体験版・sf小説・未来の出来事50

ご機嫌よう。カーラル・ゴリオンだ。ビル前のロータリーに車を停めている。すぐに来て欲しいのは現役モデルだけで、空野星男君、君は来なくていいよ。
空野星男はスマートフォンを耳に当てたまま、
「はい、そのように致します。谷底喪出那(たにそこ・もでな)さんが、すぐに駆け付けますので、お待ち下さい。」
―ああ、待っている。
空野は通話を切ると、
「谷底さん、このビルのロータリーに車が来ているよ。カーラル・ゴリオンさんが、お待ちかねです。」
と話す。
谷底喪出那はモデルらしく立ち上がると、
「ありがとう、ございます。それでは。」
と部屋を出てエレベーターで一階に降りると玄関を出た。白い外国車が優雅に停車していた。左の運転席に座っているのはハンサムな三十代の外国人男性で、彼がカーラル・ゴリオンであろう。谷底に気づいたゴリオンは運転席から右手を振ると助手席のドアを開けた。膝より短いミニスカートの谷底喪出那はスカートの裾を揺らめかせて助手席に座る。ドアが閉まると車は発車した。喪出那の白い肌の膝から下は艶めかしい。白の上着に白のミニスカートの喪出那である。彼女の胸はロケットが発射しそうな態勢を取っているかのように突き出ている。カーラル・ゴリオンは運転席から右目で谷底喪出那の胸と股間の辺りを確認するとアクセルを踏んだ。
 ういういしい谷底喪出那の若い香気がカーラル・ゴリオンに振りかかって来る。ゴリオンは自動運転に切り替えたのでハンドルは握らない。右手で喪出那の左乳房を服の上から触って揉む。柔らかい弾力がして喪出那は、
「はっ、あん。」
と色気が充満した声を出した。喪出那は(運転中なのに)と思って運転席のハンドルを見た。するとゴリオンが握っていないのにハンドルは少しずつ動いていた。(自動運転なのね)自分の乳首が少し硬くなったのを覚えた喪出那は次にミニスカートの中へゴリオンの右手の指が入り、自分の股間に辿り着くと女のスジの上から下へ優しくスーッと撫でおろされたので、
「あうん!いいっ。」
と声を出してしまった。ゴリオンは右手を喪出那のミニスカートから抜き取ると、
「とてもいい体だ。この辺にしておいて別の場所で、もっと楽しもう。」
と話しかけた。喪出那は顔を赤くすると、黙って頷く。
北東に向かって車は走っている。福岡市東区を抜けると途端に侘しい風景となるものだ。そこから、しばらく行くとラブホテルなども見えてくる。車道から、すぐに入れるラブモーテルともいうべき建物が喪出那の目にも入り始めた。
喪出那は、どのラブホテルに連れ込まるのか期待で大きな胸を更に膨らませた。
カーラル・ゴリオンは、そもそも運転していないのでカーナビゲーションシステムがラブホテルへの入館まで決定しているはずだ。大きな車道を外れてゴリオンの車は海へ向かう小さな道へ進路変更した。
舗装されていない道に入る。そこから砂浜が見えて海が見える。十一月でも暑い日が続いているとはいえ平日であるし海岸には人は誰も居ない。晴天の空に雲が集まり始めて曇り空となった。車は砂浜に入り込むと停車したのである。ここがカーナビの目的地なのか。
雨が降りそうなほど暗い。と、その時、空に球形の物体が見え始めた。それは二人が乗った車に近づいてくる。あっという間に車から十メートルの高さに来ると、その空間に停止したUFOだ。銀色の外観で基底部から黄色の光線を車に発すると、その光はガッチリと車を捉えて上へ引き上げた。十秒以内に車は、そのUFO内に捕獲されたのである。
喪出那は広い空間に車が移動したのを知り、(ここは何処なのかしら?上空に異動していったのは分かるけど。)
ゴリオンは平然とした顔をしていたが、
「降りようか。谷底さん。」
と呼び掛けると自分は運転席を降りる。喪出那も助手席から降りた。ゴリオンは喪出那の方を向くと、
「ここは、いわゆる円盤内だ。地球の乗り物ではない。」
と説明した。
喪出那は驚いたが、
「それで、これから、どうなるのですか。ゴリオンさん、あなたは・・・。」
「そうだよ。もちろん私は地球外生命体だ。地球の人間の恰好をしているが本来の私の姿を見せよう。」
と話すとゴリオンの顔は蛇の顔になり、両手は左右に三本ずつになって合計六本の手になった。喪出那は気を失いそうになったが、爬虫類のゴリオンとは三メートルの距離がある。逃げ出そうと思っても床に瞬間強力接着剤で足が固定されたように動けなかった。
蛇の頭のゴリオンは二本の右手を伸ばして行くと、三メートルの距離を問題なく縮めて、三メートルも伸びた二本の手で喪出那の両胸を掴み、揉み始めたのだ。
「いやあんっ!ああっ、はああああっ。」
喪出那の動けない体の乳房をゴリオンの右手二本が巧みに揉むと、硬くなった喪出那の乳首を転がすように愛撫した。次にゴリオンは左手の二本を伸ばして行き、彼女の上着を掴むとスルリと脱がせていく。すぐに上着は剥ぎ取られて喪出那の白いブラジャー姿が露わになる。
そのブラジャーも薄手のモノで乳首などは透けて見えるのだ。少しの間、離れたゴリオンの右手二本は喪出那の白い透けたブラジャーの上から、こぼれそうな彼女の甘い果実のような大乳房を揉みまくった。
「あああああっ。気持ちいいですっ。わたし愛人なのですね。」
と目を薄く開けて喪出那は声を上げた。ゴリオンは蛇の頭で、
「ああ、そうだよ。お手当はタップリと上げるからな。私はドイツ人に、なりすませていたし、これから先も成りすます期間は短くないと思う。ドイツの対日工作課は私が大部分、動かしている。」
乳房を揉みしだかれてメロメロになっている喪出那は、少し股間も濡らしていた。その変異を見て取ったゴリオンは、
「オマンコも待っているようだな。よし、今すぐ行く。」
と声を掛けると二本の左手で彼女のミニスカートを剥ぎ取る。喪出那のショーツは薄いというより透明に近くて、桃色のスジと、その上の濃くて広い面積の黒毛恥毛がハッキリと見えたし、桃色スジの周りが薄く濡れている。
「やんっ、恥ずかしいわっ。」
と云いつつ顔を隠す喪出那の下着露出姿の乳房と股間を蛇頭のゴリオンの左手二本は股間の恥部、右手二本は豊乳二つを愛撫した。喪出那は立ったまま、両脚を広げて、
「早く来て。ゴリオンさん!」
と両手を前に突き出す。彼女の顔はピンク色になり、好色な目をして赤い唇を少し開けて赤い舌を少し出した。ゴリオンは伸ばしていない残った左右の二本の手で自分のズボンを降ろすと、パンツも下に下げた。すると、おお、見よ!ゴリオンの陰茎は太く長く伸びて、それが上下に一本ずつ、二本の勃起した陰茎があり、睾丸は四つの玉を内包している。
「いくぞっ、喪出那―っ。」
と叫ぶように声を出すと、ゴリオンの勃起竿は上下二本とも喪出那に向かって伸びていき、彼女の股間の近くで待ち構えるように静止した。
ゴリオンの四本の手は彼女の乳房を覆うブラジャーと透明に近いショーツを剥ぎ取り、白い肌の全裸を喪出那は露わにした。すぐに伸びてきたゴリオンの二本の怒勃起陰茎は、それぞれ彼女の女体桃色スジと肛門に同時に没入したのだ!三メートルも伸びた二本の怒勃起竿は充分に喪出那の二つの穴に埋没して緩やかに、そして段々と早く前後運動を開始した。喪出那は顔を後ろに反らせて、長い黒髪を揺らせながら、
「ああ。二つ同時に入ってるーっ、二か所同時の快感、気持ちいいーっ。あんあんあんっ。」
と快楽に溺れる声を出した。三メートルも離れて繋がっている男女。蛇頭のゴリオンは上着だけ着ているが、全裸の喪出那は隠すところもない。弓のように曲がったゴリオンの怒勃起陰茎に股間の両方の穴に挿入されているのだ。
これが愛人生活の初めなんて、と喪出那は思いながら、あまりの気持ちよさに失神しないようにしていた。それはゴリオンも同じで三十分は耐えていたが、たまらなくなって二本の怒勃起陰茎の先端の亀頭から同時に白い巨液を吐き出していた。萎えたモノを二本、喪出那の二女穴から引き出すと魔法の杖のように自分の股間に戻していったゴリオンは歩いて喪出那に近づくと抱きしめて唇を重ねた。ゴリオンの二本の手は喪出那の狭い細い両肩を、更に二本の手は喪出那の両方の乳房を、最後の二本は彼女の股間に伸びていた。
接吻をしながら舌を絡める二人、喪出那は肩、乳房、股間を同時に触られて、又しても味わったことのない極快感を覚えるのだった。
喪出那は横に抱きかかえられて廊下のような所を移動していき、ドアのある部屋の中に入ると、そこにはトリプルベッドとも呼べる大きな寝台があった。喪出那は、そこへ全裸のまま降ろされ仰向けになると自分で大きく両脚を広げた。
蛇の頭のゴリオンは赤い舌が二枚もあるのだ。その二枚舌で喪出那はクンニリングスされて又しても極快感を覚える。
こんな鮮烈な愛人生活が地球上にあるだろうか。
喪出那は気持ち良くなりすぎて遂に失神した。

次に目覚めた喪出那は寝室の窓から外の風景が見えた。地地球ではない!どこか知らぬ星に来ているのだ。なにせカーラル・ゴリオンは地球外生命体だ。このUFOは地球を飛び立っていったのだ。喪出那が目を覚ましたのに気付いたカーラル・ゴリオンは彼女の裸身の背中に舌を這わせると、
「おはよう。君の体に触れるとオレの二本の息子は元気づいているよ。朝から、するのなら、しよう。」
と喪出那の後ろから手を伸ばして彼女のおいしそうな乳房を軽く掴んだ。それだけで喪出那は股間を少し濡らしたのだ。まるで新婚夫婦のような二人で、愛人と呼べないような喪出那の裸身なのだ。喪出那は背中と乳房に快感を感じつつ、
「ここは何処なのですか?」
単純に聞いてみた。ゴリオンは、
「ここは私の星だ、と言いたいけれどもね。まだ途中の星なんだ。宇宙空間は信じられない程、広大で地球人は、それを実感できないだろう。今、いる星は動物がいない星で植物だけだから酸素が充満している。それを円盤内に補充しているんだよ。それだけでなく円盤内には観葉植物を植えているからね、長い旅も酸素は欠乏しない。それと、この星では野菜と果物は取り放題だ。君が目を覚ますまで私は、円盤から降りて背中に担ぐリュックと六本の手で持ったバッグの中に果物と野菜を詰めるだけ積み込んで持ってきたよ。」
と話して彼女の乳房から手を離した。

SF小説・未来の出来事48 試し読み

白俵金二郎は日本紅党の本部が実は福岡市にある事を知った。渋谷区新代々木の日本紅党に行くと受付の男性が、
「桜見代表は現在、福岡市の本部にいます。」
と白俵に答えたので急転直下、白俵は九州の福岡市に行かなければ、ならなくなった。新代々木駅で白俵は新進民主党の代表の玉金硬一郎にスマートフォンで連絡した。
「玉金代表、桜見は福岡市にいるそうですよ。」
–そうか、それなら福岡市に行ってこい。何泊してもいいから桜見の誕生時間を調べるように。
「はい、そうします。一泊で済む様に努力しますよ。」
–そうだな。でも予算は、あるだろ?足りなければ送ってやるから。
「はい、それでは行ってきます、玉金代表。」
秘書の白俵金二郎は、そこからタクシーで羽田空港に向かった。
 飛行機の旅など福岡までなら旅とは言えず、白俵は板付空港からフレッシュアイランドにある日本紅党の本部へタクシーで移動した。資金のある日本紅党らしく本部ビルは借り物ではない。玄関を入り受付の女性に白俵は、
「占いジャーナルの勝島と申します。桜見代表に取材したいのですが。」
と申し出ると、
「ただいま桜見は席を外しておりまして・・午後には戻ってまいります。」
と答えたので白俵は、
「あっ、そうですか。午後何時くらいに、お伺いすれば、いいんでしょう?」
「桜見は占いは信じていない方なので、お会いする保証は出来ません。」
と拒絶の意志を感じさせる言い方に白俵は、
「ええ、ええ。それでも私どものネット雑誌に桜見代表を掲載すれば宣伝にも、なると思いますよ。」
それに受付の女性は少し軟化すると、
「そうですね。午後二時に帰党の予定です。」
「それでは、又、その頃、お伺いします。」
「ええ、どうぞ。」
という事で一旦、退却となった白俵は暇を潰さなければ、ならなくなった。白俵は民民党の職員だったので占いは少し詳しい。玉金硬一郎に誘われて新進民主党の玉金の秘書になったのだった。(タマキン、いや玉かねさんも占いに興味を持ちつつある。桜見は共産主義で占いに興味なしか)と思いつつフレッシュアイランドを散策してみる。福岡市の第二の人口島、フレッシュアイランドは高層ビルが森林のように立ち並んでいる。白俵も受付の女に負けては、いられない。目に見える高層ビルの数から梅花心易で日本紅党の代表、桜見世子の帰ってくる時間を割り出した。午後三時、が梅花心易の答えだ。(よーし、午後三時に訪問しよう。受付の女、驚くぞ。)と白俵金二郎は決意した。
民民党の党首の平空民雄は選挙の期間中の演説の場所も占いで選ぶ。その民民党の職員だった白俵金二郎、平空民雄に習った梅花心易を使ってみたのだ。平空民雄の梅花心易の受講料は高くて、ボーナスの大半を支払ったし、五年の月日を費やしたし、とかで白俵にしてもプロになれる腕前なのだ。
 それにしても、どうして時間を潰そうかと白俵は思ってしまう。彼は遊ぶのが苦手な真面目な人間だ。遊戯場に行くのも躊躇われるし、ここは初めて来た都市の福岡市だ。
 それに人口島。遊べる場所や暇つぶしの施設もない。ん?公園が目に付いた。広いなあ、それに誰も居ないぞ。と白俵は認識した。平日の午前中、そういう公園も人口島には、ある。森林公園と呼べそうな程、樹木が多い。その中に入りベンチに座ると車道に走っている車などは完全に見えなくなった。
のんびりと寛げる。東京にはない広い公園だ。白俵金二郎は新木のベンチの背もたれに背広の背中を預けると、うーんと両手を上げて背伸びした。
その時、後ろから白俵の肩を叩く人物がいた。はっ、と白俵が振り返ると古めかしい衣服を着た髭を伸ばし放題の中年男がニヤニヤして白俵を見ていた。白俵は立ち上がって、その男に向き直ると、
「お早う御座います。東京から来ました。この辺りは何も知らなくて・・・。」
と簡単な自己紹介をすると髭モジャの男は、
「それは、ようこそ。私達の住んでいる所へ行きましょう。きっと楽しめると思うな。」
と話すではないか。でも、何処にあるんだ。白俵は、
「本当ですか。午後まで暇なんです。連れていってください。」
と答えた。男は、
「ああ、いいですよ。あそこに大きい岩がありますね。あそこまで歩きましょう。」
その大きな岩まで三メートルほどで、その前に二人が立つと、何と!岩が横に転がった。その岩の下は人が降りられる坑道のようになっている。白俵は驚いた。男は白俵に、
「先に降りてください。後から私が、ついて来ますから。」
坑道のような内部の先は暗闇ではなく明るい。二人が、なだらかな坂を降りて行くと頭上の空間は岩が元の位置に転がって塞がれていた。
それほど長い階段では、なかった。穴居人の住宅のようで現在では見られない部屋に降りた。白俵は少し不安になる。どういう趣味を持っている人の住宅なんだ、と。
それでも電燈は灯りを灯しているし、現代的なソファもブランド物が置いてある。そこは客間のように、なっている。
髭モジャの男は白俵を振り返ると、
「ようこそ!我々の世界へ。」
と風変りな挨拶をした。白俵は、
「とても変わった部屋ですね。第一、フレッシュアイランドの公園から続いているなんてビックリしました。」
「うん、まずは腰かけてください。私も座りますよ。」
向かい合って二人は座り心地のいいソファに座る。
髭モジャの男は、
「私、砂下入流男(すなした・いるお)と言います。あなたは、なんという名前ですか。」
「初めまして。白俵金二郎と申します。」
「ははあ、略してシロキンね。」
「ああ、そうです、面白いな。」
「ぼくらは面白い事をして生きています。一日の労働時間は四時間と決めているから。」
「四時間!それで生活できるんですか?!」
「うん、出来ますよ。縄文時代の人達は、そうしていましたね。僕らは食べ物は自給自足で食費は要らないし、服まで自分で作りますよ。電気は自家発電機で賄えますし、水道は地下水を通しています。下水道工事は福岡市の水道局に施工してもらっているので、下水道代だけ払っているんだ。」
と驚くべき回答だ。白俵金二郎は、
「フレッシュアイランドの公園内に、しかも、その地下に住居を作るなんて・・驚きです。」
砂下入流男は平然と、
「僕はね、というか一族は大資産家なんですよ。フレッシュアイランドの公園が出来る前から福岡市には入札しておきましたし、たっぷりと合法的な贈り物、贈賄をしているから何でも出来る。福岡市東区貝塚という地名は貝塚と言う縄文時代のなごり、から来ているんだが我々は、その子孫なんです。」
「へええ、そうなんですか。太古からの家系なんですね。」
「そう、大抵の日本人は縄文人と弥生人の混血だけど、僕らの一族は、なるべく弥生人と交わらないようにしてきましたよ。それでも縄文人の純血を守るのは不可能でしたけどね。ちょっと喉が渇いたな。お茶を持ってこさせます、シロキンさんの分もね。」
と砂下入流男は話すとテーブルの上にあるボタンを押して、
「おい、お茶を二杯、頼む。」
とテーブル上の平面マイクに話した。
白俵金二郎は、
「ぼくの政党の党首は玉金硬一郎といって愛称はタマキンなんですよ。」
とニコヤカに話すと砂下は、
「ほう!シロキンにタマキン!シロキンなら白い金玉の略語でもあるでしょうけど、タマキンは金玉の逆さ略語ですね。」
そこへ縄文時代の女性の衣装みたいなものを身に着けた若い女性が銀の盆に縄文土器のような茶碗を載せてドアを開いて現れた。彼女の肌の色は薄白くて髪は肩より下に長い。
上着とスカートが一緒になった服なので腰から下は全て見えなくなっている。それでも胸と尻の膨らみは充分にありそうだ。
彼女は茶碗というより土椀をテーブルに置くと又、部屋のドアから出て行った。砂下は土椀を手に取るとグインと飲み、
「シロキンさんも、どうぞ。」
と勧めた。白俵は、
「それでは戴きます。」
と答えて土椀を手に取ると重いものだった。それを何とか持ち上げて飲むと、
「おいしい日本茶ですね。」
「博多湾に浮かぶ島の土地で栽培しています。僕らの収入源の大半は農業ですけど、それをパソコンで管理していますからね。」
と話す砂下入流男は嬉し気だ。数分すると白俵は股間に勢いを覚えた。さっきの若い女はフェロモンのような、甘い香りを放っていたが、それが白俵の股間のモノを刺激したのだろうか。ムク、ムクと股間の息子が元気づく白俵。
それに気づいたのか砂下入流男は、
「朝、立つ。それは、いい事です。さっき、お茶を持ってきたのは私の娘です。この部屋の近くに娘の部屋があるから、そこへ行こう。」
と白俵を誘って立ち上がった。白俵も立ち上がり砂下に付いていく。
長い廊下が続いていた。そこも照明されているので地下の廊下とは思えない。すぐに砂下は立ち止まり、部屋のドアを開く。さっき土椀のお茶を持ってきた女性がソファに座っていた。二人を見上げると、
「お父さん、いつでも歓迎よ。準備オーケー。」
と砂下の娘は笑顔で股間を開いた。
裾が長いので娘の股間は見えないが、色っぽい。砂下入流男は、
「娘と交わって、もらえませんか?」
と提案した。白俵は驚いて、
「えっ、そんな事・・・。」
砂下は微笑みつつ、
「父親の私が言うんです。娘は十八歳、しかし処女では、ありません。ですから男を受け入れやすい。」
砂下の娘は立ち上がり、白俵に近づくと顔を近づけてきた。白俵の身長と、ほぼ同じだ。前よりも強い女のフェロモンが白俵を包み込んだ。白俵は反射的に砂下の娘を抱いた。そんな至近距離に彼女は、いたのだ。
柔らかい体だ。娘は抱かれると自分の方から白俵の口にキスした。そして長い接吻が始まる。
娘の方から唇を外すと服を脱ぐ態勢になったので白俵は抱いていた両腕を娘から外した。
娘の服は一枚だけで下は何も付けていなかった。
全裸の彼女の乳房と尻は張り出して、ゆるやかな服からは想像も出来ない程、見事な裸身である。白俵の股間の肉棒は既にコチンコチンと反り返っている。娘は白俵の股間に視線を走らせると微笑んで、
「すごいなあ。もう立ちまくっているわ。服を貴方も脱いでね。」
と説き伏せる。白俵は父親の砂下入流男に視線を向けると入流男は満足げに頷く。それで白俵は急いで服を脱ぎ下着も脱いだ。砂下入流男は、
「ベッドで、やってくれ。ダブルベッドなんだ。」
と教唆した。
白俵は娘を横抱きに抱え上げてダブルベッドに運ぶ。娘をダブルベッドに降ろすと白い裸身に乗った。娘の顔は日焼けしていた肌の色で首から下は真っ白の体。ピンク色の乳首を白俵が吸うと敏感に反応して乳首は硬くなる。娘は自分から大開脚した。彼女の肉門も開いた。白俵は勃起肉を容易に挿入出来たので、後は腰を振るだけで快感を得る事が出来た。
 娘の瞳は近くで見ると茶色だった。その瞳を快感を感じているために殆ど閉じてしまう娘。彼女は二重瞼である。
改めて白俵が腰を振りながら近くで見ると娘の眉毛は濃く、自分の下腹に感じる娘の陰毛も多くて剛毛だ。最初の全裸の娘の股間も密生した陰毛が特徴的だった。娘は自分からも尻を振り出し始めたので白俵の肉茎は快感が倍増したために十分で流放してしまった。父親が近くで眺めながらの性交なんて経験する男も少ない、というより皆無では、あるはずだ。
 ぐったりと、しかし快感を残しての二人の重なりを見て砂下入流男は、
「よく頑張りました。娘とのセックスでは三分持たない男性ばかりです。よかったら娘の桃代と結婚してください。」
と申し出た。
白俵は、
「は、はい。少し考えさせてください。」
と未だに縮小した肉筒を桃代から抜かずに早急に答えたのだった。
砂下は、
「私達は縄文人です。といっても過去から未来に来たわけではなく、縄文人の文化や生活を守り続けてきたのですよ。弥生人とは交接せずに縄文人の純血を守り続けた。やがて広がっていく弥生人との混血の中で我々は地下に逃れたり、沖縄に逃げたりもしました。そうして現代まで生きてきたのです。ですが、今、あなたの娘との性行為を見て私は考えを変えようかと思います。縄文人と弥生人の違いの一つは口の中の歯を重ねた時に、上下の歯が噛み合わさるのが縄文人で、下の歯が上の歯の中に収まるのが弥生人です。白俵さん、上下の歯を重ねて確かめてみて下さい。」
と言われて白俵は上の歯列と下の歯列を嚙合わせる。すると下の歯列は上の歯列の内側に収まった。それで白俵は、
「ぼくは弥生人ですね。下の歯は上の歯の中に入ります。」
砂下は納得したように、
「そうだと思いましたよ。でも、それでいい。純血を保とうとしても、いつかは崩れるものです。私は弥生人である貴方に娘を上げたい。娘の桃代をね。桃代、歯を噛みしめて白俵さんに見せなさい。」
と指示した。白俵の下にいる裸身の桃代は唇を開いて噛み合わせた上下の歯列を見せた。見事に上下の歯が噛み合わさっている縄文人の歯列である。
五秒も口の中の歯を見せた桃代は、
「お父さん、これでいいの?」
と顔を父親に向けて聞く。砂下入流男は、
「うん、いいよ。おまえ、気持ちよかったか?」
「ええ。最高に気持ちよかった。わたし、この人と結婚したい。」
と胸の内を打ち明ける。白俵は、
「急に話は進められません。僕は東京に住んでいますし。」
と砂下の方を向いて答える。砂下は頷くと、
「ああ、その他にも事は性急には進められないだろう。でも、今の性交は続けられるはずだ。部屋の中を変えるから。」
と話すと壁に近づいて壁面のボタンを押した。照明が薄暗くなると全ての壁がスクリーンになり、そこに縄文時代の竪穴式住居が映し出されたのだ。
桃代は白俵の首玉に両手を掛けると激しくキスしてきた。桃代は自分から赤い舌を白俵の口の中に差し入れると、ねちっこく絡ませる。白俵は部屋の中が縄文時代の石室になっているのを見てタイムマシンで縄文時代にトリップした気持ちになると再び自身の肉竿が、そそり立つのを自覚した。桃代も、それを感じて、
「又、立ったわ。気持ちいい。今度は体位を変えるから、一旦、外すわね。」
桃代は白俵を横に倒すと尻を引いて肉竿を抜いた。それから四つん這いになると桃代の桃尻を高く突き上げて、
「後ろから来てーっ。」
と甘えるような声を出す。
白俵は立ち上がると桃代に近づき、膝を落として、そそり立つ肉長竿を桃代の女洞窟に突き入れた。
後ろからの方が桃代の白巨乳も揉めるし、白俵としても良好な体位だった。今度は四十分も続けられて、又、発射、縮小になり、すぐに肉短竿を白俵は引き抜いたのである。
父親の砂下は、
「今度は前よりも長く続けられましたね。少し休憩して下さい。縄文人の男は一晩中セックスできる性力を持っていたのが普通だったのです。それは射精を統禦、つまりコントロール出来たからですよ。その方法も教えるから、がんばって見てくださいね。」
と助言する。
少し疲れた様子の白俵金二郎は、
「それは是非、教えてください。」
と両手を合わせて頼み込む。
 射精を制禦する技術を教えて貰いつつ、白俵は砂下桃代との性交を続けて、とうとう正午になった。
砂下入流男は、
「食堂へ行きましょう。白俵さんと桃代は服を着なくていいから、そのままで来なさい。」
と話すと桃代の部屋のドアを開けた。広くて長い廊下を歩き、右手の部屋のドアを開けると、そこはレストランのような室内になっている。
裸の白俵と桃代は砂下入流男に向かい合って席に着いた。縄文人の服装を着た、髭もじゃの男が三人の前に来て、
「今日はイノシシのソテーとザリガニの蒸し焼きがメインの、おかずです。同じ皿に山盛りの御飯と味噌汁を載せて今から持ってきます。」
と話すと大きな湯飲み茶わんを三つ置いた。
砂下入流男は、お茶を飲むと、
「イノシシ肉は豚肉よりも栄養価が高くて、おいしいです。な?桃代。」
話を振られた裸の桃代は乳房を揺らせて、
「ええ。うちで所有している無人島にイノシシが棲息していますの。父がヒマな時は自分でライフル銃を持ってイノシシ狩りをしてきますのよ。」
と隣の白俵に嬉しそうな顔をして話すと白俵は裸のまま、
「一度、そのイノシシ狩りに連れていって欲しいんですが。」
と頼んでみた。
砂下入流男は、
「もちろん喜んで連れていきましょう。日程が分かったら連絡下さい。ん?あなたは白俵さん、東京に、お住まいとかでは。」
「ええ、連休の時とか飛行機で福岡市に来られますから。」
「ああ、そうでしたな。お、イノシシ料理とザリガニ料理が来ました。食べましょう。」
髭もじゃの縄文人の風体の料理人が持ってきた料理を三人は、美味しく食べたのだった。
 白俵は裸のまま、
「ぼくは今日の午後は取材があります。日本紅党の本部へ行かなければ、なりませんので。」
と話すと砂下は、
「日本紅党?知りませんな、そんな団体は。」
と首をひねる。白俵は、
「共産主義の政党ですよ。」
砂下は、
「私達一族は中学を卒業すると一族の会社で働き始めます。農業、林業、漁業、狩猟業ですけどね。それでライフル銃の所持許可が必要だったりするけど、共産党って何ですか?」と真顔で聞いてきた。白俵は、
「裸で説明するのも、やりにくいですけど。資本主義社会とは逆の世界を目指している党です。古くはロシアはソビエト連邦という共産主義国家でしたが、今からすると大昔に崩壊した体制です。
修正共産主義を主張するのが日本紅党の女党首、桜見世子ですよ。」
砂下は、
「つまり金儲けを否定するのが共産党なんですね。それは困るなあ。私達一族は長い間、様々な分野で働き続けて資産を持っています。それを取り上げられては、たまらんですな。」
裸の白俵は自分の髪を、かきあげて、
「日本は共産主義社会に近いとはいえ、資産形成は自由な国です。僕は新進民主党で党首の秘書をしています。」
砂下は好奇の目を輝かせると、
「あ?そうなんですか。それでは娘の桃代を安心して、貴方に送り出せる。といっても私は政治は興味なしで、選挙にも行っていません。地下生活は、ここだけで無人島の他、日本各地に別荘もあります。けど別荘は人に貸しているのが大半と、なりました。党首の秘書なら将来は有望なんだ、白俵さん。」
娘の桃代も裸のまま乳房を揺らせて、はしゃぎ、
「すごいんですね。それでは私は政治家の妻になるのね。」
白俵は困惑気味に、
「そんなに先走らないで下さいよ。今日の僕は日本紅党の本部へ取材に行かないと、いけないんです。」
砂下は両手をパチンと合わせて音を出し、
「そうでしたな。娘の部屋に戻って白俵さんに服を着て貰おう。桃代、案内しなさい。」
「はーい。お父様。」
食堂を出ると裸の二人は桃代が先に立って彼女の部屋に移動する。白俵金二郎は桃代の後ろから歩くと、彼女の大きな白桃のような尻が左右に揺れるのを見て半勃起してしまった。
桃代の部屋に入ると白俵は半立ちの自分の股間を右手で隠しつつ、パンツを履き、シャツ、上着、ズボンを身に着けた。桃代は、
「白俵さん、半立ちになっていたわね。取材が終わったら、又、来てヨ。」
「ああ、そうできればね。地上に出れるかな。」
桃代も服を着ていた。一枚布のような下着は、つけない姿だ。
彼女は、
「玄関を出て階段を登れば、いいわ。この部屋でモニターカメラに映るから、わたしが操作して岩を動かすワ。」
「それでは玄関に行くよ。」
「ええ。行ってらっしゃーい。」
桃代の部屋を出て玄関を出ると階段を登った白俵は岩石の下に辿り着くと下の部屋で桃代が操作したらしく、岩が横に移動して公園に出られたのであった。
 同じ人口島内にある日本紅党の本部へ急ぐ白俵である。
歩いて十分、日本紅党の本部が見えた。そのビルに近づいていくと白い大きな車が、ゆっくりと日本紅党の本部前に到着した。そこに白俵金二郎は接近して歩いていると、車の中から日本紅党の女党首の桜見世子が出てきた。白俵は桜見に近づき、
「桜見さん、占いジャーナルの勝島です。取材を、お願いします。」
と声を掛けた。車から降りた桜見世子は白俵を見てニッコリ微笑み、
「ええ、どうぞ。党首室で、伺います。」 

