SF小説・未来の出来事33 試し読み

何とも毅然とした態度のエマーニだった。性感マッサージ師として快乱が見た最初のエマーニとは別人だ。快乱は下でな態度で、
「何を体験するんでしょうか?エマーニさん。」
「ついてくれば、分かる。」
と答えたエマーニは単なる更衣室みたいな、その部屋のドアを開けると部屋を出る。快乱も続いて出たが、そこは入った時の廊下とは違った廊下だった。壁も白から茶色になっていたのだ。
しばらく二人は歩いた。快乱はエマーニの後ろを少し離れて歩く。エマーニの服装は茶色の上下で、下はズボンだ。女性らしい体型を顕わさないような服である。ピッタリと尻に、くっついているズボンでもないのでエマーニの大きな尻も感じられない位だ。
立ち止まり、右側の部屋のインターホンを押すとエマーニは、月の言葉で何かを言った。するとインターホンからも月の言葉が年配の男性の声で聞こえる。ドアが自動ドアのように横滑りに開いたのでエマーニは中に入ると顔と右手を出して快乱を部屋の中に入るように手招きした。
快乱が急いで中に入る。自分の服装もエマーニと同じの茶色の上下だったのだ、と快乱は気づいた。部屋の奥の窓際の近くに机を前にして座っているのは月の人間だ。というのは雰囲気として地球の人間とは違う。ただ軍人ではないか、と思われる風貌だ。彼は快乱を見ると、
「ようこそ!地球から、」
と日本語で話したのだ。快乱は、
「初めまして。快乱と言います。」
と話すと頭を下げた。
軍人は椅子から立ち上がると、
「快乱君。まあ、そこの椅子に掛けなさい。」
と明瞭な日本語で話す。
簡素な木の椅子に快乱は座った。軍人は胸を張ると、
「月政府も軍隊を持っている。規模も、かなりのものだが地球人は知らない。アポロ15号などを攻撃したのは月政府軍によるものだ。特に我々は有人でロケットを月に飛ばしているのは探知している。アメリカ人が、いい気になって行っていたものだな。それで、その頃に我々の諜報部隊から何人もの人間、月の人間だがアメリカを探りに行った。」・・・・
 アメリカの首都、ワシントンに降り立った月政府軍の諜報部隊員、マルノ・ゲッティーは自分の顔にアメリカ人らしく見せる特殊メイクを施している。それで彼は月からのスパイと誰からも気づかれずにワシントンで生活を始めた。
マルノ・ゲッティーは二十代後半に見える青年で、実年齢は二十代ではないのだが地球では、彼は二十九歳と称している。
ワシントンの新聞社に入社した彼の履歴書はイギリスの名もないビジネス専門学校だったが筆記試験と面接ではハーバード大学を首席で卒業した入社希望者よりも実力があったのでアメリカの習慣として実力主義による判定としてマルノ・ゲッティーは採用された。ハーバード大学首席卒業者は採用されなかったのである。日本の新聞社では、あり得ない話だろう。世界的にも紙による新聞は部数が毎年、減り続けている。ワシントンの新聞社としても新規採用は少なめにしか採用できない。
 マルノ・ゲッティーも下働きから見習いを経て、一人で取材に行くようになった。宇宙開発に関する機関に彼は出入りするようになった。その機関が宇宙に関するアメリカの公式声明に関与しているらしい。
その機関に取材に行くマルノ・ゲッティーは報道担当の部屋で広報担当の女性、アイラン・メリットン(27)と今日は二人きりになっていた。マルノは、
「ワシントン・タイムズのマルノです。よろしく、お願いします。」
と挨拶する。アイラン・メリットンは高学歴(大学院修士課程修了)の女性らしく理知的な目でマルノを見ると、
「前に一度、取材に来ましたよね、ゲッティーさん。」
と確認した。マルノは右斜め上を見上げて、
「そうでしたか?すみません、記憶になくなってしまって。」
と顔をメリットンに向けて答えた。アイラン・メリットンは、
「いいえ。構いませんのよ、ご多忙なんでしょ?」
「ええ、それは新人ですから忙しいのです。最近、又、UFOが多く目撃されていますが、月にUFOは存在しますか?」
と切り出したマルノにメリットンは、
