SF小説・未来の出来事36 試し読み

それでも答えなければ、と喜須江は思い、
「暇では、ありません。」
と答えてみた。美青年は諦めずに、
「それでは、いつ、暇になりますか?」
と聞いてくる。
喜須江は少し微笑むと、
「さあ、ね。先の予定は分からないものヨ。」
美青年は納得して、
「そうですね。それでも今は貴女は暇そうに見えましたから。」
と、なおも食い下がった。
地下街の明るさで見ても大変な美青年だ。喜須江は、
「あなたは左翼の人ですか?」
と聞くと、美青年は微笑して、
「そうですとも。僕は左翼ですよ。あなたは?」
「分からない。日本紅党に入ろうかな、と思っているの。あなたは紅党に入っていますか?」
「いえ、まだ、これからです。」
「それでは今までの左翼の人ですか?」
「そう、ですね。場所がね、ここでは、ないんだけど。」
喜須江は美青年が福岡市の人間ではないと類推した。自分も東京から福岡に来ている。もしかして、この美青年は東京から?喜須江は上を見上げて、
「ここではないって、東京からですか?」
「いいえ、東京では、ありません。もっと、いいところです。」
喜須江はドヨーンと意識が旋転するが、
「もっといいところって、日本ではないんですね?」
美青年は笑みを浮かべると、
「日本では、ありませんよ。しかし、日本に近いといえば近いです。私に、ついてくれば分かりますよ。楽園です。」
日本に近い場所にある楽園。バリ島、とか、そういう島なのか、と喜須江は思いを馳せた。かといって、この青年に簡単に随行しても、いいものかなと喜須江は考えていた。黙っている喜須江に、
「おや?楽園というのに興味は、ないんですか?貴女の生活は既に楽園生活?」
そうではない、と喜須江は思う。で、
「楽園生活には程遠いです。男性との縁もないみたいですから、わたし。」
その反応に気を好転させたらしい美青年は、
「それは今日で終わりにしましょう。貴女の予定も、ある。名刺を差し上げます、貰ってくださいね。」
と胸のポケットから名刺を出して喜須江に渡した。薄い金属で出来た名刺。この名刺が、のちに喜須江の運命を変転させていくのだが、今の喜須江には軽い金属の名刺にしか思えなかった。
愛野道男(あいの・みちお)
ウェブ・コンサルタント
 その他、IT関連の御相談に乗ります。ホームページ制作からサイバーセキュリティ、クラウドファンディングも、お任せください。
という名刺の内容だった。電話番号と住所も書いてある。が、なんと住所は空に浮かぶ島の愛高島ではないか。喜須江が名刺から顔を上げて見ると美青年は、いつの間にか、いなくなっていた。
 美青年はIT関連の人間だったのだ。自分もネット記者だし、と喜須江は軽い金属の名刺を手にして思う。地下街の遠くを見ても美青年は見えなくなっていた。
喜須江はズボンのポケットに美青年、愛野道男の金属名刺を入れると立ち上がり、地下街を歩いていく。驚異的に長い地下街で、この地下街は福岡市の中心的繁華街の天神地下街に続いている。そのためには長い工事期間が必要だった。
数キロに亘る地下街としては日本一の長さだろう。福岡市営地下鉄の駅と隣接する事で地下鉄の駅を降りると地下の商店街に、すぐ出られるというものだ。喜須江が歩いていても地下鉄の駅に近くなると人通りが多いのに喜須江は気づいた。
「福岡ぶらぶら探訪記」という連載ものを社会部デスクに頼まれている伴野喜須江だ。歩行にしても相当な距離を歩いていると実感する喜須江。博多駅と天神駅を地下で繋ぐという道のりは運動としても、かなりなものがある。
 天神駅の地下街に近づいた時に喜須江は快音を見つけた、と思ったのだ。背広姿ではないので、それだけ目立つ姿の快音だ。その辺は小さな噴水広場があり、そこに快音らしき男が立っている。だが・・。喜須江の視線を受けて、快音は喜須江を見たが何の変化も顔には見せなかった。喜須江は(おかしいわね、勢君。)と思って、彼との距離が三メートルの所で「勢君。」と呼びかけてみた。
快音らしい男は初めて目を瞬かせ、