 党首室といっても、そんなに広い部屋ではない。桜見世子は身なりは質素で派手な服装は着ていなかった。桜見は、
「それで。取材というのは何なのかしら。」
と切り出した。白俵は、
「占星術の事で一つ、桜見先生に、お尋ねしたいんです。先生の誕生日の時間まで、教えていただけませんか。」
「あー、そうなの。生まれは・・・・・。」
と桜見世子は誕生日を口にした。白俵は、
「生まれた時間まで、お願いします。」
「あ、それは・・・。」
と口を濁して、
「知らないけど、どうしたらいいかな。」
「母子手帳には記載されているハズです。」
「わたし母子手帳なんて持っていない。母が持っているはずよ。」
「それでは尋ねて、いただけませんか、お母様に。」
「母はヨーロッパに旅行中で母子手帳なんて持って行っていないと思う。」
「いつ、お帰りになりますか。」
「半年後かな。」
取り敢えず半年は桜見世子の生まれた時間は分からない事と、なった。それでも誕生年月日は教えて貰えた。それは世間で知られているのとは違う生年月日だ。桜見は、
「占いに使うだけにしてね。わたしの生年月日は公表しない事。少しは占いに興味があるから占いには本当の生年月日を使って欲しい。公表した場合には、こちらも対処を考えます。」
と釘を刺してきた。白俵は、にこやかな顔で、
「了承しました。雑誌と言ってもネット雑誌です。それから、いつ記事になるのかも今のところ分かりません。先生の誕生日すら公表しない所存ですので御安心ください。」
それを聞いた桜見世子は安堵顔で、
「安心しました。それで貴方は修正共産主義には興味は、ないのかしら?」
「興味というより僕は共産主義は、よくわからないし興味もないのです。失礼します。」
桜見世子は自分の名刺を取り出すと、
「わたしの名刺を上げます。占いに少し興味は、あったのよ。できれば本格的な占いの先生などに来てもらった方が、よかったかもね。」
と話して白俵金二郎に名刺を渡す。白俵は、うやうやしく桜見の名刺を受け取ると、
「そうなのですか。ウチは占い師とは深い関りがありますので、そのうち御連絡できるかと思います。それでは。」
と話して立ち上がった。

これで正確な桜見世子の生年月日が手に入ったと白俵は喜びつつ、福岡空港へ行き、帰京したのだった。
 新進民主党の本部へ戻ると白俵は党首の玉金硬一郎に成果を報告した。玉金は、
「誕生時間が足りないが世間に発表している誕生日とは違うんだな、本当の誕生日は。上出来だろう。平空先生に連絡する。」

SF小説・未来の出来事47 試し読み

宇宙人のマルタナッティを調べるのは引き続き、成頭友見の仕事ではあるけれど、七谷一尉に報告すると仰天するはずだ。だが地球では発見されていない星にいる今、七谷教官に連絡は取れない。成頭は、
「ええ、交際を続けさせてもらいますよ。地球ではマルタナッティさんは英会話の講師を、していますね。」
「ああ、そうです。他にも仕事をマルタナッティさんは、するはずです。それを貴方も一緒にすれば、いい。と思います。」
こっちは仕事をしているんだ、と成頭は思ったが、
「そうしますか。あはははは。」
と答えて置いた。

 地球では陸上自衛隊情報第三部隊の七谷教官は成頭友見が出勤してこないので慌てていた。(もう二日も休んでいる。クビにしたくても代わりの人材も、いないし。)フレッシュアイランドの陸上自衛隊の駐屯地で対策を考え始めた七谷だ。時流太郎の会社に電話して七谷は、
「時君。成頭が欠勤を続けているが、どうなっているんだ?」
_ 分かりません。ウチにも来ていないですからね、成頭は。
「そうか。もしかして病気かもしれない。時君、連絡を取って見てくれ。」
_ はい、わかりました。至急、連絡を取ります。
フレッシュアイランドの企業ビルの一室で時は専務の本池釣次郎に、
「自衛隊に行っている成頭友見が休んでいるらしい。何か知らせが、あったかい?」
「いえ、なにもありませんよ。こちらには。」
「うん、成頭に電話してみる。」
流太郎はスマートフォンを取り出すと、成頭のスマホに通話を掛けた。が、繋がらない。流太郎は、
「どうしようもないな。ウチも他の人材が必要だ。ネットから募集しよう。」
と提案すると釣次郎は、
「そうしましょう。SNSのMINEなどが、いいかもしれませんね。」
「ああ、マインだね。募集しよう。成頭は期待できないから。」
という事で二人で募集の仕方を検討し始めた。

 七谷教官は途方に暮れた。(他の人材を検討しよう。成頭一人だけでは、心細い。とはいえ予算の関係も、あるしなー。あと一人は募集できるかな)と算段を組む。教官としての仕事がない時は七谷は諜報員として働く事になる。一等陸尉という階級は少尉と同じであるから実戦部隊では先頭で銃を撃ったりしないのだが、情報第三部隊では個人で活動をする事もあるのだ。その辺りが同じ陸上自衛隊でも違う点になる。ただ一般的には知られていないスパイ活動の情報第三部隊ではあるし、自衛隊の制服や戦闘服を着る事はないのである。
 そこで七谷一尉にも上官がいるために明日は成頭の代わりに女スパイを追跡する事になった、という仕事は上官が命ずる事なのだ。(成頭が出てこないから、しょうがないか・・)とボヤきつつ、独身の七谷は部隊内の自室に戻った。
「よっこいしょっ、と。」
と声に出すと七谷はベッドに寝転がる。その時に、起こったのだ。不思議な事が。七谷の脳内に声がした。
「もしもし、こちら別の惑星。ワタシ、ハヤンドといいます。」
その声に驚いた七谷はベットに起き上がると、座ったままの姿勢で、
「空耳か?」
と呟いてみた。しかし、
「空耳では、ありません。貴方に連絡したのは貴方の部下である成頭君が今、我々の星にいるからです。明日は無理ですが明後日、成頭君を地球に返します。そういう事で。では。」
と若い男の声がした。
宇宙人らしいがハッキリとした日本語だし、それに成頭の事を知っているというより、その惑星にいるらしいのだ。
そんな・・・と思いつつも、そんな事を自分の脳内で空耳がするわけがない。第一、自分は宇宙人についても興味の対象外だったのだ。そんな事を自分の頭で組み立てて脳の中で聞く、という現象も起こらないだろう。七谷は、
「あの、ちょっとモシモシ。」
と呼びかけると、
「はい、なんですか。」
とハヤンドは答えてきた。七谷は、
「あなたの星は何と言うのですか。」
「それは答えても仕方ないです。我々の星は地球には、まだ知られていませんからね。」
「成頭は明後日に帰ってくるのですね?」
「ええ、それは保証しますよ。地球の日本の朝早くに成頭さんは戻ります。」
「何だか安心しました。」
「それでは、これで。」
それでハヤンドの声は聞こえなくなった。
茫然自失的状態になった七谷は意識を通常運転にするのは早い。自衛隊は古臭い機関でUFOなどは問題にもしていないのだ。諜報員教育においても異星人やUFOについては触れられる事も、なかった。
成頭は誘拐されたのだろうか。でも、何のために?それにしても身代金を要求してくる事も、なかったし、誘拐ではないのだろう。明後日は帰って来る。それならば今日一日は自分で福岡市の女スパイを調査しないといけない。
七谷は身支度を整えてフレッシュアイランドの陸上自衛隊基地を出た。徒歩で地下街へと降りていく。
服装は地味な私服だ。
地下街の公衆便所に入ると七谷はドアを閉めて服を着替えた。便所から出てきた七谷の服装はアロハシャツに黒いサングラスの遊び人風の見かけになっていた。
見かけだけでなく顔を見ても勤め人の顔ではない。地下街は一大歓楽地の中洲へ続いている。
七谷は早い足取りで中洲の地下街に辿り着いた。そこにはパチンコ店も見受けられた。七谷はパチンコ屋に入り、万札を投入して玉を出し、打ち始めたのだ。その前に出そうな台を釘の並び方から選んだ七谷は煙草を吸いつつ、台を打つ。
間もなく大当たりを引いた七谷の台は小山のように玉が流れてきた。
交換所に何往復もして七谷はパチチンコの玉を引換券に変えた。それを裏にある交換所で現金に換えると数十万円ほどの稼ぎとなったのだ。
幹部諜報員教育でパチンコに必勝するやり方を学んでいた七谷である。パチプロを講師に招いての教育があったのだ。
得られた現金は諜報活動に使える。
もっとも諜報の為の資金は自衛隊から支給される。それに加えて更に潤沢な資金を得るのは有利である。
地上に出た七谷は二十四時間営業の酒場に入ると、カウンターに座り、
「生ビール、大ジョッキで。」
とサングラスのまま注文した。
カウンターに置かれた大ジョッキを手にすると七谷は
グイッと泡立つビールを呑み込んで、
「うまいねー。マスター、お客さんは少ないな。」
と話しかけるとバーテンは、
「まだ昼前ですから。」
七谷は背後に人が歩いてくるのを感じた。振り返った七谷の眼には姿勢の良い白人女性が写った。彼女はカウンター席に来ると七谷の左横に座り、
「マスター、ビール。大ジョッキで生。」
と明確な日本語で注文した。
バーテンは迅速に泡立つジョッキを白人女性のカウンターに置く。それを軽々と持ち上げた彼女はグイグイグイと半分ほど飲むと、
「ああ、とてもオイシイわ。私の国のビールより、いいな。」
バーテンは軽く一礼すると、
「ありがとうございます。福岡の地ビールなんですよ。貴女の国は、どちらですか?もしかしてドイツ?」
「そうなのよ。あたり。観光では長期ビザは取れないから、どうしようかなって検討中。」
七谷は隣の若い二十代のドイツ女性を、さりげなく観察して、声を掛ける、
「今は観光中ですか?」
とサングラスを外さず顔を向ける。ドイツ女性は七谷に顔を向けて、
「そうですよ。東京より福岡の方が興味あります。今、福岡の地ビールが売れているってドイツでも評判なのです。」
七谷はスパイの持っている特徴、顔や話し方から、その女をスパイらしいと判定した。
だが東京の方がスパイ活動としては重要な土地であるが。七谷は、
「そうですか。イチゴの「あまおう」だけでなく地ビールでも頑張っていますからね。」
「わたしもドイツから来ましたけど、福岡って輝いていますわ。」
七谷は(うーむ、ドイツか。過疎化するヨーロッパでドイツも人口減少する一方という話だ。日本に対するスパイ活動はドイツにも有益な結果をもたらす、でも、それを阻止するのが我々陸上自衛隊情報第三部隊なのだ)と思い、
「え、ええ。輝く街、福岡ですよ。福岡市だけでなく福岡県内の何処でも活性化しています。たとえば八女茶のある八女市なども、そうですね。」
ドイツから来たという女はビールジョッキで、グッと飲むと、
「ヤ、メ。ヤメ茶の八女市。ええ、わたしの妹が八女に行ったと報告してきました。わたしアーベルシュタインという名前です。」
「申し遅れましたね。僕は川谷といいます。」
「カワタニ、サン、デスネ。わたしも八女市に行きたいけれど、他にいい所、アリマスカ?」
砕けてきたのか、アーベルシュタインという女性はドイツ語訛りが現れた。七谷は、
「そーですね。北九州市に近い場所で新たな博多の特産品を作り始めたんですよ。見学は無料なので面白いと思います。」
アーベルシュタインは目を彗星のように輝かせて、
「それは興味ふかい、ですね。連れていって、くれませんか?」
「初対面の私に、ですか。」
「構いませんわ。何度も会ったからといって安心できる訳では、ないデショ?」
「なるほど、そいつは、そうですね。もう酔いも少し入りましたから運転できないけど、タクシーで行きますか。」
「行きましょう。マスター、今日はビール、ジョッキ一杯でゴメンナサイ。」
バーテン兼用のマスターは、
「いいえ、どうも有難う御座います。川谷さんも、お開きですか?」
七谷は立ち上がると、
「ああ、そうするよ。この人の分も払うから。」

店を出ると七谷はスマートフォンのアプリでタクシーを呼んだ。ドイツ人のアーベルシュタインは七谷に寄り添う形で彼女の背は高く170センチ位で七谷と、ほぼ同じだ。
タクシーは、すぐ到着した。
 沿海沿いに走ったタクシーは車道から更に北方向の海に近づくと、松林が見えたが、その隣に大きな建物があった。
その建物はニュー博多人形製作所という看板が出ていた。
七谷は運転手に、
「あ、あれですよ、あれ。ニュー博多人形製作所という建物の前で停めてください。」
その建物を取り囲む塀も広くて高さがある。だから塀の中は全く見えないのだ。
タクシーを降りた七谷とアーベルシュタインは建物に近づいて行き、開いている門の中から建物の玄関に行く。玄関ドアに見学自由に、お入りください。未成年者は、お断りします。と注意書きが貼られていた。
アロハシャツの七谷はサングラスを外さずに、
「入りましょう。私も貴女も成人ですから。」
とアーベルシュタインに呼びかけると、白い顔の彼女は気安く頷いた。
最初の部屋に入ると巨大な博多人形が置いてある。着物を着た美人像だ。七谷は、その博多人形に近づくと、
「何だか普通の博多人形とは違うようですよ。これは・・・。」
と言いつつ、手で博多人形を触ると、
「これは本物の着物です。」
とアーベルシュタインを振り向いて語る。彼女は
「そういう博多人形も、あるのね。」
と驚きもしなかった。それどころか、
「顔とか手とか、その人形は柔らかそうだわ。触ってみたら?」
と、けしかけた。七谷は言われた通りに身長が157センチはある博多人形の手を触ると、
「ホントに柔らかい。固定された人形ではないですよ、この感触は。」
室内に頭の禿げた作業着の中年男が現れると、
「ようこそ、いらっしゃいました。ここは新しい博多人形を制作しております。男性にとって実用的な人形作りを進めています。次の部屋では、もっと刺激的な博多人形が、ございます。よろしければ、次の部屋に。」
と誘った。
ドアもない次の部屋では身長が様々の博多人形が並んで立っていた。高身長のモデル並みの体から、150センチの小柄な博多人形と様々だ。着ている服も和服だけではなく、洋服から民族衣装まで様々だ。禿げ頭の案内人は、
「男性にとって実用的な人形とは女性の代用となるものですね。ここに立っている博多人形は自発的に行動するんです。例えば人形の肩を叩けば、」
と話すと和服美人人形の右肩を叩いた。すると、その人形は自分で着物を脱ぎ始めたのだ!下着も身に着けていない人形?は即全裸となった。七谷は驚いた、その裸体も人形には見えない。案内人の禿げ男は、
「ラブドールより人間の若い女性に近づけました。試着室ならぬ試供室があります。あそこです。」
と話して指さす、それからニッコリすると、
「担いで持って行ってください。」
七谷は、
「いいんですか、無料ですか。」
と念を押すと禿げ男は自分の胸を叩いて、
「もちろんですよ。売り物より少し質を落としてあります。」
七谷は試供室に裸の人形を抱き上げて運ぶ。人形の重さは20kgぐらいだった。
個室の試供室はビジネスホテルのシングルぐらいの空間でシングルベッドが白いシーツで備え付けてある。
そのベッドに、まるで本物の女を降ろすように博多人形風のラブドールの進化したモノを置くと博多美人人形はめをパッチリと開けて、
「おはよう。ベッドまで運んでくれて、ありがとう。」
となんと、言葉まで喋った。
七谷は寝そべっている全裸の美人人形に、
「言葉も喋れるのか。」
と短的に質問を投げかけると、
「そうよ。そういう風に私の脳に入力されているわ。コンピューターなんだけど最新のコンピューターのチップは人間の脳をモデルに製作されているの。それで容量は飛躍的に増大した。人から話された言葉に対応して話すように設定されている訳ね。」
と若い女の声は的確に答える。七谷は、
「それでは、と。君を抱いても、いいのか。」
美人人形、身長は157センチは微笑むと、
「ええ、もちろんよ。貴方も全裸に、なってね。」
と答える。
七谷は、
「分かった。すぐに裸になろう。」
サングラスを外し、アロハシャツを脱ぐ。下着も手早く外して七谷は全裸となった。筋肉質の体は腹部が三段に別れて、ボディビルダーの体に似ているが、ボディビルダーほど盛り上がった筋肉ではない。
が、七谷の股間のイチモツは増量していないのだ。それを見た美人人形は、
「あら?あなた、インポテンツなの?」
と聞く。七谷は、
「いや、おれは結婚しているんだよ。昨日、妻と二回は、したからな。」
「あら、それではワタシ、不倫しているのね、といっても貴方は勃起していないし。」
「見ただけで勃起するほどでは、ないんだな。でも一日に三回は発射できるよ。妻との交わりは昨日の夜だから、もう、そろそろ回復する。」
「それなら来て!」
と叫ぶと美人人形は寝そべったまま、両腕を抱かれるのを待つように広げた。七谷はベッドに登り、美人人形と重なると、そのシットリとした彼女の柔肌に驚いた。美人人形の乳房は大きく白くて丸い。それを七谷は吸うと、
「あはんっ。感じるわっ。入れてっ。」
と美人人形は喘ぎ声で呼びかける。
七谷は股間の肉銃が勢いよく太く硬くなるのを感じた。妻との時よりも早く勃起したので、
「おおしっ、いくぞおーっ。」
と叫び、濡れていた美人人形の開いた女の洞窟に反りかえった男の肉道具を勢いよく緊急的に挿入した。
「ああああああん、すっごーーーーーいっ、あん、あん、あん。」
と快感に酔いしれるような美人人形は両目を閉じて七谷の両肩に両手で、すがりつき、白い両脚を大きく開脚する。
七谷は遊び慣れた男のように自分の腰を降り、ぶすり、ぐすりと美人人形の尻に向けて肉道具を出し入れした。
美人人形は連続的に快感の声を上げ続けて、自分でも七谷の腰の動きに合わせて白い尻を振る。七谷は(自分でも尻を振れるのか、高性能のラブドールだな)と思いつつも、
(お、いい締め方だ。緩急自在な・・・もう、出るぞ!)十分の成功で早くも一発を放出した七谷だった。
七谷は目を閉じている美人人形の隣に寝転ぶと、
「よかったかい?」
と聞いて見る。美人人形は白い歯を見せて、
「よかったわ。本来、わたし人形で機械だから感じる事はないのだけど、わたしの脳は女性脳と同じに作られている。それに男性器が膣内を動く場合に感じる女性脳内の波長に呼応した人工頭脳を製作したモノがワタシの脳内に入力されているから、それに応じて快感の声を出せるようになっている。」
と冷静に説明してくれた。七谷は、
「ふーん。それなら男の仕方によっては反応が変わるという訳か。」
「そうなのよ。それでセックスゲームみたいな博多ラブドールを作ろうという企画が進んでいます。普通のゲームなんてパソコンなりタブレットや端末のディスプレイに向けて指を動かしているだけでしょ。男なら女の体、というかラブドールこそ、おもちゃにしてゲームをするように遊んだらいいのよ。わたしも男のモノが出入りする状態や体位によって反応が違うの。ためしに、ヤッテみて。別の体位で。」
と誘いかける博多美人人形の言葉は本物の美女から誘われたような気持ちに七谷をさせた。
七谷は起き上がると博多美人人形を抱き上げて座らせる。すると美人人形は崩れる事なくベッドの上に座ったままだ。七谷は彼女の背後に回ると、白い大きな尻が目に入る。七谷は、
「座ったまま、うしろからオレが入れるぞ。いいな。」
「はい、後ろから入れてください。」
とシットリとした声で応じた彼女に七谷は美人人形の腰のクビレを両手で持ち、尻を上げさせて後ろに見えた彼女の秘穴に再び反りかえった肉砲を入れたのだ。
「イヤーン。」
と甘えるような声を出した美人人形は、顔を後ろに向けて口を突き出したので七谷はキスしてやると、腰の動きを始めていく。確かに正常位の時とは反応の仕方が違う。それと後背位なので、より美人人形の白くて大きい乳房を揉みやすかった。彼女の乳首に触れると硬く尖ってくるのが分かった七谷は、
「気持ちいいか。」
「ええ。とっても気持ちいい。いく、いくうーっ。」
黒髪を振り乱しての快感の声を出す美人人形だ。
 突然、部屋の中にあるスピーカーから禿げ男の声が、
「試供室の利用は一時間までです。次のお客さんが待たれていますので、出てもらえませんか。」
と呼びかけた。
七谷は腰の動きを止めると、
「仕方ないな。それでは中断だ。」
と云うと美人全裸人形から男筒を引き抜いてベッドを降りて服を着る。部屋を七谷が出ると全裸美人人形も追う様に、ついてきた。
禿げ男の横にいたのが身なりのいい老紳士で背広姿だ。サングラスをかけた七谷に随伴している全裸美人を見ると老紳士は、
「ほう。いいですね。この女性は博多人形なんでしょうな。」
と案内の禿げ男に尋ねると禿げ男は、
「ええ、もちろんです。試しに個室で使ってみて下さい。その前に和服を着せますから、いえ、自動的に着物を見ると身に着けますよ。」
全裸美人人形は老紳士の視線を感じると、
「あ、恥ずかしい。」
と声を出して部屋に脱ぎ捨ててあった着物に近づき、急いで身に着けた。
禿げ頭の案内人は七谷に、
「試供の御感想は如何でしたでしょうか?」
と低姿勢で聞いてきた。七谷は、
「とても良かったですよ。人形とは思えないですね。購入したいと思います。」
「有難う御座います。それでは係の者を呼びますので。」
と禿げ頭は話すと、スマートフォンを取り出して、
「岬君。お客様がご購入を希望だ。こちらに来てくれ。」
と伝えた。
すぐにドアが開いて若い女性が現れると、禿げ案内男は七谷を右手で示して、
「こちらのお方だ。」
とアロハシャツの七谷を紹介する。若い制服の女性は七谷に、
「岬と申します。ご購入のご契約は、あちらの部屋へ、どうぞ。」
と自分が出てきた部屋を案内した。
七谷にドイツ女性のアーベルシュタインも随行する。応接室のような部屋だ。席に着くと岬は、
「予算は大体、国産車の三倍です。クレジットカード決済やローンも使えますよ。」
七谷は、
「私は無制限のブラックカードがありますので、それで買いましょう。会社名義となっています。」
「ありがとうございます。ニュー博多人形一号、春夏(はるか)が先ほどの人形の試供品の実売版です。試供版より、ずっと本物の女性らしさを持っています。女性器も名器と呼ばれるものを、まとめて集約させていただきました。
人気AV女優の実際の女性器をデーターに取って開発されたものです。」
それを聞いた七谷は満足げに、
「博多人形も、ラブドールとして再び脚光を浴びているんでしょうね。」

