーメントは、
「キミこそ、ぼくの姿を持っているみたいだ。そういう気がする。」
謎の美女は、対面している二人の間に進むと、
「フフフ。どちらも完全に脳内記憶が入れ替わっていないみたいだわ。何処かの悪戯ずきな人が、やったようね。この情報は、わたし達、金星情報局に入ったから、あなた方を連れ出して元に戻すのが私の仕事。」
と話した。それは金星語だったので、傍らにいる女性がザーメント流太郎に日本語訳して話した。先ほどの二人の発言も金星語と日本語で行われたのだ。だから、それを聞いた二人は、それぞれの言語が理解できなかった。
謎の美女は静かに、
「わたしの名前はサニン・ケルメル。金星情報局の惑星間調整課次長なのね。だから瞬間転移ピストルの所持、および使用も認められています。この部屋の隣に手術室があるわ。カリネ、連れて行きなさい。ドクター・メスキリーノが待機しています。」
と助手らしき背の高い女性に命じる。カリネは、
「はい、今、すぐに。それでは、行きましょう。」
と二人に行きましょう、と金星語と日本語で伝えた。

 ドクター・メスキリーノの手術着は右半分が白、左半分が緑色だった。黒いメガネをかけて、鼻の下に、ちょびっと髭を生やした中年の医者だ。椅子に座っていた彼は立ち上がると、
「さあ、そのベッドに二人で並んで寝なさい。」
と金星語で促す。それをカリネは日本語でザーメント流太郎に伝える。
二人は服を着たままダブルベッドの大きさの手術台に寝そべった。二人の頭にヘッドフォンのような物をドクター・メスキリーノは装着させると、手術台の横にある縦長のパネルのスイッチの一つを押す。
強い電流のような刺激が二人の頭に伝わると、二人の顔つきが電撃的に変わった。
「ん?」と流太郎ザーメント。
「おおお。」とザーメント流太郎。
二人の頭の中は外見と同じに戻ったのだ。

 カリネに連れられてサニン・ケルメルのいる部屋に戻った二人に、サニンは、
「正常になったようね。地球人のあなた。お名前は?」
と明晰な日本語で話した。
流太郎は、その発音の見事さに驚くと、
「時・流太郎といいます。」
サニンは楽しそうに、
「あなたの居た地球の一地方に戻してあげますよ。」
と流太郎に日本語で伝えたのだ。

 無事、地球に戻った流太郎は自宅のマンションに帰る。もう日没後だった。会社は明日、行けばいい。ノートパソコンでネットニュースを見る。
最後の証券会社アナリスト辞職
という文字が流太郎の目に入る。人工知能で株式市場を解説するのが常識になった証券会社。対面営業は、かなり大昔になくなり、ほぼほぼ、ネット証券だけになっている。
 碁や将棋も人間同士で対局し、同時に人工知能も何種もあるから、それぞれ競い合い、最後には人間と人工知能との勝負に、なる。その人工知能は電機メーカーで製作して、自社の宣伝にもなるので出場させている。
この人工知能との対局が面白いため、将棋や囲碁は前より盛んになっているほど、だ。
 流太郎の高校の同級生に証券会社に勤めている者がいる。ネット証券で福岡市に本社を持つ会社だ。この会社も福岡市の人工島アイランドシティ2にある。最初の人工島アイランドシティは建物で一杯になったため、二番目の人工島であるアイランドシティ2が埋め立て竣工された。アイランドシティ2は、アイランドシティとは五十メートル程しか離れていないで、二つの人工島は橋で繋がっている。
ネット証券でありながら一部の顧客には対面営業も行っている。丘洲証券という会社名で、読みはオカス証券という。犯す証券と頭の中で読んでしまう人も、いるらしい。その会社に電話すると若い男子社員が、
「はい、おかす証券です。」
と電話に出る。それを聞いた女性客はハッとする場合もあるという。もちろん社名は「犯す」という意図を含めたものでは、ない。人工島は砂洲のような場所にあり、その上の丘の上に会社があるので丘洲証券と社名をつけたのだ。
重役の中には、