「はい。僕は勢ですが、貴女は、どなたでしょう?」
と答える。喜須江は、
「わたしよ。忘れたの?伴野です、同級生の。」
「ええ?僕の同級生に伴野なんて人は、いませんでしたね。」
との返答に喜須江は、
「記憶喪失しているのかしら。博多超ビッグホテルの地下に勢君は泊まっていたわよね?」
「は??え?あそこには泊まっていませんよ。僕は天神駅の安いビジネスホテルに泊まっていました。人違いでは、ありませんか?」
世の中には似た人は数人はいると言われている。勢快音に似た人も、いても可笑しくはない。それに、ここは福岡市だ。とうとう快音を見失った喜須江。快音は一体、どこに消えたのか?と錯綜とした思いに捕らわれた喜須江であったが、それにしても快音と、よく似ている男性で年齢も近そうだ。それでも最後の望みを賭けて喜須江は訊いて見る。
「勢快音君、ではないのですね。失礼しました。」
と話して喜須江は立ち去ろうとした。すると、その男は、
「ああ。待ってください。勢快音は僕の兄の名前ですよ。僕は兄の一つ下の弟です。昔から人には、よく似た兄弟、と言われています。貴女は快音の同級生の方ですね。失礼しました。」
と話して白い歯を見せた。
立ち去ろうとした足を止めた喜須江は、
「そうだったの。快音君の弟さん。今、ここで何をしていますか?」
快音の弟は、
「待ち合わせですよ、女の人とね。詳しくは話せませんが、撮影するんですよ。その辺で勘弁して下さい。」
と話す。喜須江は遠慮がちになり、
「それは失礼しました。プライベートな待ち合わせでしたのね。東京から、ここまで、その撮影のために来たの?」
「ええ。スマホ一つでSNSで出会い、彼女も意気投合しましたから撮影させてくれるんですよ、という事ですけど。」
快音と梨ふたつのように似ていて双子みたいな男だ。それでも喜須江は、
「お邪魔だったわね、わたし。」
「いいえ、兄さんの彼女なら問題ないですよ。」
「あら、わたし快音君の彼女じゃないのよ。」
「そう?ですか。まあ、いいや。兄と親しい人なら邪魔とは思いません。兄の世話には随分と、なりましたから。」
「あなたも得度していますか?実家は御寺ですものね。」
快音の弟は自分の右手で自分の頭を撫でると、手を降ろして、
「ああ、剃髪もしました、そう、得度も。でも坊さんの資格を取る修行には行っていないんです。カメラの専門学校に行きました。動画も撮ります。」
と意外な経歴を披歴した快音の弟だ。彼は目を開くと、
「初めまして。快音の弟で快人(かいじん)と言います。」
と名乗る。喜須江は、
「はじめまして御挨拶します、伴野喜須江です。」
快人は、
「伴野さんは何を、なさっていますか?職業は。」
道行く人たちは二人を気にも留めない。喜須江は、
「ネット新聞記者なんです。それで東京から福岡へ。博多駅の地下街から、ここまで歩いてきました。長い地下街ですねー、ここは。」
快人は、うなずくと、
「日本一らしいですよ。地下街としては。プロ野球も福岡市に又、球団が出来ましたね、そして去年は日本一でした。」
「うん。そうね。日本一の多い福岡市だわ。SF福岡に取材に行こうと思っているのだけど。」
「それは、いいですね。SFは僕も読みますよ、電子書籍で。伴野さんも読みますか?SF?」
「時々、読みますわ。普通は恋愛ものの小説を電子書籍で読みます。」
「ははあ。伴野さんは独身ですね。違いますか?」
「ええ、独身よ。まだ二十三歳ですもの。」
「あ、来ました。ぼくの待ち人が。そうだ、取材しませんか?伴野さん。僕が撮影しているのを。」
長身のモデル風美女が勢快人の近くに歩いてきて立ち止まる。その美女は快人に、
「お待たせ。お話し中に割り込んだみたいですね。」
と端正な顔に静かな微笑みを浮かべて話した美女だ。快人は右手を上げると、
「やあ。待ちませんよ。この女性はネット新聞記者の方で、僕の撮影を取材してくれるんだって。」
と喜須江の返答を待たずに取材敢行を決めた口ぶりだ。喜須江は異としないのだろう、無言でいる。モデル風美女は納得した顔で、