sf小説・未来の出来事46 試し読み

 全裸のアイスナンと成頭友見は空中遊泳のようにラブホテルのスイートルームを動いていく。やがて棚のリップスティック型無重力状態発生装置にアイスナンの右手が届き、彼女は、
「スイッチをオフにするから直立した体勢に、なりましょう。」
と声を掛け、アイスナンの全裸は床面に対して立った姿勢となるが両足裏は床から十センチ離れている。成頭も両脚を落とすようにするとアイスナンと同じ体勢になった。が、半立ちのままの肉砲は成頭の体から直角の位置を保っている。
アイスナンは成頭の姿勢を見て、
「それで、いいわ。スイッチをオフ!」
二人は無重力状態から解放された。
二人は駅弁体位のままだ。クロールで少し疲れたのか成頭の怒陰茎は少ししか膨張していない。それを見たアイスナンは、
「少し休みましょう。ベッドに腰かけて。」
「はい、そうします。」
二人は並んでベッドに腰かける。浴室の中にもベッドは、ある。ウォーターベッドなのだ。
自分の膝に両手を置いて成頭は、
「それにしてもアイヨー先生が黒人に変装していたのには驚きましたよ。」
「そういう趣味もある人は他にも、いるわ。」
「なるほど。でも先生の場合は趣味と実益を兼ねているというか、そうなのでは?」
「そうね、アパレルでもバイト代は貰っていますからね。」
「そのアパレル店では黒人の変装を解くわけでしょ。」
「そうですね。その通り。」
「そこで、どういう仕事をしているんですか。」
「それは話せないわ。」
「店内に入りましたけど店員にアイヨー先生は、いませんでした。」
「それは、そうでしょうね。その話は打ち切りましょう。」
「はい、そうしますか。」
多分、事務員なのかもしれないと成頭は思った。
 しかし。黒人に変装するのが単なる趣味とは成頭には思えなかった。それに福岡市長ともラブホテルで密会している。そこではスパイ活動が行なわれていると七谷教官は断定している。そのように考えていると成頭の陰茎は怒りを鎮めていた。アイスナンは成頭の股間を眺めて、
「完全に静まったわね。貴方の息子さん。」
成頭は自分の股間を見て、
「ああ、そうみたいですね。連戦は無理みたいです。」
アイスナンは、
「オホホホ。では無理しなくてもいいわ。いくら浴室でも、暖房はしていないから部屋に戻りマショウ。」

 それで二人は豪華なリビングに服を着て入った。座り心地のいいソファに座っても成頭の頭の中は黒い雲が出ていた。アイヨー先生の顔に戻ったアイスナンは、
「どうも納得が行かないようね。成頭さん。わたしが日本にいる目的は金儲けです。アパレル店は私が経営者。語学学校はアルバイトみたいなものよ。」
と分かりやすく解説した。
なるほど、そういうものか、と一旦、納得した成頭友見ではあったが、福岡市長とラブテルで談合について話していたではないか。そこで成頭は、
「アイヨー先生は福岡市長を知っていますよね。」
と押すと、
顔色を変えずにアイヨーは、
「ええ、名前だけはね。」
と卒なく答えた。成頭は、
(やはり怪しい。名前だけでなく体って知っているんだろう)
と思ったが、それは顔には出さずに、
「福岡市長には談合疑惑が、あるんですよ。それは知っていましたか。」
「ほー、そうなの。わたし政治には全く、詳しくないから。わたしの興味は、お金だけです。」
「男の体には興味がない?ですか。」
「それは普通の女性として男性に興味は、ありますけどね。わたしも処女では、ありませんし。」
「アイヨー先生はスパイ映画とか興味がありますか。」
「ないですね。わたし、映画は見ませんからね。」
その時、突然、成頭のスマートフォンがズボンのポケットの中で振動した。彼はアイヨーに、
「スマートフォンが鳴ったので、取りますけど。」
アイヨーは目を丸くして両手を広げると、
「ええ、どうぞ。お構いなく、ね。」
それで素早く成頭はスマホを取り出すと、
「這い、もしもし、成頭です。・・・ああ、君か。お久しぶりだね。なに?もう着いたって?それでは迎えに行くか。その前に行けるかどうか聞いて見るよ。」
通話終了させると成頭はアイヨーに顔を向けて、
「ちょっと急用が出来ました。今日は、ここで失礼します。」
と急いで話した。アイヨーは肩をすくめると、
「急用なら仕方ないわね。身内の不幸でも、あったのですか?」
「ええ、祖父が死にました。」
「それは、大変ね。お悔み申し上げますわ。」
成頭はラブホテルのスイートルームを飛び出すように出て行った。
地下鉄で福岡空港へ向かう。その前にスマートフォンで七谷教官に、
「今日は自由行動でいい、という事でしたが、さっきまでアイヨーとラブホテルのスイートルームに居ました。全て録音、録画しています。それが一旦、終わったので知人を迎えに福岡空港に行きたいんですが。」
と電話すると、七谷教官は気軽に、
「それは成果が上がったね。もう今日は仕事は、しなくていい。空港だろうと博多港だろうと好きな場所へ行きたまえ。」
「はい、有難う御座います。」
という事で成頭は地下鉄で福岡空港に到着したのだ。
 
 国際線のゲートで待っているとドイツの修道女アメレント・アーベルシュタインが現れた。成頭は元気なアメレントの顔を見ると嬉しくなった。そこで自分の近くに来たアメレントに成頭は、
「元気そうだね。これから、どうする?」
「今回は、そんなに急ぐ事はないんです。日本観光でもしてこいと上の人に言われましたから。」
と寛ぐ様子のアメレントに成頭は、
「そいつは、いいねー。僕も暇がある。二人だけで楽しみたいな。」
「オー、グート。こんな場所では言えないけど、二人だけの空間で言いたい事も、あるのよ。」
との返答に成頭は満足して、
「それでは個室喫茶に行こう。空港の近くにはないからね、個室喫茶は。でも中洲には、ある。地下鉄で行けるから。」
と話すと、空港の地下鉄駅に歩き始める。

 中洲の個室喫茶は中洲地下街にある。地下鉄中洲駅から歩いて三分ほどだ。ロボット店員が案内してロボットメイドがコーヒーを二つ持ってきた。ドアを閉めると自動的に鍵が掛かり外からは開けられなくなる。アメレントにとっては初めての体験らしく、
「すごい個室だわ。あそこに横長のソファもあるし。」
「ああ、うん、そうだね。ヨーロッパは今、大変なんだろう。小型の核戦争も始まっているし、ドイツとフランスは再び戦争になっているし。」
アメレントの顔は憂いを帯びて、
「そうね。わたしの修道院はドイツとフランスの国境からは遠いから、まだミサイルも飛んでこないけど。
でもフランスも長距離ミサイルを保有しているし、どうなるか分からないわ。」
「貴女はドイツ人だから自分の国は心配だろう。」
「そうね。だけど日本なら安全だから、今は心配ないわ。」
ヨーロッパ戦争が始まった。
EUは、ほぼ解体してしまったのだ。フランスもドイツもEUから離脱している。
アメレントは上着を脱ぐと、
「暑いわね。12月のヨーロッパは寒い。この部屋の暖房は私には暑いの。」
成頭は横目でアメレントを見ると彼女の胸の膨らみは想像していたより大きかった。西洋人らしい上向きの美乳にして巨乳だ。成頭は思わず生唾を呑み込む。で、成頭は、
「アメレントさんの胸は大きくて形が、いいよ。」
と褒める。アメレントは、
「そう見てくれて嬉しい。揉むか、吸ってもいいわ。」
二人はテーブルに向けて並んで座っているから成頭はアメレントの左の乳房を右手で掴んで揉み握る。アメレントの顔は快感に歪み、
「いいっ。はあっ。わたしたち、裸になりましょう。」
と言うと手早く服を脱ぎ始めたので成頭も服を脱ぐ。
全裸のアメレントの乳房は、おいしそうな果実のようだ。それに彼女のフェロモンは甘い香りで成頭を包んだ。二人とも全裸になると、互いに近づき抱き合い唇を重ねた。成頭の股間の男の武器は天井に向かう。
彼はアメレントを横抱きにして立ち上がるとソファに運び、彼女を仰向けに置く。すぐにアメレントは白い長い両脚を大きく広げた。彼女の股間は黒い縮れた恥毛が逆三角形で覆っていたが大きな淫裂は成頭の男の武器を受け入れたいように少し口を開いている。
たまらない成頭の欲棒は惹き寄せられるようにアメレントの陰唇の内部に突入した。その時、彼女は痛がらずに快感で長い睫毛の両眼を閉じたのだ。成頭は?と思い、
「君は修道女だから処女では、ないのか。」
と聞くと、
「うん、実はね・・・。」
と、その理由を話し始めた。

 女子修道院の中にもスポーツをする施設がある。その中の一室にフェンシングをする場があり、アメレントは防具をかぶって相手と練習をしていた時に股間を攻撃され、見事に処女膜を喪ったのだった。
「・・・という訳なのよ。練習相手も修道女だった。一年先輩のね。平謝りに謝ってくれたけど、戻すには美容整形外科とかに行って処女膜を再生してもらうしか、ない。それも馬鹿みたいだから、そのままにしていたの。普通の女性なら、いずれ失うものですものね。」
成頭はアメレントに、のしかかり、
「僕のモノの方が気持ちいいだろ。」
「それは、そーに決まっている。グート。Haaaa!」
それから心地よげに快楽の声を上げるアメレントはヨーロッパ言語的な発音で、日本人女性が発する快楽の叫びとは違っていた。三十分は交楽を続けられた成頭も、それ以上は耐え切れずにアメレントの中に大放出した。
成頭はアメレントから離れると、
「ここはホテルではないから、もう出よう。」
「子供が出来たら結婚してくれるかしら。」
「修道女は、やめるのか。」
「うん、辞める。処女でいるのは修道女として必須だけど、それは失ったから、本当は今、辞めないといけないんだけど。」

 中洲ビッグタワーの中にある成頭の部屋に二人は歩いて移動した。アメレントは成頭の部屋を見渡して、
「広い部屋ですね。最近は電子フェンシングが流行しているのよ。本物の剣よりも安全だから。」
「なるほど、そうか。それなら君の処女膜も突き抜けないのかな。」
「それは、そうみたいね。電子剣が防具や身体に当たると得点のランプが、つくから審判員もいらないらしいわ。」
成頭のシングルベッドに二人は腰かけた。
電子フェンシングの話は成頭も初耳で、
「僕も電子フェンシングを、やってみたい。君と。」
セリフを決めてみる。
アメレントは、
「私も、まだ電子フェンシングは、した事がないのね。」
「いつか、やろうよ。」
「やりましょう。日本で流行する前に。ドイツには、あります。」
「一度、行きたいな。でも・・休暇を貰わないとね。」
「成頭さん、どんな仕事をしていますか?」
「ホストですよ。」
「ホスト?なに、それ?知らないわ。わたし。」
「女性客相手に酒を飲ませるのさ。でも昔は神学生だった。」
「それなら、わたしも修道女を辞めて・・・とは、いかないの。」
「それでもむ君は処女を喪っただろ、さっき。」
「ええ、でもフェンシングの剣ほどの痛みは、なかった。」
「うーん。そうだろうね。」
成頭としては複雑な心境だ。それで、
「今日は、ここに泊って行かないか。」
すると意外にもアメレントは、
「日本に長期滞在する費用を貰っているの。最低でも高級ホテルに泊まらないと費用を使えないし、報告も出せないから。
それに日本の高級ホテルに泊まるように上の人に言われているし。」
びっくりした成頭は、
「修道院って質素に暮らすんじゃないのか。」
「普段は、そうですけど社会に、お金を流すように言われています。タクシーも乗らないと、いけません、わたしの修道院では、そういう方針です。高級ホテル、知りませんか。」
「知らないけどインターネットで調べよう。」
成頭は立ち上がると机の前に座り、ノートパソコンを起動した。
 高級ホテル 福岡市
で検索すると、ズラリと出てきた。アメレントは立ち上がり、成頭の傍に来てノートパソコンの画面を見ている。成頭は、
「高級ホテルにはスイートルームもあるけど、一泊が二百万円とかあるけど、それでも、いいのかい。」
と問いかけるとアメレントは、
「さすがに、それは泊まらないわ。高級ホテルのシングルで、いいの。」
パタパタ、カタカタ、と成頭の指先がパソコンのキーボードを叩くと、
「一泊、五万円、の高級ホテルが、あるよ。」
アメレントはパソコンを覗き込むと、
「いいね。それにして。」
「申し込みは自分で打ち込んで。席を譲るから。」
成頭は立ち上がると自分の椅子をアメレントに勧める。」
「じゃあ、失礼して。座るわ。」
とアメレントは言うと成頭の椅子に座り、パソコンから高級ホテルのシングルの予約をした。
そのホテルは福岡市中央区だから成頭の住んでいる博多区中洲より少し離れている。ダキサン・ホテルという円筒形の細長い建物で、一階はレストランも何店舗かあるために人の出入りは賑やかだ。アメレントは立ち上がり、
「すぐにダキサン・ホテルに行かなくちゃね。又、明日。連絡するわ。」
と右手を振ると、玄関に行く。追いかけた成頭は、
「歩いて行くには遠いよ。タクシーを呼ぼうか。」
「自分でタクシーは呼べます。アフイーダゼン。」
とドイツ語で別れを告げた。

 アメレント・アーベルシュタインはスカイタクシー乗り場までスマートフォンで地図を見ながら移動した。
運賃も高いために利用客は少ないのでアメレントは、すぐにスカイタクシーに乗れた。後部座席でアメレントは、
「ダキサン・ホテルまで、お願いね。」
と指示すると、
若い女性の運転手は、
「ロータリーの方で宜しいですか、ダキサン・ホテルの。」
「ええ、ロータリーに、して頂戴。」
とアメレントが答えると、タクシーは浮上した。
空飛ぶタクシーは今では珍しくないので通行人も見上げる人は少ない。
上空百メートルほどの高さに飛び上がるとスカイタクシーは西に移動した。ほどなくダキサン・ホテルに到達すると下降してホテル前のロータリーにスカイタクシーは着陸した。
 電子通貨のデジタル円でスマートフォンからアメレントは運賃を払うと女性運転手は、
「有難う御座いました、又、ご利用下さい。」
と礼を言う。
 スカイタクシーを出たアメレントはダキサン・ホテルの一階の自動玄関ドアを入り、フロントで、
「シングルの部屋を予約しましたアーベルシュタインと言います。」
と話すと背の低いフロントマンは、
「アーベルシュタイン様。有難う御座います。最上階の部屋の鍵で御座います。」
とシングルの部屋の鍵を渡してくれた。

 夜景の見える広い部屋だった。アメレントは大きな鏡の前に立つと髪形をポニーテールに変えた。後ろ髪をバンドで止める。それだけでも彼女の印象は変わった。更にアイシャドウを付ける。ハンドバッグの中から小さな機器を取り出すと、それを自分の顔に向けてスイッチを押す。人工太陽光線が彼女の顔を照らした。ものの一分でアメレントの顔は日本女性の肌の色になる。いや、もう日本人女性のようだ。
 アタッシュケースの中から衣服を取り出すとシングルベッドの上に置き、今、着ている服を脱いでアメレントは下着姿になるとベッドの上の丈の高い膝下まである茶色のフロックコートを着る。そのフロックコートの襟元にあるボタンを押すと、なんと服は着物に変化したのだ!!
背の高い和服美人に見えるアメレントの顔は彫りが少し深くて鼻も高いとはいえ日本人女性に見える。
 彼女は部屋を出てエレベーターで一階に降りた。着物姿のなので人目を惹く。
 レストランの並んだ通路を歩くとアメレントは和食の店に入った。高級そうな服に身を包んだ男女の客が大勢、テーブルに座っている。壁は板張りで、若い着物を着た女性がアメレントに近づくと、
「席を御案内します。こちらへ、どうぞ。」
と話すと店の奥に連れていく。
四人が座れるテーブルに案内されたアメレントは、和服ウェイトレスに、
「お会いされる方は、もうすぐに来られますよ。それまで粗茶ですが玉露を、どうぞ。」
とテーブルに白い湯飲みを置く。和服ウェイトレスは態勢を変えて店の入り口を見ると、
「あ、来られましたわ。あの方の玉露と、お品書きを持って参ります。」
それと入れ替わるように背の高い、黒い背広を着た四十代の男が現れると、
「蟹田です。茶島さん、待ちましたか?」
と紳士らしくアメレントに問いかけた。
アメレントは微笑むと、
「いえ、少しも待ちませんわ。今、来た所ですの。」
「それでは失礼して腰かけます。」
蟹田という男はアメレントに向かい合って座った。
和服ウェイトレスが蟹田の玉露と、お品書きを持ってきた。
 お品書きを手に取った蟹田は、
「和食満腹全席、しますよ、お嬢さん。二人前ね。」
と若い和服ウェイトレスに注文した。
「畏まりました。お待ちくださいませ。」
と話すと、お品書きを手にして和服ウェイトレスは離れて行った。蟹田は玉露の入った湯吞みを手に取るとグイと飲み、
「ああ、うまい。茶島さん、さあ、飲んで下さい。私が支払いますので。」
と勧める。アメレントは日本人女性にしか見えない挙措で、両手で湯飲みを持つと少し口を付けて玉露を飲み、
「おいしいですわ。日本茶としては最高級ですね。」
蟹田の顔が、ほころび、
「玉露でも最新の育て方などで昔の玉露とは違うんですよ。福岡県の八女に出張で来ました。その帰りですけど八女では玉露だけでなく、いい御茶が栽培されています。年に数回、特種な光線を当てて栽培している農家があります。
ブラジルの太陽光線を再現できるらしい。
それで特殊な玉露が出来るんだそうです。」
茶島アメレントは、
「驚きました。蟹田さんは農林水産省の方ですね。」
「ええ、そうです。茶谷さんがドイツの農園の方から依頼を受けているとか聞きましたよ。東京に茶谷さんの知人が、いらっしゃるんですね。私は新興農業課の課長を勤めております、蟹田幸一と申します。」
「茶島志都美(しずみ)と申します。ドイツから日本に来て東京の大学で農学を学んだ知人から依頼されました。大きな農園の娘さんで日本の農業の実際を知りたいという話でした。
例えばイチゴの栽培法とか西瓜の栽培法とか、らしいです。
でも今は、その人はドイツに帰っていてスグには日本に来れない事情があります。そこで私に電子メールで依頼してきたのです。」
と一息に事情を説明した。新興農業課の蟹田幸一はニヤリと頷いて、
「それでもですね、農家にも明かせない栽培技術も、あるんですよ。」
「そういう事は、あるかと思いますが普通に知られていい所だけでも教えていただけませんか。」
と和服姿で説き伏せる茶島志都美の姿には色気がある。蟹田幸一は九州に長期出張中で妻子は東京都にいる。いわば別居中のようなものだ。蟹田の妻も四十代で二年も夫婦の交わりが無い。それでも蟹田は風俗には行かないでいた。
 蟹田から見ても茶島志都美の顔やハッキリとはしない胸のふくらみも日本人離れしている。ハーフなのかもしれない、と蟹田は思いつつ、
「いいでしょう。ヨーロッパの諸国とも親交を図るのは我が国としても必須ですからね。御案内しましょう。でも、もう・・・。」
と話すと腕時計を見て、
「日が沈みました。明日からに、しましょう。」
茶島志都美も自分の高級腕時計を確認して、
「あら、もう六時ですね。明日からに、なりますわ。」
蟹田幸一は運ばれてきた和食満腹全席を見て、
「まずは食べてください。これからの腹ごしらえに。明日へのエネルギー補給をしましょう。」
二人は無言で大いに食べ始めた。