「丘洲だと、読みが女を犯すのオカスに聞こえますよ。」
と反対した者がいたが、社長の御貸(おかし)は、
「なに、気にする事は、ないよ。会社の法規登録も終わっているからな。」
と気軽に答えた。この社長も社長としては若い方で四十一歳だが、御貸照男というのが本名だ。おかし・てるお、と読む。犯してるオ、と読み取られる事もあるのだ。
この丘洲証券の自社ビルはアイランドシティ2の南側にあり、ラブホテルのような外観であるのだが、実際に一階は入り口が二つあり、一つは丘洲証券のもので、もう一つはラブホテルの入り口なのだ。つまり丘洲証券の自社ビルの半分はラブホテルなのである。
証券業界は、いつの時代になっても倒産の危機を、まぬがれないもので、その危険を最初から予測して備えているのが丘洲証券ビルなのだ。
 丘洲証券の朝礼で御貸照男社長は、
「我が社も創立十周年を迎えるが、証券業界は依然として厳しい状態にある。だが諸君、心配は要らない。うちのラブホテル経営は順調だ。最近は益々の外国人観光客で賑わっている。中にはアフリカからの宿泊客もいる。その人達は福岡市内に宿泊施設が不足しているために、当社のラブホテルをご利用になるのだ。そのついでに、それらの外国人の御客さんに弊社のネット株取引の英語で書かれたパンフレットも、お渡ししている。手数料の安さのため、海外の顧客も増えている。日本株を欲しい外国人も増大しているからだ。であるから、自社ビルの半分がラブホテルなんて、と嘆かないように。」
そう熱弁を振るうと御貸社長は社員一同を見渡した。全部で十人ほどの正社員で、女子社員は二人だ。女子社員は二人共、アイランドシティ経済専門学校を卒業して、すぐに入社してくれた若い才媛だが、朝礼で紺色の制服を着た二人は並んで立って御貸社長の話を熱心に聞いていた。
アイランドシティ経済専門学校も丘洲証券の経営する学校法人なので、丘洲証券の資金源は、いくつもあるのだ。
この丘洲証券に時・流太郎の高校以来の友人が入社している。彼の名前は玉二義郎(たまに・ぎろう)という。玉握ぎろう、と読んでしまいがちだ。高校時代の呼び名が金玉にぎろう、だったのも仕方ない。玉二は流太郎にアイランドシティ2の喫茶店で、
「社長室に入った事もあるよ。」
と話した。流太郎は、
「御貸社長の?丘洲証券の社長室に?」
と聞き返すと、玉二は、
「ああ、そうだ。机の上の固定電話が鳴ると御貸社長は、受話器を取り、
『はい、丘洲証券です。あ、小星山様、いつも御世話になります。今日の推奨銘柄、で御座いますか?少々、お待ちくださいませ。』
その電話保留にすると社長は、机上のスマートフォンを取り上げた。それを耳に当てると、
「今日の推奨銘柄を教えてくれ。」
と質問した。すると若い男性の声が機械的な口調で、
「はい、今日は新興企業のヤングアゲインがストップ高すると思われます。」
「そうか、あれだな。若返り薬を開発しているという、アザース上場の。」
「ええ、厚生労働省も、そろそろ薬として若返り薬を承認する模様です。」
「上出来だ。すぐ、お客様に知らせる。おう、」
と御貸社長は玉二義郎(たまに・ぎろう)を見ると、
「今、人工知能カブカブ君と話をしていたんだ。人間と話をしていたんではない。」
「サイバーモーメント社製の人工知能ですね?」
「そうだ。」
と答えると御貸社長は固定電話を保留から解除して、
「もしもし、お待たせしました。本日の推奨銘柄はアザースのヤングアゲインです。」
・・・と玉二は流太郎に回顧するように話した。その話を流太郎は、ちょっと思い出したのだ。

 翌日、早く出勤すると社長の籾山が、
「おう、本物の時だな。この前、変な白人が来て自分を時・流太郎だというんだ。やっぱり、あれはニセモノだったのか。」
と考え込む。流太郎は、
「え?何の事ですか、そんな白人が、いたんですか。」