「それは、ありがとうございます。ぜひ、取材してください。」
と楽しそうに話す。喜須江は二人に、
「それでは、取材する事にします。どこで撮影を行なうのですか?」
快人が、
「海辺に行きますよ。今日は風も穏やかだし、那珂川を東に渡って海の方に北に行けば博多港です。そこからは韓国の釜山に行く船も出ています。歩いて数キロはあるのでタクシーで行きましょう。」
三人は地上に出てタクシーに乗った。
喜須江を前の席に、快人とモデルは後部座席に乗る。快人は、
「博多港まで。」
と、AIを搭載した若い男の風貌のロボットに言う。ロボットは、
「博多港ですね。毎度、ありがとうございます。」
と答えたが、操作も何もしない。
博多港、という言葉に自動運転車に備えられたナビが反応して自動的に博多港を目指してタクシーは発進したのだ。
タクシー自体に行先を判断して出発できる機能が、あるらしい。喜須江の視界はビルと歩道の人の流れ、から川を渡り左折した車からは海に近づいていくのが塩の匂いで感じられた。
博多港に着いたので三人はタクシーを降りる。料金は快人がスマホ決済していた。人通りの少ない場所に快人は二人を連れていく。軽い潮風がモデルの長い黒髪を揺らせている。快人はモデルに、
「そこで腰に片手を当てて。」
とポーズを取らせてデジタルカメラで撮影した。港には大型貨物船が悠々と停泊している。カモメは、いない博多港だ。カモメの食べ物が、ないのだろう。博多港には鳩やカラスも来ない。それは、わびしい港であることを示している。そういう港には船に乗る人以外、人が集まる事もない。どうして、そうなのか。
博多港には公園がなく、緑の樹木もないのである。今、モデルは海面まで五メートルの場所で快人の指示通り、色々とポーズを取っている。快人はモデルにデジタルカメラを構えたまま、
「次は水着になろう。服は伴野さん、お願いします。」
長髪、長身のモデルは、そこで服と長いスカートを脱いで水着になった。黒の水着はビキニで低い高さの股間の逆三角形のものだ。胸の部分も少ない面積なので彼女の乳房の白い肌が大幅に露出している。それはモデルの尻の部分も同じだ。
人通りのない場所だけに撮影も、やりやすい。快人はビキニになっているモデルに、
「そこのベンチに座って。はい、両脚を大きく広げて。」
と指示する。
モデルは言われた通りにビキニ姿でベンチに腰かけ、大開脚した。快人はデジタルカメラを写真撮影だけでなく、同時に動画として撮影していくというモードに設定している。普通のデジタルカメラでは写真撮影と動画撮影は同時に出来ない。それが同時に出来るという今までにないデジタルカメラを快人は持っている。
伴野喜須江はモデルの衣服を腕に下げて持ちながら、大胆なモデルのポーズに少し驚いた。快人はデジタルカメラに当てた眼を離さずに、
「次はベンチの上で四つん這いになって、お尻をカメラに向けて高く持ち上げよう。」
言われた通りにモデルはビキニ姿でベンチに四つん這いになり、顔を後ろに向けると大きな桃のような尻を高く持ち上げた。
快音はカメラを向けたまま、
「よし、いい構図だ。尻の割れ目が半分、見えるくらいパンツを下げて。」
モデルは左手で股間を覆うものをズリさげて、半尻が見えるようにした。快人は、
「よーし、いいよ。すぐに持ち上げて尻を隠そう。よし、この辺で一旦、停止する。次の場所に行くまで休憩しよう。伴野さん、モデルの服を彼女に返してあげて下さい。」
言われた通りに伴野喜須江はモデルの服を彼女に渡した。手早く服を身に着けるモデルだ。ウーッ、ドクドクドク、港の汽船が音を立てた。モデルの水着姿は乳首が浮き出ているものであった。開脚した時には股間の縦筋もクッキリとしていた。それを伴野喜須江はシッカリと見ていたのである。
 三人で並んでベンチに腰かけて休憩する。快人が真ん中で両隣りに服を着たモデルと伴野喜須江だ。快人の右隣が喜須江で、喜須江は海を見ていた目を快人に向けると、
「勢さんは政党は何処を支持するの?」