元気満タンとなった二人である。蟹田は笑顔で、
「ここにはサウナもありますよ。私は今晩は、このホテルに泊まりますが、茶島志都美さんは如何ですか?」
「ええ、私も泊まります。宿泊は申し込んで鍵も貰っていますの。」
「それは、いい。私もシングルの部屋を取りました。サウナに行きませんか。」
「ええ、行きましょう。」
二人は並んでレストランを出ると蟹田幸一の導きで二階にあるサウナにエレベーターで行った。

sf小説・未来の出来事45 試し読み

台湾はバイクに乗る人が多い。そのせいかバイクのレースが盛んだ。小さなレースではレースクイーン達もいないが大きなレースでは若いレースクイーン達が会場を賑わせる。はちきれんばかりの胸を、かろうじて隠しているという台湾レースクイーン美女も多くいるものだ。近年はロボット美女にレースクイーンを登場させた会場もあった。
 レーサーはレースクイーン達にとって憧れとなる場合は、あまりない。バイクに乗っているとはいえ通り過ぎる速度が速すぎて顔も、よく見えないので見えない人には関心を持ちにくい。
それにレース中はフルフェイスのヘルメットをレーサーは装着しているので顔は全く見えないのだ。
 レースクイーンの命天天(めい・てんてん 広東語の読みはメン・ティンティン)はモデルが本業だ。それ以上の収入を得るためにレースクイーンに出ているのだ。
彼女の身長は170センチでモデルらしい細身の体で、いつも普通はズボンを履いて外に出ている。
 レースの時はレースクイーンの定番の服装であるビキニ姿でレースを応援する。レーサーより命天天のファンも出来つつある現状だ。
台北の大きなバイクレースに時々、出ている命天天なのだ。彼女はSF小説の愛読者で電子書籍でSFを読んでいる。外出した時は図書館で一日を過ごす事もある。台湾の図書館は日本の図書館と違って優雅な所もある。本を読むテーブルが、それぞれ離れていて日本のように密着していない。
 平日を休みにしている命天天は図書館に行くと寛げるのだった。九月になっても日本より暑い台湾なので図書館も冷房を続けていた。
台湾の図書館は上下に長い建物があり、それは日本の図書館とは違った建築構造だ。命天天は今、九階の図書室にいるのだが窓の外には台北市が一望できる風景が広がっている。
 本から目を離す度に命天天は窓の外から下を見てはドキドキ感を味わうのだった。遠くに台北130という超高層ビルが見える。世界有数の高さで、130階もある商業ビルではあり、一時は世界一の高さを誇った。
屋上まで行けるエレベーターは日本の福岡のメーカーであるサイバーモーメント社製のもので、そのエレベーターの速度は現在でも世界一である。
それらの風景で目を楽しませた後、命天天が視線を図書館内に戻すと、テーブルの向こうに一人の男が座っていた。若いし独身そうな人物で真面目に図書館内の本を読んでいた。そのテーブルには命天天と、その若い男の二人だけで、隣のテーブルは随分と離れている。それで小さな声なら問題なく、隣のテーブルの人達には聞こえないように話が出来る。
じっと見ている命天天の視線を感じた若い男は読んでいる本から眼をあげて、命天天を見るとニッコリと微笑み、小さな声で、
「お邪魔でしたか?御嬢さん。」
と訊いてきた。命天天は同じく微笑むと、やはり小さな声で、
「いいえ、そんな事は、ありませんよ。何を読んでいるのですか?今は?」
若い男は本に視線を下げて見ると、又、目線を上げて、
「これはバイクについての本です。面白くて眼が離せません。」
と語る。命天天は自分が借りている本を見て、
「SFを読んでいるんです。私も面白くて眼が離せないですよ。」
男は興味あり、の顔をして、
「なるほど。いや僕もバイクの次にSFが好きなんですよ。空飛ぶバイクなんて出現したら面白いなーと思いますよ。」
と話した。命天天は、
「貴方の読書の邪魔をする気は、ありません。どうぞ、続きを読んでください。」
男は本を閉じると、
「この本は借りて行けば、いいんです。もし、よかったら喫茶室が、この図書館にありますから、そこで話しましょう。お茶代は僕が出しますから。」
と意外な申し出をした。
命天天は戸惑いながらも喉が渇いていたので、
「ええ、ご相伴に預かります。冷房されていても喉が乾きました。」
「それは大変だ。我慢すると熱中症だ。行きましょう、喫茶室へ。」
と男は言うと本を手にして立ちあがった。命天天も立ち上がる。二人とも図書借りだしの場所で借りる手続きをすると、男の足は喫茶室へ向かう。命天天も男と並んで歩いた。
エレベーターで屋上へ。そこに喫茶店の建物があり、中に入ると客は少なくても居た。壁は殆どガラス張りで屋上からの景色が眺められる。
 屋上は高い場所での直射日光により地上より暑さを感じる命天天だ。若い男は急いで喫茶室に入る。続いて命天天も。
 メロンスカッシュを二人分、注文した男であった。レモンスカッシュならぬメロンスカッシュは五分と待たずに二人のテーブルへ。男は右手を命天天の方に差し出して、
「さあ、飲みましょう。本物のメロンを使っていますよ、このジュースは。」
と言うので命天天は、
「ありがとう、いただきます。」
と返答してストローを使い、飲んでみた。笑顔で命天天は、
「美味しいですね。初めて飲んだんです、メロンスカッシュを。」
その時、壁全体がガラス窓なので室内が少し暗くなった。何だろうと命天天が窓の外、というか壁窓の外を見ると定番型のUFOが喫茶室の近くまで来て空中に静止していた。
命天天はワッと驚いた顔で、
「窓の外に!UFOが!見て、見て、見て!」
と指さす。
若い男は壁窓の外を見て、左程驚かず、
「ああ、最近、よくありますよ。別に攻撃してくる訳でもないから、安心していて、いいんじゃないかな。あ、そうだ、僕の名前は車輪輪(広東語の発音でセ・ロンロン)と、いいますよ。貴女の御名前は?聞きたいな、僕。」
UFOは窓の外の空間に静止しているが命天天は車輪輪を振り向くと、
「そうでしたね、自己紹介していませんでしたわ。わたし、命天天(メン・ティンティン)と申します。あっ!」
UFOから怪光線が発せられて命天天に命中した。それで彼女は意識を失ったのだ。車輪輪は素早く立ち上がるとソファに崩れた命天天の方へ駆け寄り、彼女を横抱きに抱いてレジでスマートフォンで会計を済ませると喫茶室の外へ出た。
UFOは二人に近づいてくると薄い黄色の光線を二人に照射した。命天天を横抱きにしている車輪輪は、そのままUFOの内部に吸い上げられて行った。

 命天天は意識を回復した。自分のアパートの部屋のベットの上で寝ていたのだ。それでも洋服のまま寝ている。いつもは夏は全裸で寝ているのだ。その方が冷房代の節約となるから。窓の外を見たら暗黒なので夜なのが分かる。あれ?涼しいな、と思ったらエアコンが動いている。とすると、夢だったのだろうか?自分は図書館で本を読んでいると若い男、車輪輪と後で名乗ったが、その男が向かいの席に現れて窓の外にUFOが出現した。薄いピンク色の光が自分に発射されると私は意識を失った・・・。という記憶がある。
 壁には電子カレンダーを設置している。今日は9月12日、この電子カレンダーは月が替わっても紙のようにカレンダーを破らなくてもいい。月が替わると自動的に画面が変わる。日本のサイバーモーメント社で作られたものだ。それに十年分のカレンダー表示が可能なのと、画面タッチで日にちに予定を書き込めたりもする。更に百年分のカレンダー表示も可能だが価格としては高額になる。買いやすいのが十年表示できるものだ。
そのうちにサイバーモーメント社の台湾工場も始まるらしいが、取り敢えずは日本からの輸入ものを命天天は購入したのだ。カレンダーだけでなく時刻も表示されるために時計を買う必要もない。
今日は仕事のない日で命天天は図書館に行った筈だ。それが何故、今、自分は自宅にいるのか?しかも全裸で。という問いの答えを見つけるためにベッドの下を見ると自分の服が畳んで綺麗に重ねられていた。ショーツとブラジャーは、その上に並んでいる。
図書館に行った夢でも見たのかな、と命天天は思った。
 そのまま寝入って次の日の朝が来た。今日は仕事だ。大きなオートレースが台北市で開かれる。レースクイーンとして命天天はモデル事務所から派遣されている。オートレースは朝から開かれる事は、ない。午後から開催される。それでも早めに会場に行っておく方が、いい。
 アパートを出て、それほど歩かない場所に地下鉄の駅がある。命天天は地下へのエスカレーターに乗った時から冷房の涼しさを感じた。ズボンを履いている命天天だが暑いので下着は着けずにノーショーツ、ノーブラジャーだ。男の地下鉄の乗客の視線は命天天の胸や股間に向いている人数が多い。
 それに彼女はモデルでレースクイーンだと知っている男性乗客も、いるようだ。今日のオートレースに行く乗客も少なくないようだ。
 地下鉄の駅を出て地上に出ると、少し歩けばオートレースの会場だ。一般の人が入るのとは違う入り口から命天天はレース場に入り、ロッカールームでレースクイーンの露出の高い服を身に着ける。同僚の数人も皆、下着姿になりレースクイーンのビキニのような姿になるのだ。
 命天天はブラジャーも外して着替えた。ノーブラでのレースクイーンも珍しいものだ。
 レースは快晴の空の元、行なわれて大盛況だった。車輪輪という新人のレーサーが優勝した。それを近くで見ていた命天天は(車輪輪て聞いた事がある気がする・・・)と思った。
 優勝者へのインタビューが始まった。フルフェイスのヘルメットを脱いで顔を見せた新人の車輪輪は、お立ち台で会場に向かって右手を振ると、
「今日は、どうも、有難う御座いました。」
と淀みない広東語で笑顔で話した。その顔を見た時に命天天は(あ、図書館で見た私の前の席に居た人だわ!だけど、あれは夢だと思っていたけど・・・)と考えあぐねてしまう。
それからはレースについて淡々と語った車輪輪だった。そして全て終了となり、命天天はロッカールームへ戻ると私服に着替えて外へ出る。
 少し歩くと目の前に男が現れた。何と今日のレースの優勝者、車輪輪では、ないか。立ち止まった命天天に車輪輪は私服姿で、
「お久しぶり。といっても、そんなに前の出会いでは、なかったね。」
と彼も立ち止まって語る。命天天は、
「え?あの図書館で、お会いしたのが貴方ですか?」
「そう、僕の名は車輪輪。今日は優勝出来て良かった。何処かにドライブにでも行きませんか?」
「いいですわね。でも・・図書館の屋上でUFOに怪光線で引き上げられて、それから次は自宅で寝ていたという記憶の欠如があるんですけど。」
「ああ、その事ですか。それについて話せる事を話しますから車の中で聞きませんか?」
「ええ、是非、聞かせてください。車輪輪さん。」
「それでは僕の車を持ってくるから、ここで待っていてね。」
と言い置いて車輪輪は駐車場の方に行ったらしい。その駐車場は、その場からは見えなかった。三分以内に白のスポーツカーに乗った車輪輪が命天天の前に現れた。車は助手席側のドアをボタン一つで開くと、
「さあ乗って。最新設備の車ですよ。」
と話しかけた。
命天天が乗り込むと車輪輪が又もボタン一つで助手席のドアを閉める。
車輪輪はカーナビで運転経路を決めると車は自動的に発進した。車輪輪は横目で、といっても右目で右横に居る助手席の命天天の横顔と横乳を見ると躍動感のある勢いを感じた。それに彼女の乳房は横から見ると服で曖昧になっているとはいえ、突出感が凄い。運転席の車輪輪は知らないが彼女はノーブラジャーだ。車内はエアコンが運転を開始したが外よりも暑い状態である。
自動運転なだけに安全運転で進んでいくスポーツカーだ。台北市の華やかな通りを流れていく窓の外の眺めに命天天が楽しそうなので車輪輪は暫く無言でいる。台湾の車の走行位置は右側なので日本とは正反対である。世界の車の走る車道の位置に就いては右側走行が国別としても圧倒的に多いのだから台湾の車の走る位置が右側と言うのも世界の主流に沿っているものと言えるだろう。であるからして命天天は歩道に近い位置にあるのだ。車道近くを歩いている人も、たまにはいる。台湾は昔から交通事故が多い国である。それは歩行事情にも一因があると言えなくもないのかも知れない。
それでもカーナビによる安全運転の自動運転中のスポーツカーだ。
 車輪輪は突然のように、
「もし今、車の内部が全く違ったものになったとしたら、どうしますか?」
と提案するかの如く命天天に尋ねた。いきなり問われて戸惑う命天天は、
「えっ?そんな事を言われても・・・違ったものに、というのは、どんな風に違うんでしょうか?」
「男と女にとって、やりたい事を、やれる空間ですよ。」
「ふーん、何でしょうか?」
「男性の運転する車に女性が一人で乗るというのは同意したも同然の了解ですからね?」
命天天は無言で頷いた。車輪輪は何処か日本人の男性の雰囲気が感じられるが広東語は外国訛りも感じられない。何人もの女性を抱いてきた男、という雰囲気を持っている。命天天は了解の印に少し股間を開いた。その彼女の両脚の動きを見逃さなかった車輪輪は、
「よし、と。それでは変えますよ、車内を。」
と話すと運転席前部のパネルにあるボタンの一つを右手の人差し指で押した。すると!!
車の窓ガラスは元々、マジックミラーで外から中は見えないものだった。だから、そこは変わらないのだが窓ガラスの内部側に、もう一つの窓ガラスが下から上に出て来て、車内は真っ暗になった。その瞬間に自動点灯で照明が照らされたので再び車内は明るくなったけれどもフロントガラスも真っ黒になってしまったのには命天天は驚いたのだ。
更に車輪輪は、
「それでは次を行くよー。」
と話して又、別のボタンを押す。すると、二人の座席は後部に移動して背もたれが後ろに倒れて後部座席と合体し、ダブルベッドの広さになったのだ。車輪輪は左の方で、
「これでラブホテルみたいになったね。走るラブホテルだ。完全防音でもあるから君は好きなだけ声を上げていいよ。
外からも見えないし、車は自動運転で走り続ける。」
そう話すと、更に別のボタンを押した。
命天天は驚いてしまった。二人は乗り心地のいい広い座席で向き合うと車輪輪は命天天を抱き寄せて深接吻をした。二分も二人の唇は重なったままで、そのうちに車輪輪の舌が命天天の唇を割って入って行き、二人の舌は、もつれ合うかのように絡み合う。車輪輪は彼女の上着を脱がせる。ノーブラなので、すぐに命天天の桃のような白い乳房が弾力で揺れて尖った乳首も見せた。車輪輪も自分の上着を脱ぐ。彼の上半身はボディビルダーにも似て大胸筋は逞しく、腹部は数段に割れている。それを見た命天天は自分で座席シートに寝そべった。運転席のハンドルは誰も触らないのに左右に回転している。アクセルやブレーキも動いていて、少しは揺れがあるとはいえ車の中とは思えない程だ。命天天は自分のズボンと下着のショーツが優しく脱がされるのを感じた。それで彼女は白い裸身を車内に曝け出した。
そのモデルでレースクイーンの命天天の白の裸身とは対照的に漆黒の股間が車輪輪の性欲の中枢神経を刺激して既に自分のズボンとパンツを外した彼の股間は肉欲の代理棒が天井に達せんとばかりに突き上がっている。
それを寝そべったまま目線を下に向けた命天天は車輪輪の男根肉を見て(すっごい。早く、入れて。)と思い、自分から大きく股間を広げた。車輪輪の肉欲代理棒は命天天の陰裂部に躊躇する事なく這入り込むと、走っていた車は停車した。信号待ちなのだろう。車外は台北市の大きな交差点で信号が変わり、歩行者は車道を横切っている。スポーツカーの内部では全裸のレーサーとレースクイーンが性器を結合させて正常位で交わっているなどとは歩行者は想像も、しないだろう。車輪輪の滑らかな腰の振りに命天天は可愛い声を、すすり泣くように上げて自分の西瓜のような尻を振る。その彼女の声は、かなり大きいのだが完全防音の車内のために外に漏れる事は、なかった。
信号が変わったらしくスポーツカーは又、安全速度で走行を開始した。腰を振りつつ車輪輪は、
「車が走っている時に性交するのも格別だろ?命天天。」
と聞く、命天天は髪を少し振り乱して、
「カーセックスは初めてなの、ああっ、ああっ気持ちいい。」
と答える。
車内は昼間のような明るさだ。外の方が曇り空で少し暗い位な天候である。二十分で車輪輪は射精する事無く勃起したままの肉欲代理分身を引き抜いた。そして、
「もう少しで出そうになったから、一旦、外した。少し休めば、あと二十分は持続できる。」
と自信綽綽と話したのである。
 スポーツカーは自動安全運転を続けている。車輪輪は運転席のカーナビを覗くと、
「そのうち海岸線に走りつくんだ。君は海は好きかい?」
裸身で寝そべったままの命天天は、
「ええ、海は好きだわ。でも台北市からは近くないわね。」
「北西に行けば一番早く海岸に到達できる。」
と同じく全裸で肉砲身を立てたままの車輪輪は答えた。命天天は思い出すように、
「そうだったわね。何年も海を見に行っていないもの、わたし。」
「そうだったのか。それなら、これから海に行けるよ。」
と嬉しそうに話す車輪輪だ。
 カーナビでは既に海岸に行く設定になっている。車輪輪は一旦、肉砲身を平時の肉長に戻すと運転席に行き、パネルにあるボタンを押した。すると全ての窓ガラスがマジックミラーに戻り、外の光景は見えるようになり眩しい太陽光線が車内を照らした。命天天は裸身で起き上がると、
「この窓ガラスは外から車の中は見られないの?」
と車輪輪に聞くと運転席から車輪輪は、
「ああ、マジックミラーだから外から中は見えない。だから安心していい。海までは近いからね。」
と解説した。
という内に海が見えてきた。台湾の海岸には珍しい風景もあり、岩の形が奇妙なものが並んでいたりする。命天天は、
「あっ、あそこにいる人達は全裸だわ。ヌーディスト・キャンプなのかしら。」
と窓の外を指さして叫んだ。
車輪輪はカーナビを操作して、
「予想していなかった景色だね。僕らも裸のまま参加できる。」
と話した。
スポーツカーは海岸の近くまで走って停車した。三人の女性が全裸で砂浜を歩いたり、波打ち際で海水を浴びていた。それは台湾の女性では、ないようだった。色白で足も長い。三人の白い女性たちは胸も尻も完熟している。
命天天と車輪輪が全裸で砂浜に歩いて行き、彼女達に近づくとフッというように三人の全裸美女は消えてしまった。
車輪輪は海岸を見回して、
「おや?いなくなったな。あの人たちは何処に消えたんだろう?」
命天天も裸姿のまま周辺を見渡して、
「何処にも、いないわね、あの人達。」
と全裸のレースクイーンは声を出す。
その時、上空に円盤型のUFOが出現した。車輪輪と命天天は、その円盤の基底部から発せられた物体捕獲移動光線によって円盤内部へ引きあけられたのだ。
 裸の二人を待っていたのは円盤内部には似つかわしくない道教の道士らしい男で、
「やあ、車輪輪君。日本人名は成頭友見なのだが、全裸の御嬢さんの御名前は命天天さん、ですね?」
と明るい笑顔で話したのだ。
命天天は裸身を見られるのが恥ずかしくて右手で乳房を、左手で自分の股間を隠していたが、自分の名前をズバリン!と言われて、
「どうして私の名前を・・御存知ですか?それに貴方は道士さんでしょ?」
と二つの質問を投げていた。道士は深く頷くと、
「左様です。私は錬倫平というのです。そうだね、成頭友見君。」
と男なので股間も隠していない成頭友見に親しげに話した。
 嗚呼、カーレーサーの車輪輪は成頭友見だったのだ。もちろん顔は台湾人らしい顔の特殊化粧を施している。全裸の成頭友見は、
「そうです。錬倫平さん。命天天さん、僕も道教の道士になり、カーレーサーにも、なりました。日本でも車の運転のA級ライセンスを持っていたし、特殊な機器をオートバイに取り付けて速度を加速させましたから、カーレースでも簡単に優勝出来たんです。でも、それは命天天さん、貴女と近づくための手段でした。」
と明白的な告白を縷々、述べたのだ。命天天は裸身を隠したまま、稲妻を見たように仰天して、

SF小説・未来の出来事44 試し読み

北九州市の小倉北区には海に面した場所が多く、夏になれば人も押し寄せる。六月の28日というのに気温は上昇して成頭友見とアメレント・アーベルシュタインの乗っているレンタカーの中もサウナ風呂の熱が出て来たので、すかさずカーエアコンの冷房を成頭は運転させた。アメレントの白い額にも汗が浮かんでいる。
 冷却していく車内温にアメレントは、
「涼しいわ。あ、海が見える。ドイツ人の私としては海は珍しいものだわ。」
と話すので成頭は、
「よし、それでは海を見に行こう。」
とカーナビの目的地を変更する。ビルも多い、その場所から成頭とアメレントの車は海岸へ向かう。そのビルの中の一つに市民党北九市本部があり、今日は福岡県本部から利権田・福岡県本部長が訪れていた。窓の下に見える道路を見下ろして六十路の利権田は、
「ふーん、外国車のレンタカーらしい。車の窓から若い男女が見えるな。平日にデートか。いや羨ましいな。ワシの若い頃は無論、今でも平日に女と遊ぶなどワシには出来ん。」
と、その近くの北九州本部長、も六十路、に話しかける。北九州本部長は座ったまま、
「だからこそ五十代以下の市民党員の男性議員には格別の女手当をするのが党是だと利権田先生が言われているのを北九州本部でも実行しています。北九州というか小倉での風俗店の申し出もあって、衆参両院の市民党の議員には風俗半額券を寄贈してもらっていますし、東京出張の折には新橋や神楽坂、赤坂、銀座などの芸者と無料で遊べるように手配しています。」
と話すと利権田は窓の外から室内の強浴(ごうよく)北九州本部長に視線と体の向きを移して、
「そうか、それは熱心だね。なにせ女を抱きたい、との一心から国選に立候補する男性議員が市民党には多い。それは福岡市でも、そうだ。いかに東京の女をタダで抱けるか、という事に熱心な人間であるか、が選挙戦での勝利につながる。それで衆院は福岡2区で市民党が独占だ。馬鹿な市民は議員立候補の動機も知らずになー、郷土の星だとかで入れてくれるし、熱心な人ねーなどと感心しているが、それでコッチは笑いが止まらんのだ。奴は女を抱きたいだけだからなー。国立大学を出ても男は、男。大学を出るまで我慢した分、反動も大きい。人並みに結婚しても子供が出来てからは女房にも飽きるし、さりとて浮気も出来んしな。
それで市民党に入れば女の世話もしてやるぞ、とワシは持ちかける。ワシも国立大学を出ているから、それは気持ちが分かるんだ。ワシも女を抱けるから市民党に入党した。
表面的活動では市民の皆様のため、と演説していればいい。公園の掃除までパフォーマンスとして、した事もある。ワシの入った頃には、まだ女の手配は少ないものだった。それでも当選した夜は深夜にだが中洲の高級ソープ嬢を抱けた。二発は、してしまったな、ワシは。」
そこで強浴・北九州本部長は笑顔になり、
「利権田先生も、そうでしたか。いえ私も小倉の船頭町で当選の祝いをしましたよ。妻が寝た後で家を出ると市民党の車が待っていて、風俗街まで乗せてもらって。女を抱き終わるのに二時間は使いましたが、終わったらスマートフォンで市民党まで連絡するように言われていましたのでね。それで帰りも市民党の車で自宅へ帰りました。部屋に入ると妻は熟睡していましたよ。私が当選したので、よく眠れたらしくてですね。」
と懐かしそうに回想する。利権田は胸を張り、
「ワシが更に女の手当てを増やした。レンタル・ラブドールも、これからは活用したい。芸者以外の素人に手を出す若手も出て来たからな。話は変わるんだが風俗と言ってもホストクラブとの折り合いは、あまりよくなくてな。奴らは市民党に政治献金も、せんのだよ。それで若手議員の中にはホストクラブを何とかしたいとワシに言うてくるのも、おる。ワシは、ほっといたらいいとは言うておるんだがね。」