「ああ、いたよ。北九州に仕事を頼んだけど、帰ってこなかった。仕事の方は、してくれていたけどね・・、まあ、いい。よくわからないけど、それが人生さ。て、ことかな?君は整形手術でも、していたのか?白人の外見に。」
「いえ、していませんよ、一度も、そんな事、していませんね。」
「そうだろう。あれは君が白人に変装していた、と解釈する。しばらく出張は、ないから。内勤で頑張ってくれ。」
と籾山は流太郎に指示した。
こうして、又、サイバーセキュリティの仕事が始まった。ノートパソコンに向かいながら、流太郎は今までのAV男優としての仕事を思い出す。退屈な今の仕事より、AVの仕事の方が、やりがいが、あるように思えた。でも、福岡市にはAVの制作会社は、ない。ぼんやりしていると、新入社員の時野・未漸理(ときの・みざり)が、
「時さん、お電話です。」
と声を掛けて来た。保留中の電話を取ると流太郎は、
「はい、お電話代わりました。時です。」
と応対する。電話の声は中年男性の声で、
「お仕事中ですか?」
と聞いてきたので、
「はい、そうですが。セールスなら只今は、受け付けておりません。」
と流太郎は電話を切ろうとした。が、電話の男は、
「セールスじゃないんですよ。こちらも、仕事の話です。」
「ああ、それなら承りますよ。どうぞ。」
「ああ、ありがとう。あなたは時・流太郎さんですね?」
「ええ、そうです。」
「いやあ、あなたの、やりがいのある仕事を御紹介しますよ。」
「やりがいのある?仕事、ですか?ハッキングされやすいサイトなのですか。」
「いやあ、そうじゃないです。ま、それも、お願いしようとは思っていますけどね。」
「ええ、ええ。で、それも、ではない仕事とは、いったい・・?」
「AVの仕事ですよ。AV男優の仕事!です。」
がつーん、と流太郎の頭に電波のようなものが流れた。今さっき、それを考えていたからだろう。流太郎は迷った。こんな電話に応答していて、いいものだろうか。でも、サイバーセキュリティの仕事の事も少し話していたな。それなら続けても、いい。
「うちはサイバーセキュリティの会社ですから、そちらをまず最初に御願いします。」
「分かりました。取り敢えず、まずは我が社へ来てください。」
「場所は、どちらですか。」
「いや、なに、そんなに遠い場所では、ありませんよ。」
「どこですか、御社は。」
「おたくの会社のビルの隣です。アイランドタワーの地下一階にUGジャパンという社名で入っていますよ。地下一階は全部、我が社で入居していますから、すぐに分かる。受付の女の子に連絡しておきますから、まずはエレベーターで降りてすぐの受付の女子に御名前を伝えてもらえれば、いい。」
「それでは、さっそく御伺いします。」

 アイランドタワーというビル名からも分かるように超高層ビルでは、あった。流太郎も毎日、自社に通勤の際に眺めていた隣のビルだ。エレベーターは三台、稼働していた。それに乗って地下へ降りると、扉が開いて目の前に受付があり、女子社員が座っていたが、なんと水着で受付に座っていた。若いし美貌で受付にピッタリの女性は赤いビキニとTバックの薄いもので股間を隠している。が、彼女の陰唇の形が浮き出るほど、そこに食い込ませていた。その受付のカウンターは透明のプラスチックで出来ているため、その受付の女子社員の下半身まで流太郎には見えてしまったのだ。
長髪の黒髪の彼女は流太郎を見て微笑む。赤いブラの左右には乳首もクッキリと浮き出ている。訪問客に対するサービス度も日本一らしい。これこそAV会社、というものだ。
 流太郎は半勃起してしまい、ズボンが膨らみをみせないように調整したが、受付の女性は黒い瞳で流太郎の小高く膨らんだ部分を見つめると、
「時・流太郎様ですね。」
と尋ねた。
「ええ、そうです。初めまして。」
「ようこそ、UGジャパンへ。あちらが入り口となっています。と彼女は右手を水平に右の方に差し出して、入るべき場所を示した。そこが社長室らしい。彼女は指で自分の目の前にあるボタンを押すと、