「いえ、月には生物は存在しませんので、未確認飛行物体も存在しないと思います。」
「それは、こちらの見解ですか?メリットンさん。」
平静で動じないアイラン・メリットンは、
「ええ、ここの見解です。」
「メリットンさん個人の見解は如何でしょう?」
そう聞かれたメリットンは髪を後ろに揺らせて、
「わたし個人には、そうね、見解を持っていないとしか、お答えできませんわ。」
「月には生物がいない、というのもメリットンさんは、どうですか?(おれは月から来た人間なんだ、と心の中でマルノは思った)」
「そうですね、わたしは大学で物理学を学びましたから、月に就いても勉強しましたし、一般的に云われているような考えしか持っていませんわ。」
と余裕のある発言だ。マルノは(この無智女が!)と思いつつも顔には出さずに、
「私だって社から命じられて取材に来ています。新聞社としてはUFOを、まともに取り上げられないらしいので。こちらの意見を聞いてこい、という事だったんです。」
メリットンは、あら?そう?という顔をした。彼女は、
「UFOも自然現象だと思います。中に誰かが乗っているなんて考えるのは、どうかと思います。」
と理路見ろ整然という返事だ。マルノは、
「メリットンさん昼は、どちらで御食事をされますか?」
と話を変えて聞く。
メリットンは左斜め上を見上げて、
「外でランチは取りますけど。」
顔をマルノに向けて短く答えた。
マルノの顔は月光のように輝き、
「行きつけの店なんか、ありますか?」
「それは、ありますけど・・・。あなたに関係あるのかしら、マルノさん?」
大きな窓の外には緑の樹木が数本と芝生が見えている。室内にはアメリカ国旗が置いてあるし、メリットンの背後にはズラリと並んだ資料のファイルが並んでいる。マルノは、それらを眺めると、
「ええ、よろしければメリットンさんのランチ代を差し上げます。」
「ワーオ、素敵だわ。ご馳走になろうかしら。」
「ええ、喜んで。どんな店でも構いません。」
室内の壁の丸い掛け時計は昼の十二時を指していた。

 アメリカの首都であるワシントンDCにも安いレストランやハンバーガーショップが、ある。マルノは安い店は混むので、その反対に高級な店を選んだ。個室のあるレストランだ。メリットンは、いつも行く店は安い方のレストランやハンバーガー店なので、室内にシャンデリアがある個室にはマルノと入って新鮮な衝撃を感じたのだ。マルノはドアを閉めると四人が座れるテーブルの椅子をメリットンに右手で示して、
「どうぞ。おかけください。」
室内の壁には大型のディスプレイがある。マルノは、そこへ行くとボタンを押した。すると料理場、厨房が画面に出る。白い服と帽子を被った料理人が数人画面に映る。そこへボーイみたいな男が現れて、
「いらっしゃいませ。本日は、ようこそ、おいで下さいました。ご注文を承ります。」
と白い歯を見せて喋った。マルノは立ったまま、
「スペシャル・コースを頼む。」
「畏まりました。フルコースタイプで御座いますね。」
「そうだよ。会計はスマートフォンで、しておいたよ。」
ボーイは、そこにあるパソコンの画面を見ると、
「お支払い済みの御予約のマルノ・ゲッティ様で御座いますね。有難う御座います。丁寧にウチのチーフ・シェフが手をかけて料理を作りますので、しばらくの間、お待ちくださいませ。」
マルノはボタンを又、押すと大型ディスプレイの画面は消えた。
 アイラン・メリットンは初めて見た個室内のディスプレイを通しての注文に感嘆と関心を持って眺めていた。マルノ・ゲッティは席に戻りアイランと差し向かいに座った。マルノは両手を広げると、
「先端的な注文方法でしょ?メリットンさん。」
アイランは、
「驚きました。注目すべき店ですね、ここは。」
それから運ばれてきた豪勢な料理の数々、フランス料理のフルコースに似ていたが、大きな海老に様々なソースをかけ、ホイップクリームを最後に載せた皿が出ると、マルノはメリットンに、
「月の海老という料理名なんですよ、これは。」