 成頭とアメレントのレンタカーは人気のない海岸に停車した。ドアから出た成頭は潮風を胸一杯に吸う。トキューーーンという軽い音がした。成頭の長髪の髪の毛を狙ったかのような銃撃だった。少し頭皮に接したかと思われる狙撃だったので、成頭も頭部に少しの衝撃を感じた。咄嗟に車内に戻り、車を発進させる。ドアを開けようとしていたアメレントに
「外に出ないでっ!又、銃撃された!」
と緊急的な警告をしていた。アメレントは心配そうに、
「こんな場所でも撃たれたのね?オバケ屋敷の悪戯とは違うんじゃないかしら。」
と憂いの瞳を運転席の成頭に向ける。成頭は車が市街地に向かっているのを確認しつつ、
「人気のない海岸、というのも狙い眼だったんだろうね。それなら尾行されていた事になるよ。」
「そうねー。人気のない場所には行けないわね、これからは。」
 大きな車道を通り、慌てて福岡市に戻ると福岡空港近くのレンタカーの店に外国車を返した成頭で、あった。
 丁度、正午となった。成頭はアメレントを連れて地下鉄に乗っている。天神という福岡市中心部の駅までの切符を二人分、買って一枚をアメレントに手渡している。成頭は横に座っているアメレントに、
「天神地下街にはドイツ料理の店があるよ。そこへ行こう。」
「ええ、それなら、そこがいい。」
と同意するアメレントだ。
 そこはドイツ人が経営するドイツ料理店だった。成頭とアメレントが座った席の近くに市民党の党員が男二人でドイツ料理を食べていた。そのうちの一人が成頭に気づき、声を潜めて、
「おい、あいつは人気ホストだぜ。」
と同席している市民党員にヒソヒソと話した。それを聞いた党員はスマートフォンを取り出して成頭を撮影した後、
「ホストにも市民党に入れてもらいたいもんだ。でも過激な人達も市民党内には、いるみたいだな。」
「あー、イノシシ狩りのライフフル射撃の名人が、この前、福岡県本部に入党したんだってねえ。その人はホストを憎んでいる。」
「そーか?だからといって極端な行動は・・・。」
「奥さんがホストに入れ込んだらしい。なにせ旦那はイノシシ狩りの季節は長期的に山小屋で過ごす。自宅には戻らないから、奥さんは中洲のホストクラブに通うんだそうだ。」
「それでも離婚は、していないんだろう?」
「していないらしい。市民党に入った事で、何らかの行動は取りたいのかもしれないね。」
彼らは四十代の若手市民党員の男性だ。彼らに気づかずに、成頭とアメレントは食事を続けていた。食べ終わった成頭は、
「人気のない所に行くのが難しいから、君の最終目的地に送ってあげたい。何処かに泊まる予定は、あるはずだね。」
アメレントも食べ終わり、フォークを置くと、
「そこにはスマートフォンで連絡すれば迎えに来てくれる。わたしのドイツの修道院は日本に、いくつかの支部を持っています。福岡市にもあるから、そこに連絡しますわ。夕方でも、いいので半日は時間がある。どこか面白い所、ありませんか?」
と好奇心を露わにした眼で問いかけた。
成頭は考え込む顔になると、
「僕は狙われている訳だから君に被害が及ぶかもしれない。残念だけど今日は、ここまでで。僕のスマートフォンの番号は、これです。」
と話すとズボンのポケットから黄色のスマートフォンを取り出して自分の番号を画面に出してアメレントに見せた。アメレントは自分もスマートフォンを取り出すと成頭のスマホ番号に掛けると、つながり、そして通話を切った。彼女は、
「これで履歴が残ったわ。銃撃には気を付けてね。」
と話すと立ち上がった。
成頭も立ち上がり、レジへ行くと会計を済ませて二人は店の外の天神地下街へ出る。成頭は右手を挙げると、
「それでは、ここで一旦、お別れだ。では。」
「では、では、ね。」
とアメレントも右手を挙げて手を振った。
 成頭友見は天神地下街を真っすぐ北に向かって歩いて行った。新しい埋め立て地のフレッシュアイランドの地下街まで天神地下街は延伸していたのだ。地上を歩けば人気の少ない場所もある。又しても狙撃されるのではないかと成頭は危惧したのである。
 フレッシュアイランドの地下街から地上に出ると流太郎の会社が近くにある。成頭にとっては休みの日だが、社長の流太郎に相談したくて出社した。午後ではあるが成頭はドアを開けて、
「おはようございます。」
と挨拶した。流太郎は社長の椅子に座ったまま、
「おう、成頭君、今日は休みだろう?」
と話して怪訝な顔をする。成頭は立ったまま、
「二度も狙撃されたんです。それで、どうしたらいいかと思いまして。」
流太郎は驚き、
「狙撃って、撃たれたのか?僕には経験のない事だからね。おい、本池専務。対策は、あるかい?狙撃への・・・。」
釣次郎はノートパソコンから眼を上げると、
「防弾チョッキを着てヘルメットを、かぶる。位しか思いつかないですよ。」
と率直な意見を言った。流太郎は腕組みをした後、それを解いて、
「ヘルメットをかぶって街を歩くわけにも行かないしな。よし、ちょっと出かけてくる。ある会社を訪ねてくるから。早ければ一時間もせずに戻れる。それまで成頭君、待っていてくれ。ここなら安全なはずだ。」
と話すと流星のように会社を出て行った。
 フレッシュアイランドを歩いて二十分もしない場所に建っている、企業のビル。何の変哲もない外観だが新しさは充分に感じられた。そのビルは企業の雑居ビルではなく、一つの会社だけのビルだった。サイバーモーメントとオレンジ色の社名がビルの玄関口に表示されている。受付で流太郎は、
「時と申します。社長には、さっきスマートフォンで話をしています。」
と申し出ると受付の美女はニコヤカに、社長室に通じるインターフォンを押して、
「時さんが来社されています。」
と話すと社長室から女性秘書の声で、
「最上階まで直通のエレベーターで、お越しください。」
と案内が聞こえた。
受付美女は流太郎に、
「あちらにあるエレベーターの右側が社長室に直通で行きます。」
と案内した。急いでエレベーターに歩いて、その直通の方で最上階に出ると黒沢がニコニコして立ち上がり、
「時君、久しぶりだな。狙撃対応の製品は、あるよ。まだ未発売なのでモニターに、なってもらうよ、その・・成頭氏にね。」
と話したのだ。
流太郎もニコニコ顔で、
「それは有難い事です、黒沢社長。モニターって事は代金は払わなくていい、という事ですね?」
「そうだよ、その代り使用の報告を出してもらうさ。文章にしなくても録音して提出してもいい。それは成頭君に、してもらう。」
「分かりました。成頭に伝えて置きます。」
黒沢はヘッドフォンのようなものを右手で流太郎に差し出した。それを受け取った流太郎は、
「こういうもので狙撃対策になりますか?」
と聞くと黒沢は自信に満ちた顔で、
「既に社内でテスト済みだ。社外でのモニターを考えていたところだから、こちらにとっても期待できる。」
流太郎は手にしたヘッドフォン型の機械を見て、
「軽そうだし、頼りないですねー、これは。」
「スイッチオンで身に着けた者の体の周囲に電磁波が取り囲む、それで弾丸などは弾き返すのだ。それだけでない機能もあるけど、それは返却時に説明しよう。」
「分かりました。それでは有難く、お借りします。」
「うむ。返却が早くなる事を期待しているぞ。」
と話すサイバーモーメントの黒沢社長だった。

 流太郎が自分の会社の部屋に戻るまで一時間も、かからなかった。社内では成頭友見と専務の釣次郎が懇談していた。流太郎は座っている成頭に近づくと、
「最強の防護品を手に入れた。知り合いの社長の会社は凄いものを作っている。ほら、これだよ。」
とサイバーモーメントで黒沢から送られた銀色のヘッドフォンの形状のものを成頭に渡す。それを受け取り、成頭は、
「ありがとうございます。でも、これはヘッドフォンでは、ありませんか。音楽を聴く趣味は・・・。」
流太郎は苦笑いして、
「勘違いしても仕方ないな。でも、それは狙撃された弾丸を、はじけるらしい。スイッチをオンにすると強力な電磁波が発生する。それで銃撃されても安心なのだそうだ。」
成頭友見は銀色のヘッドフォンを凝視して、
「これを頭に装着して街を歩けば、いいんですね。防弾チョッキも不要になるわけですし。早速、使用して街を歩いて見ます。人気のない場所で狙われて撃たれました。犯人を誘うようにしてみますよ。でも一日中、自分は狙われているかどうか分からないんです。」
と話した。流太郎は、
「油断大敵であり油断強敵だ。君に死なれては我が社も困る。今日は君の休暇日なのだから、これから好きに行動していい。明日、それを持って出社したまえよ、な?成頭友見君。」
と呼びかけたので成頭は椅子を立ち、流太郎に一礼して、
「そうさせてもらいます。それでは失礼します。」
と部屋を出て行った。
 フレッシュアイランドは福岡市の人口島で、北側の博多湾に面した埋め立て地の場所は建物が建っておらず、広大な空き地のようになっている。砂浜もあるのだが海水浴場にならないのは、その辺りの海が汚染の度合いが高いためだ。季節は七月の初頭で曇り空の日も多く、その空き地の近くの場所からは海が水平線まで見えて見晴らしもいいのだが平日は来る人もないために人の気配もしない地帯となっている。そこへ成頭友見は銀色のヘッドフォンを頭に装着して、ブラリユラリと歩いて行ったのだ。狙撃されるのを期待して、での行動だった。
(本当にオレを殺すつもりなのだろうか)という疑念があったのだ。それは過去の二回の狙撃は間一髪の距離で当たらなかったからだ。それに外したのなら二度目の狙撃も行なわれるはずなのに一度だけだった。(単なる警告の意味での発射かもしれない)との推測は成頭友見には殺される事は、ないのではないかと大胆な自信へと繋がっている。
潮風が強く吹いた。その時、スキューン!と低い音がして成頭友見の尻の部分に弾丸が命中した、と見えたのだが銀色のヘッドフォンが放っている強力な電磁波は的中予定の弾丸を見事に、はじいた。
 成頭は驚いて後ろを振り返った。黒色の車が数十メートル先で走り始めた。あの車から弾を撃ったはずだ。黒の車は成頭から疾風の如くに遠ざかって行った。なんという尾行と狙撃だろう。
しかも今回は命に別状もない尻を狙われたのだ。仮に命中しても死ぬ事はなく、スマートフォンで救急車を呼べば助かる筈だ。
 それにしても・・・と、もう目視出来なくなった車の方を茫然と見ながら成頭は思う、しつこいな、と。と同時に彼の不安感は一気に増大した。会社に戻ろう、速歩で歩いて帰社した成頭を見て流太郎は笑顔で、
「お帰り。早いな。もしかして狙撃されたとか?」
と椅子から立ちあがって聞いた。成頭は、
「そうなんです。尻を狙われました。さすがは電磁波ですね。見事に跳ね返しましたよ。でも何だか不安です。それで報告しに帰って来ました。」
専務の釣次郎もノートパソコンから成頭友見に視線を移して心配げな顔つきだ。流太郎は自分の背広を整えると、
「一度でも狙撃されたら、そのヘッドフォンをサイバーモーメントに持っていく約束だ。ヘッドフォンは頭に載せたままでいい。おれの自家用車で連れていくから狙撃もされないと思う。それでは出発といくか。」
と話すと会社のドアに向かった。
 ビルの駐車場にあった流太郎の車は流線形の白の軽自動車で目立たない外観だった。尾行に使うのには最適な車だろう。助手席に成頭友見を乗せて走ったら、数分でサイバーモーメントに到着した。運転席からスマートフォンで流太郎は、
「黒沢社長。時です。成頭が狙撃されましたので・・・。」
「おう、やはりだな。それでは来社してくれたまえ。受付は通さなくて、いい。直通のエレベーターでな。」
「はい、そうします。それでは。」
とスマートフォンを切る。
 車の外に出た二人は焼けつくような七月の太陽光線の熱射を浴びて辟易した。サイバーモーメント社の駐車場とは言え、熱かった。二人は受付嬢の場所に行かずにエレベーターで黒沢の待つ社長室へと上昇した。ドアが開くと唇の上に髭を蓄えた黒沢社長が笑顔で、
「おー君。君が成頭君だね、まあ、その銀色のヘッドフォンを渡しなさい。」
と話して成頭友見に向けて右手を出す。成頭は銀色のヘッドフォンを頭から外して黒沢社長の右手に置いた。それを左手に持ち変えると黒沢は右手でヘッドフォンの胴体から装着されていたらしい一部の部分を取り出した。それを抜いたままのヘッドフォンを黒沢は成頭に返すと、
「ヘッドフォンだけで電磁波は流れるから、狙撃への防御は出来るよ。それとは別に今抜いたもので解析をする。」
と話した。
成頭は右手にヘッドフォンを握って、
「カイセキ?懐石料理の事ですか?」
「馬鹿な事を言っちゃ、いかん。分析の事だ。」
「分析して、どうしますか?」
黒沢は満足げに、
「それは、しばらく待って欲しい。なにせ初めて作った装置なので分析には数日は、かかるのだ。分かり次第、時君に連絡する。成頭君、君は外出時には必ずヘッドフォンを付けていた方がいい。もちろん無理にとは言わん。ただし狙撃されて君が死亡しても、当社は君がヘッドフォンを装着していない場合は責任を取りかねるからな、いいかね?成頭君。」
と丁寧に念を押した。成頭友見は銀色のヘッドフォンを頭に載せて、
「必ず外では頭に付けますよ、黒沢社長。」
と元気よく応答した。
 流太郎と成頭友見は社長室を出て駐車場に戻った。雨雲らしき黒い雲が空に浮かび始めたので、さっきの熱気は遮られている。それで社内の室温は、それほど上がっていなかった。
同じ人工島のフレッシュアイランドの敷地にある流太郎の会社に車で戻るのに時間は僅かだ。企業の雑居ビルでも何とか最上階を借りている流太郎の会社だ。
二人が部屋に戻ると専務の釣次郎が立ち上がり、
「お帰りなさい。ネット経由で依頼がありました。単純的に要約すると男と女の問題でして。別れさせる、という工作をして欲しいというものです。」
入り口付近で立ち止まった二人、流太郎はネクタイを、ゆるめて、
「それなら成頭君にピッタリのものだな。成頭友見君、さっそく又、仕事だよ。」
と少し後ろで立っている成頭を振り返って話すと成頭友見は、
「え。そうですか。狙撃されるかも知れないのでヘッドフォンを頭に、つけたまま仕事をしないといけないんです。」
と返答する。流太郎は、
「それで、やってもらうよ。相手には何とでも答えられるね。いつも音楽を聞いていたいから、とか誤魔化すんだ。」
成頭の緊張した顔が弛緩して、
「そうしますよ。」と答えて本池釣次郎専務の方を向き、
「本池さん、どういう依頼ですか?」
「詳しくこれから話すよ。政治が絡んでいるね。」
それから三人は、それぞれの席に座ると、釣次郎が依頼された内容を詳しく話した。
成頭友見は興味深げに、
「そういう事情なんですね。今回は、といっても二度目になる”別れさせ屋”の仕事ですが報酬も高いし、やりがいは充分にあります。」
社長の流太郎は笑顔で、
「それでは元気よく行ってくるように。あ、これ。」
と言いつつ、立ち上がり社長の机の上にある、十二本入りの精力ドリンクのケースを手に取ると座っている成頭友見に近づいて手渡した。成頭友見はケースを見て、
「すっぽまドリンク!ですね。すっぽんとマムシの混ぜ合わされた飲み物みたいですね。」
と話すと流太郎は頷いて、
「ああ、そうさ。体が資本だ。頑張って来い。」
と激励した。

 福岡市東区の喫茶店の入り口付近の椅子に座り、スマートフォンでネット検索してSNSで該当の人物を探し当てた成頭友見である。
 (この女性か。市民党福岡県本部の女性職員だな。27歳、独身。その交際相手は時社長に聞いたけど。その男性のSNSも、ここにある。ここで知り合ったのかどうかは分からない。だけど市民党の女性職員とはプロフィール欄にも、ないし。そこそこには色っぽい女性だな。胸が、とても大きいし、尻も高く突き出ている。

SF小説・未来の出来事43

僕たちの先祖は男女ともに全員が注射を受けた。男性の宇宙人は、
「これで君達は自分の身長を伸び縮みさせることが出来る。というより縮む方が先で、今より伸ばす事は出来ないけどね。洞窟や、その他の場所で今の背丈なら不自由するだろう。試しに【縮め 身長】と念じるんだ。さあ、みなさん、やってみて。」
と皆に呼びかけた。
 それで僕たちの先祖は全員、頭の中で【縮め 身長】と念じたんだ。すると全員の身長が縮み始めて百五十センチの身長になった。
皆は小さい体になった事に驚いたらしい。僕の先祖も大いに驚いた。
・・・・・・と言うことで今日は仕事があるから服を着るよ。外出もするしね。」
とランルングは話して下着と服を急速に身に着けた。真理裳も全裸でベッドから出ると、
「わたしも服を着るわ。」
と白いショーツとピンク色のブラジャーを身に纏った。ランルングは小さな体で真理裳を見上げると、
「台所に行こう。食堂でもある場所へ、さあ。」
と話しかけ、真理裳に背を向けると応接室のドアを開けた。
 食堂は広くて十人は座れそうなテーブルに椅子が並んでいた。巨大な冷蔵庫からオレンジ色の液体が入ったコップとクロワッサン風のパンを真理裳が座る予定のテーブルの上に置き、
「そこに座って食べてね。飲み物は地下世界の果物のジュースだよ。マンゴーとメロンとオレンジの味がする、そういう果物が地下世界にあるんだ。僕は事務室で仕事を、してくるから。」
と言い置いてランルングは食堂を出て行った。
 事務室の天井の高い部屋でランルングはパソコンを起動させると、メールボックスを見る。求人に応募してくれた人が、いる。八王子の主婦で四十代、眼鏡を掛けた、おとなしい容貌だ。ランルングは(お手伝いさんの募集なんて応募してくれる人が、いるとは思わなかったのに早いな、決断が。)と思い、(面接に来たら即決しよう。)そう判断して、その主婦のスマートフォンに自分のスマートフォンで電話した。
「・・・、あ、有西さんですか?有西風世(ありにし・かぜよ)さんですね。ネットグッドサイエンスのランルングと申します。早速ですが面接に来ていただきたいのです。いつが、よろしいですか?え、今から?いいですよ、大歓迎です。時間は、どの位かかりますか?三十分くらい・・・分かりました。お待ちしております。」
と百五十センチの身長のランルングは話すと通話を切る。
(雑用の用事とか牛の世話とか色々と、してもらう事は小山程ある)そう思うランルングだ。
これで三十分後には有西風世が来る。それまでにインターネットで酪農の営業メールをランルングは関係する会社に送信していった。地底の貴金属も莫大な富となる。彼は、その一部を換金したが中東の石油並みに存在する地底の貴金属である。その所有権をランルングの一族は持っている。そして、それらは日本の地下にある。ムー大陸が沈没する前にランルングの一族は日本に渡り、それから地下へと潜っていった。地上にいると巨人だと騒がれたりするので地下へ潜ると更なる道が、そこにはあったのだ。
やがて地底の太陽に照らされた年中が春のような場所が現れた。花は一年中咲き誇る地底の極楽、桃源郷を上回る世界だ。
ダイヤモンドやルビーが顔を出している場所を更に掘り進めると簡単に地上で高価な宝石の原石が手に入る。
 貴金属の卸商としてもランニングは活躍を始めていた。何せ原石は地底で採掘し放題なのだ。地底の資源富豪、ランルングである。
そんな、こんな、あんな、で忙しいランニングは丹真理裳との性接触すら時間を取るのが難しい、ゆえに家政婦は絶対的に必要となっている。三十分など超特急的に吹き飛んでしまい、玄関チャイムが鳴ったのでランニングは有西風世(ありにし・かぜよ)が来訪したと思い、部屋にある玄関前のモニターカメラ画像を見ると、中年女性がピンクのスカートで立っていて眼鏡を掛けて真面目そうな顔立ちだ。(よしっ、採用即決だ!)とランルングは決断して玄関に向かった。
 玄関にも玄関前が映るモニターカメラの映像が見える。指タッチでランルングは玄関ドアを自動で横に開くと、有西風世が生真面目に一礼して、
「面接に上がりました、有西です。」
ランルングは歓待的に、
「どうぞ、お上がりください。私の事務室に行きましょう。」
と話し、先導的に歩き始める。
有西風世が玄関に入ると同時にドアは自動で閉じられていた。
さすがに会社兼用の邸宅だ。有西は廊下を歩きながら天井の高さに驚いていた。事務室の中も高い天井だ。
ソファの素材も地底からのもので座り心地は格段に、いい。ランルングは有西に向かい合って座ると、
「履歴書などは不要ですよ。もう採用を決めましたので、明日から、いや今からでも働いてもらいたい。」
と話は早かった。有西は喜びを控えた顔で、
「頑張りますので御期待下さい。」
ランルングは立ち上がった。身長は百五十センチなので有西より背が低い。座ったままの有西に
「これから各部屋を案内しますから、ボクについて来てくださいね。」
と呼びかけたので有西は元気よく、
「はい、お願いします。」
と答えると立ち上がった。有西、即ち探偵の丹廷臣であるから身長は160センチ程なのでランルングを見下ろす形になるが、有西は勤めて視線でランルングを見下ろさないように勤めた。その態度にもランルングは好感を持ったようだ。事務室を出た二人はランルングが先頭に立ち、長い廊下を歩いて行く。
 応接室の前に来るとランルングは歩みを止めて有西を振り返った。有西も立ち止まる。ランルングは、
「ここは訪問者が訪れる部屋だ。今日ではないけど、ここの清掃もしてもらうよ、中に入ろう。」
と語り、応接室のドアを開ける。中に入るランルングと有西。
部屋の中では丹廷臣の妻、丹真理裳が元モデルらしく優雅にソファに座っていた。丹廷臣が変装している有西風世は内心、少しは動揺したが、それを顔に出さずに女の声で、
「こんにちわ。家政婦の有西です。」
と挨拶して頭を下げる。
丹真理裳は家政婦が自分の夫とは気づかずに、
「こんにちわ。ここには、これから数多く来る予定ですのよ、うふふ。」
と応答した。有西風世、即ち探偵の丹廷臣は(数多く浮気に来る訳か)と今後の妻の行動予定も分かったが、そういう気持ちも顔には出さずに、
「素敵な場所ですものね、こちらは。」
と相槌を打った。ランルングは満足げな顔で、
「それでは、奥さん。僕らは家の中を回るので。」
と話しドアを開けて廊下に出る。
有西風世も応接室を出た。ドアが閉まるとランルングは、
「月時亜理子という最初に見た名前はハンドルネームですか?」
と有西に尋ねた。
「あ、あれはネット上で使っている名前です。本名は有西風世です、間違えて御免なさい。」
と丹廷臣が変装している有西は答えた。ランルングは即納得して、
「ああ、なるほどですね。SNSとかで使っているんでしょう?月時亜理子という名前を。」
「そうなんですの。そうしないと夫にもバレますから。」
「そうですね、それでは他を案内します。」
と話しランルングは廊下を歩きだした。
 様々な部屋に入ったランルングと有西風世だった。宝石の原石の部屋。恐竜の化石の部屋。世界中の骨董品が集められた部屋。
これ等の部屋を紹介し終わるとランルングは、
「仕事を手伝ってもらう時に入る部屋です。さーて、僕は仕事があります。今日からの貴女の賃金は出します。応接室の女性客を相手に話でもしていて下さい。その人もボクが一日中、仕事だと聞くと帰ると思いますのでね。」