「時様がご来社されました。」
と伝える。流太郎が歩いて数歩すると社長室のドアが開き、中年太りの色の白い男性が現れると、笑顔で、
「やあ、時さん。社長の映・部位太郎(えい・ぶいたろう)と、いいます。よろしく。」
と自己紹介した。時も、
「時・流太郎です。よろしく御願いします。」
と言いつつ身をかがめる。
映社長は、
「さあ、中へどうぞ。」
社長室の窓は広く、そこは博多湾の海中が見えている。このビルの地下一階は、そういうものなのだろう。
映社長と向かい合わせにソファに座った流太郎は博多湾の海中には様々な魚が泳いでいるのが口に咥えるように、よく分かった。熱帯魚も見えたのだ。流太郎は、
「あれは熱帯魚ですね。」
と、その見えた魚を指さして云うと、映社長は、
「ああ、あれね。熱帯魚を飼っていた人達が博多湾に捨てているらしいね。ぼくはクジラも見た事が、ある。」
「そうなんですか?クジラが博多湾に。・・・(絶句)」
「クジラは、まだ捕獲制限がありますからね。世界の海を泳ぎ放題だよ。この窓ガラスを背景にAVを撮る事もある。そんな時は何故かクジラは、いないけどね。(笑)。」
「ここがスタジオにも、なるんですね。」
と流太郎は感心する。
「ああ、そうさ。どこでもAVだよ。社長室までスタジオに出来るのはウチだけだろう。今日は見学だけでも、していって欲しい。超能力青年を呼んでいるから。」
と社長が発言すると、社長室のドアが開いて精悍な青年が入って来た。映社長は、
「超能力者、真下琉望(まげ・るぼう)君だ。」
と彼を流太郎に紹介する。真下はスポーツ刈りの頭を流太郎に向けると、
「真下です。なんでも曲げられますよ、ボクは。」
と豪語した。続けて彼は、
「曲げられるだけじゃなくて、変えられるというのかな。それも、できるよ。」
と云うので流太郎は、
「ぜひ、この目で見たいですね。その力を。」
「ああ、いいともさ。やりますか?監督、いや、社長。」
と問われて、映社長は、
「よし、やろう。ここを撮影現場にする。秋花冬桜を呼ぶか。」
そこで人気AV女優の秋花冬桜が呼ばれて全裸で社長室に入って来た。彼女の下腹部の、なだらかな丘の最下端には惑乱させる黒い毛の密集が、ある。横幅のある丸いバナナのような彼女の乳房だ。秋花は赤い唇を開くと、
「お呼びですか、社長。」
「ああ、君に超能力の実験台に、なってもらおうと思う。」
秋花に続いて撮影スタッフも社長室に入って来た。三脚のついたカメラを持ったカメラマン、光を反射する板を持った照明係、マイクを持った録音係、メガホンを持った監督、助監督、などなど、がゾロゾロ、ガラガラと集合する。
緑色のソファに全裸で座らされた秋花冬桜は映社長に、
「大きく股を開いて。そう。あまり大きく開くと、おまんこが口を開けるから、そうならない程度にね。」
両膝を立てた冬桜の縦のスジは、まだ閉じていた。映社長は、
「真下(まげ)君、始めなさい。」
「はい、いきますよー。」
真下琉望は両足を開いた全裸の秋花に近づいた。彼の視線は秋花の密淫の草丘の下にあるピンク色の窪みを捉えると、
「淫空間を捉えます。」
と宣言して、両手を自分の胸のあたりに上げて、催眠術に掛けるような動きをした。
すると!それに合わせて冬桜の閉じていたオマンコが開き始めたのだ!すすすすすーと全開になる女陰を自分で感じた冬桜は、
「いやんっ!オマンコが勝手に開くぅーっ。」
と叫んだ。
これが超能力者、真下琉望の超魔術力なのだ。もちろん撮影は始まっていた。
冬桜の女陰は満月のように最大限にまで広がる。冬桜は自分の両手は膝の上なので、自然には、そこので陰唇は開かない。まさに真下琉望の超能力の力によって、冬桜の閉じていた陰芯は開かれている。
それを操った真下だが、映社長は彼の股間を見ると、ズシッとズボンが膨らんでいる。映社長は、
「真下君。君の肉欲棒も上に曲がっているよ。ズボンとパンツを脱いで、冬桜のマンコに入れたらいい。いいだろう冬桜?」