と朗らかに話した。メリットンは皿を注視すると、
「風変りな料理名ですね。」
「月で食べているような趣きが、あるんですよ。僕は既に食していますから。どうぞ、ミス・メリットンさん、味わえますよ。」
銀色のナイフとフォークを巧みに動かすとメリットンは可愛い口の中に付きの海老を入れる。喉の下に飲下したメリットンは、
「本当だわ。月にいる気分に、なります。」
二人が食べるのを終了したのはメリットンの昼の休憩時間が終わりそうな時刻だった。
 店の外に出た二人、冬の寒い風も気にならない程に体の中は熱い料理と飲み物で発熱している。マルノは右手を上げると、
「それではメリットンさん。又、取材に来ますよ。」
「ご馳走様でした、ゲッティさん。次の取材を、お待ちしていますわ。」
メリットンが帰る方向とは逆の方向にマルノ・ゲッティは黒のズボンで歩いていった。

一日の業務を終えたアイラン・メリットンはオフィスを出ると、誰かが待っているのに気付いた。(誰?あっ!)そこには蛇の頭をした男が立っていた。と思ったのは一瞬で、それは今朝に取材に訪れてランチを御馳走してくれたワシントン・タイムズの記者であるマルノ・ゲッティが笑顔で立っていたのだ。彼は、
「お待ちしていました、メリットンさん。今日は今から空いていますか?」
メリットンは同意の顔をして、
「空いていますよ、ゲッティさん。仕事以外に趣味もないし。」
と即座に答えてくれる。マルノは、
「よかった、もしメリットンさんが予定があったら、とか考えていました。夕食は早いですね?」
「そうね、昼に御馳走になりましたから。」
背広のままのマルノ・ゲッティは、
「ティー・ルームというのが開店したんですよ。紅茶を主に出しています。そこへ行きましょう、メリットンさん。」
「ええ、喜んで。楽しみだわ、それは。」
マルノに連れられてティールームへ行くアイラン・メリットン。一階にあるティールームはホテルのラウンジ内にあった。マルノは店の中の入り口付近に立っていたボーイの青年が近づいてきたので、
「一番、いい席を頼むよ。」
と話すと白い服装に黒の帽子を被った青年は、
「承諾いたしました。ご案内します。」
と答えると店の奥に二人を連れていく。
そこにはエレベーターがあり、ボーイは最上階のボタンに指で触れる。すぐに店の奥まで降りて来たエレベーターだ。
それが開いたのでボーイは、
「さあ、どうぞ。お乗りください。」
とマルノとメリットンを先にエレベーターに乗せた。それからボーイは乗り込むとエレベーターは最上階へと向かう。
到達したのは数十秒後。
扉が開くと、そこはティールームではないホテルの中の外観だ。ボーイは、「ご案内します。」
と云い、エレベーターを出た。この最上階にもティールームが、あるのだろう、と歩きながらメリットンは思っていた。
ボーイが或る部屋の前に来ると円筒形のガラスのキーホルダーの付いた鍵をマルノに渡し、
「ごゆっくりと、お過ごしください。」
マルノがカギでドアを開けると、そこは部屋の中央にテーブルがあり喫茶店風の内装である壁紙も落ち着いた色調の色合いで、ティールームのようだ。メリットンは、もしかしたら、という思いが打ち消されて、
「個室のティールームなのね。エレベーターで最上階まで来た甲斐が、あるわ。でも、すごく高そう。予算が・・必要なのでは?マルノさん。」
と室内を見渡しつつ話した。マルノは背広の上着の襟の下を両手で整えると、
「予算は、あります。充分にね。座りましょう。メリットンさん。」
「ええ、それでは。」
テーブルの上にはメニュー表が立ててある。マルノはメリットンに、それを手渡した。彼女はメニューを見て、
「ふうん、紅茶の他にビーフステーキまで、あるのね。ディナーとしても食べられるものが並んでいるわ。」
と感心する。マルノは、
「少し早いけど食事を注文してもいいですよ。」
と誘う。メリットンはメニューから顔を上げて、
「それよりスペシャル・ティーを頼んでも、いいかしら?」
「ええ、もちろんです。」