 応接室に入った有西風世に丹真理裳は、
「おや、こんにちわ。ではなくて、おはようございます。」
と呼びかけた。有西は、
「おはようございます。この家に今日から雇われました家政婦です。有西と申します。」
と自己紹介して、真理裳が座っている場所から少し離れて腰かける。
真理裳は、
「仕事は大丈夫ですか?有西さん。」
有西は眼鏡を少し上に、ずらすと、
「今は休憩だと思います。応接室にいる人と話でも、していて下さいとランルングさんに言われました。」
その後で有西は右隣にいる真理裳との間に手提げバッグを置いた。そのバッグには隠し撮りが出来るカメラが内蔵されていて、有西は、さりげなく動画開始のボタンを押している。音声も記録されていく。
 それに全く気付かない丹真理裳は、
「そうなんですのね。それでは御話でも、しませんか?有西さん。」
「ええ、構いませんよ、奥さん。」
真理裳は少し微苦笑して、
「ええ、一応、奥さんなんですけど。ダメな主人で・・・。」
それは自分の事だと丹廷臣が変装中の有西は思い、
「まあ。失礼ですけど、どんな方なんですか?御主人様は。」
「うん、探偵をしているのだけど、それは腕のいい探偵なんです。ただ夜の活動がダメなのね。いきなり、こんな事を有西さんに話して、よかったのかしら?」
有西は平然とした顔で、
「ええ、わたしも主婦ですし、旦那はダメ人間ですの、わたしも。同じ女性同士だから遠慮せずに話してくださいね。」
と語りつつ、右肩をすぼめた。真理裳は、
「ああ、有西さんも勿論、旦那様は、いらっしゃるのですし、・・有西さんの旦那様は、どういう御職業ですか?」
「それは・・会社を転々と変わっているんです。四十過ぎてからですから、給料は上がらないし。幸い、わたし達には子供がいないので手間は要りません。それでもギリギリの生活では仕方ないので、わたしが働きに出ているんです。ここの家政婦の給料も、とても、いいですよ。一般の仕事よりも。」
真理裳は目を満月のようにして、
「それは、いい仕事なんですね、それでは。」
と同意して、
「それでは夜の方は?」
と好奇心を隠さない顔で聞くと有西は、
「もう一年も夜の生活は、ありませんわ。他で浮気している事は考えられます。」
と話すと有西は自分の妻である真理裳の顔をジロッと見る。真理裳は少しギクリとした顔をしたが、すぐに元の顔に戻ると、
「浮気が原因・・・なのは有り得ますわね。でもウチの主人は平凡な顔だし小柄なのでモテませんから浮気はしてないと思います。」
有西は突如、切り出すように、
「奥さん、ランルングさんと関係を持った・・・という事なのですか?もしかしなくても。」
と問いかけた。真理裳は微笑み、
「そう、御賢察の通りですわ。朝から、してしまいました。それは、もう、凄かったです。それにランルングさんの身長は・・・あ、これは話せません。秘密らしくて。」
丹廷臣である変装した有西は、
「そうでは、ないかと思いました。家政婦の私が、そんな事を聞いて失礼しました。」
と話すと少し頭を下げる。真理裳は右手を胸の前で左右に振ると、
「いえいえ、気になさらないでください。この部屋にはダブルベッドも、あるんです。」
と言うので有西は部屋を見回すと、奥の方にダブルベッドが見えた。有西は努めて平静に、
「成る程、分かりました。奥さんみたいに綺麗な方なら自然な流れですわよ。元モデルさんみたいな人ですね、奥さんは。」
「あら、そうかしら。ある企業の社長秘書でしたわ。モデルだなんて、できませんもの、わたし。」
と嘘をついた真理裳。おそらく元モデルと告白すると調べられるのでは、ないかと思ったのだろう。有西になっている丹廷臣は、その嘘は分かった。妻の真理裳はモデルという仕事しか、していない。丹廷臣が真理裳と交際していた時もモデルだったし、その頃に丹廷臣は真理裳の職業歴を調べた事が、あるからだ。有西は(嘘をついたな、真理裳)と思いながら顔色も変えずに、
「これは失礼しました。秘書の仕事をしている人も綺麗な方が多いです、と私は思いますわ。」
「ありがとう。それで探偵さんと交際することになって。」
(これは本当の話だ)と有西は思い、
「探偵さんが御主人なのですね、奥さん。」
「ええ、まあ、そうです。お金には困らないけど、一晩中、主人は帰らない事もあります。今週、一週間は主人は出張です。」
「一週間は帰らないんですね、ご主人は。」
「ええ、その予定ですわ。」
「それで一週間は毎日、ここへ来られるんですか?」
「ええ。と言うより、この部屋にベッドもあるから泊まろうかな、と思っていますのよ。」
・・・・・・・・
と語った丹廷臣は中洲ビックタワーのゲームセンターの休憩室で板丸という若い女性と、いるのだ。丹廷臣は続けて、
「それからの一週間というもの、妻の真理裳はランルングの邸宅に泊まり続けで居ましたし、私は家政婦だったので夕方の四時には仕事が終わりました。帰る前に私は応接室に入り、隠し撮りカメラを設置して置いたのです。もう、それは透明な針くらいの大きさなので見つけられない場所に置くと気づかれない代物なんですよ。録音も出来る優れたものでナノテクノロジーのカメラです。サイバーモーメント社が開発したカメラで高価な事も、この上もないですが妻の真理裳の浮気を立証するためには手痛い出費も、する必要がありました。家が一軒、買える位の価格ですからね、そのナノテク・カメラは。
その代り、一週間は録画、録音できるヨッタ・バイトの容量を持つカメラなんです。」
板丸という女性は静かに頷いた。
 丹廷臣は遠い場所を見る目で、
「一週間も録画録音させたカメラを回収して自分の部屋で再生すると、やはり妻とランルングの浮気の光景、情事が全て記録されていました。二人は全裸で・・・当たり前ですが、その前にランルングの体が二メートル五十センチにも伸び上がり、彼の股間のモノも二十センチ位になる。その彼の股間のモノが勃起すると二十五センチ位にも・・・あ、板丸さん、こういう話は大丈夫ですか?」
板丸は美微笑して、
「いいですよ。わたしも未成年ではないし、カマトトみたいに性に無知な真似などしませんから、続けてください。」
それを聞いた丹廷臣はホッと安堵の態で、
「で、その巨人になったランルングの体と妻の百八十センチの体が結合して、体位も様々に変化させて一日に五時間も交わっていました。休憩は、していましたけどね。それを詳細に私の口からは話せませんし、長くなりますから、これまでとして。
 一週間後に私は妻に証拠映像を見せて、
「探偵に頼んでキミの行動を記録させた。これが、それだ。」
とランルングとの情事を精密に記録した映像と音声を突きつけると、妻の真理裳はアッサリとアサリ貝のように口を開き、
「この通りだわ。凄い探偵さんね。」
と認めました。
それで妻と離婚して九州の福岡に流れ付き、今の会社で探偵として雇ってもらったのです。」
と話し終わると丹廷臣は右手に持った缶ジュースを一気に飲み干した。板丸もジュースを少し飲むと、
「衝撃的な話でしたね。巨人がいるというのは。今の時代にも。」
と感想を言う。丹廷臣は、
「東京にも巨人伝説は、ありますし。ダイダラボッチというそうですが。」
「わたし知らないわ。民俗学みたいなものでしょ?それ。」
「ええ、そうらしいですね。だけどランルングは今でもいるでしょうし、どうなったかは知らないけど私の元妻も生きているはずです。そういう事より今を生きたい、私は。」
と力強く宣言する丹廷臣だ。
板丸は悪戯っぽく、
「ここは成人向けゲームセンターですよ。どれで遊びますか?」
「そうでしたね。どれで遊ぼうかな、と迷います。初めて入りましたし、取り敢えずは見て回りましょう、板丸さん。」
「ええ、それが一番の早道ですわ。」
二人は申し合わせたように立ち上がると、成人向けのゲーム機を見て回った。普通のゲーム機にUFOキャッチャーというものがあるが、それと似たようなゲーム機がある。機械の手で掴み取ることが出来るのは丸いカプセルばかりではなく、アダルトDVDとかオールヌード写真集とかがゲーム機の底に並んでいた。
プレイする料金は普通のゲーム機の十倍だ。丸いカプセルは中身が見えないようにピンクの紙で包まれていたりするものもある。丹廷臣は面白そうな顔をして、
「これを、やってみますよ。クレジット払いが出来る機械ですね。」
と板丸に話すと財布からクレジットカードを取り出して機械に挿入した。アダルトキャッチャーという名称がゲーム機に張り付けてある。それがゲーム可能の青ランプが点灯したので、丹廷臣は機械の手を作動させる。中身の見えない赤色の紙で包まれた丸い円形の容器を掴んだ機械の手を上に持ち上げると、その手は移動して外に出てくる部分に丸い球を落とした。丹廷臣は、
「やりましたよ!板丸さん。」
と喜びの声を上げた。機械の外に出てきた赤い大きな丸いものを丹廷臣が取り上げて、中身を出すと何とコンドームだった。勿論、箱に入ったコンドームで薄さは世界一らしい。板丸は失笑して、
「いいものを拾いましたね。独身貴族には必須の製品ですよ。」
「いや、当面は必要ないですよ。貴女に差し上げましょうか、板丸さん。」
「いえいえ御辞退しますわ。まだまだ、面白いものがありますから行きましょう、他へ。」
と勧める板丸に丹廷臣は眼を開くと、
「えっ、そうなんですか、それでは行きましょう。」
と答えると板丸は歩き始めたので丹廷臣は、彼女に随歩した。
いきなりのように通路の右側は江戸自体の遊郭のような建物があり、着物を着て、顔と首に白粉をつけた若い女性が座ったままの姿で客を誘っていた。丹廷臣を見ると一人の女性が、
「お兄さん、今日は一番目になるから早く来て。」
と右手で、おいで、おいでの動かし方で誘う。板丸は、
「みんなロボットなんですよ。人間と間違えそうですねえ。」
と解説した。丹廷臣は、
「いや、これは驚きました。江戸時代に時間遡行したのかと思いましたよ。」
「タイムスリップね。丹さん、いかがですか、遊郭に入った事は、ないはずですよ、現代の男性は。」
丹廷臣は歩行を止めずに、
「うーん、高くつきそうですねー、遊郭に入るのは。」
と話すのだった。
次に見えたのが第二次世界大戦後の焼け跡の残るような場所の街角に、たたずんでいる若い女性たちが立っていて、口紅の色が鮮烈に赤い。そのうちの一人が丹廷臣に右手を振り、
「ねえねえ、お兄さん。安くしておくわ。あのトイレに入れば立ったまま、できるから。」
と近くにある公衆便所みたいなものを指さして言う。彼女たちも、よく見ればアンドロイドなのだ。隣には板丸がいるし、何とも、やりにくい丹廷臣は、
「いや、遠慮しておきたいね、お姉さん。」
と答える。
すると、その女性は右手に持っていた煙草を吸うと、フーッと息を吐いて「わたしのアソコは有名なAV女優のものと同じに作ってあるし、わたしはアンドロイドだから妊娠もしないよ。ゴムなしOKさ。あんたが立たないのならスペシャル精力ドリンクも、おまけで付けてあげる。それを飲んで勃起しなかった男は、いないんだ。わたしは電動だし、女性器も電動で動く。その動きが、いいね、って言ってくれる男性客ばかりなんだよ。試さないと損、損さ。どう?お客さん。」
と熱烈に呼びかけた。
丹廷臣は言葉も返さずに通り過ぎた。板丸は慌てて附いて来て、
「やってみたら、よかったのに。公衆便所に入れば誰からも見られないでしょ。」
と話すと丹廷臣は、
「売春婦と行為するのに気が引けるんです。ただ、それだけの理由なんですよ。」
と弁解した。
 巨大なスロットマシンが設置されている。数字が回る部分も巨大なパネルなのだが、それは数字ではなく全裸のヘアヌードの女性が一人ずつ、横並びに三人並んでいた。三人とも違うので、三つのパネルのヘアヌード女性の等身大の写真を一人のヘアヌードに揃えれば、いいというゲーム機らしいのだ。丹廷臣は立ち止まると、
「これは面白そうだ。私より背の高い女性が等身大の写真で並んでいるのですからね。やってみる価値のあるゲームでしょう。」
と板丸に話すとゲーム機の前の椅子に座った。
丹廷臣は支払いの出来るパネルを見ると現金、クレジットカード、仮想通貨でも支払いが出来る。ようし、それならと丹廷臣は、
「ビットコインで払ってみます。」
と話すとスマートフォンを取り出し送金した。パネルからビットコインを送るより簡単な決済方法だ。プレイする料金は高価な値段だが、パネルは大きいし、それを回すのには電気代も掛かるので妥当なものであるのだろう。
丹廷臣は巨大なスロットマシンとも言えるゲーム機を開始させた。

SF小説・未来の出来事42 試し読み

流太郎は灰山田の話に驚いて、
「僕は音楽業界に就いては全く無知なので、驚きました。なるほどAIは音楽にも浸透してきた、という事ですね。」
灰山田は深く頷くと、
「そういう事ですよ。で、それに対抗すべく新しい機器を発明の会社に頼んだんです。それを使ってMP3の音楽を作りました。それが【性歌】なんですね。」
流太郎は思い出そうとする、
「知りませんでした、それは。性歌も知りません。」
と答えるしか流太郎には方法は、なかった。
灰山田は、
「音楽には関心が、ないようですね。その方が却って、いいのかもも知れませんよ。仕事に取り掛かる前に時さんには平安時代の衣装を着てもらいます。」
それを聞いた流太郎は両眼を満月にして、
「平安時代の衣装ですか?ええ、いいですよ。アメリカ・インディアンの衣装だろうと、ロビンフッドの服だろうと何でも着ます。」
と乗り気となった。
灰山田は上機嫌で社長の机に戻ると、机の上のパネルのボタンの一つを押して、
「メイクさん、時さんの衣装を持ってきて。」
と指示した。何処にいたのかドアが一つ開いて中年の女性が流太郎が着る衣服を運んできたのだ。それは所謂(いわゆる)、衣冠束帯というものだ。流太郎は立ち上がると灰山田社長に、
「それでは服を着させてもらいます。」
と話すと灰山田は、
「ええ、どうぞ。メイクさんの所へ行って着せてもらうように、してください。」
とメイクに指示して手伝って、もらった。黒の烏帽子を頭に載せ、手には木製の笏を持たされた流太郎。平安貴族男子らしい流太郎の格好を見て灰山田は目を喜ばせ、
「なかなか似合うよ。では相手役を呼ぶか。冴松さん!入ってきて。」
と大声で呼ぶ。一つのドアが開いて平安時代の女性の衣装である十二単(じゅうにとえ)の、かさばった白い服を着た、しもぶくれで眼は細い色白の女性が現れたのだ。
もちろん白だけでなく赤の服も着ていて、他の色の服も着ている。薄緑色も見えるので色彩豊かな平安時代の女性の服が冴松という、下膨れで目の細い色白の女性を惹き立てている。
 灰山田は二人に向いて、
「それでは、あなた方二人は録音ブースに入って下さい。細かい指示は、それから出すから。」
と命じる。冴松と流太郎は、しずしずと録音ブースに入場した。冴松が先頭だ。裾の長い十二単を静かに引きずり、流太郎は両手で笏を胸の前に立てて録音ブースに入った。
ガラス張りで二人の姿は灰山田やメイク係の中年女性にも、よく見えた。灰山田は、
「それでは性行為に入ります。二人とも股間だけを露出させて準備する。時さんは一旦、笏は床にでも置いてくださいね。」
と滑らかに指示した。
冴松は素早く、股間に両手を当てて女性器を露出させた。十二単は特殊な作りらしく、股間の部分は薄い布一枚だったのだ。鮮やかな冴松の陰毛と女性器は流太郎には即勃起させるほどの形態を持っていた。それで流太郎は両手で持った笏を床面に置き、自分の股間を探ると矢張り、そこもチャックを降ろす仕組みになっていた。パンツも履いていない流太郎には簡易な性器露出となった。
冴松との距離は二メートルほどだが、彼女の持つ若い女性のいい匂いが流太郎の鼻に入り込み、それで流太郎はグイーンと股間銃が天井を向くのを感じる。冴松は、それを見ると、
「すごいわっ。早く入れて。灰山田社長、いいですか?」
と横目でブース外の社長を見て聞く。
灰山田は、うなずくと、
「二人とも体を密着させて。その前に時さんは笏を拾って両手で胸の前に構えなおしてね。時さんは冴松さんと体の前面を密着させたら、一度両膝を曲げて伸ばすと屹立したモノを冴松さんの股間に入れられると思う。さあ!やりなさい!」
二人は近づくと体を密着させた。流太郎と冴松の唇は自然と重なった。大怒張していく流太郎の股間剣を欲しがっているような冴松の女洞窟は股間を広げて立っているので少し以上に開く。流太郎は素早く腰を落として狙いを定めると股間銃を冴松の女洞窟に挿入完了した。冴松は絹の糸を引くように、
「ああああああっ。」
と快美な声を上げた。笏を胸の前に立てたまま腰を振り始める流太郎。灰山田は録音を既に始めている。
 笏を立てたままの姿勢での性交など流太郎には生まれて初めてだった。冴松は快感に耐えるように姿勢と顔を少し後ろに反らせていたが、突如、両手で胸の部分の十二単を広げた。すると、そこも十二単ではなく薄い衣装で下にはブラジャーも当てられていなかったので、冴松の白い大きな乳房が突兀として姿を現したのだ。
下膨れな冴松の顔と琴瑟相和すかのように豊かな乳房だ。流太郎は冴松の乳房を吸いたいと思うのだが両手にした笏が、乳房を吸うのには無理な障壁となる。
それを察したように灰山田は、
「あー、時さん。冴松のオッパイを吸いたいんだろう。分かるよ、その思いは。その笏はタダの笏では、ないんだ。最新の発明品なんだよ。その笏を冴松の乳房に当てて御覧。そうすれば分かるさ。」
と奇妙な指示をした。
流太郎は灰山田に言われた通りに両手で持つ笏を白い上向きの冴松の乳房に当てて見ると、自分の手が冴松の乳房に触れているような感覚を覚えたのだ!(ああ、両手の感覚みたいに笏を通して伝わってくる・・・柔らかな乳房だな・・・)という思いに驚く流太郎である。灰山田は更に、
「笏を冴松さんの色々な場所に当てるといい。彼女の体を楽しむんだ。」
と指示する。流太郎は腰の振りを軽くして、両手で持った笏を右手だけで持ち、十二単を着ている冴松の尻の辺りを笏で触れた。その部分の十二単も何故か薄かった。それに対して大きな柔らかな尻の冴松は流太郎の首筋に両手を絡めて二人の体を密着させる。
二人の性行為は三十分は続いた。
 灰山田は満足げに、
「よーし、上出来だよ。少し休憩しよう。ん?時さん、次は今日は無理みたいだね?」
綿雪のような疲労に包まれている流太郎で、ある。笏を持ちつつの性交なんて生まれて初めてだったのだ。流太郎と冴松は録音ブース内にある椅子に並んで腰かけた。灰山田の問いかけに流太郎は、
「まだ分かりません。出来れば再開したいんですけど。」
と答える。
灰山田は冴松を見て、
「冴松さんは調子は、いいようだね。まだ性交続行で、いいかな?」
と様子を伺う。冴松は下膨れの頬を緩めてニッコリと、
「いつでも、どうぞ。」
と簡潔に即回答する。その時、灰山田のスマートフォンが振動した。座ったまま灰山田はズボンの腰の辺りから金色のスマートフォンを取り出して、
「はい、あ。これは、お久しぶりです。今は仕事中ですが何でも聞きます。え?そうですか、それは絶好といいますか、はい・・・わかりました。喜んで。はい・・・只今。」
と話すと金色スマホをズボンに戻し、
「録音ブースに入るよ。」
とブース内の二人に声を掛けた。流太郎は(まさか?灰山田が自分の代役になるのでは?)と思ったのだ。
ブース内に入って来た灰山田は二人に、
「あそこにエレベーターがある。あれで屋上に行けるから。今から行こうよ。息抜きにも、なるし。」
とブース内の奥の方を指さす。
三人はエレベーターでビルの屋上に出た。録音ブース内の人工的照明の明かりとは違って雲は少しあるけど晴れの空。時刻は昼前の空模様からのキラめく陽光で三人を包む。
突如、雲の中から葉巻のような物体が物質の移動の慣例を破るような動きで斜め下の三人を目がけるかのように飛来した。葉巻が横になったまま、斜め下に移動する様子を思い浮かべて、いただきたい。
 その葉巻型UFOはビルの屋上の上に来ると全長は五十メートルは、あるだろうという巨大なもので、ビルの屋上は五十メートルの幅もないためにUFOは屋上には着地出来ない。
そのため屋上から三メートルの高さで静止しているので三人はUFOの巨大な影に覆われた。
平安時代の男女の服装の二人と黒いコートを着ている灰山田。これだけで三人も絵になるのだが、UFOの基底部が開いて黄色の光線が三人を包む。物体を移動させる光線なのだ。
 三人は葉巻型UFO内へ上昇した。そこは近くに、いくつものUFOが並んでいた。円盤型で小型のものが多い。
三人の近くに小柄な人間が居て、身長は158センチ位で眼は茶色、髪の毛は金色と茶色が混じっている色である。その人物は、継ぎ目のない宇宙服らしきものを身に着けていた。三人に、その人物は、
「ようこそ。歓迎します。私はプロキシマ・ケンタウリの惑星から来ました。」
と快活に自己紹介する。その顔は流太郎が以前見たニミキントという宇宙人に似ている。もしかしたらニミキント?と笏を右手に持っている平安時代の男子の服装の流太郎は考えた。宇宙人は、
「ここでは、寛げませんね。駐車場というより駐UFO場ですからね。でも排気ガスが出る訳でないのもUFOですよ。ともかく、あのドアから別の場所へ行きましょう。」
と三人に明瞭な日本語で話した。
 移動した部屋は大きなガラス?なのか兎に角、外が見える部屋だった。森林公園が見える。それが一瞬にして消えた。地球上空に上昇したらしく、それから地球を離れて宇宙空間へと流星の如く進んでいく。太陽からは急急速に遠ざかって行っているようだ。真の闇など宇宙空間には存在しない。地球から見える星が光を強めていく。それは葉巻型UFOが向かう方向の星々が近くになってくるからだ。太陽系の太陽は遥かに遠くなっていったようだ。地球からの三人は息を股間にまで呑み込んだ気持ちでいる。初めて見る膨大な宇宙空間は圧倒的な驚異を三人に、もたらした。
 灰山田は、
「すごい速度ですね。プロキシマ・ケンタウリに急接近するのですね。」
と、うやうやしく金茶髪の宇宙人に聞く。宇宙人は、
「ええ、プロキシマ・ケンタウリの光が見えてくるはずです。宇宙に同じ太陽なんて存在しません。太陽系の太陽とは少し違っているのがプロキシマ・ケンタウリなのです。それで我々の惑星の文化も少し違います。地球人は井の中の、いや太陽系の中の蛙なのですよ!」
 流太郎にとっては大いに頷ける発言だった。それにしても・・・葉巻型UFO内でも平安時代の服装をしている自分を変におもっては、いる流太郎である。強い光が見えてきた。プロキシマ・ケンタウリからの陽光なのだ。太陽系の太陽とは丸で違う光。彼らは、この光を浴びて毎日を送っている。流太郎だけでなく、十二単の冴松も黒のコートの灰山田も、その光の特異性を感じているようだ。
 宇宙人は三人を、それぞれ眺めて、
「我が星の上空で、これを停空させます。窓ガラスには真下が映り、惑星の様子が明瞭に見えますからね。」
と話す。
 その惑星の上空一キロ辺りに葉巻型宇宙船は停泊した。確かに壁の窓ガラスには惑星の上空が映った。宇宙人は、
「申し遅れました。わたくし、ハニキントと言います。もちろん、わが惑星での発音は日本語のカタカナのハニキントとは違いますが、それを発音したら皆さんが分からなくなるので。」
と自己名紹介し、
「どうですか?お二人さん。この場でセックスしてみたら?ところ変われば何とやら、ところ変われば性欲も変わる、のかも知れませんよ。」
と呆気にとられるような発言をした。平安時代の衣服の冴松と流太郎は驚き、戸惑う。二人の視線は灰山田に向かう。灰山田は落ち着いて、
「ハニキントさんが勧めてくれるんだ。録音ブースもある。ねえ、ハニキントさん?」
と云いつつ灰山田は小柄なハニキントの方を向いた。ハニキントは白い歯を見せてニヤリとすると、
「ええ、ありますよ。あそこです。」
と窓ガラスとは正反対の方向を指さした。なるほど、そこには地球にある録音ブースに似た部屋がガラス越しに見えたのだ。とはいえ流太郎は、
「ちょっと自分の状態が、よろしくないんですよ。あまりにも地球とは違っていますからね。」
と性欲不調な事を打ち明ける。宇宙人の前で性交するなんて気が引けるのは当たり前な反応だ。
 ハニキントは微笑みつつ、うなずくと、
「その衣装を変えるとか、何とか、してみましょう。」
と提案する。
灰山田は録音ブースの二人に、
「望むような服が、あるかな?君達。」
冴松と流太郎は録音ブースには入っていたのだ。録音ブース内の室温は急激に上がり始めた。そのうちにサウナのような暑さとなる。流太郎と冴松の額には汗が浮き出てきた。流太郎は右手で自分の額をぬぐうと、「暑いですね。服装よりもパンツ一枚になりたいですよ。」
と話す。
ハニキントは笑顔を広げて、
「パンツ一枚でも、いいですよ。女性の方?よろしいですね?」
と冴松に聞く。冴松は、
「もちろんですわ。わたしも十二単を脱ぎたいです。」
と答えを返すのでハニキントは、
「ええ、どうぞ。」
と短く返答した。
流太郎は平安時代の男子の服を脱ぎ、冴松は十二単を全て脱ぐ。
 冴松は十二単の下には下着を、つけていなかった。彼女の股間の黒黒とした恥毛が鮮明に現れる。ハニキントは、
「お二人さん。どちらも、いい体ですね。お互いに向き合ってくださいな。」
と発言する。それで二人は録音ブース内で向き合うとブース内は急激に室温が下がり始める。冴松は流太郎に近づき、抱きついて、
「寒いわっ。」
と声を上げた。地球上では既に一度は性交した二人だ。冴松の裸身を直接、自分の裸で受け止めた流太郎は即勃起して、冴松の尻を抱きかかえると持ち上げて即勃起砲身を冴松の黒の茂みの下に少し口を開いた女唇に滑らかに差し込んだ。
ハニキントは灰山田に、
「地球の録音機械と違って、あの録音ブース内では男女が性交を始めると自動的に録音が始まります。カメラで監視しているのです。それですから録画も始まります。男女が裸で抱き合う。男が勃起したモノを挿入する、それが録画。録音の始まりの合図です。そのように人工知能に学習させています。
録音した音から作詞、作曲する機能は地球のものと同じですが、より進化したものです。実は地球の日本の福岡市のサイバーモーメントの黒沢に制作法を教えました。それで売り上げの数十パーセントをクロサワは私に支払います。」
と打ち明ける。
灰山田は小驚愕して、
「ああ、そうだったんですね。地球で発明されたものでは、なかったのですか。時さんの駅弁売りの体位は中々、見事ですね。冴松も夢中で大きな尻を前後に振っています。」
ハニキントは、
「ええ。ですから素晴らしい曲が出来るでしょう。この葉巻型宇宙船に引き入れた意図は彼らを性交させて、その振動から人工知能に楽曲を制作させる事でした。それは上手く行ったので、もう少し先を進めてみたいものもね、あるんですよ。灰山田さん。」
と揺るがぬ自信を見せつつ静かに語る。
 三十分後、流太郎は駅弁売りスタイルのまま冴松に男液を発射して他の惑星の上空での性技を終わらせた。冴松の黒髪は自分の肩より下に長く、大きな巨桃のような白尻に近い長さの先端を乱らせて顔を、のけぞらせて赤い舌を出して目を閉じていた。
ゆっくりと二人の裸身は離れる。ハニキントは録音ブース内の二人に、
「お疲れ様。近くに横長のソファがあるから二人とも座って休むといい。」
冴松の乳房は白くて形が良く、上向きで乳首も上向きの美乳だった。目が細いのが彼女の顔を目立たなくしているが、その裸身は大垂涎ものの形である。