とマンコと両膝を開いたソファに座った全裸のAV女優に打診すると、彼女は両手で両眼を覆うと、
「はい、いいです。オマンコに入れてください。」
と答えた。
真下は照れたようにズボンを脱ぎながら、
「冬桜ちゃんにハメる前に面白いものを見せますよ。」
と発言し、パンツを脱いだ。
スタジオにいる人々は、
「おおーっ!」
と歓声を上げる。真下の男棒は超能力者らしく?立派な道具だったのだ。スコーンと上に向かっている真下のモノだが、それをカメラに正面から写るように真下は態勢を変えた。
 カメラは、それをズームアップで捉える。真下は、
「今から、やります。スプーン曲げ、ならぬ勃起チンコ曲げを。」
真下は念を送るように自分の全勃起チンコに両手のひらでサッ、サッ風を送るような動作をした。すると!真下のフル・スタンドアップ・チンコは陰茎の中心部から先が右に曲がったのだ。ぐにゃり、と四十五度は曲がっただろう。
室内は騒然となった。中折れというのはペニスが二つに折れる現象ではなく、立ってもスグ萎える事を言うが、今、真下が見せているチン魔術はペニスが文字通り、右に曲がっている。真下琉望はカメラに向かって、
「これがチンコ・パワーです。」
と大胆に宣言する。
 真下琉望は、
「まだまだ、これから先に、これより凄いものを見せますよ。お楽しみに。ひとまずチンコを元に戻します。えいっ!」
真下は自分の勃起チンコを見つめると気合を掛けた。するとタチマチ、曲がったチンコは元の態勢に戻る。ソファの冬桜のマンコは全開のままだ。真下は、
「冬桜ちゃんと合体します。」
と宣言してソファの秋花冬桜に重なり、勃起肉を彼女に入れていく。ずっぽりと真下の肉棒が冬桜に入ると、二人は尻を振り始める。冬桜は乳房も揺らせつつ、乱れた息を吐き始めた。真下は、
「これから冬桜ちゃんの膣内でボクの勃起チンコを右に左に曲げますよ。」
と発言すると、実際、そのように超能力で肉棒を曲げた。
「ああっ、マンコの中のチンチンが右に左に曲がっていくぅー、こんなの初めて、すっごーい、わ。あふ、あふっ、ああん。」
と激しく乱れる秋花冬桜だった。映社長は、
「レントゲン・ビデオカメラで撮影開始。」
と指示する。
カメラマンの一人はレントゲン・ビデオカメラで秋花冬桜の尻のあたりを撮影する。それには膣内で右に左に曲折する真下琉望の勃起チンコが写っていた。琉望は、
「中折れ立ちフィニッシュ!」
と叫ぶと、勃起チンコの半分から先を上に向けて曲げ、射出し終わった。
 秋花冬桜から離れて立った琉望は、みんなの方に向き直った。彼のモノは元のサイズになり、ダランとしていた。映社長は納得顔で、
「一度の射精で勃起は終わるとは普通の男性だな、君も。」
と云うと琉望は、
「もう、しばらく。三分で大丈夫です。」
と自信ありげな琉望は監督を一瞥する。映社長は、キッチンタイマーをポケットから取り出し、
「三分計るぞ、・・・押した。」
キッチンタイマーが三分経ち、ピピピピ、と鳴り始める。琉望は再びソファに座った秋花冬桜の熟れた乳房の両方の乳首を交互に舐め回した。冬桜は、「あっ、あんっ。あっ、あんっ。」と濃いピンク色の乳首を舐められる度に顔を激しく、のけ反らせて両手を自分の乳房に持っていった。
真下琉望は上半身は服を着たまま、みんなを向いて立つと、彼の下半身の股間のモノは勢いよく直立に近い角度で反り返っていた。琉望は右手の人差し指を立てて、みんなに示すと、
「今から見るものは、みなさんが一度も見た事のないものです。それでは。」
と説明し、身をかがめ床に両膝を着く。それから、うつ伏せに寝そべると、両手と両脚を、うつ伏せのまま高く持ち上げた。その時!同時に真下琉望の肉体は床から持ち上がったのだ!
 うつ伏せのまま、空中に浮揚したのか?いや、そうでは、ない。彼は自分の逸物で全身を支えて、自分を持ち上げたのだ!勃起したチンコ一本で全身を支えている真下琉望!