テーブルにはインターホンがあった。それを押すとマルノは、
「スペシャル・ティーを二つね。」
と手軽な感じで注文した。メリットンは、
「最上階まで持ってくるわけ?スペシャル・ティーを。」
「いいえ、最上階にも店の厨房が、あるんですよ。」
とマルノは、説明したのだ。
それで三分もすると玄関チャイムのようにベルが二人のいる室内に鳴り響いた。出入り口のドアの上にはモニターカメラがあり、それには白い服に白い帽子の料理長のような男が手にした銀皿にティーカップを二つ載せて笑顔を浮かべている。マルノはドアを開けた。
「御機嫌如何です?スペシャルティーを、お持ちしました。」
マルノは、
「御機嫌いいから部屋の中に置いてね、それ。」
料理長は椅子に座っているメリットンを見ると、
「おや、これは奥様。失礼いたします。」
とスペシャルティーをテーブルに並べる。
それから深く一礼して料理長は立ち去った。部屋のドアが自動施錠で閉まる。
マルノは椅子に座り、メリットンに、
「どうぞ、飲んでください。メリットンさん。」
メリットンはマルノの顔を見て、
「わたしたち、夫婦に見えたのかしら?」
「そうですかね?別に貴女が誰かの奥さんに見えたとしても、料理長は奥様と呼ぶはずですよ。」
メリットンは、ふふ、という絵顔(笑顔ではなく)を浮かべると、
「そういう見方も、確かにあるわ。いただきます。」
アッサム紅茶に似ているが、別の味わいもある。メリットンにしてみると、
「初めて飲んだ高級な紅茶ね。深い味に異国どころか異星の味わいまで感じるわ。」
マルノも手に取って飲みつつ、
「うまいですね、例えるなら月の味も入っている・・・。」
メリットンは同意の顔をして、
「そうだわ、うまい形容です。」
「ついでにディナーも、どうですか?」
「まだ空腹でないもの。」
「運動すれば空腹になりますよ。」
「そうね。でも、この部屋で走り回る訳にも行かないでしょ。」
「逆立ちなら出来ますよ。」
「まあ、わたしスカートを履いているのよ。」
「誰も、いないじゃありませんか。」
「貴方が見ているわ、マルノさん。」
「私などに気にしないで下さい。」
「そうは行きませんよ、マルノさん。」
マルノは椅子から立ち上がると、
「それでは別の部屋に行きましょう。」
メリットンも立ち上がると、
「ええ、ついて行きますよ、マルノさん。」
部屋の奥にはドアがあった。二人は、その部屋に入る。
二人が入ると同時に照明が点いたようだ。
ドアはオートロックで自動的に閉まった。
広い部屋だが、そこはベッドルーム、寝室なのである。
ダブルベッドに赤い布団、赤いカーテンに床は白の絨毯が
敷き詰めている。メリットンは大驚して、
「なんとベッドルーム・・・・。」
と絶句した。
 マルノは上着を脱いだ。白いカッターシャツの彼は、
「アイラン・メリットンさん。ここでは貴女はUFO関連機関の人間である事を忘れて欲しいんです。貴女は服を着ていても素晴らしい魅力のある体だ。僕の股間を見てください。」
メリットンはマルノに云われたまま、彼の股間を見ると、そこは大きく盛り上がっていた。彼女は、
「まあ!凄い!」
声を上げると自分の上着を脱ぐ。その下にも服を着ているがメリットンの乳房が形よく浮き出ている。マルノはカッターシャツも脱いでシャツ姿になる。メリットンも最後の上着を脱いでブラジャーだけの上半身になった。
薄めのブラジャーで彼女の盛り上がった大きな乳房の先にある豆のような乳首はクッキリと浮かび出ている。二人は、どちらからともなく近づいて抱き合った。そして二人の唇は重なり、長い時間の間、
離れなかった。マルノはキスしたままメリットンを横抱きに抱いてダブルベッドに優しく寝そべらせる。キスを続けつつマルノはメリットンの白い薄めのブラジャーを外した。
揉まれるのを待っているような白い大きな乳房を見るとマルノは唇を離し、メリットンの乳首を右、左と吸う。メリットンは心地よさそうに目を細めると両脚を大きく開く。マルノは身を起こすと、メリットンのスカートを外した。白いパンティは薄くて彼女の股間の真っ黒な陰剛毛の縮れた様子をハッキリと映している。