 専務の本池釣次郎は社長の流太郎にスマートフォンを掛けたが、繋がらない。「この電話番号は電波の届かない地球外空間にあります。」という自動音声が流れた。
Az(アーズ)という新しい携帯電話のスマートフォンを釣次郎は使っている。(そうか!社長は又、地球を離れている。そこまで分かるazのスマートフォンは凄い。)と右手で持っている銀色のスマートフォンを見つめる本池釣次郎だ。それなら、いつ帰って来るのか未定の時流太郎社長だ。丹廷臣に依頼が来る件数は鯉の滝登りのように勢いを増しているが電話で本池釣次郎が応じた時に、依頼する主婦から、
「その丹廷臣という探偵以外は、いないのですか?順番待ちで二か月先なんて耐えられなくて待てません。」
と話された。釣次郎は、
「現在は丹廷臣しか弊社には在籍しておりませんが、新たな腕の立つ探偵を所属させる所存です。」
と答えた事も、ある。今日も朝早くから丹廷臣は依頼された調査に会社を出て行った。会社の固定電話は留守番電話に、しておいて本池釣次郎は外出する事にした。
 フレッシュアイランドの春の微風を感じた釣次郎は海を見に行くために歩き続けた。漁師だった自分が海から離れた仕事をしているが、ともかく会社は福岡市第二の人口島に移転している。
フレッシュアイランドの最北端は博多湾に面している。その東側には海の中に細長い突堤が北に伸びていて、灯台が建っている。そこまでは歩いて行けるし、途中の堤防で釣りをする人もいる。そこ以外は憩える場所もなく、海に面した場所は砂浜もない。海水浴には適さない地形だ。それは人口島なので砂浜まで作るユトリは、なかったのだろう。
昼前なので灯台へと続く海の突堤は誰も見えなかった、と最初に一瞥した時の釣次郎の認識は視点を変えると改められて、長い髪の女性が灯台の近くに立っている。突堤から海面までは三メートルは、ある。釣竿を持っているのでもない、その女性は春の服装で海を眺めていた。
釣次郎は、その突堤の海へと伸びる地点へと歩きついた。そこから女性の立っている灯台の方へと歩いて行く釣次郎は、やがて、その女性が若い事に遠くからでも気づいた。釣次郎から、その若い女性までの距離は二十メートルほどに縮まる。そして十五メートル、十メートル、五メートルと近づくと、その若い女性は清楚な美人で独身のような、そうでは、ないような趣きの外見だった。三メートルの距離に近づくと清楚な若い美人は歩いてくる釣次郎に気づき、顔を釣次郎に向けると再び海に顔を向けて、トーンという感じで海に飛び込んだのだ!
釣次郎は慌てて彼女が飛び込んだ地点まで駆け寄ると海面を見る。その若い髪の長い美女は泳げないらしく、浮き上がってきた後に再び海面下に沈む。
釣次郎は(大変だっ。溺れて死にそうだ。)と思うと両手を前に突き出して海に飛び込む。春の海らしく海水は生暖かい。立ち泳ぎをしていた釣次郎は海面に浮かんできた清楚な若い美女を両手で抱きかかえると海面下に彼女が沈まないように抱きとめる。意外にも若い女性は、
「死なせてくださいっ。もう生きていくのも、嫌なんです。」
と抗議するように叫ぶ。
釣次郎は、なだめる様に、
「まだ若いんだし、死ぬには早すぎますよ。それに貴女は美人だから是非とも生きていて欲しいんです。」
と話しかけた。それを聞いた若美女は少し顔を和らげると、
「そう、ですね。ありがとう。わたし少しも泳げないんです。病気がちで体育の水泳の頃になると長い風邪を引いたり、熱が出たりしました。夏に弱い体なんです。だから海に飛び込めば死ねると思って。」
釣次郎は突堤に立ち泳ぎで彼女を抱きかかえて移動しつつ、
「それで飛び込んだんですね。なんにしても自殺は、いけません。」
突堤に泳ぎ着くと、そこは階段が上まで続いていた。釣次郎は彼女を階段の手すりに掴ませると、
「さあ、上がりましょう。又、飛び込んでも僕が追いつきますから。」
と励ますように話しかける。若美女は小微笑すると手すりを使って階段を軽く登って行った。紺色のロングスカートも、びっしょりと濡れていて、それが彼女の丸い大きな尻を浮き上がらせていた。階段の下から続いて登る釣次郎の目に、その若美女の左右に軽く揺れる尻が悩まし気に映った。
突堤に立って待っている若美女の上着も濡れていて、春着なので薄い布地は彼女のブラジャーを浮き立たせるばかりでなく、ピンク色の乳首も浮き出ている様子だった。海中で彼女を抱いていた時には釣次郎には気づかない部位だ。その胸の部分だけでなく紺色のスカートの股間も薄い布地で彼女のパンティに張り付き、パンティラインという形が浮き出ている。若美女は両手を組んで自分の股間に置くと頭を軽く下げて、
「どうも、すみません。やはり生きていた方が、いいみたいですね。あなたの逞しい腕に少し、感じてしまったみたいなの。」
と甘えるように話す。

SF小説・未来の出来事41 試し読み

その一人の人物とは若い尼僧だ。眼の大きな睫毛の長い痩せ型の女性で若美人妻と若い男を見ると微笑みながら深く一礼して、
「ようこそ、おいでくださいました。それでは、これから最初から最後まで、お二人様の交接を拝見いたします。」
と挨拶したのだ。
若い男は大超仰天して、
「見学される、という事ですか?そんな事は初めてだし、なんとも恥ずかしい気もしますよ。」
と右手を自分の後頭部に当てて云う。尼僧は大真面目な顔で、
「これも仏教の修行の一つなので、ございます。男女の性愛の営みを見ても心を動揺させないのが、やがて涅槃へと到る道のりを平坦なものに致します。ですので、この部屋も使用料は無料です。わたしたち尼僧の修行のために当時院で無料開放しております。若奥様は前の部屋も無料でしたが、あれは使用許諾契約書に実印で捺印していただきましたので、無料にて使われました。」
と説明した。
若美人妻は、
「ええ、あの部屋で動画撮影してアダルトビデオとしてネット配信するという事でしたね。」
尼僧は微笑みの頷きで、
「左様で御座います。男性の方は目隠しを入れます。奥様は目隠しを入れなくてもいい、という事でしたので一か月は休憩代は無料となりました。今月は何度でも無料で鏡張りの部屋を御使用くださいませ。」
若い男は少し動揺したが、口を開くと、
「いやあ、驚きました。けど僕もAV男優を仕事にしていましたから普通の男性よりは驚きません。女をイカセル・テクニックは相当磨いています。尼僧の貴女も、いかがですか?ここで。」
瞬時に尼僧は真面目な顔になり、
「それは出来ません。わたくし共は菩薩と天上界で結婚するので現生では独身を貫く所存です。菩薩界で女の菩薩となり、男の菩薩とオマンコを楽しむためですから、今世では人間の男とは交わらないのです。それにワタクシは既に、かなりなカップルの性交を眺めております。ですので今は激しい性交にも心は静かな湖面のように動きません。」
と流水の如くに弁ずる。男は得心顔で、
「わかりました。ではラウンドツーという事で奥さん、対面座位で交わり、尼僧さんに見てもらいましょう。」
二人は服を又、手早く脱ぐとトリプルベッドとでもいうべき広いベッドに入り、ベッドの端に腰かけた男は股間の陽棒をアップさせた。若美人妻は男の首筋に抱きつくと自分から白い両脚を大きく開き、絶世の美尻を男に突き入れた。
尼僧からは若妻の尻とか背中が見えている。それを平然と眺める尼僧。男は動かず激しく動き始めた若美人妻の尻を鷹づかみに掴み、動きを加速させてやる。
だが尼僧の顔色は微微とも変化しない。我が美人妻の柔らかな尻の下に見える男の剛棒はミニバットにも見える。男は尼僧を性的興奮に、いざなうように自分も股間を広げて二つの揺れ動く肉玉二つも見せた。けれど尼僧は平然としているのだ。それで男は、
「尼さん。ぼくも一時は僧侶になっていましたよ。だから菩薩の印も結べます。」
と話すと両手で若美人妻の背中の上で色々な菩薩の印を結んだ。男の両手の指は組まれて様々な形に変化したので、色々な菩薩の印を結んでいる。尼僧は顔色を少し変えたが又、平静になり、
「そういうものでは私は驚きませんわよ。でも、あなたを驚かせてあげましょう。」
と答えると尼僧も指で印を結び、
「愛欲菩薩様、いらして下さいませ。」
と部屋の奥に呼びかけた。刹那、奥のドアが開き高い台の上に座った黄金色の菩薩像が現れた。台の下には移動用滑車が、あるらしく尼僧の前まで素早く移動してくる。
尼僧は目の前に到着した菩薩像に自分の指で結んだ印のまま、
「お待ちしておりました。わたくしもベッドの上の、あの二人のように愛欲菩薩さまと交わりたいのです。」
と話しかける。すると菩薩像は顔を歪めて笑顔になると、
「よろしい。わしは、お前の裸体を見れば即勃起出来る。まずワシのモノを見よ。」
と語ると、印を結んでいた菩薩は印を解き両手で腰から下の衣服を、はだけた。パンツなど履いていない菩薩の股間には立派な長い肉棒が垂れ下がっていた。平時での長さとしても十五センチはありそうだ。生き菩薩なのだろうか。尼僧は自分の指の印を解くと、
「それでは参ります。愛欲菩薩さま。」
すらすらすらーっと流れる水のように尼僧は僧服を外す。ひとえの僧服は下には何もなく尼僧はブラジャーやショーツを身に着けていなかった。彼女の股間は剛毛で覆われ、乳房は瓜のような極美乳、後ろから見るとメガトン尻と形容できる巨美尻である。
尼僧の裸体を見ると菩薩像は股間の逸物を勃起させたので、二十センチの長さになったモノは反りかえり、その亀頭は何人どころか数百人の若い尼僧の愛欲壺に埋没して前後運動を行なっている事が分かるような千錬万磨の名刀だ。尼僧は菩薩像の台の上に裸体で登ると大きく両脚を広げて尻を落としていった。
「ああーん、極楽ですわ。愛欲菩薩様。あっ、あっ、いい。」
と自分で巨美尻を上下させる。
愛欲菩薩の両手は尼僧の乳房を揉み上げるように愛撫した。それを見た印を結んだ男は印を解き、
「ああっ、本物の菩薩様が女と交わっているようだ。」
と若人妻の中に挿入している淫棒を硬く維持したまま恐懼的な表情で尼僧と菩薩の愛交を見た。
彼らの性交は二時間は続いた。愛欲菩薩は尼僧から自分のモノを外した。尼僧は恍惚とした表情で菩薩から離れると、菩薩の座った姿に礼拝を捧げる。菩薩は印を結び台車にあるボタンを押したようだ。再び菩薩を載せた台は奥の部屋の入り口のドアまで移動していき、ドアが開いて中に入った。
 若人妻にハメていた男も射精して終了して美人妻は立ち上がった。尼僧は僧服を着ると、
「あの愛欲菩薩様はサイボーグなのです。仏教による鍛錬と修行に加えて最新医学で今までにはない体を備えておられます。それで射精なしに勃起を止められて、先ほど退室なされました。わたくし共、尼僧も生き菩薩様と交わるのは当時院の庵主様も認めておられまして、そうしないとですね、尼僧同士で絡みあったりして同性愛に走ったりしますので、そうなると仏の教えにも反しますし、ですから、当時院には愛欲菩薩様が滞在しておられます。」
と縷々、述べた。
若い男は服を着る、若美人妻も衣服を身に着けた。男は立って、
「なるほどですよねえ。僕も修行僧の時代に愛欲菩薩様は伝説として話を聞いた事があるのですが、サイボーグだとは知りませんでしたよ。超人的な方だとは知っていましたけど。」
と興奮冷めやらぬ、その興奮は若美人妻の体を抱いたのも含まれるが、顔で感慨を述べた。
若人妻は頬をピンク色に染めたまま、
「この部屋では撮影は、されていないのですね?」
と聞くと尼僧は、
「ええ。撮影は、ここでは行なっていません。わたし共の修行の場ですから。」
との答えだった。
二人は部屋を出て寺院風ラブホテルを出たが本物の尼僧のいる寺院でもあった訳だ。
 二人の乗る軽自動車が寺院風ラブホテルから出て来ると丹廷臣の乗った清掃作業車も発進する。軽自動車は福岡市郊外の寺院の前で停車すると若い男を降ろした。男は自分の髪の毛を掴むと長髪を気剥がした。その後に見える男の頭はツルツルテンの坊主頭だったのだ。男は若美人妻の乗る軽自動車を振り返ることなく寺の山門の中に入って行く。
丹廷臣は清掃作業車の運転席から寺院に入る男と軽自動車の若美人妻を望遠で撮影した。美人妻の軽自動車からは、かなりの距離を置いている。(これで巧くいった。でも、もう少し突っ込んでみれるなあ)と思う丹廷臣だった。スマートフォンで依頼者のメールアドレスに結果報告を送る。

 午後五時過ぎに流太郎の地下の部屋へ訪れた紺色背広の中年男はソファに座り、丹廷臣に嘆きの表情で、
「やはり妻は浮気をしていたという事ですね。電子メールに添付された画像を見ました。探偵さんの報告も写真より画像の方が早いですね。」
と感心する。丹廷臣は活気づき、
「すぐに報酬をネットバンク経由で、お振込みいただき有難うございます。実は更なる詳細報告を、お届けできると思いますが、いかがでしょう?」
と持ちかける。寝取られ中年男は興味を示すと、
「ほ、そうですか。お願いしたいもんですね。金は持っていますから、すぐに支払えますよ。まあね、胸のモヤモヤが消えただけでも健康上でいいからね。それにしても探偵さん、あなたは見かけによらずに凄い腕前だね。その詳細報告も、お願いしますよ。」
と快諾したものだ。
依頼者が出ていくと社長の流太郎は嬉しそうに立ち上がり、丹廷臣に近づくと彼の肩を手で叩いて、
「よく、やったな。これからも頑張ってくれよ。詳細報告もね。」
と激激奨励した。丹廷臣は両手を両膝に置くと、
「期待していて下さい、社長。」
と明るく答えるのだった。

一週間後に若美人妻と例の男は又、あの寺院風のラブホテルに軽自動車で乗りつけて部屋を取る。休憩費が無料となる、あの鏡張りの部屋だ。二人は、その部屋に入る前に六十代の女性が箒や清掃道具を使って、その部屋の外の壁などを掃除しているのを見た。それでも気にならない二人は部屋へ入ろうとすると、その初老清掃女性は二人に気づき、
「あ、ごめんなさい。又、後で掃除に来ますね。」
と箒を片手に持ち、移動しようとする。
若美人妻は若い男と腕を組んだまま、
「あら、いいのよ。わたしたち、気にしませんから。なんなら部屋の中も掃除していても構いませんよ。わたしたちは気にせずセックスしますし、ね?」
と、ね?の言葉の時に腕を組んでいる若い男を見上げる。男は、うなずき、
「そうですよ、おばさん。ぼくらは無料で休憩しますから、あなたも気にせずに掃除を続けてくださいね。」
と話した。
清掃婦は少し、ためらったが、
「それでは御好意に甘えて掃除を続けさせて貰います。」
と答えると又、両手で持った箒を動かし続ける。
二人は腕を組み、腰をピッタリと附着させて部屋に入る。
清掃婦は箒を壁に立てると、
「ふーっ、疲れた。」(でも昼の一時から、御盛んな事。)
それでも手にした雑巾で壁を拭き続ける。
壁が厚くないらしく、やがて男女の性愛の声が聞こえてくる。
清掃婦はニヤニヤして、壁に耳を当てる。が、すぐに耳を離し、
又、掃除を続けた。
そこへ若い尼僧が僧服を着た姿で通りかかると足を止めて、
「あら、新人の勝野さん、頑張っているわね。一般の清掃会社の二倍の時給だから働くのは二分の一の時間で、いいわよ。」
と話しかける。
勝野と呼ばれた掃除婦は壁を拭く手を休めずに、
「あい、わかっています。それだけ二倍働かないと、と思います。」
と尼僧に顔を向けて微笑んだ。若い尼僧は大きな尻を左右に振りつつ歩いて行った。
若い尼僧にも部屋の中の男女の睦み声は聞こえたのだが彼女は平然としていた。恐らく修行を積んだのだろう、愛欲菩薩の像のある部屋で。
 次の日、朝の集まりで僧院長の尼僧は、
「昨日一日で清掃して頂いていた勝野さんが辞めました。又、募集しますけど、次の人が来るまでは皆さんの仕事となります。」
と全員の尼僧に呼びかける。
きのう清掃婦を見て声を掛けた若い尼僧は、
(頑張っていたのになあ、昨日は。やっぱり歳なのかな。六十過ぎに見えたし、腰も少し曲がっていた)
と思い返していた。
昨日、清掃婦の勝野は仕事が終わると僧院ラブホテルを出て近くの林の中に入った。手には大きなバッグを下げている。
人目には全く見えない所に来ると老女の勝野の曲がった腰は、真っすぐに伸び、バッグを地面に置いて両手を自分の顔面に当てると顔を引っ掻くような動作をした。すると老女の顔が剥がれて現れた顔は・・・。丹廷臣だったのだ!
 事務所に帰ると丹廷臣は紺色の背広の依頼者に会った。中年の重役の依頼者は座った姿勢で身を乗り出して丹廷臣に、
「追加の証拠が手に入ったんですね?丹さん。」
と問う。
丹廷臣は背広の上着のポケットから箒の先端のようなものを取り出し、テーブルに置くと、
「この中に奥様と若い男のラブホテル内での模様が収められています。ここに収録したものを別の外付けハードディスクにコピーしました。それが、こちらです。」
と又、ポケットからパソコンに接続できる外付けハードディスクを取り出すとテーブルに置く。丹廷臣は、
「これを、お渡しします。わたくしは既にノートパソコンで確認しております。コンクリートマイクと超強力な赤外線撮影を可能にしたコンクリートカメラとでも云うべき機能により、部屋の外から出も録画、録音が可能な機器を使いました。」
と説明する。
寺院風ラブホテルで清掃婦に化けて這入り込んでいた丹廷臣は依頼者の若美人妻の情事を撮影、録画する事に成功していた。寝取られた重役の男は嘆きつつも外付けハードディスクを手にすると上着のポケットに、しまい込み、
「どうも、ありがとうございました。今夜にでも妻を問い詰めてみます。思い当たる節は実は、あるんです。妻が若い男を見つけ出した事について、ですね。この追加の証拠に対する、お礼は後程させていただきます。今すぐ、の方が、よろしいですか?」
と望遠鏡を覗くような眼で重役の男は丹廷臣を見る。丹廷臣は右手を出して左右に振ると、
「いえ、後程で構いませんよ。収録されたものを御覧になってかららで、宜しいのです。ブルーレイを超えるグリーンレイの動画に収録しております。」
重役は、それを聞くと満足げに、
「グリーンレイを再生できる機器を内蔵したパソコンを自宅にも持っていますから、自宅で見てみます。ありがとう。」
と話すとスラーリと立ち上がった。