と気楽な感じで質問する。快人は、なごやかな様子で、
「日本紅党ですよ。この前、日本紅党のオンライン演説会をネットで見たけど、党首の桜見さんが公約を色々としていました。それで今度の選挙は日本紅党に投票しようか、と思っているんですよ。」
話した。
喜須江はモデルに、
「モデルさんは、どうですか?政党の支持する所なんて、ありますか。」
と尋ねると、服を着ても大きな胸を隠せないモデルは、
「わたしも日本紅党に投票しますよ。わたしもオンライン演説会をネットで見ました。大胆なモデル活動も認めてくれる日本紅党なんだな、って思ったわ。」
潮風は優しく吹いている。喜須江は日本紅党の躍進を思った。快人に向けて喜須江は、
「勢さんは実家が、御寺ですよね。そちらの方は、やらないのですか。」
快人は自分の長めの髪を潮風に揺らせて、
「うん、兄さんが跡を継ぐと思いますよ。僕は自由に、させてもらっています。写真と動画の専門学校を出て、アルバイトで貯めた資金でインドに行きました。そこでジャイナ教と出会い、修行僧になったんです。ジャイナ教は仏教とは随分違うと思いましたよ。
 菜食なのは、いいんですがね。服を全く着ないで人の前に姿を見せるんです。股間にも何も当てないんですよ。」
と話すので、喜須江もモデルも(きゃっ)という顔をした。喜須江は、
「それではヌードのまま、でいる、という事ですね?快人さん。」
快人は愉快そうに、
「そうです。それは露出狂ではなくて、何も持たないという事を示す為なんです。財産とかは勿論、服も持っていない事を体で示すんですよ。それで裸のまま、托鉢に行くんです。底の深い皿を持って富裕な食べ物をくれる屋敷に行くんですが、インド南部なので気候は暑いし裸でいる事には心地よさがあります。股間も何もしませんし。チンコと金玉を揺らせて歩く事になります。」
そこでモデルと喜須江は顔を赤くした。
快人の裸体で歩行する姿を二人は想像してしまったのだ。実際に南インドで快人は裸体でいる修行をしていたのだから。それにしても一般的にパンツとズボンで男性器は固定されているから、歩いたところで股間の揺れは感じないものだが、それに戸外にいる場合でもプールや海岸では海水パンツを履いているために性器の揺れは感じないものだ。裸体の快人は初めて戸外で自分の性器の揺れを感じたのだろう。快人は港の風を吸い込むと、
「いつもは、その屋敷の勝手口みたいなところに行って、カレーやフルーツを貰っていました。老女の召使みたいな人に、たっぷりと皿に食べ物を入れてもらいましたよ。老女は僕の股間は別に気にせずに親切に食べ物の布施をしてくれました。
それが或る日、そこの勝手口に行くと出てきたのは若い女性で、その屋敷の娘のようでした。その日は、とても暑い日で娘らしい女性もビキニで出て来たんです。全裸の僕を見ても、その娘は驚かずに準備してきた大量の食品を僕の皿に入れてくれました。大きな胸の娘で尻も大きいらしい。水着の胸の部分は乳首が突き出そうな様子でした。僕は、その娘が近くにいるのを見て半勃起してしまったんです。
それでも富裕な屋敷の娘は僕の股間を気にしないでいてくれましたけどね。」
喜須江とモデルの女性は沈黙を続ける。快人は宙を見つめて回想し、
「やはり修行が足りないんだな、と思いましたよ。いずれは人が通る道沿いで全裸で対応しなければ、ならなくなるんです。道行く信者に全裸で、お祓いもしないといけなくなる。そこで僕はジャイナ教をやめて、日本に戻りました。」
と述懐する快人。
 中年のインド人が三人の前に現れた。白い衣を、身につけただけの、その男性は快人に、
「ここにいるのは分かっていた。快人君、久しぶりだ。」
快人はニッコリして、
「グル。よく私の居場所が分かりましたね。」
快人のジャイナ教の師らしい。グルは、
「それは瞑想して君を突き止めたよ。私は何も持っていない。」
と語ると白い衣を右手で取る。
そのグルの全裸の姿が現れた。男性器も丸だしだ。喜須江と女性モデルは両手で目を隠す。
五秒ほど全裸を示すとグルは白い衣を再び身に纏い、