室内のみんなは驚嘆して、彼と床に着いている一本の肉棒を熱視線で凝視する。カメラは二台で、それを追う。
琉望の金玉は重力に抗せずに床に向けて垂れ下がっているのだが、肉欲棒は二つの金玉が床に届かないように、まるで瞬間接着剤で接着したように亀頭が床に接しているのだ。
 その姿勢のまま、琉望は、
「今から、もっと凄い事になりますよ。では、」
と話すと、そこから信じられない光景が展開した。
ぴょん、ぴょん、ぴょん、と真下琉望はうつ伏せの姿勢で両手と両脚、そして頭や胴体の、いずれもを床に接することなく跳躍して前に移動していく。それは股間の勃起したイチモツが力を加えて床をジャンプしていく姿だった。
おそるべき真下琉望のチン勃起力である。
唖然とする一同が見守る中、琉望は室内を飛び回ると膝を着き、立ちあがってオリンピックの金メダリストがするような勝利のポーズをとる。
それに対して一同は手の空いた人だけ大拍手して大喝采となった。琉望の股間のシンボルは、まだ屹立している。
 映社長は得意げに、
「よかった、最高だ、真下君。これは売れるぞ。今のも撮影したからな。全世界に売れるだろう。手の指で逆立ちする人は、いるが勃起チンコで全身を支えて跳べる人間は、君しか、いないだろう。でかした、ました。じゃなくて、まげ、だったな、君の名前は。」
と真下琉望を絶賛すると、真下は、
「そうです。まげ、るぼう、ですよ。今日は調子が、いいです。秋花冬桜ちゃんの、おっぱいと乳首で、今でもビンと立ち続けているんです、ここが。」
と話して自分の股間を右手の人差し指で示す。続いて彼は出入り口のドアを指さして、
「この地下一階にはUGジャパン所有のプールが、あるんでしょう?社長。」
と尋ねる。映社長はウムと、うなずくと、
「そこで撮影を続行するか?真下君。秋花との水中セックスとか。どうだ?秋花。」
と全裸で座っている秋花冬桜に打診した。秋花は微笑むと、
「いいわよ。監督。真下さんとは初めて絡むし、気持ちよさそう。」
涼し気に応えたので、映社長は、
「よし、それでは室内プールに移行か。」
と行こう、という意味で移行と発音したのだった。

 室内プールは歩いて五分くらいの場所にあった。二十五メートルのプールだ。四季対応の温水プールである。今の季節は春先で少し冷たい日もあるからプールの水温は温泉並みの熱がある。そこまでの廊下を真下は勃起チンコのまま、秋花冬桜はオールヌードで乳房と豊満尻をプルン、プリンと色っぽく淫靡に揺らせつつ歩いてきた。
プール際に集まった皆に映社長は、
「これからプールでの撮影だ。水中カメラも使う。真下君は上着を取るように。」
真下は、それを聞いて、
「はい、脱ぎます。」
と同意すると、ほい、さっ、と上着とシャッを脱ぎ捨てて全裸になったが、胸や腕に筋肉がモリモリで逞しい上半身だ。勃起し続けている股間身も素敵だけど。
 プールの水面は少し湯気が出ている。このプールは夏以外は温泉を引いている。ビルの地下を更に掘り進めて温泉を引き当てた。人工的に温めた水よりも安上がりに使えるし、人間の体にも、いい。映社長は全裸の真下琉望と秋花冬桜に、
「二人並んでプールのそばに立って。」
と指示する。二人は温泉プールを背中にして、並んで立った。まだ真下琉望の股間の砲身は四十五度、上を向いている。映社長は、
「立ったまま結合してプールに飛び込みなさい。」
とメガホンで指示した。真下と秋花はキスをして真下の股間砲は秋花の肉ビラの中に突き進み、ズッポリと収まる。二人は息を合わせてプールに飛び込んだ。
ジャッポーン!!と勢いのいい音がして二人はプールに沈む。水面下に沈んでも、足がプールの底に着くので二人は水の上に顔を出した。カメラマンも水中撮影できるカメラを持ってプールに飛び込む。
・・・・という事で、彼らの水中セックスは二十分ほど続いた。水中に飛び込んだカメラマンも酸素ボンベを背中に背負い、水中の色々な位置、角度から撮影した。その水中カメラは望遠レンズつき、なのでズームアップも多数、駆使された。