そのパンティに食い込んだ彼女の陰部は男のモノを咥えたさそうな女陰を示していた。マルノは紐で外せる彼女のパンティを両側共に外すと、アイランの股間を隠していた薄い繊維を横に移動させる。
縦長の女のスジが少し開き、マルノの肉棒を欲しそうにしていた。
マルノは素早く自分のズボンとパンツを脱ぎ棄てる。
最大限に屹立したマルノのモノはアイランの開いた女性器の中に埋め込まれていく。アイランは気持ちよさそうに、
「アアッ、最高よっ、はーっ、奥まで来てーんっ。」
と少し自分の白い大きな臀部を持ち上げてマルノと深く身を合体させた。全裸の二人は共に腰を動かし始める。
三分間は性器をピッタリと合わせて擦り合う。アイランの白い大きな乳房は揺れて、ピンクの彼女の乳首は硬く尖っていた。
快感の波に乗っている二人だったが、マルノは腰の動きを止める。アイランは閉じていた両眼を開けると、
「どうして、止めるの?」
と意外な顔で聞く。彼女の黒髪は乱れていた。マルノは、
「気になっていたた事を思い出したよ、アイラン。」
メリットンは止まっている大きなマルノの陽肉棒を自分の中で感じつつ、
「なんなの?それは?」
「君の個人的な月への見解だ。」
押して引くという動作を止められてメリットンは快楽の波が止まったのを感じた。質問に答える彼女、
「個人的には月の見解は、ないんです。でも私の所属する機関は、月の裏側には人が住んでいる事や、月にある大気、水、酸素などの事実を捕まえている。重力も地球と、ほぼ同じらしいわ。」
「ありがとう。御褒美に快楽を一緒に味わおう。」
マルノの腰は再び動き始め、アイランの膣内を自在に往復した。アイランは長い髪を振り乱して自分の尻をマルノの腰の動きに合わせて振り続け、快楽の沼に溺れて行った・・・・。

 こちらは性感マッサージ師の快乱が座っている軍隊の部屋だ。一人の男が入って来た。彼は背広姿で軍服ではない。きりっと引き締まった顔で、両脚の踵をくっつけて背を伸ばすと部屋の中の軍人に敬礼し、
「サットン少佐、地球のアメリカから戻りましたっ。」
と報告した。
サットン少佐も立ち上がり、敬礼して、
「うむ、ご苦労だった。マルノ・ゲッティー大尉。かなり昔から活躍しておられますね。ゲッティー家は地球のアメリカで。」
と話す。マルノ・ゲッティ大尉は、
「私はマルノ・ゲッティ三世です。祖父が同じ名前のマルノ・ゲッティで、父はカルノ・ゲッティーでした。いずれも地球のアメリカのUFOに対する声明をしている公的機関の女をベッドに、いざない、
性交して動作を止める事により、彼女達の自白を引き出してきました。」
と喜び勇んで説明する。サットン少佐は椅子に座ると、
「ゲッティー大尉、座り給え。」
「はい、サットン少佐。」
ゲッティー大尉が木製の椅子に座った後、サットン少佐は自分の胸に触ると、
「一か月ほど、南の島で勤務してもらう。太陽の光は十分だ。ワシントンは寒かっただろう?」
と探りを入れるように聞く。ゲッティー大尉は思い出すように、
「寒かったですよ、アメリカの首都は。地球人って寒いのが好きなんですか。」
サットン少佐は、
「そうだな。我々は寒くなる地方に人は誰も住んでいない。地球の面積が狭いためだろう。」
「南の島の軍事施設では女もいないでしょう。」
とゲッティー大尉は云うと、うつむいた。
 サットン少佐は、
「原住民の女は、いる。それと施設内にある売店やレストラン、マッサージ室などにも若い女性が勤務している。あの施設では若い女性をハントする事が許されているんだ。ゲッティー大尉の寝室に若い女を連れ込み、セックスする事も許可されているからね。
売春施設がないだけに、腕の見せ所だよ、ゲッティー君。」
との訓示であった。サットン少佐は続けて、
「今から行ってもらう、ゲッティー大尉。コリントン中佐の部屋へ行け。」
ゲッティー大尉は立ち上がると、気を付けの姿勢に敬礼をして、
「行ってまいります。」