「それでは快人君。しばらく私は日本にいる。ただ、日本でジャイナ教を広めるつもりはない。ジャイナ教を修行したければ又、インドに来るのだ。それでは快人、さらばだ、しばし。」
と話すと速足で港のフェリーの発着口がある建物へ歩いて行った。喜須江は両手を目から離すと、
「すごい先生ですね。いきなり裸を見せるんですもの。結構、大きな竿でしたわ。目を隠す前に、よく見ましたもの、わたし。」
と話した。
快人は心静かに、
「あれも修行なんですよ。若い女性に自分の裸を見せて、何も持たない事を示すと共に、勃起もしない事を見せるんです。師の竿は微動だにしていませんでした。」
と快人は解説する。女性モデルも両手を目から離すと、
「わたしも少し、あの先生の竿と玉を見ましたわ。あんなに大きいのに、女性に使わないなんてと思うわよ。」
と異見を述べるが、快人は、
「性交をしないのが修行僧の決まりです。先生は修行僧になる前に大勢のインドの女を抱いたらしいですよ。二千人位のインド女性と朝晩、やっていたそうです。」
女性モデルは大いに納得して、
「それでは。もう飽きてしまったのかな、女には。」
快人は、
「そうだね。休憩は、もういいだろう。海に潜ろうか、それでは。」
と云うと立ち上がった。
 快人に附いていった二人は近くにスキューバダイビングが出来る店があるのを目にする。快人は受付の前で二人に、
「費用は全部、僕が出す。伴野さんも、どうですか?」
と云うと、次に伴野喜須江の顔を見た。喜須江は、
「ええ、やりますよ。スキューバダイビングって、やってみたかったんです。」
 三人は更衣室で着替えて、服を別の場所のロッカーに入れた。酸素ボンベも軽量のもので作られているために背負いやすい。店の入り口とは別の所に海に面した飛び込める場所から快人を先頭に三人は博多湾に飛び込んだ。
 博多湾の浅い水中だが三人の足が海底に届いて立てる浅さではない。快人を先頭に海中を泳いでいく。しばらく泳ぐと先頭の快人は停止すると女性モデルも泳ぎ止まる。快人は海中でデジタルカメラを手にして構えたではないか!
モデルは魚のひれのような足に付けた靴を動かしつつ、ビキニを外し双方の白い乳房を海中で披露した。
快人はデジタルカメラで撮影を開始している。次にモデルは股間の薄くて短い覆いを下にずらす、彼女の黒い恥毛が海中に揺れ動く。海中ヌード撮影を快人は実行した。
快人はデジタルカメラを海中に手放すと自分のスキューバダイビング用の水着を前のジッパーを降ろして外した。酸素ボンベは背中に背負ったまま快人は海中で前面は全裸となって立っている姿勢になる。それからデジタルカメラを手にすると白い巨乳と黒の股間を露わにしている美人モデルを丹念に撮影する。ボクボクボクと口の辺りから泡を出しつつ快人は平泳ぎの姿勢で裸身に近い美女を撮影していくのだ。伴野喜須江は酸素ボンベの存在を忘れてしまうほど海中にいるのを実感せず、二人の裸体を熱心に見つめ続ける。美女モデルは水中用のゴーグルを目に当てているし、快人や喜須江も、それは同じだ。被写体としての美人モデルも次第に大胆なポーズを繰り広げていくようだ。
海中というものは無重力状態に似ているため、思いのままに身体を動かせるのだ。それでモデルは仰向けになった状態になり、海の中で両脚を大きく広げた。その際に、股間のビキニを両膝までズリさげて、M字開脚と呼ばれる姿勢を取る。それで海の中だけに美女の股間の中心にある開いた貝のような場所は神秘的な態様を示している。一般的に公開するのにはボカシのような修正が必要であるが、喜須江は紅党党首の桜見総統が、ー公約の一つとして、女性器を隠す必要のない法律を作ろうと思っているの・と話していたのを思い出した。無修正の解禁を桜見総統は考えていたのだ!勢快人はマスターテープを持ち続けるだろう。そうすれば、いつの日か桜見総統が政権を取れば女性器の無修正が解禁される時が来る。その時には勢快人は堂々と今、撮影している美人モデルの海中の無修正ヌードを公表できる。