真下琉望は射精せずに秋花冬桜から離れたので、映社長は、
「どうした?真下君、最後まで、やらずに?」
とプールサイドに高く立っている監督の椅子から声を掛ける。真下はキリッと顔を引き締めて、
「これから皆さんに人類の誰もが見た事のないものを見てもらいたいのです。」
と言い放ったのだ。映社長は首をひねると、
「人類の誰も見た事がないもの、とは・・・何だね、それ?」
真下はプールの真ん中から全裸の秋花冬桜の隣から、いつの間にかプールサイドに泳いで移動して、プールから上がっている。彼の股間のイチモツは凛凛と急角度のそり身を維持している。プール内のみんなの視線は、真下のイチモツに注がれる。真下は、
「それでは皆さん、始めますよ。カメラさん、撮影してください。それでは!」
真下琉望はプールに飛び込んだ。両手を頭の上に伸ばして飛び込む体勢だった。ドプンッ!!と音がして真下の裸身は水中に消えた。でも一分もしないうちに真下の裸体の後ろの部分がプールに浮かび上がってきた。真下の背中も尻も丸見えだ。と、ここまでは不思議でも何でもない。裸体の男のプールへの飛び込みと、水面への上昇、は見る人は少ないだろうが人類の誰も見た事のないものだろうか。
 AVの撮影現場で見た事がある人は、いるだろう。では、それではない人類初の見せ場とは?
おお!真下琉望は、まだ勃起していた。それだけでは不思議手はなく、なんと!彼はプールの水面に万歳をした格好で浮いているのだ。しかも、彼の裸体の前面は水に接していない。空中浮揚なのか?
いや、そうではない。彼は自分の全体重を勃起チンコで支えていたのだ!不思議な事に彼の勃起亀頭は水面に沈まず、水面上で静止している。物理法則に反して。男子体操選手のように両脚を揃えて、両手は頭の上に万歳三唱のように上げている。
プールスタジオは騒然となった。
「おおー、チンコで水面に浮いているぞ。」
「きゃー、チンコで体を支えているわーっ。沈まないのかしら?」
「確かに人類史上初だ!水中に沈まないチンコ!それで水の上に浮いているーっ。」
と撮影スタッフから色々な声が飛び出した。
両手の親指で逆立ちできる人も、いるだろう。でも、それは固定された床に対して行うものだ。水面に両足で立つ事も通常は不可能だが、超魔術師のような人達で水面に立ち、歩くことは行われた。かのイエス・キリストも水面を歩いた伝説は、ある。が真下琉望は水面に勃起チンコで全身を支えているのだ。映社長は、
「凄いぞ、真下君。トリックは、あり得ないだろう?今の君の体勢には?」
と問いかける。琉望は右手の人差し指でオーケーサインを作ると、
「どういうトリックをプールに作るんですか。今のところ、これが精一杯ですけど、環境が変われば、又、別の事も出来ます。」
と反論した。映社長は考え込んで、
「それなら別のスタジオに移行すれば、いいんだな。」
「そうです。それなら他に展開するものは、ありましょう。」
「よし!次のスタジオに、うつろう。」
という社長の鷲の一声で全員、別の撮影スタジオに移動した。

 次のスタジオはアイススケートの出来る凍った床の場所だった。驚異的にも真下琉望は、そこに入っても勃起していたが、さすがに二分後には寒さのせいか彼のイチモツは萎えてしまう。映社長は、
「真下君に上着だけでも着せてやれ。」
と指示する。スタッフは真下にカイロ付きの赤い分厚いシャツを着せる。臍までの長さのシャツなので真下の股間は丸見えだが、そのシャツでは回復しないらしい。秋花冬桜はアイススケートの女子選手の服装に着替えていた。ただ彼女のパンツの部分は女陰が隠されているのではなく、露出されている。そこが切り取られたパンツを冬桜は履いている。映社長は秋花冬桜に、
「秋花君はアイススケートの選手でも、あったそうだね。」
と聞くと、秋花は自分の股間を両手で隠し、
「ええ、トリプルアクセルが得意技です。」
と答えた。