 重役の男は自分の邸宅に自家用車の自動運転で帰るとパソコン専用室とでも称したい広い部屋に入る。横長の机に向かうと依頼した探偵の丹廷臣から受け取ったグリーンレイの動画が記録されている外付けハードディスクをパソコンにセットした。
そのパソコンのディスプレイは壁に大きなスクリーンに見える程の大画面でキーボードなどの操作する部分と同じ場所には、ない。
縦横が共に2メートルもの長さがあり、そこには実物大の大きさで人物が映し出される。
外付けハードディスクの内部が、その大画面に映し出された。男はヘッドフォンのようなものを頭に乗せた。実は、これが新しい進化したマウスなのだ。
左右のクリックは頭の中でヘッドフォンに似たものの左右のどちらかを意識すれば、いい。その意識がパソコンの大画面のカーソルを動かすのだ。まだ未開発といえる部分もあり、クリックが意識でしにくい場合はヘッドフォンの右左のドチラかを指で触ればいい。
カーソル自体は意識で動かせる。
そのヘッドフォンは耳まで届かないで、こめかみ、の部分に当てられる。そこから装着している人の意識を読み取れるのだ。ドラッグ・アンド・ドロップも意識で出来る。
重役の男は動画のアイコンをクリックした。そのアイコンには「ラブホテルの部屋」という名称が付けられていた。
妻と若い男は既に全裸結合中だった。
対面座位の姿勢で激しく腰を振る二人。カメラレンズはベッドの上の妻を正面から捉えている。大きな白い妻の乳房は若い男が荒々しく掴み、揉む。それと同時に妻の顔が快楽で歪んだ。夫の自分には見せない淫らといえる極美尻の動きには夫の自分さえ涎が出そうだった。
それも実物大の妻と若い男との結合、座って向き合い性器を結合させている。男は快感を男棒に極めたのか、激しく、のけぞった。その途端に男の長髪が全部、後ろに滑り落ちたのだ。男は丸禿げだった。いや、よく見ると僧侶の剃髪した頭のようだ。妻は尻を振りつつ、
「あなた、もしかして坊さんなのかしら、あんっ。」
と彼女も長い髪を後ろに振り乱し問いかける。男は若美人妻の大きく揺れる淫乳房に吸い付くと離し、
「そうだよ。僧侶って資格を取ると暇が多く出来るから、性感マッサージも、やっているんだ。」
と答えると又、美人妻の淫乳首に吸い付いた。若美人妻の夫は嗚呼然としたのだ。僧侶に抱かれる自分の全裸の妻。なんという事であろうか。それにしても鮮明な映像だ。グリーンレイの動画は妻の乳首まで近くで見るようにハッキリと見えた。そこで映像を止めて、妻のいる居間へと向かう重役の男。
妻は大晦日なので掃除をしている。重役夫は妻の背中に、
「おい、昼代。おまえの浮気映像は撮影されているぞ!」
昼代は雑巾を動かす手を止めて夫を振り向いた。
「なんですの?そんなもの・・・。」
だが否定は出来ない美人妻の昼代だ。昼代は再び夫に背を向けて雑巾がけを始める。
重役夫は妻に駆け寄ると彼女の雑巾を持った右手の手首を握った。雑巾はサヨナラとばかりに床に落下する。夫は妻の手を引き、
「おれの部屋へ来い!」
と美人妻を引き連れた。夫の部屋へ入り、大きなパソコンのディスプレイを見た妻の昼代は驚きの目をして、
「あっ、これは・・・どうして撮影されているの?」
と夫を見上げて聞く。夫の丸雄は妻の右手を握ったまま、
「探偵に頼んだんだ。動画はグリーンレイの動画で今、静止させている。おまえの尻の動きと乳首が、たまらない。でも、どうやって、あの男と知り合ったのだ?」
昼代は観念したような瞳で不敵に、
「ふふ。あなたの開発したアプリを見たの。それを使っている出会い系サイトに入って、自分のアソコをアップロードしたら数秒で相性がいい性器の男性が紹介されたわ。それが僧侶の、あの男性。本当に性器のマッチングがよくて・・・昇天してしまったの・・・。」
と激白した。夫の丸雄は俯くと、
「そうだったのか・・・。確かに、あのアプリケーションは私が開発した。それを使っての情事か・・。」
「ごめんなさい。もう、しません、浮気なんて。」
と話すと頭を下げた妻の昼代は、けなげだった。丸雄は少し気を取り直すと、
「結婚するまで、おまえはオレの秘書だったものな。パソコンの専門学校を出てウチの会社に就職した。」
「ええ、ええ、そうよ、あなた。」
夫の産田丸雄は妻の昼代の手を放して、
「明日か明後日には作られるものも、あるんだ。その時は満足させて、あげられるよ昼代。アプリケーションの開発に夢中で、おまえを半年も抱いていなかった。開発後も疲労が溜まっていて、おれのモノが立たない。申し訳が立たない、ではなくてペニスが立たないという事だ。でも、俺はグリーンレイの動画での、おまえの裸体を見て半立ちになったんだ。ほら、触って御覧。」
と妻の右手を取ると自分の股間に導く。妻の昼代は、
「あっ、半立ちなのね、あなた。」
と嬉しそうだ。
「ミス・パソコン福岡にも選ばれた、おまえだ。あの男は何人目だ?」
「浮気相手としては二人目よ。性器マッチングアプリで探しての二人目。」
夫の半立ちのモノを掴んだまま昼代は答える。産田丸雄は、
「二人目だったんだな。おれは?何人目だ?」
昼代は夫の目を見て、そして夫の股間を見ると、
「あなたが初めてだったわ。大事な所を許したのは。でもキスだけなら30人位かしら。」
と答えて夫の股間のモノを強弱をつけて握り、緩める。たちまち完全勃起に近づく夫の産田丸雄は、
「ああ、気持ちよくなるし血液が股間に来るよ。では30人の男と交際したんだな。交際期間は短かったろうな?」
「そうね。でも1日に5人とキスした事もあるの。」
「5人も!?すごいな、どうやって?」
「それはね、ウフフ。2時間ごとに待ち合わせ場所を変えれば、いいだけよ。おっぱいも服の上から触られたけど、それ以上は触らせなかったわ。」
「キスしながら胸を触られた訳か。」
「そうね。でも服の上からだけ。」
昼代は夫のモノを握った手を亀頭の部分に移動させ、柔らかく握る。たちまち産田丸雄は激しい勃起を起こした。ズコーンと完璧勃起した丸雄は妻を抱き寄せ、
「久しぶりの立ち方だ。昼代。いくぞ。」
「はい、あなた。」
その部屋にはダブルベッドも何故か、ある。全裸になった二人は、夫婦らしい交わりを六時間も続けた・・・。

SF小説・未来の出来事40 試し読み

流太郎は巨人の森影を見上げると、
「あなたは一体、どこの星の人ですか?」
森影は静かに、
「いえ、地球人ですよ。ただね、他の惑星の人々と交流がありますから、好意的に他の惑星の石を貰う事があります。という訳なんです。」
流太郎は成る程、と思った。それにしても地球外生命体と交流があるのはステキだ。自分にも、そういうツテがあれば苦労しないのに。大きな窓の外には広大な庭が見えている。高台なので能古島の下の方も一望できる。白い犬が走っていて、森影を見たらしく三人のいる部屋の近くまで来た。よく見るとロボット犬なのだ。
天井から床まである窓ガラスを開ければ庭に出られるのだが、森影は尻尾を振るロボット犬に、にこやかに、うなずいただけで外に出なかった。ロボット犬は主人の森影の顔を見ると犬小屋の方に走って行った。流太郎は、
「ロボット犬も電気で動くんですね?」
森影は、
「そうですけど充電の必要なし、空中から電気を取り出して充電します。」
流太郎はアッという顔をすると、
「それは凄い、凄すぎますよ。どこのメーカーが、そんなに凄いロボット犬を作っているのですか?」
「それは勿論、地上には存在しないメーカーです。」
流太郎は、それを聞くと考え込み、
「とすると・・・地球外の星のメーカー。という事ですか?」
「いや、地球内のメーカーですよ。」
「地球内!とすれば地底の・・・。」
森影は胸を張り、腰に手をあて、つま先立つようにした。すると!
森影の身長は三メートルにも伸びたのだ!
天然石卸商の尾呂志一之介は微動だに驚かないが、流太郎にしてみると驚き以外の何物でもないのが森影の身長の変化だ。
 森影は流太郎を見下ろして、
「いや、失礼します。だけど我が家では寛ぎたい。これが私の普段の身長なんですよ。地上世界に行く時には、二メートル位に身長は縮めないと、いけないですからね。」
と話し、ニッと唇を微笑に変動させた。森影は床を軽く踏んだ。すると巨大なソファが一つ、それに向かい合う三人は横並びに座れるソファが床面が開いて下から出てきた。
巨大なソファは森影が座り、
「さあ、その横長のソファに座ってください。」
と右手を差し伸べて誘引する。
流太郎と尾呂志は、その横長のソファに並んで腰かけた。森影は満足げに、
「ゆったりと寛いでくださいネ。云い遅れましたけど、僕は森影底男(もりかげ・そこお)と云います。」
と詳しく自己の名前を告げると流太郎に目配せするような視線を送った。流太郎は姿勢を整えて、
「時・流太郎と申します。冴えない合同会社を運営していますけど、隕石に特に興味があります。」
と一気呵成に火星に行くような勢いで話した。森影底男は目を見開くと、
「隕石!私の本来の住む世界には隕石は、ありません。」
と話すから流太郎は肩を落とした。森影は、
「でもネ、能古島にも隕石が落ちたらしくてサ。見に行ったらデッカイものが私の庭に落下していたよ。直径一メートルはあるから抱えて運ぶのに大変だったが、それは、この屋敷内の倉庫に王者のように置いてあるんダ。」
と語尾が特徴的な話しぶりだ。流太郎は肩を戻すと、
「隕石が欲しい人が、いるんです。ぜひ、見たいものですね。」
「ああ、いいともサ。後で行くとして、ちょっと寛ごう。」
 寛ぎの、ひと時が始まる。
三メートルに変身したというより元の姿に戻った森影底男。わたしの本来、住む世界とは一体、何処なのか?リビングルームというか洋間と呼ぶべき広い部屋で居間というような和室ではない部屋のドアが開くと二メートルの背の高さの二十代の女性がコーヒーらしきものを運んできた。二メートルの身長に見合う胸と尻。大きな瞳に長い睫毛、肩までの黒髪の長さ。彼女はコーヒーカップをテーブルに並べつつ、
「森影の家内で御座います。一風、変わったコーヒーを持ってきましたわ。日本では、というより世界でもウチだけしか提供できないものですわよ。」
と明るく話すと部屋を出ていく。森影夫人も、やはり背が巨大だ。その背の高さで白人女性のようではなく、肌の色は白くても日本人的だった。森影底男は、
「さあ、飲みましょう。きっと驚きますよ、時さん。」
確かに驚きの味だった。
苦みが強くて、しかも味わいのあるコーヒー。何処の産地なのだろうか。流太郎は飲み終わると、
「こんなに味のあるコーヒーは初めてです。何処で採れたコーヒー豆を使っているのですか?」
森影は静かに、
「実は、それは地底で採れたコーヒー豆を使っています。」
と説明した。
流太郎は森影夫人がを出ていくのを見て、
「地底のコーヒー豆。地底に太陽が、あるんですね。」
森影は自分用の三倍は大きなコーヒーカップをテーブルに置くと、
「我々が背が高いのも地底の太陽の有難さです。コーヒー豆だって地上の二倍は、ありますよ。」
コーヒーの木は日本では鹿児島の南の方とか沖縄、小笠原諸島くらいでしか育たないのに地底では楽々と育つという。流太郎は、
「それでは地底は熱帯地方みたいな気候ですか?」
森影底男は片方の眉を上げて、
「ん?すべてが、そうではないですけどね。地上にも南極と北極があるように地底にも温度の差は、あります。ここの能古島から地底世界へ降りられるし、登ってもこられるから便利ですよ。」
流太郎は地底産コーヒーを飲み終わると、
「地底の方から掘り進めたんですね、それなら時間もかかったんでしょう。」
と意見すると森影は、
「いや、そうではなくて最初から坑道みたいなものが通っていました。それをアスファルト舗装などして固めは、しましたけど。」
流太郎は更に、
「日本の地下に地底王国がある。という事ですね?」
「うん、いや、王様は居ませんから王国では、ないんです。私達はムー大陸に居たレムリア人の子孫なんですよ。ムー大陸が沈没するのを事前に察知して、超高速船で脱出して近くにあった、日本列島に上陸した。すると・・・・

 そこは縄文人の住んでいる世界だった。三メートルは平均身長のレムリア人を見た縄文人は驚き、
「巨人が海から上がってきたぞ!」「うわ、本当だ!」「おれたち、やられるぞー」「武器を持ってくるんだー。」「そうしよう」「そうするぞー。」
と口々に叫んだ縄文人は竪穴式住居に戻ると石の斧のようなものや長い竹を手に取って次々に現れたレムリア人に立ち向かっていった。
 縄文人の男の中には竪穴式石室に戻ると半裸の妻の体に興奮して急いで若い妻に、のしかかり硬くなった自分の肉器を深く妻の少し開いた、ほらあなに埋め込み合体すると激しく腰を使って二分で達して妻から離れる。大きく白い両脚を広げて快感の余韻に浸って寝そべっている全裸の妻に、
「武器は、どこだったかな?かあちゃん。」
と尋ねると、
「あんた、もう、やめるの?たべものは、いっぱい、あるじゃない。狩りは少し、あとでも、いいでしょ?」
と色っぽく話すと、両脚を大きく開いて魅惑的な入り口を見せつける。旦那は、
「いや、狩りじゃなくて見知らぬ巨人が来たんだ。それで戦わなきゃ、いけなくなった。」
全裸の妻は立ち上がると大きな白い尻を旦那に見せて石室の奥に行くと大きな竹を地面の穴から取り出して、
「はい、これ。隠しておいたのよ。」
と裸体を夫に向けると竹槍みたいなものを右手で差し出す。すぐに近くに来た夫は、それを受け取り、
「あ、ありがとう。これで巨人を倒さないとオレタチは、やられる。そうなったら、おまえと抱き合い、重なれなくなるから。」
妻は蒸気した桃色の顔で瞳を濡らすと、
「もし、あんたが死んだら永遠にできなくなるよ。だから、もう一度、してくれ。立ったままで。」
と両手を広げて立ち足も広げて誘う。夫は槍を投げ捨てると立ったまま自分の肉器を硬直立させて妻の中に入れた。二人は共に腰を振り、今度は三分で達した。石室の外で男の仲間が、
「おーい、じんべい、なにをやってるー。奥さんと、やってるのかー。はやく、来いよー。」
と叫んだ。じんべいと呼ばれた男は急いで腰布を身に着けると、投げ捨てた竹やりを手にして石室を出る。
まだ半分は立っている、じんべいの肉竿は腰布でも隠せないので仲間は、
「ほー、やってたなー、おまえ、奥さんと。」
と好奇に視線で声を掛けた。じんべいは、
「あー、二度してスッキリだ。おまえも、してきたか?」
「いや、おれは家内はウチにいなかったでな。それより巨人だけど。」
「あー、あの巨人は?ざんぺい?」
ざんぺいと呼ばれた浅黒い顔の男は、
「うん、おれたちが向かって行くと逃げていったよ。森の中にね。巨人なのに足が速い。それは奴らの足も長いし、当たり前だな。」
と向こうの方を見て巨人の逃げ出した姿を思い出すように話した。
 ジンベイは竹やりを握る力を緩めると、
「やる気なくなったな。でも、まだ半分立っている。ザンペイ、おまえの奥さんを、おれたちで二人で可愛がるとか、どうだ?」
ザンペイの妻は色白で細身、それでいて胸と尻は大きく顔は、うりざね顔の美人。村の男は、みんなザンペイの妻に欲情を持っている。ザンペイは、あっさりと、
「ああ、いいよ。最近は妻とのアレをやるのは減ったから、うり子は不満なんだ。このまえ石室に帰ると、うり子が裸で座って自分のアソコに自分の指を入れて、あーん、とか声を出していた。それでも、おれのモノは立たなくてね。その前の夜に、うり子と十回も、したんだ。立たなくても不思議じゃ、ないよな?」
「奥さんと十回も?すごいな、おれは一晩、三回が最高だ。今、二回した。だから、おまえの奥さんの、うり子と一回は、できるよ。」
「ああ、相手が変わると、もっとデキルらしいね。さ、行こうか。うり子は又、自分で指入れてるかもな。」
林の中は昼でも薄暗く、ふたりは裸足でザンペイの石室に向かう。竪穴式住居だから地下に部屋があるようなものだ。実際にザンペイの石室は土を掘った地下室なのだ。そんなに広くは、ない。それで入り口の近くに来ると中の声が聞こえてくる事もある。
ジンベイとザンペイは入り口に立つ。斜め下に降りて行くとザンペイの石室だ。二人は斜めに降りていく。すると、
「あああん、すごいいっ、こんなの初めてっ!」
という艶めかしい声が二人の耳に入った。ザンペイとジンベイは急いで下へ降りていく。二人が見たのは巨人に尻を抱え上げられた全裸のザンペイの妻の瓜子が両脚を広げて両脚先を巨人の男の尻に絡ませ、おもいきり大きな彼女の尻を振り黒髪を振り乱して交合している姿だった。それを見た二人はボーッとなり、うり子の気持ちよさそうに乱れている姿を眺めていたが、夫のザンペイはハッとして竹やりを巨人の男の裸の尻に突き刺す。巨人は、のけぞると
「おおお、痛いっ。」
と日本語ではない言葉で叫ぶと、つながっていた瓜子の裸身を外して尻から血を出しながら穴の外へ駆けのぼり、脱象のように逃げていった。背の高くない縄文人の足では巨人を追いかけられなかっただろう。ザンペイは諦め顔で、斜め上にある入り口を見つめながら、
「追いかけても、もし、あいつに立ち向かわれたら、やられるかもしれない。出ていったから、もう、いい。尻を刺してやったから、もう来ないだろう。」
床には妻の瓜子が美しい裸身を乱れた姿で二人に見せていた。ザンペイは下に寝ている妻の瓜子に、
「うり子。気持ちよかったか?」
と聞く。うり子は閉じていた目を長い睫毛の下で開くと、
「あっ、あなた。見ていたの?気持ちよかった。あなたが、いるのも気が付かなかった位に。」
その次に瓜子は夫の横にいるジンベイに気づくと、股間を両脚で閉じて、
「いやん。ジンベイさんも、いたのね。」
と色っぽい恥じらいの顔を見せる。立ち上がろうとする妻の瓜子にザンペイは、
「おい、そのままで、いろよ。おまえ、ジンベイと、やりたくないか?」
寝たままに戻った瓜子は頬を赤くして、
「やりたいわ。隠す事、ないでしょ?あなた。」
納得顔の夫のザンペイはジンベイを見て、
「やってもいい、と妻は言っているから、さあジンベイ。うり子と、してくれ。」
いつもは布で全身を隠している瓜子の姿しか見ていなかったジンベイは自分の股間の肉器が垂直に近い形で立ち上がるのを覚えた。それを寝そべって見ていた美人の瓜子は涎を垂らしそうな顔で両手を差し出すと、
「ジンベイさん、来てーえっ。」
と色っぽい声で甘えるように誘う。ジンベイは自分の腰布を急いで外すと、うり子の上に乗り、太くて長くなった自分の肉器を大きく足を開いた美人の瓜子の股間の中心に埋め込む。
瓜子は快楽に身悶えし、白い大きな乳房を激しく揺らせて夫の前で二度も頂上に昇り詰めた。
 ジンベイも二度、放出した。ザンペイは終わった二人に、
「うり子の子供がジンベイの子供でも大事に育てるからな。おや、あの光った棒は?」
と寝そべった乱れた裸身の瓜子の近くに細長い棒のような水晶が落ちていた。うり子は寝そべった裸身のまま、それを見て、
「あれは、さっきの大男が身に着けていたものだわ。置いて行ったのね、あの光る透明なものを。」
と話す。ジンベイは瓜子から離れた場所で立ち上がり、腰布を身に着けると、
「うーん。珍しい石だなあ。始めて見るよ、この石。」
と細長い形状の水晶を見て感想を言う。ジンベイは、その水晶に近寄り手に持って持ち上げた。そして、
「そんなに重くは、ないな。先は尖っていないから武器じゃない。うり子、これを、おまえの足の間の穴に入れて見るか?」
寝そべった瓜子は白い両足を大きく開き、
「入れてん、あなた。」
と声を出す。ジンベイは細長い水晶の先を妻の瓜子の竪穴に入れる。
ビリビリ、ビリリーンと痺れる感覚が瓜子の膣内で感じられた。
 瓜子は気絶してしまったのでザンペイは慌てて妻の竪穴から細長の推奨を抜き出した。

 普通の水晶ではなく、レムリア人が加工した水晶である。電気を蓄えられる水晶だったのだ。彼らの船も水晶の電気で動いていた。フリーエネルギー充電装置の水晶である。空間には何処にでも電器は存在するというのを発見していたのがテスラという科学者だ。彼は実は金星で生まれたという。幼児の頃に地球に連れてこられた。長じて偉大な科学者になるがエジソン程、有名ではない。
 レムリア人は水晶を使い、電力を発生させていた。彼らの船は水晶で発生した電気で動くのである。それで、その水晶の形は特殊な比率によって加工した外観を持つ。その形になった水晶は電気を蓄えていくのである。
 石室の床には水晶だけでなく巨人の残した衣服も、散らばっている。それを見たジンベイは、
「あの大男。布だけでなく何枚も服を着ていたな。」
と観察した。瓜子も立ち上がると全身を長い布で隠す。そして、
「あの大男は腰の布だけになると、スゴク大きなモノに、なっているのが分かったの。デッカかったわ、アレ。」
と舌なめずりしながら話した。
 巨人たちは村に再び、来なかった。瓜子も襲われたというより、むしろ自分で誘ったのだ。巨人が石室に降りてくる前に、うり子は石室の外で巨人を見たので誘うように中に入れて自分で大きな布を脱ぎ全裸を見せたのだ。巨人は身を屈めて瓜子に接吻した。それから二人の交合は始まった。
 という流れまでは夫のザンペイは知らなかったのである。村の男たちも妻が殺されないのなら、妻と巨人が交合するのは問題ないと村の集まりで意見が一致した。落日の篝火を囲んで男たちは、
「ザンペイの奥さんだけが巨人と合体したそうだ。」
「ほおを。それは、すごい。美人の瓜子さんだものな。」
「あー、おれもヤリタイよ、瓜子と。ザンペイ、いいだろ?」
と聞かれたザンペイは、
「あー、いいよ。十回、夜に瓜子とした次の日は立たないから、おれのモノ。」
一同は感心した声で、おーーーっ、と声を上げる。ひとりの男は、たき火に手を向けて、
「おれも六回はできる。その分をためて、瓜子としてみたい。いいだろ?ザンペイ。」
ザンペイは自分の頭を掻きつつ、
「ああ。おれが十回、夜に瓜子とした次の日に連絡するよ。狩りのない日にね。」
と答えると、村の男の半分は、
「おれも瓜子と。」「おれもヤリタイ。」「ハメたいぜ、瓜子と。」
と十五人の男はザンペイに申し込んだ。ザンペイは照れ臭そうに、
「順番を決めてくれたら、それでいい。」
と快諾した。

 森の中に逃げ込んだレムリア人たちは、洞穴を発見した。それが地下に続いているのに歩いて行くうちに気づいたのだ。やがて彼らは地底の太陽の光を浴びた。清冽な川が流れて熱帯樹林が繁茂している場所もあり、熟した果実は彼らの口の数よりも多い。レムリア人たちは男女ともに船で日本の縄文時代に上陸していた。
彼らは平和を好み、武器を持たなかった。それで簡単なというより原始的な武器を持った縄文人の男たちから逃げたのだ。瓜子と体を交えた巨人も仲間から外れてザンペイの石室の近くに逃げ込んだのであった。
 縄文人の女の味を覚えた巨人の名はジミルという。彼は森の中で裸体のまま、(あの女は誘って、やらせてくれた。この島国の女はスグに、やらせてくれるらしい。レムリアの女より早く、やらせてくれる。ああ、仲間は見つからないし、しょうがない、しばらく、ここに身を潜めていよう。又、誘う女を見つけたらヤレルわけだが、尻を刺されては、かなわない。今度は用心するか)と反省した。
まさかヤッテいる時に尻を刺されるなんて予想していなかった。背後には視線は届かないものだ。それはレムリア人も同じなのである。
 尻を刺されなければハメ放題だ。ジミルは独身のまま脱出の船に乗った。だから周りは夫婦ばかりで、レムリアの既婚女性は身が固い。それにジミルは美男でもなく女にモテないから独身で、あったわけだ。この島の女はスグに、やらせてくれた。しかも美人ときている。背も高くなくて人形のようだ。軽々と美人を抱え上げて尻を抱いてハメていたら美人の旦那らしい男に尻を刺された。
(よし、対策を練ろう!)
レムリアの脱出船は、まだ海岸に停泊したままだ。ジミルは全裸で豪華客船のような祖国の船に一直線で駆け戻った。股間の太い棒を激しく揺らせながら。
 豪華な脱出船に残してきた、ありったけのジミルの財産は残っていた。レムリア人は人のモノを盗んだりしないのだ。財産と言っても、それは金品や宝石ではなく知的財産と言うか科学製品というものだった。それらは小さな手提げ袋に入るもので、中には服のポケットに入れられるものが多い。ジミルは残してきた衣服を身に纏った。この島の今は夏らしい気候に合わせて海水パンツよりもステテコの方が、この島の男の腰布に似ているために、それを履くと上半身は裸で手提げ袋にレムリアの科学の結晶というべき品々を詰めて下船した。一旦、上陸して島の住人である縄文人に追い立てられた後、彼らレムリア人も豪華脱出船に戻り、所持品や衣服を手にして再び日本に上島して森の洞窟から地底に進んだのだ。
 そのうちの一人は独身者のジミルが居ないのに気づき、
「おや?ジミルが、いないぞ?何処だ?ジミルー!!」
と呼びかけたが応答の声は聞こえなかった。周りの人々も、
「ジミルー!」「おーい、ジミルううううっ!」「返事をしろよー!ジミルー!」と、めいめい叫んだが返事は、ない。立ち止まった一同の長老格の人物が、
「今は地上に出るのは危険だ。我々は武器を持たない。ジミルは殺されたのかも知れない。仕方ない。彼の為に我々みんなが死ぬことは避けよう。」
と決断した。一人の青年が、
「長老。地上人に対抗するために我々も武器を持ちましょう!」
と提案すると長老は深く、うなずくと、
「ああ、そうしよう。我々は平和を好む人種だったから武器は持たなかった。アトランティス大陸の奴らは、いくつかの武器を持っていたのだが、ムー大陸に来る前にアトランティス大陸が沈没したからな。よーし、地底人となる我々も武器を持とう。水晶は万能だ。ワシは少し昔に武器を考案していた。アトランティス大陸の人間が武器を持っているという情報がワシのところに来ていたからな。アトランティス大陸に情報収集装置を発射していたのだよ。それは
アトランティスの無人地帯に着地して好感度アンテナでアトランティス人の話す言語を捉えた。我々はアトランティスの言語を習得して解析できるようになった。